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公開番号2024079955
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-13
出願番号2022192686
出願日2022-12-01
発明の名称表面改質フッ素樹脂基材
出願人国立大学法人福井大学
代理人個人
主分類C08J 7/12 20060101AFI20240606BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】染料によって直接的に着色することが容易であるとともに、染料による着色性、耐水性および耐擦過性に優れている表面改質フッ素樹脂基材およびその製造方法、ならびに塩基性染料で着色された表面改質フッ素樹脂基材およびその製造方法を提供する。
【解決手段】X線光電子分光法による光電子スペクトルの結合エネルギーが286~291eVである領域に-CF2CHF-基に基づくピークを有することを特徴とする表面改質フッ素樹脂基材、およびフッ素樹脂基材の表面に貴金属を蒸着させ、得られた貴金属蒸着層を有するフッ素樹脂基材を酸洗することによって貴金属蒸着層を除去した後、貴金属蒸着層が除去されたフッ素樹脂基材の表面にフッ素化処理を施すことを特徴とする表面改質フッ素樹脂基材の製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
表面がフッ素で改質されてなるフッ素樹脂基材であって、X線光電子分光法による光電子スペクトルの結合エネルギーが286~291eVである領域に-CF
2
CHF-基に基づくピークを有することを特徴とする表面改質フッ素樹脂基材。
続きを表示(約 330 文字)【請求項2】
請求項1に記載の表面改質フッ素樹脂基材が着色剤によって着色されてなり、前記着色剤が塩基性染料であることを特徴とする着色された表面改質フッ素樹脂基材。
【請求項3】
表面がフッ素で改質されてなるフッ素樹脂基材を製造する方法であって、フッ素樹脂基材の表面に貴金属を蒸着させ、得られた貴金属蒸着層を有するフッ素樹脂基材を酸洗することによって貴金属蒸着層を除去した後、貴金属蒸着層が除去されたフッ素樹脂基材の表面にフッ素化処理を施すことを特徴とする表面改質フッ素樹脂基材の製造方法。
【請求項4】
請求項3で得られた表面改質フッ素樹脂基材を塩基性染料で着色することを特徴とする着色された表面改質フッ素樹脂基材の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、表面改質フッ素樹脂基材に関する。さらに詳しくは、本発明は、フッ素樹脂が本来有している耐熱性および耐薬品性に加え、着色性にも優れていることから、例えば、ガスケット、パッキン、ねじシール用テープなどのシール材、電線・ケーブルの被覆材、電気・電子部品、半導体材料、薬品容器などの理化学機器、装飾材料などの種々の用途に使用することが期待される表面改質フッ素樹脂基材およびその製造方法、ならびに前記表面改質フッ素樹脂基材が塩基性染料で着色されてなる着色された表面改質フッ素樹脂基材およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【0002】
なお、本発明において、表面改質フッ素樹脂基材は、表面が改質されたフッ素樹脂基材を意味する。
【背景技術】
【0003】
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に代表されるフッ素樹脂は、化学的に安定しており、耐熱性および耐薬品性を有することから、化学分野、医療分野などの幅広い分野で用いられている。しかし、フッ素樹脂は、その表面が不活性であることから、塗装、印刷、接着などの処理をフッ素樹脂に施すことが困難である。
【0004】
フッ素樹脂系シートに親水化処理が施されている親水化シートとして、フッ素系樹脂シートの表面が水酸基含有化合物、カルボン酸基含有化合物、スルホン酸基含有化合物、エーテル基含有化合物エポキシ基含有化合物、アミノ基含有化合物などの親水性基を有する化合物で被覆されている親水化シートが提案されている(例えば、特許文献1の請求項1および段落[0046]-[0047]参照)。しかし、前記親水化シートでは、当該親水化シートに使用されているフッ素樹脂系シート自体が親水性を有するものではないことから、当該フッ素樹脂系シート自体を直接的に着色させることができず、親水化シートを作製する際に親水性基を有する化合物をフッ素樹脂系シートに被覆するという煩雑な操作が必要となるのみならず、当該親水性基を有する化合物の被膜が摺擦などによってフッ素樹脂系シートから容易に剥離し、親水化シートの親水性が失われるおそれがある。
【0005】
ポリテトラフルオロエチレン膜(PTFE膜)を親水化させる方法として、(a)多孔質PTFE膜をガスプラズマおよびブロードバンド紫外線(UV)から選択されるエネルギー源に曝露し、前記多孔質PTFE膜に前処理を施すステップと、(b)前記前処理が施された多孔質PTFE膜に処理を施すことによって親水性コーティングを提供するステップと、(c)親水化された多孔質PTFE膜を得るステップとを備える方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、前記PTFE膜を親水化させる方法では、前記親水化シートと同様に、多孔質PTFE膜自体が親水性を有するものではないことから、当該多孔質PTFE膜自体を直接的に着色させることができず、多孔質PTFE膜に親水性コーティングを施すという煩雑な操作が必要となるのみならず、前記親水性コーティングによる被膜が摺擦によって多孔質PTFE膜から剥離し、多孔質PTFE膜の親水性が失われるおそれがある。
【0006】
フッ素樹脂を親水化させる方法として、フッ素樹脂にH
2
Oイオンを照射する方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。しかし、前記方法によってフッ素樹脂を親水化させた場合、当該フッ素樹脂の親水化がフッ素樹脂表面に水酸基(OH基)が吸着していることに基づくため、親水化されたフッ素樹脂の表面に貴金属蒸着層を形成させたとき当該貴金属蒸着層が剥離するおそれがあり、また染料などの着色剤によって十分に着色させることが困難である。
【0007】
また、親水性の表面を有するポリテトラフルオロエチレンを製造する方法として、反応管内にポリテトラフルオロエチレンを入れ、当該反応管内にアルゴンガスとアンモニアと水蒸気とからなる反応ガス混合物を導入し、プラズマを当該ポリテトラフルオロエチレンに照射する方法が提案されている(例えば、非特許文献2参照)。しかし、前記方法によって得られる表面が親水化されたポリテトラフルオロエチレンの親水性は、プラズマの照射によって付与されるものであるため経時とともに短時間で低下することから、親水性を長時間にわたって維持することが困難である。
【0008】
近年においては、1つの製品に対して外径、内径、線形などが少しずつ異なる複数のフッ素樹脂製のOリングなどのシール材が使用されることが多く、それらのシール材同士は、同一の形状を有することから目視による判別が困難であることから、当該シール材の取り間違いを防止するために当該シール材の外観を目視で観察することによって当該シール材同士を容易に判別することができる手段の開発が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
国際公開(WO)第2014/021167号パンフレット
特開2017-77553号公報
【非特許文献】
【0010】
鈴木晴視ら、「H2Oイオン照射によるフッ素樹脂の親水化」、表面科学、公益社団法人日本表面科学会、1997年、第18巻、第7号、p.399-404
ウェンフェン・ハイ (Wenfeng Hai)ら、「気体のアンモニア-水の低温プラズマを用いた超親水性ポリテトラフルオロエチレン表面の調製 (Preparation of a Super Hydrophilic Polytetrafluoroethylene Surface Using a Gaseous Ammonia-Water Low-temperature Plasma)」、ジャーナル・オブ・フォトポリマー・サイエンス・アンド・テクノロジー (J. photopolym. Sci. Technol.)、28巻、3号、2015年、p.479-483
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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