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公開番号2024053660
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-16
出願番号2022160001
出願日2022-10-04
発明の名称ハブユニット軸受
出願人日本精工株式会社
代理人弁理士法人貴和特許事務所
主分類F16C 33/78 20060101AFI20240409BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】摺接環がハブに対して軸方向内側に移動することを有効に抑えられるハブユニット軸受を提供する。
【解決手段】ハブ3の外周面のうち、回転フランジ10と軸方向外側の内輪軌道9aとの間に位置する部分に、角スプライン状の溝肩部23を設ける。シール装置5を、摺接環20とシールリング21とを含んで構成し、このうちの摺接環20を、溝肩部23に外嵌する。また、シールリング21に備えられた少なくとも1本のシールリップ37a、37b、37cの先端部を、摺接環20を構成する嵌合筒部31の外周面又は側板部32の軸方向内側面に摺接させる。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
内周面に複列の外輪軌道を有する外輪と、
外周面に複列の内輪軌道を有し、かつ、前記外輪よりも軸方向外側に位置する部分に径方向外側に突出した回転フランジを有する、ハブと、
前記複列の外輪軌道と前記複列の内輪軌道との間に転動自在に配置された複数個の転動体と、
摺接環及びシールリングを有し、前記外輪の内周面と前記ハブの外周面との間に存在する転動体設置空間の軸方向外側の開口を塞ぐ、シール装置と、を備え、
前記ハブは、外周面のうち、前記回転フランジと軸方向外側の前記内輪軌道との間に位置する部分に、角スプライン状の溝肩部を有し、
前記摺接環は、前記溝肩部に外嵌される嵌合筒部、及び、該嵌合筒部の軸方向外側の端部から径方向外側に向けて伸長する側板部を有し、
前記シールリングは、前記外輪の軸方向外側の端部に固定され、かつ、前記嵌合筒部の外周面又は前記側板部の軸方向内側面にその先端部を摺接させた少なくとも1本のシールリップを有する、
ハブユニット軸受。
続きを表示(約 170 文字)【請求項2】
前記回転フランジは、軸方向内側面の円周方向の少なくとも一部に、径方向外側を向いた平坦面状の回り止め用係合面を有し、
前記摺接環は、前記側板部の径方向外側の端部から軸方向外側に向けて突出し、かつ、前記回り止め用係合面に対し隙間を介して対向した、回り止め用突起部を有する、
請求項1に記載したハブユニット軸受。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ハブユニット軸受に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
自動車の車輪は、ハブユニット軸受により、懸架装置に対して回転自在に支持される。ハブユニット軸受は、内周面に複列の外輪軌道を有する外輪と、外周面に複列の内輪軌道を有し、かつ、外輪よりも軸方向外側に位置する部分に径方向外側に突出した回転フランジを有するハブと、複列の外輪軌道と複列の内輪軌道との間に転動自在に配置された複数個の転動体とを備える。外輪は、懸架装置に支持固定される。ハブの回転フランジには、車輪のホイール及び制動用回転体が結合固定される。
【0003】
なお、ハブユニット軸受に関して、軸方向外側とは、車両に組み付けた状態での車両の幅方向外側をいい、軸方向内側とは、車両に組み付けた状態での車両の幅方向中央側をいう。
【0004】
ハブユニット軸受は、外部からの泥水などの侵入を防止するため、外輪の内周面とハブの外周面との間に存在する転動体設置空間の軸方向外側の開口を塞ぐシール装置をさらに備える。従来、このようなシール装置として、外輪の軸方向外側の端部に支持固定され、かつ、それぞれの先端部をハブの軸方向中間部外周面又は回転フランジの軸方向内側面に全周にわたり摺接させた複数のシールリップを有するシールリングが広く知られている。
【0005】
ハブの軸方向中間部外周面及び回転フランジの軸方向内側面には、総型の研削砥石である回転砥石を用いた仕上げの研削加工が施される。総型の研削砥石を用いてハブの表面に研削加工を施す際には、回転フランジの軸方向内側面に、対数螺旋状、すなわち渦巻状の研削筋目が形成される可能性がある。このような研削筋目が形成されると、シールリップの先端部が回転フランジの軸方向内側面に貼り付いて摩擦抵抗が増大したり、シールリップの先端部が研削筋目の凹部の内側に深く入り込み、ハブが回転した際に、径方向に往復移動させられて振動し、シール鳴きと呼ばれる異音が発生したりする可能性がある。
【0006】
その対策として、特開2017-129197号公報(特許文献1)には、外輪の軸方向外側の端部に支持固定されたシールリングと、ハブの外周面のうち回転フランジと軸方向外側の内輪軌道との間に存在する円筒面状の溝肩部に圧入外嵌された金属板製の摺接環とを備えたシール装置が記載されている。このシール装置では、シールリングを構成する複数のシールリップの先端部を、表面粗さが良好で、加工筋目が素材の長手方向に一定な摺接環の表面に摺接させている。このため、シールリップの先端部の貼り付きによる摩擦抵抗の増大や異音の発生を抑えることができる。
【0007】
ところで、ハブユニット軸受には、主に自動車が旋回走行する際に、路面反力に基づくモーメント荷重が負荷される。この際、溝肩部を含む、回転フランジの根元部の表面には、回転曲げ荷重が加わる。これに伴い、該表面には、半回転するごとに凹形状の変形と凸形状の変形とが交互に繰り返される態様の、繰り返し運動が生じる。このため、溝肩部に対する摺接環の嵌合力が不足していると、溝肩部に生じる凹凸変形の繰り返し運動を推進力として、摺接環がクリープを伴ってハブに対し軸方向内側に移動する可能性がある。摺接環がハブに対して軸方向内側に移動すると、摺接環の表面に対するシールリップの先端部の軸方向の締め代が増大して、シールトルクが増大する可能性があるため、好ましくない。さらに、回転フランジの根元部と摺接環との間に隙間が生じてしまい、該隙間から水が侵入する可能性もある。
【0008】
これに対して、特開2017-129197号公報に記載の従来構造では、摺接環の径方向内端部に備えられた嵌合筒部を、素材となる金属板をU字形に折り返してなる高剛性の筒部としている。これにより、溝肩部に対する摺接環の嵌合筒部の嵌合力を高めている。さらに、前記従来構造では、溝肩部に形成された径方向突起部を、摺接環の嵌合筒部に対し、軸方向内側から対向させている。これにより、嵌合筒部と径方向突起部との係合に基づいて、摺接環がハブに対し軸方向内側に移動することを抑えるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2017-129197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特開2017-129197号公報に記載の従来構造では、摺接環の嵌合筒部が高剛性であるため、嵌合筒部を溝肩部に圧入外嵌する際に、径方向突起部を乗り越えさせることが困難である。また、前記従来構造では、回転フランジと径方向突起部との間で摺接環が軸方向に移動しないように、回転フランジと径方向突起との間の軸方向寸法と摺接環の軸方向寸法とを精度良く規制することが難しく、回転フランジと径方向突起部との間の軸方向寸法を、摺接環の軸方向寸法よりもやや大きく設計している。その結果、摺接環の嵌合筒部と径方向突起部との間に、軸方向の隙間が生じ、該隙間の分だけ、摺接環がハブに対して軸方向内側に移動することが許容される。したがって、前記従来構造では、摺接環がハブに対して軸方向内側に移動することを有効に抑制することは難しい。
(【0011】以降は省略されています)

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