TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024054491
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-17
出願番号2022160730
出願日2022-10-05
発明の名称樹脂組成物、樹脂フィルム、プリプレグ、電子回路基板材料、及び硬化物の製造方法
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08L 53/02 20060101AFI20240410BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】低誘電率化及び低誘電正接化を達成でき、かつ取扱性にも優れた樹脂組成物を提供する。
【解決手段】下記に示す成分(I)、成分(II)、及び成分(III)を含む樹脂組成物。
成分(I):
水素化共役ジエン単量体単位を主体とし、水素化前のビニル結合量が1~20mоl%であるセグメント(C)と、
水素化共役ジエン単量体単位を主体とし、水素化前のビニル結合量が21~100mоl%であるセグメント(B)及び/又は芳香族ビニル単量体単位を主体とする重合体ブロック(S)と、
を、有し、
水素添加率が80mоl%以上であり、
-20℃~80℃に結晶化に由来するピーク温度を持ち、その結晶化熱量が0.1~10J/gである、
水素化重合体。
成分(II):硬化樹脂 (成分(I)を除く)
成分(III):ラジカル開始剤、及び/又は硬化剤(成分(II)を除く)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記に示す成分(I)、成分(II)、及び成分(III)を含む樹脂組成物。
成分(I):
水素化共役ジエン単量体単位を主体とし、水素化前のビニル結合量が1~20mоl%であるセグメント(C)と、
水素化共役ジエン単量体単位を主体とし、水素化前のビニル結合量が21~100mоl%であるセグメント(B)及び/又は芳香族ビニル単量体単位を主体とする重合体ブロック(S)と、
を、有し、
水素添加率が80mоl%以上であり、
-20℃~80℃に結晶化に由来するピーク温度を持ち、その結晶化熱量が0.1~10J/gである、
水素化重合体。
成分(II):硬化樹脂 (成分(I)を除く)
成分(III):ラジカル開始剤、及び/又は硬化剤(成分(II)を除く)
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
前記水素化重合体における前記セグメント(C)の含有量が1~30質量%であり、前記重合体ブロック(S)の含有量が1~50質量%であり、前記セグメント(B)の含有量が20~98質量%である、
請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記水素化重合体の構造が、
(C)-(B)-(S))、又は(C)-(B)-(S)-(B)である、
請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記水素化重合体の水素化前の重量平均分子量(Mw)が2万~30万である、
請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記樹脂組成物中の樹脂固形分100質量部に対し、前記水素化重合体の含有量が5~60質量部である、
請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
前記の成分(II)が、
エポキシ樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、液晶ポリエステル系樹脂、及びフッ素系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂である、
請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の樹脂組成物からなる樹脂フィルム。
【請求項8】
基材と、
請求項1又は2に記載の樹脂組成物との複合体であるプリプレグ。
【請求項9】
前記基材がガラスクロスである、請求項8に記載のプリプレグ。
【請求項10】
請求項1又は2に記載の樹脂組成物の硬化物を含む電子回路基板材料。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物、樹脂フィルム、プリプレグ、電子回路基板材料、及び硬化物の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、情報ネットワーク技術の著しい進歩、及び情報ネットワークを活用したサービスの拡大に伴い、電子機器には情報量の大容量化、及び処理速度の高速化が求められている。これらの要求に応えるため、プリント基板やフレキシブル基板等の基板用材料には、誘電損失の小さい材料が求められている。
従来から、誘電損失の低下を図る観点から、低誘電率及び低誘電正接であり、かつ強度、耐熱性等の機械物性も満足する材料として、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂やポリフェニレンエーテル系樹脂等の熱可塑性樹脂を主成分とした樹脂組成物の硬化物が検討されている。
しかしながら、低誘電率及び低誘電正接の観点からは、未だ改良の余地があり、情報量及び処理速度が限定されることがある、という問題点を有している。
【0003】
上述したような問題点を改良する目的で、所定のゴム成分を上述した樹脂組成物に添加する技術や、前記ゴム成分を主成分とする前記樹脂組成物の硬化物が提案されている。
前記ゴム成分としてスチレン系エラストマーは、前記樹脂組成物の低誘電率化及び低誘電正接化を図るために優れた効果を発揮し、伝送速度の高速化や伝送損失の低減化に効果が期待される材料であるため、プリント配線基板において多層化された配線間の絶縁層用の材料として用いられている。具体的には、プリント配線基板の高性能化及び多層化のために、前記スチレン系エラストマーを構成材料として用いたプリプレグの積層体をプリント配線基板に適用する試みがなされている。
また、前記積層体には、低誘電率及び低誘電正接以外の物性も求められており、その物性の一つとして耐湿熱性が挙げられる。具体的には、前記積層体は、内蔵されている電子機器の使用環境に応じた温度・湿度に晒されるため、かかる環境下においても物性の悪化が小さく、前記積層体における層間の剥がれや膨れを防止できることが求められている。
【0004】
前記樹脂組成物及び硬化物において、硬化樹脂及び硬化剤の系と、エラストマーやオリゴマー等の添加剤の系との間で相分離が起きることが、耐湿熱性が悪化する要因とされており、かかる耐湿熱性を改良させるために相溶化剤を添加した樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2021/010432号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したような樹脂組成物にスチレン系エラストマーを添加した時、フィラーなどの補強材を配合しない場合には、樹脂組成物を含侵させたガラスクロス表面にべたつき(タック)が発生し、裁断機等を汚染させ、その汚染に伴う洗浄メンテナンスが増え、生産工程上が発生し、取扱性が悪いという問題点を有している。また、前記特許文献1に開示されている樹脂組成物よりも更なる低誘電率化、低誘電正接化が求められている。さらには、相溶化剤やフィラーを添加する時に用いる分散剤等が積層体の製造におけるプリプレグの乾燥工程や、プリプレグ及びフィルムの硬化工程で析出してしまうという問題点もある。
【0007】
そこで本発明においては、上述した従来技術の問題点に鑑み、低誘電率及び低誘電正接を達成でき、かつ取扱性にも優れた樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上述した従来技術の課題を解決すべく鋭意検討した結果、所定の構造を有し、所定の水素添加率であり、所定の温度領域に結晶化に由来するピーク温度を持ち、その結晶化熱量が所定の範囲である水素化ブロック共重合体を含む樹脂組成物が、低誘電率及び低誘電正接化を達成でき、かつ取扱性にも優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
【0009】
〔1〕
下記に示す成分(I)、成分(II)、及び成分(III)を含む樹脂組成物。
成分(I):
水素化共役ジエン単量体単位を主体とし、水素化前のビニル結合量が1~20mоl%であるセグメント(C)と、
水素化共役ジエン単量体単位を主体とし、水素化前のビニル結合量が21~100mоl%であるセグメント(B)及び/又は芳香族ビニル単量体単位を主体とする重合体ブロック(S)と、
を、有し、
水素添加率が80mоl%以上であり、
-20℃~80℃に結晶化に由来するピーク温度を持ち、その結晶化熱量が0.1~10J/gである、
水素化重合体。
成分(II):硬化樹脂 (成分(I)を除く)
成分(III):ラジカル開始剤、及び/又は硬化剤(成分(II)を除く)
〔2〕
前記水素化重合体における前記セグメント(C)の含有量が1~30質量%であり、前記重合体ブロック(S)の含有量が1~50質量%であり、前記セグメント(B)の含有量が20~98質量%である、前記〔1〕に記載の樹脂組成物。
〔3〕
前記水素化重合体の構造が、(C)-(B)-(S))、又は(C)-(B)-(S)-(B)である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の樹脂組成物。
〔4〕
前記水素化重合体の水素化前の重量平均分子量(Mw)が2万~30万である、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の樹脂組成物。
〔5〕
前記樹脂組成物中の樹脂固形分100質量部に対し、前記水素化重合体の含有量が5~60質量部である、前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の樹脂組成物。
〔6〕
前記の成分(II)が、エポキシ樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、液晶ポリエステル系樹脂、及びフッ素系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂である、前記〔1〕乃至〔5〕のいずれか一に記載の樹脂組成物。
〔7〕
前記〔1〕乃至〔6〕のいずれか一に記載の樹脂組成物からなる樹脂フィルム。
〔8〕
基材と、
前記〔1〕乃至〔6〕のいずれか一に記載の樹脂組成物との複合体であるプリプレグ。
〔9〕
前記基材がガラスクロスである、前記〔8〕に記載のプリプレグ。
〔10〕
前記〔1〕乃至〔6〕のいずれか一に記載の樹脂組成物の硬化物を含む電子回路基板材料。
〔11〕
前記〔8〕又は〔9〕に記載のプリプレグを含む電子回路基板材料。
〔12〕
下記成分(I)、(II)、(III)を含む樹脂組成物を調製する工程と、
成分(I):
水素化共役ジエン単量体単位を主体とし、水素化前のビニル結合量が1~20mоl%であるセグメント(C)と、
水素化共役ジエン単量体単位を主体とし、水素化前のビニル結合量が21~100mоl%であるセグメント(B)及び/又は芳香族ビニル単量体単位を主体とするセグメント(S)と、
を有し、
水素添加率が80mоl%以上であり、
-20℃~80℃に結晶化に由来するピーク温度を持ち、その結晶化熱量が0.1~10J/gである水素化重合体。
成分(II):硬化樹脂 (成分(I)を除く)
成分(III):ラジカル開始剤、及び/又は硬化剤(成分(II)を除く)
前記樹脂組成物を硬化させる工程と、
を、有する、硬化物の製造方法。
〔13〕
前記樹脂組成物を基材に積層させ、プリプレグを形成する工程を、さらに有する、前記〔12〕に記載の硬化物の製造方法。
〔14〕
前記プリプレグを金属箔上に積層し、前記樹脂組成物を硬化させる、前記〔13〕に記載の硬化物の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、低誘電率化及び低誘電正接化を達成でき、かつ取扱性にも優れた樹脂組成物を提供できる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

株式会社日本触媒
組成物
2か月前
東ソー株式会社
ゴム組成物
1日前
東ソー株式会社
ゴム組成物
16日前
三菱ケミカル株式会社
積層体
1か月前
東レ株式会社
多孔質フィルム
2か月前
株式会社ナリス化粧品
構造体
23日前
三洋化成工業株式会社
複合粒子
2日前
三菱ケミカル株式会社
樹脂組成物
2か月前
株式会社松風
光硬化性組成物
1か月前
東レ株式会社
ポリアミド樹脂組成物
1か月前
東レ株式会社
ポリエステルフィルム
3日前
東ソー株式会社
ソールゴム用改質剤
16日前
株式会社日本触媒
無機粒子含有分散体
2か月前
花王株式会社
乳化組成物
1日前
AGC株式会社
水性分散液
1か月前
アイカ工業株式会社
ホットメルト組成物
1か月前
テクノUMG株式会社
物品
2か月前
ユニチカ株式会社
多孔質ポリアミドイミド
1か月前
株式会社カネカ
樹脂組成物およびフィルム
2か月前
三菱ケミカル株式会社
成形体
16日前
松本油脂製薬株式会社
樹脂粒子及びその用途
1か月前
アキレス株式会社
塩化ビニル系樹脂フィルム
3日前
松本油脂製薬株式会社
樹脂粒子及びその用途
1か月前
グンゼ株式会社
導電性フィルム
2日前
東レ株式会社
ポリエステル組成物の製造方法
1か月前
東レ株式会社
二軸配向ポリプロピレンフィルム
2か月前
日本ユピカ株式会社
成形材
1か月前
東レ株式会社
二軸配向ポリオレフィンフィルム
1か月前
東レ株式会社
重合装置および重合体の製造方法
2か月前
帝人株式会社
樹脂組成物および光学部材
2か月前
三井化学株式会社
シートまたはフィルム
3日前
株式会社日本製鋼所
プリプレグ製造装置
1か月前
株式会社スギノマシン
ゴム複合物
11日前
東レ株式会社
二軸配向ポリプロピレンフィルム
3日前
松本油脂製薬株式会社
ポリマー粒子及びその用途
1か月前
東京応化工業株式会社
感光性組成物
16日前
続きを見る