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公開番号2024052886
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-12
出願番号2024029011,2020501024
出願日2024-02-28,2019-02-21
発明の名称融合タンパク質
出願人味の素株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類C12N 15/62 20060101AFI20240405BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】本発明は、新規薬物送達系(DDS)、電子デバイスの作製等の用途に有望な手段を提供する。
【解決手段】本発明は、(a)フェリチン単量体、および(b)フェリチン単量体におけるB領域およびC領域のα-ヘリックスの間のフレキシブルリンカー領域中に挿入された機能性ペプチドを含む、融合タンパク質、ならびに(a)フェリチン単量体、および(b)フェリチン単量体におけるB領域およびC領域のα-ヘリックスの間のフレキシブルリンカー領域中に挿入された機能性ペプチドを含む融合タンパク質から構成されており、かつ内腔を有する、多量体などを提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(a)フェリチン単量体、および(b)フェリチン単量体におけるB領域およびC領域のα-ヘリックスの間のフレキシブルリンカー領域中に挿入された機能性ペプチドを含む、融合タンパク質。
続きを表示(約 480 文字)【請求項2】
フェリチン単量体がヒトフェリチン単量体である、請求項1記載の融合タンパク質。
【請求項3】
ヒトフェリチン単量体がヒトフェリチンH鎖である、請求項1または2記載の融合タンパク質。
【請求項4】
ヒトフェリチン単量体がヒトフェリチンL鎖である、請求項1または2記載の融合タンパク質。
【請求項5】
フェリチン単量体がDps単量体である、請求項1記載の融合タンパク質。
【請求項6】
機能性ペプチドが、標的材料に対する結合能を有するペプチドである、請求項1~5のいずれか一項記載の融合タンパク質。
【請求項7】
標的材料が無機物である、請求項6記載の融合タンパク質。
【請求項8】
無機物が金属材料である、請求項7記載の融合タンパク質。
【請求項9】
標的材料が有機物である、請求項6記載の融合タンパク質。
【請求項10】
有機物が生体有機分子である、請求項9記載の融合タンパク質。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、融合タンパク質などに関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
フェリチンは、動植物から微生物まで普遍的に存在する、複数の単量体から構成される内腔を有する球状タンパク質である。ヒト等の動物では、フェリチンとしてH鎖およびL鎖の2種の単量体が存在すること、およびフェリチンは24個の単量体から構成される多量体(多くの場合、H鎖およびL鎖の混合物)であることが知られている。一方、微生物では、フェリチンは、Dps(DNA-binding protein from starved cells)とも呼ばれており、12個の単量体から構成される多量体であることが知られている。フェリチンは、生体あるいは細胞中の鉄元素のホメオスタシスに深く関わっており、その内腔中に鉄を保持できるため、鉄の輸送・貯蔵等の生理学的機能の役割を担うことが知られている。フェリチンは、鉄以外にも、ベリリウム、ガリウム、マンガン、リン、ウラン、鉛、コバルト、ニッケル、クロムなどの金属の酸化物、また、セレン化カドミウム、硫化亜鉛、硫化鉄、硫化カドミウムなどの半導体・磁性体などのナノ粒子を人工的に貯蔵できることが示されており、半導体材料工学分野や医療分野での応用研究が盛んに行われている(非特許文献1)。
【0003】
現在までに、フェリチン単量体とペプチドとの融合タンパク質として、(1)フェリチン単量体の末端領域にペプチドを付加した融合タンパク質、および(2)フェリチン単量体の内部領域(末端領域以外の領域)にペプチドを挿入した融合タンパク質が幾つか報告されている。
【0004】
例えば、上記(1)の融合タンパク質として、以下の報告がある。
特許文献1および非特許文献1は、フェリチン単量体の一方の末端領域に酸化チタンを付加した融合タンパク質を調製したこと、ならびに調製した融合タンパク質が電子デバイス(例、半導体)の作製に有用であることを開示している。
特許文献2は、Dpsの両方の末端領域に所定のペプチドを付加した融合タンパク質を調製したこと、ならびに調製した融合タンパク質が特殊な多孔質構造を有する電子デバイスの作製に有用であることを開示している。
【0005】
上記(2)の融合タンパク質としては、ヒトフェリチンL鎖のD領域およびE領域のα-ヘリックスの間のフレキシブルリンカー領域(フェリチン単量体のN末端から数えて5番目および6番目のα-ヘリックスの間の領域)に所定のペプチドを挿入した融合タンパク質の報告がある。
例えば、非特許文献2および3、ならびに特許文献3は、ヒトフェリチンL鎖におけるD領域およびE領域のα-ヘリックスの間のフレキシブルリンカー領域中に所定のペプチド(例、インターロイキン-4受容体(IL-4R)標的ペプチド)を挿入した融合タンパク質の多量体(例、AP1-PBNC)を調製したこと、ならびに当該多量体が癌等の疾患の治療に有用であることを開示している。
非特許文献4は、ヒトフェリチンL鎖におけるD領域およびE領域のα-ヘリックスの間のフレキシブルリンカー領域中にプロテアーゼ分解性ペプチドを挿入した融合タンパク質の多量体を調製したこと、ならびに当該多量体がプロテアーゼ応答性送達系として有用であることを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2006/126595号
国際公開第2012/086647号
米国特許出願公開第2016/0060307号明細書
【非特許文献】
【0007】
K.Sano et al.,Nano Lett.,2007,vol.7.p.3200.
Jae Og Jeon et al.,ACS Nano(2013),7(9),7462-7471.
Sooji Kim et al.,Biomacromolecules(2016),17(3),1150-1159.
Young Ji Kang et al.,Biomacromolecules(2012),13(12),4057-4064.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、新規薬物送達系(DDS)、電子デバイスの作製等の用途に有望な手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、鋭意検討した結果、各種生物のフェリチン単量体で高度に保存されているB領域およびC領域のα-ヘリックスの間のフレキシブルリンカー領域中に機能性ペプチドを挿入した融合タンパク質から構成される多量体が標的と強く相互作用できることを見出した。例えば、このような多量体は、各種生物のフェリチン単量体で高度に保存されているD領域以降の領域〔例、先行技術で報告されている、D領域とE領域のα-ヘリックスの間のフレキシブルリンカー領域〕中に機能性ペプチドを挿入した融合タンパク質から構成される多量体に比し、標的とより強く相互作用できる。したがって、このような多量体は、新規薬物送達系(DDS)、電子デバイスの作製等の用途に有望であることを見出し、本願発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本願発明は、以下のとおりである。
〔1〕(a)フェリチン単量体、および(b)フェリチン単量体におけるB領域およびC領域のα-ヘリックスの間のフレキシブルリンカー領域中に挿入された機能性ペプチドを含む、融合タンパク質。
〔2〕フェリチン単量体がヒトフェリチン単量体である、〔1〕の融合タンパク質。
〔3〕ヒトフェリチン単量体がヒトフェリチンH鎖である、〔1〕または〔2〕の融合タンパク質。
〔4〕ヒトフェリチン単量体がヒトフェリチンL鎖である、〔1〕または〔2〕の融合タンパク質。
〔5〕フェリチン単量体がDps単量体である、〔1〕の融合タンパク質。
〔6〕機能性ペプチドが、標的材料に対する結合能を有するペプチドである、〔1〕~〔5〕のいずれかの融合タンパク質。
〔7〕標的材料が無機物である、〔6〕の融合タンパク質。
〔8〕標的材料が金属材料である、〔7〕の融合タンパク質。
〔9〕標的材料が有機物である、〔6〕の融合タンパク質。
〔10〕有機物が生体有機分子である、〔9〕の融合タンパク質。
〔11〕生体有機分子がタンパク質である、〔10〕の融合タンパク質。
〔12〕システイン残基、またはシステイン残基含有ペプチドが、融合タンパク質のC末端に付加されている、〔1〕~〔11〕のいずれかの融合タンパク質。
〔13〕(a)フェリチン単量体、および(b)フェリチン単量体におけるB領域およびC領域のα-ヘリックスの間のフレキシブルリンカー領域中に挿入された機能性ペプチドを含む融合タンパク質から構成されており、かつ
内腔を有する、多量体。
〔14〕(1)〔13〕の多量体、および(2)標的材料を含み、
標的材料が、前記融合タンパク質中の機能性ペプチドに結合している、複合体。
〔15〕〔1〕~〔12〕のいずれかの融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド。
〔16〕〔15〕のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
〔17〕〔15〕のポリヌクレオチドを含む宿主細胞。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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