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公開番号2024085691
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-27
出願番号2022200355
出願日2022-12-15
発明の名称多孔質ガラス母材製造システム及びガラス母材の製造方法
出願人信越化学工業株式会社
代理人個人
主分類C03B 8/04 20060101AFI20240620BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】シリカ微粒子を生成するための原料として有機シロキサン原料を使用しても製造装置や建屋を危険物対応化する必要がなく且つ安定した原料の供給が可能な多孔質ガラス母材製造システムを提供する。
【解決手段】液体状態の有機シロキサン原料が貯蔵され残空間が不活性ガスで満たされた原料タンクと、原料タンクから有機シロキサン原料を送液する送液ポンプと、送液された有機シロキサン原料を通液する循環配管及び分岐配管と、分岐配管を経た有機シロキサン原料の流量を所定の流量に制御する液体マスフローコントローラと、液体マスフローコントローラの下流に設けられ有機シロキサン原料を気化する気化器と、を備える原料供給装置と、気化器で気化された有機シロキサン原料を燃焼させてシリカ微粒子を生成するバーナーを備え建屋の屋内に設置される多孔質ガラス母材製造装置と、を備え、原料供給装置は建屋の屋外又は別の建屋の屋内に設置される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
液体状態の有機シロキサン原料が貯蔵され、残空間が不活性ガスで満たされた原料タンクと、
前記原料タンクから前記有機シロキサン原料を送液する送液ポンプと、
前記送液ポンプにより送液される前記有機シロキサン原料を通液する循環配管及び分岐配管と、
前記分岐配管を経た前記有機シロキサン原料の流量を所定の流量に制御する液体マスフローコントローラと、
前記液体マスフローコントローラの下流に設けられ、前記有機シロキサン原料を気化する気化器と、
を備える原料供給装置と、
建屋の屋内に設置され、前記気化器で気化された前記有機シロキサン原料を燃焼させてシリカ微粒子を生成するバーナーを備える多孔質ガラス母材製造装置と、
を備え、
前記原料供給装置は、屋外又は前記建屋とは別の建屋の屋内に設置される多孔質ガラス母材製造システム。
続きを表示(約 420 文字)【請求項2】
前記原料タンクと前記送液ポンプとを備える原料液供給部と、前記液体マスフローコントローラと前記気化器とを備える原料気化部とが、別々の建屋に設けられる請求項1に記載の多孔質ガラス母材製造システム。
【請求項3】
前記原料気化部は、1台の前記多孔質ガラス母材製造装置に対して、1組又は複数組設置され、組ごとに別々の建屋に設置される請求項2に記載の多孔質ガラス母材製造システム。
【請求項4】
前記有機シロキサン原料は、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)である請求項1から3のいずれか1項に記載の多孔質ガラス母材製造システム。
【請求項5】
請求項1に記載の多孔質ガラス母材製造システムを用いて多孔質ガラス母材を製造するステップと、
前記多孔質ガラス母材を透明ガラス化してガラス母材を製造するステップと、
を実行するガラス母材の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、原料供給装置と多孔質ガラス母材製造装置とを備える多孔質ガラス母材製造システム及びガラス母材の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、ガラスロッドなどの出発母材にシリカ微粒子(SiO

微粒子)を堆積させてスートを形成する、多孔質ガラス母材の製造方法が知られている。この種の多孔質ガラス母材を脱水し焼結させると、光ファイバなどを製造するためのガラス母材を得ることができる。
【0003】
多孔質ガラス母材は、例えば、VAD法などで製造されたコア母材上に、OVD法などでSiO

微粒子を外付け堆積して製造される。SiO

微粒子を生成するためのケイ素化合物原料としては、四塩化ケイ素(SiCl

)が広く用いられている。
【0004】
SiCl

をバーナーに供給して火炎加水分解することで、次式に基づきSiO

微粒子が生成される。
SiCl

+2H

O→SiO

+4HCl
【0005】
この火炎加水分解では、副生成物として塩酸が生成される。そのため、水分が混入すると金属腐食性を呈するため、製造装置材料や排気温度管理に注意が必要である。排気から塩酸を回収処理する設備を設けることも考えられるが、コスト増を招く。
【0006】
SiO

微粒子を生成するためのケイ素化合物原料として、分子内にCl(クロル)を内包しないハロゲンフリーな有機ケイ素化合物が用いられることもある。一例として、工業規模で利用可能な高純度の有機シロキサンであるオクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)が挙げられる。
【0007】
OMCTSを用いた場合には、次式に基づきSiO

微粒子が生成される。
[SiO(CH

)

]

+16O

→4SiO

+8CO

+12H


ケイ素化合物原料として、OMCTSに代表されるハロゲンフリーな有機シロキサンを用いると、塩酸が排出されないため、製造装置材料や排気の取り扱いの自由度が増す。また、塩酸回収処理設備を設ける必要がなく、コストの抑制が期待できる。
【0008】
加えて、OMCTSは燃焼熱が非常に大きく、燃焼に必要な水素等の可燃性ガスの使用量がSiCl

を使用したときより低減されることが期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特許第6793676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
有機シロキサン原料のOMCTSは、引火点が54℃の可燃性液体であり、消防法の危険物4類第2石油類に該当する。そのため、貯蔵又は取扱量が指定数量を超える施設では、消防法に定める危険物対応を施した施設とする必要がある。
(【0011】以降は省略されています)

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