TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024054375
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-16
出願番号2024024121,2022102635
出願日2024-02-20,2016-04-04
発明の名称エキソソーム標的DNAワクチン
出願人国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所
代理人個人,個人,個人
主分類C12N 15/62 20060101AFI20240409BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】DNAワクチンを提供すること。
【解決手段】本発明者らはヒト臨床に用いることができるDNAワクチンを提供するため、抗原性をさらに高めるために、DDSのツールとして注目を浴びているエキソソームに着目し、エキソソーム(細胞外微粒子)構成タンパク質とワクチン抗原の融合抗原を発現するエキソソームが細胞傷害性T細胞誘導能に優れることを見出した。したがって、本発明は、エキソソームマーカータンパク質をコードする核酸配列と、ワクチン抗原をコードする核酸配列とを含む核酸構成物を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
実施例に記載の発明。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は新規DNAワクチンに関する。より特定すると本発明は、エキソソーム標的DNAワクチンに関し、エキソソーム(細胞外微粒子)構成タンパク質とワクチン抗原の融合抗原を発現する細胞障害性T細胞誘導能に優れた新規DNAワクチンの技術に関する。
続きを表示(約 4,000 文字)【背景技術】
【0002】
DNAワクチンは約20年前に開発されたが、未だヒトの臨床には使用されていない。その原因として、期待通りの免疫原性を得ることができない点、ゲノムへのインテグレートの危険性とそれに伴うガン化の危険性、DNAワクチン投与後に生じるゲノムに対する自己免疫疾患を引き起こす危険性、抗生物質の配列が組み込まれているプラスミドをDNAワクチン投与後に生じる薬剤耐性獲得の危険性があり、世界中でその改良が進められている。
【0003】
非特許文献1は抗原をエキソソームに内包し、そのエキソソームをマウスに投与することでTh1型のT細胞応答を誘導することを開示する。
【0004】
特許文献1はエキソソームを含む複合体とドラッグデリバリーに関する技術を開示する。
【0005】
非特許文献2は抗原(OVA)とHIV-1 Gagタンパク質を融合したプラスミドをDNAワクチン。DNAワクチン後に細胞からウイルス様粒子(細胞外微粒子)が放出されることを開示す
る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開WO 2014054588 A1公報
【非特許文献】
【0007】
Blood, 19 MARCH 2009, vol. 113, num. 12, 2673-2683.
Journal of Extracellular Vesicles, 2014, 3: 24646.
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らはヒト臨床に用いることができるDNAワクチンを提供するため、抗原性をさらに高めるために、DDSのツールとして注目を浴びているエキソソームに着目し、エキソソーム(細胞外微粒子)構成タンパク質とワクチン抗原の融合抗原を発現する細胞障害性T細胞誘導能に優れることを見出した。
【0009】
具体的には、エキソソームのマーカーとして一般的に知られ、使用されているテトラスパニンファミリータンパク質であるCD63と抗原(OVA:卵白アルブミン)を融合した抗原を発現するプラスミドDNAを作製した。このプラスミドDNAをマウスに免疫したところ、OVA単独を発現するDNAワクチン投与群に比べ、CD63との融合抗原を発現するDNAワクチン投与群においてT細胞応答の増強を認めることが出来た。また、抗原特異的なCTL(細胞傷害性T細胞)の数も増強していることも認められた。さらに、OVAを発現した腫瘍細胞をマウスに移植し、移植7日後に作製したプラスミドDNAを単回投与した。その結果、発現ベクター投与群と比較して腫瘍の増殖を有意に抑制した。以上のことより、エキソソームマーカータンパク質CD63とワクチン抗原の融合抗原
を発現するDNAワクチンは、抗原特異的なCTL誘導能を増強するという、新規な予防・治療技術として有用であることを見出した。
(1)エキソソームマーカータンパク質をコードする核酸配列と、ワクチン抗原をコードする核酸配列とを含む核酸構成物。
(2)前記エキソソームマーカータンパク質はエキソソームの膜に存在するタンパク質である項目1に記載の核酸構成物。
(3)前記エキソソームマーカータンパク質はテトラスパニンファミリーに属する項目1または2に記載の核酸構成物。
(4)前記エキソソームマーカータンパク質はCD63、CD81、CD9、CD31、HLA-G、TSG101、Rab5bおよびALIXからなる群より選択される項目1~3のいずれか一項に記載の核酸構成物。
(5)前記エキソソームマーカータンパク質はCD63、CD81およびCD9からなる群より選択される項目1~4のいずれか一項に記載の核酸構成物。
(6)前記抗原は、がん抗原およびウイルス抗原から選択される項目1~5のいずれか一項に記載の核酸構成物。
(7)プラスミドDNAである項目1~6のいずれか一項に記載の核酸構成物。
(8)項目1~7のいずれかに記載の核酸構成物を含むDNAワクチン。
(9)Th1型の免疫誘導を改善するための項目8に記載のDNAワクチン。
(10)がんまたはウイルス疾患を対象とすることを特徴とする、項目8または9に記載のDNAワクチン。
(11)ワクチン抗原タンパク質とエキソソームマーカータンパク質とを融合した形態であるタンパク質。
(11A)さらに上記項目の1つまたは複数の特徴を備える、項目11に記載のタンパク質。
(12)ワクチン抗原タンパク質とエキソソームマーカータンパク質とを融合した形態で含む、エキソソーム。
(12A)さらに上記項目の1つまたは複数の特徴を備える、項目12に記載のエキソソーム。
(13)項目1~7のいずれかに記載の核酸構成物、項目8~10に記載のDNAワクチン、項目11または11Aに記載のタンパク質または項目12または12Aに記載のエキソソームを含む免疫応答増強剤。
(14)項目1~7のいずれかに記載の核酸構成物、項目8~10に記載のDNAワクチン、項目11または11Aに記載のタンパク質または項目12または12Aに記載のエキソソームを含むT細胞応答を増強するための組成物。
(15)項目1~7のいずれかに記載の核酸構成物、項目8~10に記載のDNAワクチン、項目11または11Aに記載のタンパク質または項目12または12Aに記載のエキソソームを含む細胞傷害剤。
(16)項目1~7のいずれかに記載の核酸構成物、項目8~10に記載のDNAワクチン、項目11または11Aに記載のタンパク質または項目12または12Aに記載のエキソソームを含む医薬。
(17)項目1~9のいずれかに記載の核酸構成物、項目10に記載のDNAワクチン、項目11または11Aに記載のタンパク質または項目12または12Aに記載のエキソソームを含むがんを治療または予防するための医薬。
(18)項目1~7のいずれかに記載の核酸構成物、項目8~10に記載のDNAワクチン、項目11または11Aに記載のタンパク質または項目12または12Aに記載のエキソソームの有効量を被験者に投与する工程を包含する、被験者における免疫応答を増強する方法。
(19)項目1~7のいずれかに記載の核酸構成物、項目8~10に記載のDNAワクチン、項目11または11Aに記載のタンパク質または項目12または12Aに記載のエキソソームの有効量を被験者に投与する工程を包含する、T細胞応答を増強するための方法

(20)項目1~7のいずれかに記載の核酸構成物、項目8~10に記載のDNAワクチン、項目11または11Aに記載のタンパク質または項目12または12Aに記載のエキソソームの有効量を被験者に投与する工程を包含する、がんを治療または予防するための方法。
(21)エキソソームマーカータンパク質をコードする核酸配列を含む、ワクチンDNAの免疫原性を改善するための組成物。
(22)前記エキソソームマーカータンパク質はエキソソームの膜に存在するタンパク質である項目21に記載の組成物。
(23)前記エキソソームマーカータンパク質はテトラスパニンファミリーに属する項目21または22に記載の組成物。
(24)前記エキソソームマーカータンパク質はCD63、CD81、CD9、CD31、HLA-G、TSG101、Rab5bおよびALIXからなる群より選択される項目21~23のいずれか一項に記載の組成物。
(25)前記エキソソームマーカータンパク質はCD63、CD81およびCD9からなる群より選択される項目21~24のいずれか一項に記載の組成物。
(26)前記ワクチンDNAに含まれる抗原は、がん抗原およびウイルス抗原から選択される項目21~25のいずれか一項に記載の組成物。
(27)前記ワクチンDNAはプラスミドDNAである項目21~26のいずれか一項に記載の組成物。
(27A)さらに上記項目1~11、11A、12、12A,13~20のいずれか一項または複数に記載の特徴をさらに含む項目21~27のいずれか一項に記載の組成物。 本発明において、上記1または複数の特徴は、明示された組み合わせに加え、さらに組み合わせて提供され得ることが意図される。本発明のなおさらなる実施形態および利点は、必要に応じて以下の詳細な説明を読んで理解すれば、当業者に認識される。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、従前達成できなかった臨床応用可能なDNAワクチンを提供するという効果を奏する。例えば、本発明のDNAワクチン投与により、従来の抗原含有エキソソーム自体を投与したよりも強い抗原特異的CD8

T細胞応答などの強い抗原特異的なT細胞応答が誘導される。また、本発明のDNAワクチン投与により、より強い細胞傷害活性が認められる。また、本発明のDNAワクチン投与により、腫瘍に対する高い治療効果が認められる。以上から、DNAワクチンの抗原をエキソソームに標的化することで、DNAワクチンの免疫原性を改善することができることが判明した。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
DNA増幅システム
1か月前
東洋紡株式会社
逆転写反応用組成物
12日前
三菱製紙株式会社
パルプの糖化方法
1か月前
株式会社ブラスト
細胞培養装置
27日前
学校法人近畿大学
高感度PCR法
1か月前
株式会社ブラスト
密閉チャンバー
27日前
国立大学法人 東京大学
ゲノム編集技術
1か月前
相生ユニビオ株式会社
ウイスキーの製造方法
18日前
学校法人立命館
紐状構造物の製造方法
11日前
小林製薬株式会社
黒ずみ形成方法
1か月前
株式会社パウレック
培養装置及び培養方法
1か月前
松谷化学工業株式会社
アルコール飲料及びその製造方法
1か月前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
1か月前
株式会社東海ヒット
完全閉鎖型灌流液送液系
18日前
国立大学法人東京海洋大学
熱処理リゾチーム組成物
17日前
花王株式会社
リパーゼ変異体
1か月前
株式会社デンソー
バイオセンサ装置
1か月前
横河電機株式会社
誘電泳動装置
25日前
株式会社ヤマザキエンジニアリング
製麹装置及び製麹方法
1か月前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
1か月前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
24日前
ライオン株式会社
予測方法及び飲食品組成物
1か月前
ライオン株式会社
予測方法及び飲食品組成物
1か月前
NTN株式会社
細胞組織の製造方法
27日前
花王株式会社
リパーゼの探索方法
1か月前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
1か月前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
24日前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
24日前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
1か月前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
1か月前
学校法人 中央大学
ナノ粒子検出方法
1か月前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
1か月前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
24日前
味の素株式会社
L-アミノ酸の製造法
24日前
味の素株式会社
プリン系物質の製造法
24日前
日東電工株式会社
培養バッグ
1か月前
続きを見る