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公開番号2024070872
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-24
出願番号2022181484
出願日2022-11-14
発明の名称鉄鉱石の還元方法
出願人JFEスチール株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C21B 13/00 20060101AFI20240517BHJP(鉄冶金)
要約【課題】CO2を発生させることなく鉄鉱石を還元できる鉄鉱石の還元方法を提供する。
【解決手段】鉄鉱石の還元方法であって、酸素分圧が10-30atm以上10-20atm以下の雰囲気中で、鉄鉱石を600℃より高い温度で加熱して鉄鉱石を還元する。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
酸素分圧が10
-30
atm以上10
-20
atm以下の雰囲気中で、鉄鉱石を600℃より高い温度で加熱して前記鉄鉱石を還元する、鉄鉱石の還元方法。
続きを表示(約 460 文字)【請求項2】
前記鉄鉱石を700℃以上の温度で加熱する、請求項1に記載の鉄鉱石の還元方法。
【請求項3】
前記鉄鉱石の気孔量は0.02cc/g以上である、請求項1又は請求項2に記載の鉄鉱石の還元方法。
【請求項4】
前記鉄鉱石は、水分及び結晶水の少なくとも一方を含有する、請求項1又は請求項2に記載の鉄鉱石の還元方法。
【請求項5】
前記鉄鉱石は、水分及び結晶水の少なくとも一方を含有する、請求項3に記載の鉄鉱石の還元方法。
【請求項6】
前記鉄鉱石の結晶水含有量は2質量%以上である、請求項4に記載の鉄鉱石の還元方法。
【請求項7】
前記鉄鉱石の結晶水含有量は2質量%以上である、請求項5に記載の鉄鉱石の還元方法。
【請求項8】
前記鉄鉱石の水分含有量は4質量%以上である、請求項4に記載の鉄鉱石の還元方法。
【請求項9】
前記鉄鉱石の水分含有量は4質量%以上である、請求項5に記載の鉄鉱石の還元方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、CO

を発生させることなく鉄鉱石を還元する鉄鉱石の還元方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
鉄鉱石の還元により金属鉄を生成する方法で、商業規模で実施されているものは、従来高炉やシャフト炉等が挙げられるが、どの手法も根底は「Fe



+CO→Fe+CO

」の反応に由来しており、CO

が排出されるという課題がある。
【0003】
CO

を発生させることなく、鉄鉱石を還元する技術として、水素を用いた還元が検討されている。この方法ではFe



+H

→Fe+H

Oの反応で鉄が還元されるので副産物は水のみである。しかしながら、水素供給量の観点から国内の全てを水素を用いた還元に置き換えるには課題がある。このため、水素を用いた還元に代わるCO

を排出しない鉄鉱石の還元方法の開発が求められている。
【0004】
水素を用いた還元以外の還元方法として、特許文献1には、固体電解質を用いて酸素分圧を下げ、標準生成自由エネルギーに基づいて還元が進行する温度でアルミナを加熱処理する方法が開示されている。特許文献1によると、上記温度でアルミナを加熱することで酸素を熱解離させて還元し、アルミニウムを生成できるとしている。特許文献2には、標準生成自由エネルギーに基づいてアルミナを炭素還元する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2007/061012号
特開昭52-15409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1、2によれば、アルミナの還元と標準生成自由エネルギーと酸素分圧とは密接に関係しており、当該知見を鉄鉱石の還元に利用できる可能性がある。しかしながら、酸化鉄を低酸素分圧の雰囲気中で還元した例は報告されていない。さらに、製造現場で使用される鉄鉱石には、Al



、SiO

、水分や結晶水等の不純物が含まれており、このような不純物を含む鉄鉱石の熱解離による還元については全く知見がない。本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、その目的はCO

を発生させることなく鉄鉱石を還元できる鉄鉱石の還元方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
[1]酸素分圧が10
-30
atm以上10
-20
atm以下の雰囲気中で、鉄鉱石を600℃より高い温度で加熱して前記鉄鉱石を還元する、鉄鉱石の還元方法。
[2]前記鉄鉱石を700℃以上の温度で加熱する、[1]に記載の鉄鉱石の還元方法。
[3]前記鉄鉱石の気孔量は0.02cc/g以上である、[1]又は[2]に記載の鉄鉱石の還元方法。
[4]前記鉄鉱石は、水分及び結晶水の少なくとも一方を含有する、[1]から[3]のいずれかに記載の鉄鉱石の還元方法。
[5]前記鉄鉱石の結晶水含有量は2質量%以上である、[4]に記載の鉄鉱石の還元方法。
[6]前記鉄鉱石の水分含有量は4質量%以上である、[5]に記載の鉄鉱石の還元方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る鉄鉱石の還元方法の実施により、CO

を発生させることなく鉄鉱石を還元できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、金属酸化物から金属を製造する反応のエリンガム図である。
図2は、図1に示したエリンガム図の2FeO=2Fe+O

から計算される酸素分圧と温度との関係を示すグラフである。
図3は、鉄鉱石の熱解離挙動を確認するのに用いた実験装置の模式図である。
図4は、加熱温度と還元率との関係を示すグラフである。
図5は、酸素分圧ごとに加熱時間と還元率との関係を示すグラフである。
図6は、還元前及び900℃で所定時間加熱後における鉄鉱石の断面画像である。
図7は、鉄鉱石の気孔量と還元率との関係を示すグラフである。
図8は、鉄鉱石の水分及び結晶水と還元率との関係を示すグラフである。
図9は、還元前及び900℃で所定時間加熱後における4質量%の結晶水を含有する鉄鉱石の断面画像である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を本発明の実施形態を通じて説明する。本実施形態に係る鉄鉱石の還元方法では、酸素分圧が10
-30
atm以上10
-20
atm以下の雰囲気中で、600℃より高い温度で鉄鉱石を加熱し、酸化鉄の酸素の熱解離(2FeO→2Fe+O

)を進行させて鉄鉱石を還元する。まず、鉄鉱石を加熱する温度について説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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