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公開番号2024058444
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-25
出願番号2022165802
出願日2022-10-14
発明の名称化合物またはその塩、COMT阻害剤およびその製造方法
出願人静岡県公立大学法人,株式会社らいむ
代理人弁理士法人特許事務所サイクス
主分類C07H 17/075 20060101AFI20240418BHJP(有機化学)
要約【課題】新規なCOMT阻害剤を提供すること。
【解決手段】本発明のCOMT阻害剤は、下記式(1)で表される化合物またはその薬学的に許容される塩を含有する。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>JPEG</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024058444000006.jpg</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">52</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">164</com:WidthMeasure> </com:Image> 【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記式(1)で表される化合物またはその薬学的に許容される塩。
JPEG
2024058444000005.jpg
52
158
続きを表示(約 500 文字)【請求項2】
前記式(1)で表される化合物がビーポーレン由来の化合物である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を含有するCOMT阻害剤。
【請求項4】
前記化合物を含有するCOMT阻害剤。
【請求項5】
請求項3に記載のCOMT阻害剤とL-DOPAを含む、パーキンソン病治療医薬組成物。
【請求項6】
請求項3に記載のCOMT阻害剤の製造方法であって、
前記化合物をビーポーレンから単離する工程を含む、COMT阻害剤の製造方法。
【請求項7】
ビーポーレンのエタノール抽出物を、水とクロロホルムで分液する工程と、
前記工程で得たクロロホルム画分から前記化合物を逆相クロマトグラフィーにて単離する工程を含む、請求項6に記載のCOMT阻害剤の製造方法。
【請求項8】
前記逆相クロマトグラフィーで用いる溶離液が、水とアセトニトリルの混合溶媒である、請求項7に記載のCOMT阻害剤の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、COMT阻害剤として有用な化合物またはその塩、および、COMT阻害剤の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
パーキンソン病治療の柱となる医薬としてL-DOPA(L-3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン)が知られている。L-DOPAは脳内でドパミンに変化して、不足しているドパミンを補うことにより抗パーキンソン病効果を発揮するものである。しかし、血中のL-DOPAは脳内に入る前に酵素によって代謝され、不活化してしまうものがあり、その分治療効果が減弱してしまう。そのため、現在のパーキンソン病治療においては、L-DOPAと、その代謝酵素の活性を阻害する薬剤を併用して、L-DOPAが脳内で効果的に働くようにした処方が採用されている。ここで、L-DOPAの代謝酵素には、DOPA脱炭酸酵素(DDC)やカテコール-O-メチル基転移酵素(COMT)などがあり、このうちCOMTの活性を阻害する薬剤として、トルカポン、エンタカポン、オピカポンなどの3-ニトロカテコール(NCA)骨格を有する化合物(NCA化合物)が開発されている(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
Silva, T.B,et al., 2020. Drug Discov. Today 25, 1846-1854.
Olanow, C.W., 2000. Arch. Neurol. 57, 263-267.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、NCA化合物は、ミトコンドリアにおける酸化的リン酸化反応の脱共役剤として作用してエネルギー転移系(ADPと無機リン酸からATPを生成するリン酸化反応)を妨げることが知られており、これによる熱産生、酸素消費量の増加、体温上昇、呼吸数及び心拍数の増加などの副作用が懸念される。特に、トルカポンは、こうした脱共役作用により肝毒性を発現することが確認されており、臨床現場では、制限された条件でのみ使用が認められている(例えば、非特許文献2参照)。こうした状況から、パーキンソン病治療をより安全に行うため、NCA化合物以外のCOMT阻害剤の開発が求められている。
【0005】
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、新規なCOMT阻害剤を提供することを目的として鋭意検討を進めた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、特定の構造を有するフラボノイド配糖体が高いCOMT阻害作用を示し、COMT阻害剤として有用性が高いことを見出した。本発明は、こうした知見に基づいて提案されたものであり、具体的に以下の構成を有する。
【0007】
[1] 下記式(1)で表される化合物またはその薬学的に許容される塩。
JPEG
2024058444000001.jpg
53
160
[2] 前記式(1)で表される化合物がビーポーレン由来の化合物である、[1]に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[3] [1]に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を含有するCOMT阻害剤。
[4] 前記化合物を含有するCOMT阻害剤。
[5] [3]に記載のCOMT阻害剤とL-DOPAを含む、パーキンソン病治療医薬組成物。
[6] [3]に記載のCOMT阻害剤の製造方法であって、
前記化合物をビーポーレンから単離する工程を含む、COMT阻害剤の製造方法。
[7] ビーポーレンのエタノール抽出物を、水とクロロホルムで分液する工程と、前記工程で分離したクロロホルム画分から逆相クロマトグラフィーを用いて前記化合物を単離する工程を含む、[6]に記載のCOMT阻害剤の製造方法。
[8] 前記逆相クロマトグラフィーで用いる溶離液が、水とアセトニトリルの混合溶媒である、[7]に記載のCOMT阻害剤の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の化合物およびその塩は、高いCOMT阻害活性を示す。また、本発明の化合物は、健康食品素材であるビーポーレンにも含まれるフラボノイド配糖体であることから安全性が高い。そのため、本発明の化合物およびその塩はCOMT阻害剤として有用であり、このものをCOMT阻害剤の有効成分として用いることにより、COMT阻害効果が高く安全なCOMT阻害剤を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
ビーポーレンから単離した式(1)で表される化合物の

H NMRスペクトルである。
ビーポーレンから単離した式(1)で表される化合物の
13
C NMRスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は「~」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
(【0011】以降は省略されています)

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