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公開番号2024080752
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-17
出願番号2022193941
出願日2022-12-05
発明の名称竪型炉の操業方法
出願人JFEスチール株式会社
代理人弁理士法人銀座マロニエ特許事務所
主分類C21B 5/00 20060101AFI20240610BHJP(鉄冶金)
要約【課題】竪型炉への原料の供給過程におけるスクリーンにおいて、含有水分の高い原料の使用時にスクリーンが目詰まりすることを防止し、また微粒子が少なくかつ強度の高い塊状の装入原料を歩留まりよく竪型炉に供給することのできる技術を提供する。
【解決手段】湿潤状態の鉱石原料に粉状の水分吸収剤を添加して混合し、混合した状態で篩い分けを行い、湿潤鉱石原料を篩い下粉と、微粉除去後の竪型炉行き原料とに分離し、微粉が除去された竪型炉行き原料である篩い上の鉱石原料を竪型炉に装入する際に、
前記水分吸収剤の膨潤後の粒径を篩い分けに用いる篩いの目開きの1/2以下とする、竪型炉の操業方法である。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
湿潤状態の鉱石原料に粉状の水分吸収剤を添加して混合し、混合した状態で篩い分けを行い、湿潤鉱石原料を篩い下粉と、微粉除去後の竪型炉行き原料とに分離し、微粉が除去された竪型炉行き原料である篩い上の鉱石原料を竪型炉に装入する際に、
前記水分吸収剤の膨潤後の粒径を篩い分けに用いる篩いの目開きの1/2以下とする、竪型炉の操業方法。
続きを表示(約 160 文字)【請求項2】
水分吸収剤として、高分子吸水剤を用いる、請求項1に記載の竪型炉の操業方法。
【請求項3】
ベルトコンベア上の鉱石原料上に水分吸収剤を添加し、前記ベルトコンベアの乗り継ぎ落差における衝撃を利用して前記鉱石原料と前記水分吸収剤とを混合する、請求項1または2に記載の竪型炉の操業方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、製鉄プロセスにおいて、鉄鉱石等の原料を篩い分けし、微粉を事前除去して竪型炉の操業を効率的に行う手法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
高炉を始めとする竪型炉による製鉄プロセスにおいては、炉内の原料充填層内に還元ガスを流通させて原料を還元する必要がある。そのため、効率的かつ低コスト操業を行うためにガスが流通可能な空隙を確保する必要がある。鉄鉱石、コークス、焼結鉱等の竪型炉装入原料は事前に微粉を除去してから竪型炉へ装入することが望ましい。このため、各製鉄所においてはこれらの原料から微粉を除去する篩設備(振動篩い)を設置している。しかし野外であるヤードで保管する原料等は、原料の保管の際、雨天等により水分含有率が高くなると微粉の付着力が高まるため、従来の篩による粉除去は十分ではなかった。特に鉄鉱石は水分との親和性が高く、湿潤時の微粉の除去が非常に困難である。また、原料の水分含有率が高い場合、篩いのスクリーン上に粘土質の原料が付着し目詰まりを発生させる要因となっている。
【0003】
このため水分付着性の高い原料の篩設備においては、たとえば通常目開きが大きいふるいが使用されてきた。たとえば、同じ高炉原料でも、焼結工場から直接送られる焼結鉱は殆ど水分を含まず粉が落下しやすいため、微粉除去のために通常目開き4mm程度の篩が使用されている。一方、ヤードに保管していたため水分を含み粉が付着していることが多い焼結鉱の場合、粉の除去性能を高めるとともに目詰まりを抑制するため目開き5mm程度の篩が使用されている。つまり通常高炉原料としてそのまま使用できる4~5mmの範囲の原料も篩い落とすことになり、歩留まりを低下させる要因となっている。また、目開き5mmの篩いを使用しても依然1mm以下の粉の一部は5mm以上の原料に付着して落下せず、粉除去効率は大幅には向上していない。
【0004】
鉄鉱石のような湿潤状態の原料の粉除去効率を向上させることのできる篩い分け手段としては、伸縮可能な篩網と、これを上下左右に連動させて変形しながら原料を運搬する可動機構を有する特殊スクリーン、例えばジャンピングスクリーン( 登録商標) が知られている。ジャンピングスクリーン( 登録商標) では、ウレタン製の網目に対して引っ張り・ゆるめの繰り返し運動を与える事により原料を跳ね上げ、落下の際の衝撃力で付着粉を分散させる効果が期待できる。また、網目が常に変形する為、湿潤原料を使用しても目詰まりが起こりにくいとされている。
【0005】
篩い分け以外の湿潤状態の原料の付着粉除去方法として、微粉が付着した鉄鉱石をスクリーン式ジェット洗浄機で水洗処理して付着粉を除去する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。洗浄水をスクリーン上で勢い良く噴射するため鉄鉱石付着粉がきれいに洗浄され、付着粉を含んだ洗浄液はスクリーン式脱水機と液体サイクロンによって効
率的に処理が可能であるとされている。
【0006】
また、特許文献2には、湿潤状態の高炉原料に水分吸収剤を添加して混合し、篩い分けを行った篩い上を高炉に装入する高炉の操業方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開平07-113127号公報
特開2009-114516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来技術では、以下のような課題があった。
湿潤時の付着粉が多い高炉原料は目開きの大きな篩い目を有する篩いで分級されてきたが、歩留が大幅に低下するものの依然篩い上に付着粉が混入し、付着粉除去効果は大きくなかった。
【0009】
また、特殊スクリーンを用いた篩い分け法では、湿潤状態の原料の付着粉の分離性能は期待できるものの、スクリーン材質がウレタン等の樹脂材質で構成されており、さらに常に変形・伸縮するため、特に鉄鉱石などの硬質で比重の大きい材料を用いる場合、耐久性に問題がある。スクリーンの耐久性が低いと、スクリーン交換に伴うランニングコストが高額になるばかりでなく、交換のためにラインを止める頻度が高くなり、生産性悪化の大きな要因となる可能性が有る。また、従来製鉄所内で用いられている振動スクリーンとは形式が大きく異なるため、従来のスクリーンを撤去して新たに特殊スクリーンの設備を建設する必要があり、莫大な設備費用が必要になると予測される。従って、特殊スクリーンは製鉄原料用の篩い分け方法としてあまり普及していない。
【0010】
特許文献1に記載のスクリーン式ジェット洗浄機を用いて鉄鉱石を水洗処理する方法では、スクリーン式ジェット洗浄機、スクリーン式脱水機、液体サイクロン等の設備を新たに建設するために巨額の建設コストが必要となる。また特に鉄鉱石微粉を含んだ水処理に際しては、設備の磨耗が激しいためメンテナンスコストが高額になるという問題がある。さらに洗浄後の鉄鉱石に付着した水分による高炉への持ち込み水分が増加し、高炉炉頂温度を低下させ、操業を不安定化する要因となる可能性が有る。
(【0011】以降は省略されています)

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