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公開番号
2024080038
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-06-13
出願番号
2022192869
出願日
2022-12-01
発明の名称
分岐管コネクタ
出願人
株式会社八光
代理人
主分類
A61M
39/04 20060101AFI20240606BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】輸液ラインの中途に組み込み、輸液ラインに雄テーパー部を接続して用いるコネクタにおいて、小口径の規格に対しても安全かつ確実に適用できる分岐管コネクタを提供すること。
【解決手段】分岐管コネクタ10は、輸液ラインの中途に設け上流から下流に流路を形成する主管21と、該主管21に流路を連通して分岐する側管接続部22よりなる分岐管本体20と、前記側管接続部22の外周面に覆着する側管30とで構成され、前記主管21には、該主管21の内壁面底面から側管30方向に立設され主管通路の上流から下流への直線的な流れを阻害する仕切板214を備え、前記側管30は、雄テーパーの挿着により通孔を形成する開口設定部を備える弾性部材よりなる弁部材31と、該弁部材31と前記側管接続部22を介設する側管ハウジング32とを備え、該弁部材31は、円筒キャップ形状に形成され、該側管ハウジング32に冠着される構成とした。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
輸液ラインの中途に設け上流から下流に流路を形成する主管と、該主管に流路を連通して分岐する側管接続部よりなる分岐管本体と、
前記側管接続部の外周面に覆着する側管とよりなる分岐管コネクタにおいて、
前記主管には、該主管の内壁面底面から側管方向に立設され主管通路の上流から下流への直線的な流れを阻害する仕切板を備え、
前記側管は、上面中心部に、雄テーパーの挿着により通孔を形成する開口設定部を有する弾性部材よりなる弁部材と、該弁部材と前記側管接続部を介設する側管ハウジングとを備え、該弁部材は、円筒キャップ形状に形成され、該側管ハウジングに冠着することを特徴とする分岐管コネクタ。
続きを表示(約 460 文字)
【請求項2】
前記弁部材と前記側管ハウジングは二色成形により一体に形成される請求項の分岐管コネクタ。
【請求項3】
前記仕切板の上端部は、前記側管接続部上端面より突出せず、かつ、前記仕切板の上端部と前記側管接続部上端面との距離は1.0mm以内に形成される請求項1の分岐管コネクタ。
【請求項4】
前記仕切板は、前記側管から前記主管への合流部中心より該主管通路の上流側に設けられる請求項1の分岐管コネクタ。
【請求項5】
前記側管から前記主管への合流部にあたる該主管外周の両側面に、該主管軸方向および該側管方向への滑り止め手段を備えた把持部を設ける請求項1の分岐管コネクタ。
【請求項6】
前記把持部の滑り止め手段は、底部側を除く周囲を凸部あるいは段差で囲われて形成される請求項5の分岐管コネクタ。
【請求項7】
前記側管ハウジングの上面の開口部の内径は、3.6mm以上、3.9mm以下に形成される請求項1乃至6のいずれかの分岐管コネクタ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、輸液ラインに設けられる分岐管コネクタに関し、詳しくは、輸液ラインの中途に組み込み、輸液ラインにシリンジ等の雄テーパー部を接続するための分岐管コネクタに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
輸液ラインに別の薬液を混注するさい、注入針や活栓を用いずに、シリンジ等注入器具の雄テーパー部を接続して用いるゴム弾性部材の弁を備えた分岐管コネクタがある。このコネクタは、弁に雄テーパー部を挿入することで弁に設けるスリットなどの開口部が押し広げられ輸液ラインへの流体通路が確保され、テーパー部を抜くことで弁の開口部が元の閉じた状態となり通路が閉塞されるものとなっている。
【0003】
従来このようなコネクタとしては、例えば、特許文献1のような中央部にスリットを有するディスク状の弁部材を、ハウジングの内周面に内方向に突出して設けられた台座上に載置し、該弁部材の上面辺縁部にハウジングと接合したリング部材を設けて、リング部材とハウジングで弁部材の周囲を挟持してなる分岐管コネクタや、前記同様にハウジング内に設ける弁部材の辺縁部をハウジングで上下から挟持してなるコネクタであって、弁部材に設けるスリットを放射状に形成することで、雄テーパー部の外周面とスリットの内面の摩擦抵抗が低減し、ハウジングからの弁部材の脱落が防止され、安定保持できるとした特許文献2のような分岐管コネクタ等々が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2009-011820号公報
WO2014/046271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、医療器具業界では、医療用コネクタの誤接続による医療事故の事例が国内外で報告されている。これは、これまで利便性が優先され、輸液等のすべての用途で同一のコネクタ規格(ルアーテーパーによる接続)が用いられたことに由来することから、用途により、例えば、経腸栄養ラインと輸液ラインに用いるコネクタが物理的に接続できないように基準を改正するなどの安全性を優先した対応がなされている。そして、近年、このコネクタの誤接続を防止するため神経麻酔分野、経腸栄養分野等において国際規格の制定が進められ、段階的な誤接続防止コネクタの導入が決定された。特に、神経麻酔分野においては、既に新規格(ISO80369-6)への切り替えが行われており、新規格に適合する各種コネクタの提供が急務となっている。
【0006】
この神経麻酔分野の新規格は、旧規格のルアーテーパーに比較して小口径のテーパーが採用されており、また、雄コネクタのテーパー部の周囲にはカラーを設けることが必須要件とされることから、この規格に適合する雌側のコネクタにおいても適合する小口径の構造が求められているが、単に、従来構造のコネクタのテーパー嵌合部を小さくしたものでは、強度等の構造面や製造上の問題があり、そのまま適用することが難しい。
【0007】
例えば、従来の特許文献1、2のコネクタは、弁部材をハウジングで保持するのに周面の辺縁部で上下あるいは内外から挟持する構成であり、この構成を新規格のコネクタに採用すると、テーパーのサイズが小さくなることで弁部材とハウジングの接続部も小さくせざるをえないため、製造が難しくなったり、接続部の強度が弱まったりすることが懸念される。
【0008】
そこで本発明は、輸液ラインの中途に組み込み、輸液ラインにシリンジ等の雄テーパー部を接続するのに用いられるコネクタにおいて、新たな小口径の規格に対しても安全かつ確実に適用できる分岐管コネクタを提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の分岐管コネクタは、輸液ラインの中途に設け上流から下流に流路を形成する主管と、該主管に流路を連通して分岐する側管接続部よりなる分岐管本体と、前記側管接続部の外周面に覆着する側管とよりなる分岐管コネクタであって、前記主管には、該主管の内壁面底面から側管方向に立設され主管通路の上流から下流への直線的な流れを阻害する仕切板を備え、前記側管は、上面中心部に、雄テーパーの挿着により通孔を形成する開口設定部を備える弾性部材よりなる弁部材と、該弁部材と前記側管接続部を介設する側管ハウジングとを備え、該弁部材は、円筒キャップ形状に形成され、該側管ハウジングに冠着される。
【0010】
次の各部は、次の通り形成されることが望ましい。
・前記弁部材と前記側管ハウジングは二色成形により一体に形成される。
・前記仕切板の上端部は前記側管接続部上端面より突出せず、かつ、前記仕切板の上端部と前記側管接続部上端面との距離は1.0mm以内に形成される。
・前記仕切板は前記側管から前記主管への合流部中心より主管通路の上流側に設けられる。
・前記側管から前記主管への合流部にあたる主管外周の両側面に、主管軸方向および側管方向への滑り止め手段として、底部側を除く周囲を凸部あるいは段差で囲まれた把持部が形成される。
・前記ハウジングの上面の開口部の内径は、3.6mm以上、3.9mm以下に形成される。
(【0011】以降は省略されています)
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