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公開番号2024083811
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-24
出願番号2022197847
出願日2022-12-12
発明の名称ピストン
出願人マツダ株式会社
代理人個人,個人
主分類F02F 3/00 20060101AFI20240617BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】ピストンの軽量化を図るとともに、首振り挙動による振動・騒音の低減を図ることが可能なピストンを提供する。
【解決手段】ピストン5は、ピンボス部5dを有し、当該ピストン本体50の内部に空間部5hが形成されたピストン本体50と、前記空間部5hに移動可能に充填された粉粒体17とを備える。空間部5hは、ピンボス部5dの軸方向から見て、ピストン本体50の幅方向においてピンボス部5dの上方を横切るとともに当該空間部5hの一方の端部から他方の端部へ漸次拡張するような形状に形成されている。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
エンジンのシリンダ内を往復移動するピストンであって、
コネクティングロッドを連結するためのピストンピンが挿入されるピンボスを有し、かつ、当該ピストン本体の内部に空間部が形成されたピストン本体と、
前記空間部の内部に移動可能に充填された粉粒体と、
を備え、
前記ピンボスの軸方向から見て、前記空間部は、前記ピストン本体の幅方向において前記ピンボスの上方を横切るとともに前記幅方向における一方の端部から他方の端部へ漸次拡張するような形状に形成されている、
ことを特徴とするピストン。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
請求項1記載のピストンにおいて、
前記ピンボスの軸方向から見て、前記他方の端部は、前記幅方向において、前記エンジンの圧縮行程において前記コネクティングロッドとクランクシャフトとを連結するクランクピンが存在する側に対応し、
前記一方の端部は、前記幅方向において、当該クランクピンが存在する側の反対側に対応する、
ことを特徴とするピストン。
【請求項3】
請求項2に記載のピストンにおいて、
前記空間部の前記他方の端部は、前記エンジンの排気側に対応し、
前記空間部の前記一方の端部は、前記エンジンの吸気側に対応する、
ことを特徴とするピストン。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のピストンにおいて、
前記ピストン本体は、前記空間部を形成する上面と下面とを有し、
前記上面および下面のうちの少なくとも一つは、前記空間部が前記ピンボスの軸方向から見て、前記ピストン本体の幅方向に対して傾斜している、
ことを特徴とするピストン。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか1項に記載のピストンにおいて、
前記粉粒体の前記充填率は、前記空間部の容積に占める体積割合として、40~60%である、
ことを特徴とするピストン。
【請求項6】
請求項1~3のいずれか1項に記載のピストンにおいて、
前記ピストン本体は、その冠面において燃焼室の下部を形成する凹部を有するとともに当該ピストン本体の内部において前記凹部の近傍にオイル流路が形成されたディーゼルエンジン用のピストンの形状を有する、
ことを特徴とするピストン。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンのシリンダ内で往復移動するピストンに関するものである。
続きを表示(約 1,200 文字)【背景技術】
【0002】
ピストンがシリンダ内を往復動するレシプロエンジンでは、燃費向上と出力確保の観点から、圧縮比を大きくすることに加えて、ピストン内部に空間部を設けてピストンの軽量化によりピストンの慣性重量の低減を図ることが従来から行われている。
【0003】
一方、レシプロエンジンでは、ピストンの往復動の際におけるピンボス(コネクティングロッド(コンロッド)との連結用のピストンピンが挿入されるピンを受ける部分(ボス))を回転中心としたピストンの首振り(ピストンの傾き)の問題がある。
【0004】
ピストンの首振りは、圧縮行程および膨張行程においてとくに顕著に生じる。圧縮行程では、ピスボスの軸方向から見てピストン幅方向において片側に寄ったコンロッドがピストンを押し上げる際にピストンの片側が押し上げられることによりピストンがある方向(例えば時計回りの方向)に傾く。一方、膨張行程では、圧縮行程において押し上げられたピストンの片側が膨張圧によって押し下げられることにより、逆方向(例えば反時計回りの方向)に傾く。これにより、ピストンは圧縮行程および膨張行程の間に大きな首振りが生じる。その後の排気行程および吸気工程においてもピストンの首振りはわずかに繰り返される。
【0005】
とくに、ディーゼルエンジン用のピストンは、冠面の凹部(キャビティ)および冷却用のオイル流路(クーリングチャネル)が設けられることが多いので、ピンボスとピストン頂部の冠面までの高さが、ガソリンエンジン用のピストンよりも高く、ピンボスと質量重心との距離が大きくなりやすいため、ピストンの首振りが大きくなる。
【0006】
このようなピストンに生じる首振りは、機械抵抗の増加(およびそれによる燃費悪化)やエンジンの振動・騒音の増大をもたらす。そのため、起振源となるピストンの首振りを抑制することで振動・騒音を抑制する技術が求められる。
【0007】
なお、特許文献1には、ピストンの振動を抑制可能な減衰構造として、空間部に粒子状充填材を充填することで、ピストンに生じる振動を減衰させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2020-186722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のピストン構造では、ピストンの空間部に粒子状充填材を充填することでピストンに生じる振動を減衰させることはできるが、ピストンの首振り自体を抑制することは難しい。
【0010】
本発明は、前記のような事情に鑑みてなされたものであり、ピストンの軽量化を図るとともに、首振り挙動による振動・騒音の低減を図ることが可能なピストンの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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