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公開番号2024087304
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-01
出願番号2022202057
出願日2022-12-19
発明の名称柱梁接合構造
出願人株式会社竹中工務店
代理人個人
主分類E04B 1/58 20060101AFI20240624BHJP(建築物)
要約【課題】鉄筋コンクリート柱に対して鉄骨梁を接合する柱梁接合部を備えた柱梁接合構造において、鉄骨梁直下の室内空間側の意匠性や機能性の悪化を回避しながら、柱梁接合部の破損時であっても鉄骨梁の落下を防止するための落下防止部を設けることでフェールセーフ機能を付加する。
【解決手段】落下防止部5が、鉄筋コンクリート柱10において柱梁接合部3よりも上方側に位置する柱側連結部分14と鉄骨梁20における梁側連結部分24とを鉄骨梁20の上方側から連結する連結具50と、当該連結具50において柱側連結部分14に対する梁側連結部分24の鉛直方向への変位を阻止しながら柱側連結部分14に対する梁側連結部分24の鉄骨梁20の軸方向への変位を許容する軸方向変位許容部60と、を有して構成されている。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
鉄筋コンクリート柱に対して鉄骨梁を接合する柱梁接合部と、当該柱梁接合部の破損時における前記鉄骨梁の落下を防止する落下防止部とを備えた柱梁接合構造であって、
前記落下防止部が、前記鉄筋コンクリート柱において前記柱梁接合部よりも上方側に位置する柱側連結部分と前記鉄骨梁における梁側連結部分とを前記鉄骨梁の上方側から連結する連結具と、当該連結具において前記柱側連結部分に対する前記梁側連結部分の鉛直方向への変位を阻止しながら前記柱側連結部分に対する前記梁側連結部分の前記鉄骨梁の軸方向への変位を許容する軸方向変位許容部と、を有して構成されている柱梁接合構造。
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
前記連結具が、前記柱側連結部分に固定された柱側連結部材と、前記梁側連結部分に固定された梁側連結部材と、当該柱側連結部材と当該梁側連結部材とを連結ボルトにより接合するボルト接合部と、からなり、
前記ボルト接合部において、前記柱側連結部材と前記梁側連結部材とが、前記鉄骨梁の軸方向に沿って相対変位自在に重ね合わせられた状態で、それら部材を前記鉄骨梁の軸方向の直交方向に貫通する前記連結ボルトにより接合されており、
前記柱側連結部材及び前記梁側連結部材の少なくとも一方側において前記連結ボルトが挿通されるボルト挿通孔が、前記鉄骨梁の軸方向に長尺な長孔に形成されて前記軸方向変位許容部として機能する請求項1に記載の柱梁接合構造。
【請求項3】
前記柱側連結部材が、前記鉄筋コンクリート柱の側面に対してアンカーボルトにより定着されて前記鉄骨梁の幅方向に垂直な平板状の柱側ガセットプレートで構成されており、
前記梁側連結部材が、前記鉄骨梁の上フランジの上面に対して固定されて前記鉄骨梁の幅方向に垂直な平板状の梁側ブラケットで構成されており、
前記柱側ガセットプレートと前記梁側ブラケットとが、前記ボルト接合部において前記鉄骨梁の幅方向に重ね合わされた状態で前記鉄骨梁の幅方向に貫通する前記連結ボルトにより接合されている請求項2に記載の柱梁接合構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄筋コンクリート柱に対して鉄骨梁を接合する柱梁接合部と、当該柱梁接合部の破損時における前記鉄骨梁の落下を防止する落下防止部とを備えた柱梁接合構造に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
鉄筋コンクリート柱に対して鉄骨梁を接合する柱梁接合部を備えた柱梁接合構造では、地震時において鉄骨梁から鉄筋コンクリート柱に過大な軸力が伝達されることで上記柱梁接合部の特にコンクリート部分が破損する可能性がある。よって、このような柱梁接合構造では、柱梁接合部の破損時であっても鉄骨梁の落下を防止するための落下防止部を設けることでフェールセーフ機能を付加することが望まれる(例えば特許文献1を参照)。
特許文献1記載の柱梁接合構造では、落下防止部として、鉄筋コンクリート柱における柱梁接合部の下方側の側面に鉄骨梁の端部が載せられる所謂アゴ部が、鉄骨梁の軸方向に沿って突出形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6685571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の柱梁接合構造では、鉄骨梁の下方側において鉄筋コンクリート柱の側面から突出するアゴ部が上記落下防止部として形成されているので、当該鉄骨梁直下の室内空間では、当該アゴ部が見えることで美観を損ねたり、アゴ部を天井材で隠す場合にはその天井材をアゴ部の下方側に設置する必要があるために天井高を充分に高くとれなかったり、というように、鉄骨梁直下の室内空間側の意匠性や機能性が悪化するという問題が生じる。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、鉄筋コンクリート柱に対して鉄骨梁を接合する柱梁接合部を備えた柱梁接合構造において、鉄骨梁直下の室内空間側の意匠性や機能性の悪化を回避しながら、柱梁接合部の破損時であっても鉄骨梁の落下を防止するための落下防止部を設けることでフェールセーフ機能を付加することできる技術を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1特徴構成は、鉄筋コンクリート柱に対して鉄骨梁を接合する柱梁接合部と、当該柱梁接合部の破損時における前記鉄骨梁の落下を防止する落下防止部とを備えた柱梁接合構造であって、
前記落下防止部が、前記鉄筋コンクリート柱において前記柱梁接合部よりも上方側に位置する柱側連結部分と前記鉄骨梁における梁側連結部分とを前記鉄骨梁の上方側から連結する連結具と、当該連結具において前記柱側連結部分に対する前記梁側連結部分の鉛直方向への変位を阻止しながら前記柱側連結部分に対する前記梁側連結部分の前記鉄骨梁の軸方向への変位を許容する軸方向変位許容部と、を有して構成されている点にある。
【0006】
本構成によれば、柱梁接合部の破損時であっても鉄骨梁の落下を防止するための落下防止部を設けることでフェールセーフ機能を付加することができる。即ち、上記落下防止部は、地震時において鉄骨梁から鉄筋コンクリート柱に過大な軸力が伝達される場合であっても、鉄筋コンクリート柱の柱側連結部分と鉄骨梁の梁側連結部分とを連結する連結具において上記軸方向変位許容部により柱側連結部分に対する梁側連結部分の鉄骨梁の軸方向への変位が許容されることで、その過大な軸力の殆どを柱梁接合部で負担させて、当該軸力が連結具へ伝達されることを抑制し、当該連結具の破損を回避することができる。そして、当該過大な軸力の負担により柱梁接合部が破損した場合であっても、上記連結具において上記軸方向変位許容部により柱側連結部分に対する梁側連結部分の鉛直方向への変位が阻止されることで、破損が回避された連結具により好適に鉄骨梁の落下を防止することができる。
更に、上記落下防止部が有する連結具は、鉄筋コンクリート柱において柱梁接合部よりも上方側に位置する柱側連結部分と、鉄骨梁における梁側連結部分とを、鉄骨梁の上方側から連結するものであるので、鉄骨梁直下の室内空間に対しては適切に隠蔽されて干渉が抑制されたものとなる。よって、鉄骨梁直下の室内空間では、連結具が隠蔽されることにより美観の悪化を抑制でき、更には、天井材を設置する場合であっても当該天井材を鉄骨梁にできるだけ近づけて設置して天井高を充分に高くとることができる。
従って、本発明により、鉄筋コンクリート柱に対して鉄骨梁を接合する柱梁接合部を備えた柱梁接合構造において、鉄骨梁直下の室内空間側の意匠性や機能性の悪化を回避しながら、柱梁接合部の破損時であっても鉄骨梁の落下を防止するための落下防止部を設けることでフェールセーフ機能を付加することできる技術を提供することができる。
【0007】
本発明の第2特徴構成は、前記連結具が、前記柱側連結部分に固定された柱側連結部材と、前記梁側連結部分に固定された梁側連結部材と、当該柱側連結部材と当該梁側連結部材とを連結ボルトにより接合するボルト接合部と、からなり、
前記ボルト接合部において、前記柱側連結部材と前記梁側連結部材とが、前記鉄骨梁の軸方向に沿って相対変位自在に重ね合わせられた状態で、それら部材を前記鉄骨梁の軸方向の直交方向に貫通する前記連結ボルトにより接合されており、
前記柱側連結部材及び前記梁側連結部材の少なくとも一方側において前記連結ボルトが挿通されるボルト挿通孔が、前記鉄骨梁の軸方向に長尺な長孔に形成されて前記軸方向変位許容部として機能する点にある。
【0008】
本構成によれば、上記落下防止部において、鉄筋コンクリート柱の柱側連結部分に固定された柱側連結部材と、鉄骨梁の梁側連結部分に固定された梁側連結部材とを、ボルト接合部にてそれらを貫通する連結ボルトにより接合する形態で、鉄筋コンクリート柱の柱側連結部分と鉄骨梁の梁側連結部分とを連結する連結具を構成することができる。
そして、このような構成を採用する場合には、柱側連結部材と梁側連結部材とを鉄骨梁の軸方向に沿って相対変位自在に重ね合わせた状態で、それらを鉄骨梁の軸方向の直交方向に貫通する連結ボルトにより接合すると共に、その連結ボルトのボルト挿通孔を、柱側連結部材及び梁側連結部材の少なくとも一方側において鉄骨梁の軸方向に長尺な長孔に形成するという簡素で合理的な構成を採用するだけで、当該ボルト挿通孔を上述した軸方向変位許容部として機能させることができる。
【0009】
本発明の第3特徴構成は、前記柱側連結部材が、前記鉄筋コンクリート柱の側面に対してアンカーボルトにより定着されて前記鉄骨梁の幅方向に垂直な平板状の柱側ガセットプレートで構成されており、
前記梁側連結部材が、前記鉄骨梁の上フランジの上面に対して固定されて前記鉄骨梁の幅方向に垂直な平板状の梁側ブラケットで構成されており、
前記柱側ガセットプレートと前記梁側ブラケットとが、前記ボルト接合部において前記鉄骨梁の幅方向に重ね合わされた状態で前記鉄骨梁の幅方向に貫通する前記連結ボルトにより接合されている点にある。
【0010】
本構成によれば、鉄筋コンクリート柱の柱側連結部分に固定された柱側連結部材を、鉄筋コンクリート柱の側面に対してアンカーボルトにより定着されて鉄骨梁の幅方向に垂直な平板状の柱側ガセットプレートで構成することができる。一方、鉄骨梁の梁側連結部分に固定された梁側連結部材を、鉄骨梁の上フランジの上面に対して固定されて鉄骨梁の幅方向に垂直な平板状の梁側ブラケットで構成することができる。これら柱側ガセットプレート及び梁側ブラケットは、共に鉄骨梁の幅方向に垂直な平板状であることから、ボルト接合部において、そのままの状態で鉄骨梁の幅方向に重ね合わせて、鉄骨梁の軸方向に沿って相対変位自在な状態とすることができる。
そして、ボルト接合部において、柱側ガセットプレートと梁側ブラケットとを鉄骨梁の幅方向に貫通する連結ボルトにより接合するにあたり、柱側連結部材及び梁側連結部材の少なくとも一方側の連結ボルトのボルト挿通孔を鉄骨梁の軸方向に長尺な長孔に形成することで、当該ボルト挿通孔を上述した軸方向変位許容部として機能させることができる。
更に、上記柱側ガセットプレートと上記梁側ブラケットとを連結ボルトにより接合してなる連結具において、鉄骨梁の軸方向に沿って長孔に形成されたボルト挿通孔により柱側ガセットプレートに対する梁側ブラケットの鉄骨梁の軸方向への変位が許容されることで、鉄骨梁に生じた過大な軸力が伝達されることが抑制される。よって、柱側ガセットプレートを鉄筋コンクリート柱の側面に対して定着させるためのアンカーボルトを、柱梁接合部において鉄骨梁を鉄筋コンクリート柱の側面に対して定着させるためのアンカーボルトよりも低強度で簡素なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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