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公開番号2024084439
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-25
出願番号2022198714
出願日2022-12-13
発明の名称時計のアフターサービス実施方法
出願人セイコーエプソン株式会社
代理人弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類G04D 7/12 20060101AFI20240618BHJP(時計)
要約【課題】水晶振動子のエージングの影響を低減し、時刻精度を長期間維持できる時計のアフターサービス実施方法の提供。
【解決手段】歩度を複数段階で調整可能な第1スイッチと、第1スイッチで調整可能な歩度の調整範囲を第1範囲から第2範囲へ切り替える第2スイッチと、を備える時計のアフターサービス実施方法であり、時計の歩度を測定する測定工程と、測定した歩度と第1スイッチで設定された調整値とに基づいて、歩度調整が必要であるかと、歩度の調整値が第1範囲内であるかを判定する判定工程と、歩度調整が必要で調整値が第1範囲内と判定した場合に、第1スイッチで調整値を設定する第1設定工程と、歩度調整が必要で調整値が第1範囲では調整できないと判定した場合に、第2スイッチで歩度の調整範囲を第2範囲に切り替え、第1スイッチで調整値を設定する第2設定工程と、を備える。
【選択図】図9
特許請求の範囲【請求項1】
水晶振動子を用いて時刻精度を維持し、歩度を複数段階で調整可能な第1スイッチと、
第1スイッチで調整可能な歩度の調整範囲を第1範囲から第2範囲へ切替可能な第2スイッチと、
を備える時計のアフターサービス実施方法であって、
時計の歩度を測定する工程と、
測定した前記歩度と前記第1スイッチで設定されている調整値とに基づいて、歩度調整が必要であるか否かと、前記歩度を目標範囲に調整する調整値が前記第1範囲内であるか否かと、を判定する判定工程と、
前記判定工程において、歩度調整が必要であり、前記調整値が前記第1範囲内であると判定した場合に、前記第1スイッチを切り替えて前記調整値を設定する第1設定工程と、
前記判定工程において、歩度調整が必要であり、前記調整値が前記第1範囲では調整できないと判定した場合に、前記第2スイッチによって前記歩度の調整範囲を前記第2範囲に切り替え、かつ、前記第1スイッチを切り替えて前記調整値を設定する第2設定工程と、
を備える時計のアフターサービス実施方法。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
請求項1に記載の時計のアフターサービス実施方法において、
前記第1スイッチおよび前記第2スイッチは、時計の裏蓋を外した状態で操作可能に設けられ、
前記第1設定工程および前記第2設定工程は、時計のケースから裏蓋を取り外した状態で、かつ、ムーブメントを前記ケースから取り外すことなく実行される
ことを特徴とする時計のアフターサービス実施方法。
【請求項3】
請求項1に記載の時計のアフターサービス実施方法において、
第2範囲によって調整可能な歩度の調整値は、第1範囲によって調整可能な歩度の調整値に比べて、時計を遅らせる方向の調整値に設定されている
ことを特徴とする時計のアフターサービス実施方法。
【請求項4】
請求項1に記載の時計のアフターサービス実施方法において、
前記第1スイッチは、
複数の論理緩急設定パターンが配置される回路基板と、
前記論理緩急設定パターンと導通可能な導通部を有し、前記回路基板に対して回動することで前記導通部と導通する前記論理緩急設定パターンを選択可能なロータリースイッチと、を備え、
前記第1スイッチの切り替えは、前記ロータリースイッチを回転することで実行される
ことを特徴とする時計のアフターサービス実施方法。
【請求項5】
請求項1に記載の時計のアフターサービス実施方法において、
前記第2スイッチの切り替えは、回路基板に設けられた緩急範囲設定パターンの切断部を切断することで実行される
ことを特徴とする時計のアフターサービス実施方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、時計のアフターサービス実施方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
水晶発振器を有する時計では、個々の水晶振動子のバラツキを調整するため、時計の製造時に、水晶発振器の信号を分周する分周回路の分周比を可変して歩度緩急を行う方法が提案されている。例えば、特許文献1には、回転スイッチで構成される第1の緩急装置と、パターンの切断部によって形成される第2の緩急装置との2種以上の緩急装置を設けている。そして、第1の緩急装置では、3つの端子C1,C2,C3に、2本のバネ性腕を有する緩急スイッチレバーを選択的に接触させることで、バイナリーカウンターの2段目・3段目・4段目(8KHz・4KHz・2KHz)信号を7水準で組合せ、第2の緩急装置では、2つの端子C4、C5をVDD端子に導通した状態に維持したり、導通パターンをプレスやレーザーで切断することで、バイナリーカウンターの5段目・6段目(1KHz・0.5KHz)信号を4水準で組合せている。すなわち、時計の製造時に、第1の緩急装置および第2の緩急装置をそれぞれ設定することで、時計体のケーシングによる歩度変動やアフターサービス上の緩急範囲等を考慮して歩度を調整している。このような緩急装置を備えることで、月差±15秒程度の精度の時計を提供することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特公昭61-11669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
水晶発振回路から出力される基準クロック信号を分周して基準信号を生成し、この基準信号に基づいて時刻を計時する時計において、1年間の時刻の進み遅れの累積値が±20秒程度の時刻精度を表した高精度な時計、いわゆる年差時計が知られている。
年差時計のような高精度な時計において、水晶振動子のエージングの影響を低減し、時刻精度を長期間維持できることが望まれる。前記特許文献1の時計では、水晶振動子のエージングによる歩度変化は考慮されていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の時計のアフターサービス実施方法は、水晶振動子を用いて時刻精度を維持し、歩度を複数段階で調整可能な第1スイッチと、第1スイッチで調整可能な歩度の調整範囲を第1範囲から第2範囲へ切替可能な第2スイッチと、を備える時計のアフターサービス実施方法であって、時計の歩度を測定する工程と、測定した前記歩度と前記第1スイッチで設定されている調整値とに基づいて、歩度調整が必要であるか否かと、前記歩度を目標範囲に調整する調整値が前記第1範囲内であるか否かと、を判定する判定工程と、前記判定工程において、歩度調整が必要であり、前記調整値が前記第1範囲内であると判定した場合に、前記第1スイッチを切り替えて前記調整値を設定する第1設定工程と、前記判定工程において、歩度調整が必要であり、前記調整値が前記第1範囲では調整できないと判定した場合に、前記第2スイッチによって前記歩度の調整範囲を前記第2範囲に切り替え、かつ、前記第1スイッチを切り替えて前記調整値を設定する第2設定工程と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
実施形態の時計を示す正面図である。
実施形態の時計を示す裏面図である。
実施形態の時計の裏蓋を外した状態を示す裏面図である。
実施形態の時計のムーブメントの要部を示す裏面図である。
実施形態のムーブメントの回路基板の要部を示す平面図である。
実施形態の回路基板に設けられるロータリースイッチを示す斜視図である。
実施形態の時計の第1スイッチおよび第2スイッチを示す概略回路図である。
実施形態の時計を示すブロック図である。
歩度調整のアフターサービス実施方法を示すフローチャートである。
変形例の回路基板の要部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本開示のアフターサービス実施方法の対象となる時計1を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態の説明において、平面視とは、文字板3に直交する方向つまり指針軸の軸方向から見た状態を意味し、側面視とは、指針軸に垂直な方向から見た状態を意味する。
図1は時計1を示す正面図であり、図2は時計1を示す裏面図であり、図3は裏蓋8を外した状態の裏面図である。図2および図3の上側が6時側、下側が12時側である。本実施形態の時計1は、時計1の裏面側からパワーリザーブ針5を視認可能なスケルトンタイプの時計である。
時計1は、ユーザーの手首に装着される腕時計であり、円筒状の外装ケース2を備え、外装ケース2の内周側に、文字板3が配置されている。外装ケース2の二つの開口のうち、表面側の開口は、カバーガラスで塞がれており、裏面側の開口は裏蓋8で塞がれている。裏蓋8は、リング状の枠8Aと、枠8Aに取り付けられた裏蓋ガラス8Bとで構成されている。
【0008】
時計1は、外装ケース2内に収容されたムーブメント10と、図1に示す時刻情報を指示する時針4A、分針4B、秒針4Cと、図2に示すぜんまいの巻上げ残量を指示するパワーリザーブ針5とを備えている。文字板3には、カレンダー小窓3Aが設けられており、カレンダー小窓3Aから、日車6が視認可能となっている。
【0009】
図2、3に示す回転錘31には、開口314が形成され、回転錘31の位置によってパワーリザーブ針5が視認できないことが少なくなるように構成されている。
後述する輪列受12の裏面には、扇形の目盛部12Aが設けられている。この目盛部12Aをパワーリザーブ針5が指示することで、ぜんまいの巻上げ残量を表示できる。
【0010】
外装ケース2の側面には、りゅうず7が設けられている。りゅうず7は、時計1の中心に向かって押し込まれた0段位置から1段位置および2段位置に引き出されて移動することができる。
りゅうず7を0段位置で回転すると、後述するように、ムーブメント10に設けた機械的エネルギー源であるぜんまいを巻き上げることができる。ぜんまいの巻上げに連動して、パワーリザーブ針5が移動する。
りゅうず7を1段位置に引いて回転すると、後述する切換機構40によってりゅうず7の回転が伝達される歯車が切り替わり、日車6を移動して日付を合わせることができる。りゅうず7を2段位置に引くと秒針4Cが停止し、2段位置でりゅうず7を回転すると、切換機構40によってりゅうず7の回転が伝達される歯車が切り替わり、時針4A、分針4Bが移動して時刻を合わせることができる。切換機構40の構成や、りゅうず7による日車6や時針4A、分針4Bの修正方法は、従来の機械時計と同様であるため説明を省略する。
(【0011】以降は省略されています)

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