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公開番号2024056078
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-19
出願番号2024035749,2022082143
出願日2024-03-08,2008-07-23
発明の名称無細胞試料中の腫瘍DNAの解析
出願人ザ チャイニーズ ユニバーシティー オブ ホンコン
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C12Q 1/6851 20180101AFI20240412BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】生体試料中に核酸配列の不均衡が存在するか否かを判定するための、方法、システム、及び装置が提供される。
【解決手段】不均衡を判定するための1つ以上のカットオフ値、例えば2つの配列(又は配列のセット)の比率が選択される。このカットオフ値は、母体血漿等の母体核酸配列のバックグラウンドを含む試料中の胎児DNAのパーセンテージに、少なくとも部分的に基づき決定され得る。また、このカットオフ値は、反応あたりの配列の平均濃度に基づいても決定され得る。一つの側面において、このカットオフ値は、特定の核酸配列を含むことが見込まれる情報的ウェルの割合から決定され、その割合は、上述のパーセンテージ及び/又は平均濃度に基づき決定される。このカットオフ値は、逐次確率比検定(SPRT)等の、多くの異なる種類の方法を使用して決定され得る。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
対象から採取された生体試料内の癌に関連する核酸配列の不均衡の存否を決定する方法であり、以下の工程:
該生体試料由来の無細胞核酸分子を反応に含む複数の反応において複数の臨床関連核酸配列の第一の総量を示す第一の定量データを取得する工程;
該複数の臨床関連核酸配列の何れか1つではない複数のバックグラウンド核酸配列の第二の総量を示す第二の定量データを取得する工程;
該第一の定量データから該複数の臨床関連核酸配列の第一の総量を決定する工程;
該第二の定量データから該複数のバックグラウンド核酸配列の第二の総量を決定する工程;
該第一の総量及び第二の総量からパラメーターを決定する工程、ここで該パラメーターは該第一の総量と第二の総量を特徴付ける数値に基づくものである;
該パラメーターを1つ以上のカットオフ値と比較する工程;及び
該比較結果に基づき、該対象における該複数の臨床関連核酸配列について該生体試料中に癌に関連する核酸配列の不均衡が存在するか否かの分類を決定する工程;
を含む前記方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記1つ以上のカットオフ値が正常な生体試料から樹立される参照範囲を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記数値がパーセント確率である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
更に以下の工程:
前記複数の反応を実施する前に、前記複数の臨床関連核酸配列及び複数のバックグラウンド核酸配列について前記生体試料を富化(enrich)する工程;
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の臨床関連核酸配列及び複数のバックグラウンド核酸配列について前記生体試料を富化する工程が、該複数の臨床関連核酸配列及び複数のバックグラウンド核酸配列について前記生体試料を増幅する工程を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の臨床関連核酸配列の1つ及び複数のバックグラウンド核酸配列の1つを増幅するのに1つの同じプライマー対が使用される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第一の定量データから第一の総量を決定する工程が:
前記複数の臨床関連核酸配列のそれぞれにおいて:
該第一の定量データを解析して前記複数の反応における臨床関連核酸配列のそれぞれの第一の量を決定すること;及び
該それぞれの第一の量を足し合わせることによって第一の総量を計算すること;
を含み、
前記第二の定量データから第二の総量を決定する工程が:
前記複数のバックグラウンド核酸配列のそれぞれにおいて:
該第二の定量データを解析して各バックグラウンド核酸配列のそれぞれの第二の量を決定すること;及び
該それぞれの第二の量を足し合わせることによって第二の総量を計算すること;
を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
更に、以下:
前記第一の総量及び第二の総量を計算する前に各第一の量及び各第二の量を補正すること;
を含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記複数の反応が配列タグを提供するシークエンシング反応であり、第一の総量を決定する工程が:
該配列タグを参照ゲノムとアラインメントすること;及び
前記複数の臨床関連核酸配列とアラインメントする配列タグの数を計数すること;
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記複数の反応がシークエンシング反応であり、更に以下:
前記複数の臨床関連核酸配列について前記生体試料を富化する工程;及び
続いて該富化された生体試料中の核酸分子のシークエンシングを実施する工程;
を含む、請求項1に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、「DETERMINING A NUCLEIC ACID SEQUENCE IMBALANCE」と題された、2007年7月23日に出願された米国仮出願第60/951438号(代理人整理番号016285-005200US)からの優先権を主張し、そして当該仮出願の正規の出願であり、当該仮出願の全ての内容は、全ての目的のために参照により本明細書に援用される。
続きを表示(約 3,200 文字)【0002】
関連出願の相互参照
本出願はまた、「DIAGNOSING FETAL CHROMOSOMAL ANEUPLOIDY USING GENOMIC SEQUENCING,」と題された、同時に出願された正規の出願(代理人整理番号016285-005220US)に関し、そしてその全ての内容は全ての目的のために参照により本明細書に援用される。
【0003】
発明の技術分野
本発明は、一般的には、異なる核酸配列間における不均衡を決定することによる、遺伝子型及び疾患の診断的検査に関し、そしてより詳細には、母体血液試料の検査を通じての、胎児のダウン症候群、他の染色体の異数性、突然変異、及び遺伝子型に関する。また、本発明は、癌の検出、移植のモニタリング、及び感染性疾患のモニタリングに関する。
【背景技術】
【0004】
遺伝的疾患、癌及び他の病態は、2つの対応する染色体若しくは対立遺伝子、又は他の複数の核酸配列の不均衡の原因又は結果となる場合が多い。この場合、1つの遺伝子に対するもう1つの遺伝子の割合が、正常の場合より多く、又は少ない。通常、正常の場合の比率はちょうど50:50である。ダウン症候群(トリソミー21)は、第21番染色体が追加されて不均衡を有する。
【0005】
胎児染色体異数性、例えばトリソミー21の、出産前における従来の診断方法は、侵襲性の手順、例えば羊水穿刺又は絨毛膜検体採取による、胎児試料の採取を伴うものであり、そしてそれらは胎児が死亡する危険性がある。非侵襲性の手順、例えば超音波検査法及び生化学マーカーによるスクリーニングは、最終的な侵襲性診断手順に先立ってリスク層の妊婦に使用された。しかし、これらのスクリーニング法は通常、例えば核となる染色体の異常性の代わりに、トリソミー21と関わりのある付帯現象を測定するため、その診断精度は最適ではなく、また、妊娠年齢によって大きな影響を受ける等の短所を有する。
【0006】
1997年における、母体血漿中における循環性無細胞胎児DNAの発見は、非侵襲性出生前診断のための新しい可能性を提供した(Lo,YMD and Chiu,RWK 2007 Nat Rev Genet 8,71-77)。この方法は、伴性遺伝子疾患(Costa,JM et al.2002 N Engl J Med 346,1502)及び特定の単一遺伝子疾患(Lo,YMD et al.1998 N Engl J Med 339,1734-1738)の出生前診断に対して容易に応用されたが、胎児染色体異数性の出産前における検出へのその適用は、相当な困難を要した(Lo, YMD and Chiu, RWK 2007,上記参照)。第一に、胎児の核酸は通常、胎児の核酸の分析を阻害し得る、母体由来核酸の高いバックグラウンドを含む母体血漿中に存在する(Lo,YMD et al.1998 Am J Hum Genet 62,768-775)。第二に、胎児の核酸は母体血漿中において主に無細胞形態で循環しており、そしてそのことは、胎児ゲノム中の遺伝子量又は染色体量の情報を得ることを困難としている。
【0007】
これらの課題を解決する著しい発展が近年なされた(Benachi,A & Costa,JM 2007 Lancet 369,440-442)。一つの方法は、母体血漿中における胎児特異的な核酸を検出し、その結果、母体のバックグラウンド障害の問題を克服することである(Lo, YMD and Chiu,RWK 2007,上記参照)。第21番染色体の量は、胎盤由来のDNA/RNA分子中における多型対立遺伝子の比から推定された。しかしこの方法は、試料中の標的核酸の含有量が少ないほど精度が低くなる上に、標的とされた多型に関してヘテロ接合性である胎児にしか適用できない。一つの多型が使用されるのであれば、斯かる胎児は人口群の一部に過ぎない。
【0008】
Dhallan et al(Dhallan,R,et al.2007,上記参照、Dhallan,R,et al.2007 Lancet 369,474-481)は、母体血漿へホルムアルデヒドを加えることにより、循環性胎児DNAの割合を増やす代替的な方法について記載している。母体血漿中における胎児の第21番染色体配列の割合は、第21番染色体上の一塩基多型(SNPs)に関して、父系遺伝性の胎児特異的対立遺伝子と胎児特異的ではない対立遺伝子との比を評価することによって決定された。SNP比は、基準染色体に関して同様に計算された。胎児の第21番染色体の不均衡はその後、第21番染色体のSNP比と基準染色体のSNP比との間の統計的な有意差を検出することによって推測され、ここで有意性は、0.05以下の固定されたp値を使用して定義される。高い個体群範囲を確保するために、一つの染色体あたり500個超のSNPが標的とされた。しかし、胎児DNAを高い割合に増大させるためのホルムアルデヒドの有効性について議論があり(Chung,GTY,et al.2005 Clin Chem 51,655-658)、したがって当該方法の再現性はさらに評価される必要がある。同様に、胎児及び母体の各々が、各々の染色体について異なる数のSNPsに関する情報を提供するため、SNP比の比較に関する統計的検出力は、事例ごとに変化するだろう(Lo,YMD&Chiu,RWK.2007 Lancet 369,1997)。さらにこれらの方法は遺伝子多型の検出に依存するため、それらはこれらの多型に関してヘテロ接合性である胎児に限定される。
【0009】
トリソミー21及び正倍数体の胎児から得られる羊膜細胞培養中の、第21番染色体遺伝子座及び基準遺伝子座のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)及びDNA定量化を使用することにより、Zimmermann他(2002 Clin Chem 48,362-363)は、前者の第21番染色体DNA配列における1.5倍の増加に基づいて、胎児の当該2つの群を区別することができた。DNA鋳型濃度における2倍の違いは、僅か一回の閾値サイクル(Ct)の違いに相当するため、1.5倍の違いの区別は、従来のリアルタイムPCRの限界であった。より精密な程度の定量的識別を達成するために、代替的な方法が必要とされる。
【0010】
デジタルPCRは、核酸試料中の対立遺伝子比率の不均衡を検出するために開発された(Chang,HW et al.2002 J Natl Cancer Inst 94,1697-1703)。臨床的に、それは腫瘍DNA試料中におけるヘテロ接合性の欠如(LOH)の検出において有用であることが示された(Zhou,W.et al.2002 Lancet 359,219-225)。実験結果が試料中におけるLOHの存在を示唆するものであるか否かを分類するため、先の試験においてデジタルPCRの結果分析のために逐次確率比検定(SPRT)が採用された(El Karoui at al.2006 Stat Med 25,3124-3133)。前記研究で使用された方法において、LOHを決定するカットオフ値には、2/3のDNAの2つの対立遺伝子の固定された参照比を使用した。羊水中の胎児性核酸の量、割合、及び濃度は様々であるため、これらの方法は、羊水中の母性核酸のバックグラウンド中の胎児性核酸を使用するトリソミー21の検出には適さない。
(【0011】以降は省略されています)

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