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公開番号2024057766
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-25
出願番号2022164650
出願日2022-10-13
発明の名称バルブステムシール用の密封装置
出願人NOK株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類F16J 15/3204 20160101AFI20240418BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】既存のバルブステムシール用の密封装置の構成を流用できるとともに初期設定がユーザフレンドリーなバルブステムシール用の密封装置を実現する。
【解決手段】バルブステムガイド105およびバルブステム104を覆ってその間の隙間を封止する弾性材料からなるシール部材2と、シール部材2に一体的に成形されてシール部材2を支持する剛体材料からなる補強部材3と、これら2つの部材を取り囲み軸方向に延びる中空の外郭部材4であって、バルブスプリングの端部が当接してそのバネ付勢力を受ける台座部分を端部に有する外郭部材4と、外郭部材4と、シール部材2および補強部材3との間に配設されて、外郭部材4を、補強部材3およびシール部材2に接合する、ゴム材料からなるゴム層1と、を備え、封止された隙間の内部空間の圧力でシール部材が抜けることを阻害するストッパ機構を有する。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
軸形状を有し軸方向に往復動する、吸気/排気バルブのバルブステムと、筒形状を有し前記バルブステムを内側に挿通させて前記軸方向の往復動自在に支持するバルブステムガイドと、の間の隙間を封止するバルブステムシール用の密封装置において、
前記バルブステムガイドの一端部、および、該一端部の開口から突出した前記バルブステムを覆って前記隙間を封止する、弾性材料からなるシール部材と、
前記シール部材に一体的に成形されて該シール部材を支持する、剛体材料からなる補強部材と、
前記シール部材および前記補強部材を取り囲み前記軸方向に延びる中空の外郭部材であって、前記バルブステムが前記開口から突出する突出方向とは反対方向の側の端部に、該外郭部材の周りでらせん状に延びるバルブスプリングの前記反対方向の側の端部が当接して前記バルブスプリングから前記反対方向向きのバネ付勢力を受ける台座部分を有する外郭部材と、
前記外郭部材と、前記シール部材および前記補強部材との間に配設されて、前記外郭部材を、前記補強部材および前記シール部材に接合する、ゴム材料からなるゴム層と、を備え、
封止された前記隙間の内部空間の圧力により前記隙間を封止するシール部材が前記突出方向に抜けることを阻害するストッパ機構を有するものであるバルブステムシール用の密封装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記シール部材は、前記バルブステムガイドの前記一端部の端面における、前記バルブステムガイドの外周面と前記バルブステムの外周面との間の段差に対応した折れ曲がり形状を持つ折れ曲がり部を有するものであり、
前記補強部材は、前記バルブステムの外周面に沿って延び、前記バルブステムガイドの前記一端部を覆っている部分のシール部材を該シール部材の外周面側から支持する、環形状の環状部と、該環状部の前記突出方向の側の端部から屈曲して前記シール部材の前記折れ曲がり部の内部に入り込んで前記バルブステムに向かって延び前記折れ曲がり部を前記内部から支持する屈曲部と、を有するものであり、
前記外郭部材は、剛体材料から一体的に形成されたものであって、前記バルブステムに沿って広がる筒形状の筒状部と、該筒状部の前記突出方向の側の端部に接続し前記シール部材の前記折れ曲がり部に沿って前記突出方向の側の前記端部から前記バルブステムに向かって延びて前記ストッパ機構の役割を果たす内向きフランジ部と、前記筒状部の前記反対方向の側の端部に接続し前記バルブステムから遠ざかる方向に向かって前記反対方向の側の前記端部から延びて前記台座部分の役割を果たす外向きフランジ部と、を有するものであり、
前記ゴム層は、前記外郭部材の前記内向きフランジ部と前記シール部材の前記折れ曲がり部との間に配設されて前記内向きフランジ部と前記折れ曲がり部とを接合する第1ゴム層と、前記外郭部材の前記筒状部と前記補強部材の前記環状部との間に配設され前記筒状部と前記環状部とを接合する第2ゴム層と、を有するものである請求項1記載のバルブステムシール用の密封装置。
【請求項3】
前記ゴム層の前記第2ゴム層は、前記補強部材の前記環状部の、前記反対方向を向いた端面まで延びているものであり、前記ゴム層がさらに、前記第2ゴム層の前記反対方向の側の端部に接続し前記補強部材の前記環状部の前記端面を覆いつつ前記バルブステムガイドの外周面に向かって突出した凸部を有するものである請求項2記載のバルブステムシール用の密封装置。
【請求項4】
前記ゴム層は、前記第1ゴム層の、前記バルブステムの側の端部に接続し、前記外郭部材の前記内向きフランジ部の、前記バルブステムの側を向いた端面を覆うとともに、該内向きフランジ部の前記突出方向を向いた上面を覆う第3ゴム層を有するものである請求項2又は3に記載のバルブステムシール用の密封装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、吸気/排気バルブのバルブステムとバルブステムガイドとの間の隙間を封止するバルブステムシール用の密封装置に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
軸形状を有し軸方向に往復動する、吸気/排気バルブのバルブステムと、筒形状を有しバルブステムを内側に挿通させて軸方向の往復動自在に支持するバルブステムガイドと、の間の隙間を封止するバルブステムシール用の密封装置が従来から知られている。以下では、従来のバルブステムシール用の密封装置について説明する。
【0003】
図1は、従来のバルブステムシール用の密封装置10Aを備えた吸気/排気バルブ100の模式的な断面図である。
【0004】
吸気/排気バルブ100は、自動車等の内燃機関のシリンダヘッド101に備えられた弁であり、カムシャフト107aの駆動により回転するカム107からリフタ108を介して押圧力を受けて吸気/排気ポート102の閉鎖・開放を切り換える。吸気/排気バルブ100は、弁本体103、バルブステム104、バルブステムガイド105、バルブスプリング106、および、従来のバルブステムシール用の密封装置10Aを備えている。
【0005】
弁本体103は、弁座102aに当接・離間して吸気/排気ポート102の閉鎖・開放の切り換えを実行する部材である。バルブステム104は軸形状を有する部材であって端部で弁本体103と一体化されており、吸気/排気ポート102の閉鎖・開放の切り換えの際に弁本体103とともに軸方向に往復動する。バルブステムガイド105は、シリンダヘッド101に形成された貫通孔に挿入された筒形状の部材であり、その一端部はシリンダヘッド101から(正確にはシリンダヘッド101に形成された貫通孔から)突出している。バルブステムガイド105は、バルブステム104を内側に挿通させて軸方向の往復動自在に支持している。バルブスプリング106は、リテーナ等のいくつかの部材を介してリフタ108に間接的に接続されており、カム107とリフタ108の当接状態を維持しつつバルブステム104と弁本体103の往復動を滑らかに実現するためのバネ付勢力を与える部材である。バルブスプリング106の、リフタ108の側とは反対側の端部は、シリンダヘッド101に固定されたスプリングシート109に当接しており、スプリングシート109は、バルブスプリング106の台座となってバルブスプリング106を支持している。ここで、バルブスプリング106は、常に自然長よりも短い状態となっており、このため、リフタ108を図1の上方へ押し上げ、スプリングシート109を図1の下方へ押し下げるバネ付勢力が常に発生するようになっている。以下、従来のバルブステムシール用の密封装置10Aについて説明する。
【0006】
図2は、図1の従来のバルブステムシール用の密封装置10Aの構成を表す模式的な断面図である。
【0007】
従来のバルブステムシール用の密封装置10Aでは、シール部材2が、バルブステムガイド105の一端部、および、その一端部の開口から突出したバルブステム104を覆って、バルブステムガイド105とバルブステム104の間の隙間Gを封止している。補強部材3は、シール部材2に一体的に成形されてシール部材2を支持している。バルブステムガイド105の周囲には、オイルを蓄える油室Oが形成されており(図1参照)、従来のバルブステムシール用の密封装置10Aの存在により、油室O内のオイルが隙間Gから漏洩するのが抑制される。
【0008】
近年では、低燃費の内燃機関への要請の高まりとともに、内燃機関の小型化や高出力化が進み、これに伴い、吸気/排気ポートの空間が高圧化する傾向が強まっている。このため、吸気/排気ポートと連通する、バルブステムガイドとバルブステムの間の隙間を封止するバルブステムシール用の密封装置に対しても、こうした高背圧に十分に耐え得る構成が求められるようになっている。こうした要請を受けて、バルブステムシール用の密封装置の中には、図2の補強部材3の図の下端部を延長してスプリングシート109と一体化させることでスプリングシート109の役割を補強部材3が果たすように改良した密封装置が提案されている(特許文献1~3参照)。図1で上述したように、バルブスプリング106によりスプリングシート109を図の下方向へ押し下げるバネ付勢力が発生するため、仮に補強部材3とスプリングシート109とが一体化した場合には、補強部材3を下方向へ押さえつける力が働くことになる。ここで、補強部材3はシール部材2と一体的に成形されているため、上記の押さえつける力は、隙間Gを封止しているシール部材2が上述の高背圧でバルブステム104の突出方向(図の上方向)に抜けるのを抑える力として作用することとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2010-242823号公報
特開2004-176881号公報
特開2009-257509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、補強部材とスプリングシートとが一体化している場合、上述の高背圧は、シール部材を支持している補強部材からシール部材を無理に引き離そうとする形で作用するため、シール部材の損傷や、シール部材と補強部材との間の乖離が進むおそれがある。こうした事態を避けるため、補強部材とスプリングシートとを一体化させる代わりに、補強部材とは別体の外郭部材を別途設けて、この外郭部材に、シール部材を押さえつけてシール部材が高背圧で抜けるのを抑える役割とスプリングシートの役割との両方を担わせることが考えられる。
(【0011】以降は省略されています)

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