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公開番号2024101545
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-29
出願番号2023213388
出願日2023-12-18
発明の名称リン酸塩光学ガラスの製造方法
出願人株式会社オハラ
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C03C 3/16 20060101AFI20240722BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】
リン酸塩光学ガラスにおいて熱処理前のガラスの還元色を低減することで生産性を向上させ、ひいては優れた透過率を有する高屈折率の光学ガラスを得ることができるリン酸塩光学ガラスの製造方法を提供する。
【解決手段】TiO2、Nb2O5、WO3およびBi2O3からなる群より選択される少なくとも1種の高屈折率成分を含むガラス原料を、表面が貴金属元素から構成された熔融槽内で加熱して、前記ガラス原料を熔融ガラスにする熔融工程と、前記熔融ガラスを清澄する清澄工程と、前記清澄した熔融ガラスを攪拌する均質化工程と、前記均質化した熔融ガラスを流出させて成形する成形工程とを含み、前記清澄工程、前記均質化工程、および前記成形工程のうち少なくとも一つの工程において、酸化性ガス雰囲気下で前記熔融ガラスの表面に酸化性ガスを接触させる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
TiO

、Nb



、WO

およびBi



からなる群より選択される少なくとも1種の高屈折率成分を含むガラス原料を、表面が貴金属元素から構成された熔融槽内で加熱して、前記ガラス原料を熔融ガラスにする、熔融工程と、
前記熔融ガラスを清澄する、清澄工程と、
前記清澄した熔融ガラスを攪拌する、均質化工程と、
前記均質化した熔融ガラスを流出させて成形する、成形工程と、
を含み、
前記清澄工程、前記均質化工程、および前記成形工程のうち少なくとも一つの工程において、酸化性ガス雰囲気下、前記熔融ガラスの表面に酸化性ガスを接触させる、ことを特徴とする、リン酸塩光学ガラスの製造方法。
続きを表示(約 290 文字)【請求項2】
前記貴金属元素が白金である、請求項1に記載のリン酸塩光学ガラスの製造方法。
【請求項3】
前記熔融工程、清澄工程および均質化工程を、連続したそれぞれ異なる熔融槽内で実施する、請求項1に記載のリン酸塩光学ガラスの製造方法。
【請求項4】
前記清澄工程および前記均質化工程において、各熔融槽内を酸化性ガス雰囲気とし熔融ガラスの表面に酸素を接触させる、請求項3に記載のリン酸塩光学ガラスの製造方法。
【請求項5】
前記酸化性ガスの接触が、酸化性ガスのフロー状態で実施される、請求項1に記載のリン酸塩光学ガラスの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、リン酸塩光学ガラスの製造方法に関し、より詳細には、熱処理前のガラスの還元色を低減できるリン酸塩光学ガラスの製造方法に関する。
に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
光学機器等の高性能化や高機能化に伴い、これら光学機器に使用される光学レンズに対する要求も益々高まっており、具体的にはガラス内部の均質性が高く、透過率が極めて高く、かつ屈折率やアッベ数といった光学特性を満足する光学ガラスが求められている。
【0003】
高屈折率の光学ガラスは、通常、ガラス成分としてTiO

、Nb



、WO

、Bi



等の高屈折率成分を多量に含有している。これらの成分は、ガラスの熔融過程で還元されやすく、還元されたこれらの成分によりガラスが着色するといった問題がある。そのため、光学ガラスにおいて還元色を低減するための種々の技術が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、熔融したガラスに酸化性ガスをバブリングさせることで高屈折率成分の還元を抑制し、熔融工程でガラスの着色を低減することが提案されている。しかしながら、このような技術を用いてリン酸塩光学ガラスを製造すると、熔融槽を構成する貴金属材料が、熔融ガラス中に溶け込む問題が顕著となる。すなわち、光学ガラスのように透過性や均質性が極めて高いガラスを製造する際には、ガラス原料を熔融するために、容器表面が白金等の貴金属材料からなる熔融槽が使用されているところ、貴金属が酸素と反応してPtO

等の貴金属酸化物を生じることがある。このような貴金属酸化物が熔融ガラスに溶け込むと、透過率の低下やフシの発生といったガラスの品質の低下を招き、さらには熔融槽の劣化を早めてしまう。また、高屈折率成分を多量に含むガラスを熔融する際には、酸化性ガスのバブリングにより貴金属材料が酸化されてPt
4+
等の貴金属イオンとして熔融ガラス中に溶け込み、この貴金属イオンも着色の原因となる。
【0005】
上記した問題に対して、酸化性ガスのバブリングに代えて、熔融するとNO

等の酸化性ガスを放出させ得る成分(例えば硝酸ビスマス等)をガラス原料に使用するといった試みもなされている(例えば、特許文献2)。しかしながら、この技術は、ビスマスを主成分として含有する光学ガラスには好適であるものの、リン酸塩光学ガラスに適用した場合に、Bi



成分の含有量が高くなりすぎると、透過率が悪化する傾向がある。
【0006】
得られたガラスを熱処理して還元された高屈折率成分を酸化することで還元色を低減できることも知られている。しかしながら、一般的に、ホウ酸ビスマス光学ガラスに比べてガラス転移温度が高いリン酸塩光学ガラスでは、熱処理温度を高くしたり熱処理時間を長くする必要があるため、生産性や経済性の観点から実用的でない。そのため、例えば特許文献3には、リン酸塩光学ガラスの原料組成においいてTiO

成分とNb



成分との割合を調整することでガラス転移温度を下げて、熱処理温度を低くし熱処理時間を短くできることが提案されている。しかしながら、引用文献3に記載された発明は、熱処理後に透過率が良好なガラスが得られるに留まり、熱処理前のガラスの透過率については検討されていない。また、熱処理を行う前に、フシや脈理等を有する品質の悪いガラスを予め確認することは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2002-12852号公報
特開2011-42556号公報
特開2022-28819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、リン酸塩光学ガラスにおいて熱処理前のガラスの還元色を低減することで生産性を向上させ、ひいては優れた透過率を有する高屈折率の光学ガラスを得ることができるリン酸塩光学ガラスの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、リン酸塩光学ガラスの製造工程において、ガラス原料を熔融した後に続く清澄、均質化および成形のいずれか一つ以上の工程において、熔融したガラスの表面に酸化性ガスを接触させることで、熱処理前のガラスの還元色が低減できるとの知見を得た。本発明は係る知見によるものである。すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
【0010】
[1] TiO

、Nb



、WO

およびBi



からなる群より選択される少なくとも1種の高屈折率成分を含むガラス原料を、表面が貴金属元素から構成された熔融槽内で加熱して、前記ガラス原料を熔融ガラスにする、熔融工程と、
前記熔融ガラスを清澄する、清澄工程と、
前記清澄した熔融ガラスを攪拌する、均質化工程と、
前記均質化した熔融ガラスを流出させて成形する、成形工程と、
を含み、
前記清澄工程、前記均質化工程、および前記成形工程のうち少なくとも一つの工程において、酸化性ガス雰囲気下、前記熔融ガラスの表面に酸化性ガスを接触させる、ことを特徴とする、リン酸塩光学ガラスの製造方法。
[2] 前記貴金属元素が白金である、[1]に記載のリン酸塩光学ガラスの製造方法。
[3] 前記熔融工程、清澄工程および均質化工程を、連続したそれぞれ異なる熔融槽内で実施する、[1]に記載のリン酸塩光学ガラスの製造方法。
[4] 前記清澄工程および前記均質化工程において、各熔融槽内を酸化性ガス雰囲気とし熔融ガラスの表面に酸素を接触させる、[3]に記載のリン酸塩光学ガラスの製造方法。
[5] 前記酸化性ガスの接触が、酸化性ガスのフロー状態で実施される、[1]に記載のリン酸塩光学ガラスの製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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