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公開番号2024085547
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-27
出願番号2022200115
出願日2022-12-15
発明の名称クランクシャフトのオイル潤滑軸受構造
出願人マツダ株式会社
代理人個人,個人
主分類F16C 9/02 20060101AFI20240620BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】クランクシャフトに径方向の高負荷が作用しても安定して摺動抵抗を抑えることが可能なオイル潤滑軸受構造を提供する。
【解決手段】オイル潤滑軸受構造は、クランクシャフト7と、潤滑油を介在してクランクシャフト7を回転自在に支持するすべり軸受9とを備える。すべり軸受9の摺動面Bのうちのクランクジャーナル71(回転軸)に対して下側Z2の部分のうちの最下部B1を含む部分は親油性を有する親油面103で構成され、親油面103以外の部分は撥油性を有する撥油面104で構成されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ピストンが往復動するエンジンの軸受構造として、当該ピストンからコネクティングロッドを介して前記ピストンのストローク方向に平行な所定方向の爆発荷重を受けることにより回転するクランクシャフトと、潤滑油を介在して該クランクシャフトの回転軸を摺動自在かつ回転自在に支持するすべり軸受とを備えたオイル潤滑軸受構造であって、
前記すべり軸受の摺動面のうちの前記回転軸に対して前記所定方向における前側の部分のうちの最前部を含む部分は、親油性を有する親油面で構成され、
前記すべり軸受の摺動面の前記親油面以外の部分は、撥油性を有する撥油面で構成されている、
ことを特徴とするクランクシャフトのオイル潤滑軸受構造。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
前記すべり軸受は、前記回転軸の摺動面のうちの前記所定方向において前側の半分を囲む第1軸受部材と、前記回転軸の摺動面のうちの前記所定方向において後側の半分を囲む第2軸受部材とを備え、
前記すべり軸受の前記摺動面は、前記第1軸受部材における前記回転軸に対向する面と、前記第2軸受部材における前記回転軸に対向する面とによって形成され、
前記親油面は、前記第1軸受部材における前記回転軸に対向する面の全面に形成され、
前記撥油面は、前記第2軸受部材における前記回転軸に対向する面の全面に形成されている、
ことを特徴とする請求項1記載のクランクシャフトのオイル潤滑軸受構造。
【請求項3】
前記エンジンは、所定の気筒配列方向に並んで配置され、前記ピストンがそれぞれ収容された複数の気筒と、前記気筒配列方向において隣接する2つの気筒の間および当該複数の気筒全体の両外側に配置された複数の前記すべり軸受とを備え、
前記複数のすべり軸受のうち、前記複数の気筒内の前記ピストンによって生じる爆発荷重の合成荷重から受ける圧力が他のすべり軸受が受ける圧力よりも相対的に高い高圧すべり軸受では、前記親油面が当該高圧すべり軸受の摺動面のうちの前記回転軸に対して前記所定方向における前側の部分全体に形成され、
前記高圧すべり軸受が受ける圧力よりも低い圧力を受ける低圧すべり軸受では、前記親油面が当該低圧すべり軸受の摺動面のうちの前記回転軸に対して前記所定方向における前側の部分のうちの前記最前部を含む一部に形成されるとともに前側の残りの部分と後側の部分の全体に前記撥油面が形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のクランクシャフトのオイル潤滑軸受構造。
【請求項4】
前記撥油面は、フッ素を含む樹脂被膜で形成されている、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のクランクシャフトのオイル潤滑軸受構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ピストンが往復動するエンジンにおけるクランクシャフトのオイル潤滑軸受構造に関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、回転軸体を回転自在に支持する軸受として、回転軸体の外周面に対向する摺動面を有するすべり軸受であって、回転軸体の外周面とすべり軸受の摺動面との隙間に潤滑油の層を介在させることにより、回転軸体をすべり軸受の摺動面に接触させずにフローティング状態で回転自在に支持する流体軸受が知られている。このような流体軸受では、摺動抵抗を抑える方法ために種々の技術が提案されている。
【0003】
例えば、摺動抵抗を低減する軸受構造の従来技術として、特許文献1には、ピストンが往復動するエンジンにおける回転軸体であるクランクシャフトを潤滑油を介してフローティング状態で支持するオイル潤滑軸受構造が開示されている。この構造は、クランクシャフトの回転軸と、当該回転軸を回転自在に支持するすべり軸受とを有しており、回転軸の摺動面とすべり軸受との摺動面のうちのいずれか一方の面の全体(全周)が油をはじく性質、すなわち撥油性を有する撥油面で形成されている。これにより、対向する2つの摺動面の間には、潤滑油層と、当該潤滑油層と撥油面との間において潤滑油に含まれる空気から分離して形成された空気層との2層が形成される。この潤滑油層および空気層の2層が2つの摺動面間の全体にわたって形成されることにより、空気層が摺動面間で発生するせん断力を抑制し、2つの摺動面の間の摺動抵抗を低減している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-95939号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記の構造では、クランクシャフトに対して径方向に高荷重が入力された際に油膜切れを起こしてクランクシャフトの回転軸とすべり軸受とが直接接触(すなわち、固体接触)して摺動抵抗が増加するおそれがある。
【0006】
すなわち、クランクシャフトの回転軸およびすべり軸受における2つの摺動面の間の潤滑油層の膜厚が薄い場合、ピストンからコンロッドを介してクランクシャフトに伝達する爆発荷重が大きいほど、回転軸の径方向にかかる爆発荷重を受け止める2つの摺動面の潤滑油層の部分では油膜切れが発生し易くなる。上記の爆発荷重は、エンジンが高負荷かつ低回転の運転時にとくに大きくなり、このときは油膜切れがとくに発生しやすくなる。
【0007】
2つの摺動面の間で油膜切れが生じた場合には、クランクシャフトとすべり軸受とが直接的に接して摺動するため、摺動抵抗が増加してクランクシャフトまたはすべり軸受が摩耗するおそれがある。
【0008】
本発明は、前記のような事情に鑑みてなされたものであり、クランクシャフトに径方向の高負荷が作用しても安定して摺動抵抗を抑えることが可能なクランクシャフトのオイル潤滑軸受構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために本発明のクランクシャフトのオイル潤滑軸受構造は、ピストンが往復動するエンジンの軸受構造として、当該ピストンからコネクティングロッドを介して前記ピストンのストローク方向に平行な所定方向の爆発荷重を受けることにより回転するクランクシャフトと、潤滑油を介在して該クランクシャフトの回転軸を摺動自在かつ回転自在に支持するすべり軸受とを備えたオイル潤滑軸受構造であって、前記すべり軸受の摺動面のうちの前記回転軸に対して前記所定方向における前側の部分のうちの最前部を含む部分は、親油性を有する親油面で構成され、前記すべり軸受の摺動面の前記親油面以外の部分は、撥油性を有する撥油面で構成されていることを特徴とする。
【0010】
かかる構成では、エンジンのピストンからクランクシャフトへコネクティングロッドを介してピストンのストローク方向と平行な所定方向に爆発荷重が伝達される。この爆発荷重は、クランクシャフトの回転軸に対して径方向に作用するが、この荷重を最も受ける部分、すなわち、すべり軸受の摺動面のうちの回転軸に対して所定方向における前側の部分のうちの最前部を含む部分が親油性を有する親油面で構成されている。そのため、親油面が潤滑油になじんで油膜厚さを確保して潤滑不良を防ぐことが可能である。それとともに、親油面以外の部分は撥油性を有する撥油面で構成されているので、撥油面が潤滑油をはじいて潤滑油層と空気層の2層構造を形成することにより、空気層が摺動面間で発生するせん断力を抑制し、摺動抵抗を低減することが可能である。その結果、クランクシャフトに径方向の高負荷の爆発荷重が作用しても安定して摺動抵抗を抑えることが可能になる。
(【0011】以降は省略されています)

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