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公開番号2024059395
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-01
出願番号2022167053
出願日2022-10-18
発明の名称変動パスウェイデータベース生成装置、探索装置、変動パスウェイデータベース生成方法、探索方法、およびプログラム
出願人ソシウム株式会社
代理人個人,個人
主分類G16B 50/30 20190101AFI20240423BHJP(特定の用途分野に特に適合した情報通信技術)
要約【課題】これまでに蓄積されたデータの活用を可能にした変動パスウェイデータベース生成装置及び変動パスウェイデータベース生成方法、探索装置及び探索方法並びにプログラムを提供する。
【解決手段】変動パスウェイデータベース生成装置1は、疾患または化合物に関連づけられた遺伝子の変動データを収めたデータファイルを収集するデータ収集部10と、疾患による遺伝子変動を算出する遺伝子変動算出部21と、遺伝子変動の大きい方から所定割合の遺伝子を亢進遺伝子、小さい方から所定割合の遺伝子を抑制遺伝子として抽出する変動遺伝子抽出22と、予め定められた複数のパスウェイについて、亢進遺伝子または抑制遺伝子を含有する有意確率を求めるパスウェイ解析部23と、複数のパスウェイのそれぞれが亢進遺伝子または抑制遺伝子を含有する有意確率のデータをデータファイル毎に対応付けた変動パスウェイデータベースを記憶する記憶部30と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
仕様の異なる複数のデータベースから、疾患または化合物に関連づけられた遺伝子の変動データを収めたデータファイルを収集するデータ収集部と、
前記データファイルごとに、疾患または化合物に関連づけられた遺伝子の変動データをコントロール群と比較して、疾患または化合物による遺伝子変動を算出する遺伝子変動算出部と、
遺伝子変動の大きい方から所定割合の遺伝子を亢進遺伝子、小さい方から所定割合の遺伝子を抑制遺伝子として抽出する変動遺伝子抽出部と、
予め定められた複数のパスウェイについて、前記亢進遺伝子または前記抑制遺伝子を含有する有意確率を求めるパスウェイ解析部と、
前記複数のパスウェイのそれぞれが前記亢進遺伝子または前記抑制遺伝子を含有する有意確率のデータを前記データファイルごとに対応付けた変動パスウェイデータベースを記憶する記憶部と、
を備える変動パスウェイデータベース生成装置。
続きを表示(約 2,400 文字)【請求項2】
前記データファイルは、前記変動データを取得した条件のデータを含んでおり、
前記遺伝子変動算出部、前記変動遺伝子抽出部、前記パスウェイ解析部は、前記条件ごとに遺伝子の変動データを用いて処理を行い、前記記憶部は、前記条件ごと及び前記ファイルごとに前記変動パスウェイおよびその有意確率のデータを対応付ける請求項1に記載の変動パスウェイデータベース生成装置。
【請求項3】
前記変動遺伝子抽出部は、所定割合を複数設定し、複数の所定割合で前記亢進遺伝子および前記抑制遺伝子を抽出する請求項1に記載の変動パスウェイデータベース生成装置。
【請求項4】
請求項1に記載の変動パスウェイデータベース生成装置にて生成された変動パスウェイデータベースと、
遺伝子を特定するデータを入力する入力部と、
予め定められた複数のパスウェイから前記遺伝子を含有するパスウェイを抽出するパスウェイ抽出部と、
前記変動パスウェイデータベースを探索し、前記抽出されたパスウェイのそれぞれと疾患または化合物の有意確率を求め、前記抽出されたパスウェイと疾患または化合物との結合確率を求める結合確率算出部と、
前記結合確率に基づいて選択した疾患または化合物のデータを出力する出力部と、
を備える探索装置。
【請求項5】
前記結合確率の小さい方から順に所定数の疾患または化合物について結合確率を順位付けして隣接する順位の結合確率の差分値を求め、前記差分値の外れ値検定を行って有意結合確率を推定する有意結合確率推定部を備え、
前記出力部は、前記有意結合確率に基づいて選択した疾患または化合物のデータを出力する請求項4に記載の探索装置。
【請求項6】
変動パスウェイデータベース生成装置によって、疾患または化合物の変動パスウェイデータベースを生成する方法であって、
前記変動パスウェイデータベース生成装置が、仕様の異なる複数のデータベースから、疾患または化合物に関連づけられた遺伝子の変動データを収めたデータファイルを収集するステップと、
前記変動パスウェイデータベース生成装置が、前記データファイルごとに、疾患または化合物に関連づけられた遺伝子の変動データをコントロール群と比較して、疾患または化合物による遺伝子変動を算出するステップと、
前記変動パスウェイデータベース生成装置が、遺伝子変動の大きい方から所定割合の遺伝子を亢進遺伝子、小さい方から所定割合の遺伝子を抑制遺伝子として抽出するステップと、
前記変動パスウェイデータベース生成装置が、予め定められた複数のパスウェイについて、前記亢進遺伝子または前記抑制遺伝子を含有する有意確率を求めるステップと、
前記変動パスウェイデータベース生成装置が、前記複数のパスウェイのそれぞれが前記亢進遺伝子または前記抑制遺伝子を含有する有意確率のデータを前記データファイルごとに対応付けた変動パスウェイデータベースを記憶部に記憶させるステップと、
を備える変動パスウェイデータベース生成方法。
【請求項7】
探索装置によって遺伝子に対応する疾患または化合物を探索する方法であって、
前記探索装置が、遺伝子を特定するデータを入力するステップと、
前記探索装置が、予め定められた複数のパスウェイから前記遺伝子を含有するパスウェイを抽出するステップと、
前記探索装置が、請求項6に記載の変動パスウェイデータベース生成方法にて生成された変動パスウェイデータベースを探索し、前記抽出されたパスウェイのそれぞれと疾患または化合物の有意確率を求め、前記抽出されたパスウェイと疾患または化合物との結合確率を求めるステップと、
前記探索装置が、前記結合確率に基づいて選択した疾患または化合物のデータを出力するステップと、
を備える探索方法。
【請求項8】
疾患または化合物の変動パスウェイデータベースを生成するためのプログラムであって、コンピュータに、
仕様の異なる複数のデータベースから、疾患または化合物に関連づけられた遺伝子の変動データを収めたデータファイルを収集するステップと、
前記データファイルごとに、疾患または化合物に関連づけられた遺伝子の変動データをコントロール群と比較して、疾患または化合物による遺伝子変動を算出するステップと、
遺伝子変動の大きい方から所定割合の遺伝子を亢進遺伝子、小さい方から所定割合の遺伝子を抑制遺伝子として抽出するステップと、
予め定められた複数のパスウェイについて、前記亢進遺伝子または前記抑制遺伝子を含有する有意確率を求めるステップと、
前記複数のパスウェイのそれぞれが前記亢進遺伝子または前記抑制遺伝子を含有する有意確率のデータを前記データファイルごとに対応付けた変動パスウェイデータベースを記憶部に記憶させるステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項9】
遺伝子に対応する疾患または化合物を探索するためのプログラムであって、コンピュータに、
遺伝子を特定するデータを入力するステップと、
予め定められた複数のパスウェイから前記遺伝子を含有するパスウェイを抽出するステップと、
請求項8に記載のプログラムをコンピュータにより実行して生成された変動パスウェイデータベースを探索し、前記抽出されたパスウェイのそれぞれと疾患または化合物の有意確率を求め、前記抽出されたパスウェイと疾患または化合物との結合確率を求めるステップと、
前記結合確率に基づいて選択した疾患または化合物のデータを出力するステップと、
を実行させるプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、遺伝子の変動データと疾患または化合物との関連を示す知識情報を有効活用する技術に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
標的分子/化合物ペアの探索を基礎にする創薬アプローチと異なる、変動遺伝子群を基礎にするアプローチは、Broad InstituteとPfizerとの共同研究による「Connectivity Map」(非特許文献1)に始まる。この論文で、疾患の遺伝子発現とその疾患に薬効を示す化合物の関係性が発見・例証された。すなわち、疾患特異的遺伝子群で亢進する遺伝子群は、薬効を示す化合物の投与前後では抑制され、逆に疾患において抑制される遺伝子群は、化合物投与において亢進する、という「逆パターン」を示す。この関係を利用し、例えば、ある疾患の特異的変動遺伝子群の推定によって、化合物変動遺伝子データセットを準備すれば、当該疾患に薬効を示す化合物が推定できる。また、ある化合物の特異的変動遺伝子群の推定によって、疾患変動遺伝子データセットを準備すれば、その化合物が適応可能な疾患を推定できる。
【0003】
「Connectivity Map」では、多数の化合物投与前後の遺伝子変動データセットに対して、疾患遺伝子発現をqueryにして「逆パターン」を示す化合物を探索するために、全遺伝子の発現量に対して特異的遺伝子群の発現量分布の偏りを指標にして探索するアルゴリズムも搭載されいる(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Justin Lamb他「The Connectivity Map: Using Gene-Expression Signatures to Connect Small Molecules, Genes, and Disease」SCIENCE 29 Sep 2006 Vol 313, Issue 5795 pp. 1929-1935
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、生物機能を連動して発揮する分子群が「パスウェイ」と名付けられ、多数のパスウェイデータベースが構築されている。
【0006】
本発明では、従来の変動遺伝子群の代わりに、これら集積された知識であるパスウェイ情報を利活用する。機能が多様な遺伝子の集団である変動遺伝子群に比べ、明確な生物機能が定義されているパスウェイの変動を利用することで、疾患要因や化合物MoA(mechanism of action 作用機序)を直接的且つ簡潔に推定することが可能になる。例えば、ある化合物に関して推定された責任遺伝子名を入力し、その遺伝子を含有するパスウェイを自動的に選別し、そのパスウェイを利用して、疾患データに基づいて予め作成された疾患変動パスウェイデータセットを参照し、当該パスウェイが亢進または抑制されている疾患名を出力する。
【0007】
ここで、これまでに集積されたパスウェイ情報を利用するに際しての一つの課題は、現在までに蓄積された分子生物学の大量な知識と疾患及び薬剤変動計測データは、データの仕様が異なることである。
【0008】
本発明は、上記背景に鑑み、これまでに蓄積されたデータの活用を可能にした変動パスウェイデータベース生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の変動パスウェイデータベース生成装置は、仕様の異なる複数のデータベースから、疾患または化合物に関連づけられた遺伝子の変動データを収めたデータファイルを収集するデータ収集部と、前記データファイルごとに、疾患または化合物に関連づけられた遺伝子の変動データをコントロール群と比較して、疾患または化合物による遺伝子変動を算出する遺伝子変動算出部と、遺伝子変動の大きい方から所定割合の遺伝子を亢進遺伝子、小さい方から所定割合の遺伝子を抑制遺伝子として抽出する変動遺伝子抽出部と、予め定められた複数のパスウェイについて、前記亢進遺伝子または前記抑制遺伝子を含有する有意確率を求めるパスウェイ解析部と、前記複数のパスウェイのそれぞれが前記亢進遺伝子または前記抑制遺伝子を含有する有意確率のデータを前記データファイルごとに対応付けた変動パスウェイデータベースを記憶する記憶部とを備える。
【0010】
この構成により、仕様の異なるデータベースから収集したデータを疾患ごとあるいは化合物ごとに丸めてしまうのではなく、収集したデータファイルに対応付けた変動パスウェイデータを有する変動パスウェイデータベースを生成するので、当該変動パスウェイデータベースを利用して適切に疾患または化合物を探索することが可能となる。
(【0011】以降は省略されています)

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