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公開番号
2024093950
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-07-09
出願番号
2022210617
出願日
2022-12-27
発明の名称
裁断機およびその冷却方法
出願人
株式会社島精機製作所
代理人
個人
主分類
B26D
7/20 20060101AFI20240702BHJP(切断手工具;切断;切断機)
要約
【課題】裁断に必要な吸引力を発生する吸引排出機構を収納する収納室に、外気で冷却するためにファンを設けなくても、外気で収納室内を冷却可能な、裁断機およびその冷却方法を提供する。
【解決手段】収納室41内の冷却のための外気の導入は、外気を吸込む吸気口43から行われる。収納室41内の空気は、混入ダクト42の接続部42bが設けられる吸引室9の空気に混入させるので、十分に冷却されてから吸引経路を経て吸引排出機構12に吸引させることができる。冷却用のファンは、吸引排出機構12の吸引力を利用することによって、不要となる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
裁断テーブル上に載置される被裁断材を、裁断テーブルの上方から裁断刃で裁断する際に、裁断テーブルの下方に設ける吸引室内へ外気を吸引して保持するために、
吸引室外に設けられる収納室と、
収納室内に収納され、吸引室内の空気を吸引し、吸引した空気を圧縮して外気中に排出する吸引排出機構と
を備える、裁断機において、
収納室内の空気を、吸引室から吸引排出機構までの吸引経路の途中で、または吸引室で、吸引排出機構に吸引される吸引室内の空気に混入させる混入手段と、
収納室に設けられ、外気を吸い込む吸気口と
を含むことを特徴とする裁断機。
続きを表示(約 620 文字)
【請求項2】
前記混入手段は、前記収納室内の空気を、前記吸引室内の空気に、吸引室で混入させる
ことを特徴とする請求項1記載の裁断機。
【請求項3】
前記混入手段は、前記混入を継続または遮断に切替え可能な弁を、
さらに含むことを特徴とする請求項1または2記載の裁断機。
【請求項4】
前記収納室内に設ける温度センサと、
前記吸引室内に設ける圧力センサと、
温度センサおよび圧力センサの検知結果に基づいて、前記弁の切替えを制御する制御器とを、
さらに含むことを特徴とする請求項3記載の裁断機。
【請求項5】
裁断テーブル上に載置される被裁断材を、裁断テーブルの上方から裁断刃で裁断する際に、裁断テーブルの下方に設ける吸引室内へ外気を吸引して保持するために、
吸引室外の収納室に設けられ、吸引室内の空気を吸引し、吸引した空気を圧縮して排出するための吸引排出機構を備える、
裁断機の冷却方法において、
収納室に外気を吸込む吸気口を設けて、
収納室内の空気を、吸引室から吸引排出機構までの吸引経路の途中で、または吸引室で、吸引排出機構に吸引される吸引室内の空気に混入させることで、収納室内の空気の圧力を低下させ、
吸気口から吸込まれる外気で収納室内を冷却する、
ことを特徴とする裁断機の冷却方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、裁断テーブル上に被裁断材を保持するために外気を吸引して排出する、裁断機およびその冷却方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
裁断機では、裁断テーブル上にシート材などの被裁断材を載置し、外気を吸引して保持しながら、裁断刃で被裁断材を裁断している(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の裁断機では、裁断テーブルの下方に吸引室とブロアが設けられ、ブロアで吸引室内の空気を吸引し、外気に排出している。空気を吸引して排出するブロアなどの吸引排出機構は、運転音が大きく、騒音発生源となるおそれがある。騒音対策として、吸引排出機構は、防音処理を施した収納室内に設けられる(たとえば、特許文献2参照)。なお、吸引排出機構は、空気を吸引排出するために空気の圧縮が必要で、圧縮に伴い発熱する。発熱で収納室内の温度が上昇すると、吸引排出機構自体に悪影響が生じる。特許文献2では、吸引排出機構にモータで回転駆動するタービンを使用している。モータや収納室内を冷却する外気を収納室内に吸入するために、モータに内蔵されたファンの排出経路にさらにファンを設けて、収納室内の空気を吸引したモータからの排気を、タービンからの排気を送り出す排気ダクトに合流させて外気に排出している。
【0003】
図3は、従来の裁断機1の概略的な正面構成を示す。この構成の基本的な部分は、特許文献1と同様で、騒音対策も施されている。裁断機1は、裁断テーブル2上に載置される被裁断材3を非通気性シート4aで覆う状態で、裁断ヘッド5に設ける裁断刃6で裁断する。裁断ヘッド5は、図の横方向に移動するビームで支持されて、ビームに沿って紙面に垂直な方向に移動し、両方の移動の組合せで、裁断テーブル2の表面に沿って二次元移動する。裁断テーブル2は、被裁断材3の搬入時と搬出時、コンベア7としても機能する。裁断ヘッド5による裁断は、搬出側から行われ、裁断が行われた被裁断材3は、さらに非通気性シート4bで覆われる。非通気性シート4bは、搬出側に設けられるスタンド4cで支持されるロール4dから引出される端部がビームに接続されている。裁断された被裁断材3は、コンベア7からピックアップテーブル7a上に搬出される。コンベア7の表面は、弾性のある樹脂製のブラシ8を並べて形成し、裁断時の被裁断材3の保持は、吸引室9からの吸引によって行われる。吸引室9の吸引は、吸引室9とは別に設ける吸引排出装置10によって行われる。吸引排出装置10は、ピックアップテーブル7aの下方に設置され、防音対策を施した収納室11内に、吸引排出機構12が収納されている。吸引排出機構12は、吸引ダクト13を介して吸引室9から吸引し、排気ダクト14の上部の排気口14aから外気中に排出する。吸引室9内には、裁断屑なども吸引されるため、ダストボックス9aが設けられ、吸引ダクト13は、フィルタ9bを介してダストボックス9aに接続される。
【0004】
図4は、裁断機1の吸引排出装置10の概略的な平面構成を示す。吸引排出装置10の収納室11内の吸引排出機構12は、モータ20の回転駆動力を、ベルト21を介してブロア22に伝える。収納室内に外気を吸引して、モータ20を冷却するためにファン23が設けられる。また、ブロア22のベアリングは、吸引した空気を排出するために圧縮する際の発熱が伝えられたり、摩擦で発熱したりして故障しやすいので、外気で冷却するためのファン24を設ける。冷却用のファン23,24で吸引された外気は、収納室11内も冷却し、排気口25から排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2009-50954号公報
米国特許公報US5626066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
裁断機1の吸引排出装置10は、裁断に必要な吸引力を発生する吸引排出機構12の収納室11内の冷却用に、外気をファン23,24で吸引する。特許文献2でも、モータに内蔵されたファンからの排気をさらにファンで加圧して排出することで、外気が吸引されてモータおよび収納室内が冷却されるようにしている。しかしながら、冷却用にファンを設けることは、製造コストを上昇させ、ファンを駆動する電力が運転コストも増大させる。
【0007】
本発明の目的は、裁断に必要な吸引力を発生する吸引排出機構を収納する収納室に、外気で冷却するためにファンを設けなくても、外気で収納室内を冷却可能な、裁断機およびその冷却方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、裁断テーブル上に載置される被裁断材を、裁断テーブルの上方から裁断刃で裁断する際に、裁断テーブルの下方に設ける吸引室内へ外気を吸引して保持するために、
吸引室外に設けられる収納室と、
収納室内に収納され、吸引室内の空気を吸引し、吸引した空気を圧縮して外気中に排出する吸引排出機構と
を備える、裁断機において、
収納室内の空気を、吸引室から吸引排出機構までの吸引経路の途中で、または吸引室で、吸引排出機構に吸引される吸引室内の空気に混入させる混入手段と、
収納室に設けられ、外気を吸い込む吸気口と
を含むことを特徴とする裁断機である。
【0009】
また本発明で、前記混入手段は、前記収納室内の空気を、前記吸引室で、室内の空気に混入させる
ことを特徴とする。
【0010】
また本発明で、前記混入手段は、前記混入を継続または遮断に切替え可能な弁を、
さらに含むことを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)
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