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公開番号2024060386
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-02
出願番号2022167719
出願日2022-10-19
発明の名称ヒンジ
出願人株式会社オリジン
代理人弁理士法人愛宕綜合特許事務所
主分類F16C 11/04 20060101AFI20240424BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】第一の部材又は第二の部材を閉位置から引き込み領域を超えて開位置へ充分円滑に旋回開動させることのできる、新規のヒンジを提供すること。
【解決手段】固定のシャフトが挿通される片側部材6及び他側部材8を備える。片側部材は保持手段が有する保持トルクによってシャフトに相対回転可能に接続される。他側部材は第二の部材に接続されると共にシャフトにも接続される。他側部材及びシャフトはピン58と溝56とによって接続される。溝は軸方向に傾斜して周方向に延在する誘導領域60と周方向に直線状に延在する保持領域62とに区画される。片側部材及び他側部材の相互に対向する面には夫々片側係合手段34及び他側係合手段66が配設されており、第一の部材又は第二の部材が閉位置にあるときは片側部材と他側部材とは離隔する。閉位置から旋回開動せしめられると他側部材は片側部材に接近して他側係合手段が片側係合手段に摩擦係合せしめられる。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
閉位置と開位置との間で相対的に旋回可能な第一の部材及び第二の部材を軸支し、第一の部材又は第二の部材が閉位置近傍の角度位置にあるときには第一の部材又は第二の部材を閉位置に引き込むが、第一の部材又は第二の部材が閉位置近傍を超えた角度位置にあるときにはその角度位置を保持するヒンジであって、
第一の部材に固定されて支持軸上を軸方向に延びるシャフトと、前記シャフトが挿通される片側部材及び他側部材とを具備し、前記片側部材及び前記他側部材は軸方向に隣接して配置されており、
前記片側部材は保持手段が有する保持トルクによって前記シャフトに相対回転可能に接続され、
前記他側部材は第二の部材に接続されてこれに対して軸方向への移動は許容されるが周方向への移動は制限されており、
前記他側部材の外周面には挿通された前記シャフトに連通する溝が、前記シャフトの外周面には穴が夫々形成されていて、前記溝においてピンが前記穴に挿通せしめられることで、前記他側部材は前記シャフトにも接続されており、
前記溝は軸方向に傾斜して周方向に延在する誘導領域と、周方向に直線状に延在する保持領域とに区画され、第一の部材又は第二の部材が閉位置から開位置まで旋回開動せしめられると、前記ピンは相対的に前記誘導領域における前記溝の一端から前記保持領域における前記溝の他端まで移動せしめられ、
軸方向に隣接して配置された前記片側部材及び前記他側部材の相互に対向する面には夫々片側係合手段及び他側係合手段が配設されており、
第一の部材又は第二の部材が閉位置にあるときは、前記片側部材と前記他側部材とは離隔し、
第一の部材又は第二の部材が閉位置から旋回開動せしめられると、前記ピンが前記溝の前記誘導領域に位置する間は、前記他側部材は前記シャフトに対し回転しながら前記片側部材に接近し、前記ピンが前記溝の前記誘導領域と前記保持領域との境界に到達したときには、前記他側係合手段が前記片側係合手段に摩擦係合せしめられて前記他側部材は前記片側部材と一体となって回転可能であり、前記ピンが前記溝の前記保持領域に位置する間は、前記他側部材は前記摩擦係合により前記片側部材と一体となって前記保持手段による前記保持トルクに抗して前記シャフトに対して回転せしめられる、ヒンジ。
続きを表示(約 470 文字)【請求項2】
前記片側部材と前記他側部材との間には、両部材間に斥力を常時作用せしめる弾性部材が配設されている、請求項1に記載のヒンジ。
【請求項3】
前記片側係合手段及び前記他側係合手段は共に前記支持軸を軸として軸方向に突出した円筒壁の突出端面に形成された凹凸であり、前記凹凸は周方向に交互に繰り返し多数形成されている、請求項1に記載のヒンジ。
【請求項4】
前記他側部材は第二の部材に固定されるステーを介して第二の部材に接続せしめられ、前記ステーは内側に前記他側部材が隙間嵌合せしめられる中空嵌合部を備えている、請求項1に記載のヒンジ。
【請求項5】
前記溝は180度の角度間隔をおいて2つ形成され、2つの前記溝は前記支持軸を軸とした点対称の位置関係にあり、前記シャフトに形成された前記穴は前記支持軸に対して垂直に貫通しており、単一の前記ピンが前記穴に挿通せしめられると、前記ピンの一方端部が2つの前記溝の一方に、他方端部が2つの前記溝の他方に位置する、請求項1に記載のヒンジ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、閉位置と開位置との間で相対的に旋回可能な第一の部材及び第二の部材を軸支するヒンジ、殊に第一の部材又は第二の部材が閉位置近傍の角度位置にあるときには第一の部材又は第二の部材を閉位置に引き込むが、第一の部材又は第二の部材が閉位置近傍を超えた角度位置にあるときにはその角度位置を保持するヒンジに関する。
続きを表示(約 4,300 文字)【背景技術】
【0002】
閉位置と開位置との間で相対的に旋回可能な第一の部材及び第二の部材を軸支するヒンジとして、トルクリミッタの利用形態の一つでもあるトルクヒンジが従前より知られている。トルクヒンジによって軸支された第一の部材及び第二の部材は所要保持トルクに抗して相対的に旋回せしめられ、かかる旋回が停止せしめられると、閉位置と開位置との間の任意の中間角度位置にあっても上記保持トルクによって角度位置が保持される。上記保持トルクは通常、ばねの如き弾性体が弾性変形した際の復元力によって生成される。下記特許文献1にはトルクヒンジの一例が開示されている。
【0003】
また、下記特許文献2には、上記トルクヒンジに類するヒンジとして、第一の部材又は第二の部材が閉位置近傍の角度位置にあるときには第一の部材又は第二の部材を閉位置に引き込むが、第一の部材又は第二の部材が閉位置近傍を超えた角度位置にあるときにはその角度位置を保持するヒンジが開示されている。かかるヒンジは支持軸上で軸方向に隣接して配置される凹カム7及び凸カム8を備えており、凹カム7は第二の部材に固定される第2ブラケット2に、凸カム8は第一の部材に固定される第1ブラケット1に夫々接続されている。凹カム7及び凸カム8の相互に対向する面には夫々周方向に延在して相互に嵌合可能な凹部7b及び7c並びに凸部8b及び8cが形成されている。第一の部材又は第二の部材が閉位置にあるとき、凸部8b及び8cが凹部7b及び7cに嵌入しており、凹カム7及び凸カム8の軸方向長さは最小となる。そして、第一の部材又は第二の部材が閉位置から旋回開動せしめられると、凸部8b及び8cは凹部7b及び7cに対して周方向に移動する。凹部7b及び7c並びに凸部8b及び8cの周方向両側面は周方向外側に向かって傾斜せしめられているため、凸部8b及び8cが凹部7b及び7cに対して周方向に移動すると、凸部8b及び8cが凹部7b及び7cの周方向側面に乗り上げ、これによって凹カム7及び凸カム8の軸方向長さが延びる。そして、凸部8b及び8cが凹部7b及び7cの周方向側面を乗り越えて凹部7b及び7cから脱出すると、凹カム7及び凸カム8の軸方向長さは最大となる。凸カム8の背面つまり凹カム7とは軸方向反対側には弾性手段4が隣接して配設されており、凹カム7及び凸カム8の軸方向長さが延びると、凸カム8は弾性手段4によって凹カム7に向かって軸方向に押圧される。凹カム7の前方には第2ブラケット2に当接するスペーサー部材5aが配設されており、凸カム8は凹カム7を介してスペーサー部材5aを第2ブラケット2に押圧することとなる。これにより第2ブラケット2には所要抵抗トルクが発生し、かかる抵抗トルクによって第一の部材又は第二の部材は上記中間角度位置にて保持される。一方、凹カム7及び凸カム8の軸方向長さが最小のときは、凸カム8は弾性手段4によって軸方向に押圧されない。このことから、第一の部材又は第二の部材が閉位置近傍にあるときには凸部8b及び8cの側面が凹部7b及び7cの側面に当接し、これら側面はいずれも周方向外側に向かって傾斜せしめられていることから、凸部8b及び8cは凹部7b及び7cの底面に誘導される。かくして第一の部材又は第二の部材は閉位置に引き込まれる。かようなトルクヒンジはディテントトルクヒンジと称されることもある。なお、第一の部材又は第二の部材が閉位置に引き込まれる閉位置近傍の角度領域のことを「引き込み領域」と称す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6866529号公報
特開2015-48906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に開示されたトルクヒンジにあっては、使用者は第一の部材又は第二の部材を閉位置にするためにこれを上記保持トルクに抗して強制的に旋回閉動せしめる。而して、上記特許文献1に開示されたトルクヒンジにあっては、第一の部材又は第二の部材には常時保持トルクが作用しているため、第一の部材又は第二の部材の剛性や弾性体の所謂スプリングバックに起因して、使用者が第一の部材又は第二の部材を閉位置に強制的に旋回閉動せしめても、使用者が旋回閉動せしめた部材から手を離すとその部材は閉位置から反発して幾分旋回開動してしまいこれを閉位置に位置付けることができない。第一の部材及び第二の部材を閉位置に位置せしめるために、閉位置にて第一の部材及び第二の部材を解除可能に係止せしめる係止手段を両部材に夫々配設する場合もあるが、部品点数の増加、使用時の煩雑さ、美観等の観点から好ましくない。
【0006】
上記特許文献2に開示されたヒンジによれば、特許文献1が有する上述した課題を解決することができるが、特許文献2に開示されたヒンジには以下のとおりの課題が存在する。即ち、特許文献2に開示されたヒンジにあっては、同文献の図8に明確に示されているとおり、第一の部材又は第二の部材が旋回開動せしめられて引き込み領域を脱出する際に抵抗トルクがオーバーシュートしてしまうため、引き込み領域前後での官能性が好ましくない。
【0007】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、第一の部材又は第二の部材を閉位置から引き込み領域を超えて開位置へ充分円滑に旋回開動させることのできる、新規のヒンジを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
即ち、本発明によれば、上記主たる技術的課題を解決するヒンジとして、閉位置と開位置との間で相対的に旋回可能な第一の部材及び第二の部材を軸支し、第一の部材又は第二の部材が閉位置近傍の角度位置にあるときには第一の部材又は第二の部材を閉位置に引き込むが、第一の部材又は第二の部材が閉位置近傍を超えた角度位置にあるときにはその角度位置を保持するヒンジであって、
第一の部材に固定されて支持軸上を軸方向に延びるシャフトと、前記シャフトが挿通される片側部材及び他側部材とを具備し、前記片側部材及び前記他側部材は軸方向に隣接して配置されており、
前記片側部材は保持手段が有する保持トルクによって前記シャフトに相対回転可能に接続され、
前記他側部材は第二の部材に接続されてこれに対して軸方向への移動は許容されるが周方向への移動は制限されており、
前記他側部材の外周面には挿通された前記シャフトに連通する溝が、前記シャフトの外周面には穴が夫々形成されていて、前記溝においてピンが前記穴に挿通せしめられることで、前記他側部材は前記シャフトにも接続されており、
前記溝は軸方向に傾斜して周方向に延在する誘導領域と、周方向に直線状に延在する保持領域とに区画され、第一の部材又は第二の部材が閉位置から開位置まで旋回開動せしめられると、前記ピンは相対的に前記誘導領域における前記溝の一端から前記保持領域における前記溝の他端まで移動せしめられ、
軸方向に隣接して配置された前記片側部材及び前記他側部材の相互に対向する面には夫々片側係合手段及び他側係合手段が配設されており、
第一の部材又は第二の部材が閉位置にあるときは、前記片側部材と前記他側部材とは離隔し、
第一の部材又は第二の部材が閉位置から旋回開動せしめられると、前記ピンが前記溝の前記誘導領域に位置する間は、前記他側部材は前記シャフトに対し回転しながら前記片側部材に接近し、前記ピンが前記溝の前記誘導領域と前記保持領域との境界に到達したときには、前記他側係合手段が前記片側係合手段に摩擦係合せしめられて前記他側部材は前記片側部材と一体となって回転可能であり、前記ピンが前記溝の前記保持領域に位置する間は、前記他側部材は前記摩擦係合により前記片側部材と一体となって前記保持手段による前記保持トルクに抗して前記シャフトに対して回転せしめられる、ヒンジが提供される。
【0009】
好ましくは、前記片側部材と前記他側部材との間には、両部材間に斥力を常時作用せしめる弾性部材が配設されている。前記片側係合手段及び前記他側係合手段は共に前記支持軸を軸として軸方向に突出した円筒壁の突出端面に形成された凹凸であり、前記凹凸は周方向に交互に繰り返し多数形成されているのがよい。好適には、前記他側部材は第二の部材に固定されるステーを介して第二の部材に接続せしめられ、前記ステーは内側に前記他側部材が隙間嵌合せしめられる中空嵌合部を備えている。前記溝は180度の角度間隔をおいて2つ形成され、2つの前記溝は前記支持軸を軸とした点対称の位置関係にあり、前記シャフトに形成された前記穴は前記支持軸に対して垂直に貫通しており、単一の前記ピンが前記穴に挿通せしめられると、前記ピンの一方端部が2つの前記溝の一方に、他方端部が2つの前記溝の他方に位置するのが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明のヒンジは支持軸上で軸方向に隣接して配置された片側部材及び他側部材を備えており、片側部材及び他側部材は、軸支される第一の部材及び第二の部材が閉位置にあるときには軸方向に間隔をおいて位置し、第一の部材又は第二の部材が引き込み領域にて閉位置から開位置へ旋回開動せしめられると、他側部材は回転しながら片側部材に接近する。片側部材及び他側部材の相互に対向する面には夫々片側係合手段及び他側係合手段が形成されており、上記接近により片側係合手段が他側係合手段に摩擦係合することで、片側部材及び他側部材は一体となって保持手段による所要保持トルクに抗してシャフトに対して回転を開始する。つまり、本発明のヒンジでは、第一の部材又は第二の部材が閉位置から旋回開動せしめられて引き込み領域を脱出する際に片側係合手段と他側係合手段とはいわば摩擦クラッチのように作用するため、旋回開動する第一の部材又は第二の部材に作用する抵抗トルクはオーバーシュートすることなく漸次増大せしめられる。それ故に、使用者は第一の部材又は第二の部材を閉位置から引き込み領域を超えて開位置へ官能性良く旋回開動させることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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