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公開番号2024053804
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-16
出願番号2022160234
出願日2022-10-04
発明の名称心理状態の変化の評価方法
出願人味の素株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類A61B 5/16 20060101AFI20240409BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】ヒトの心理状態の変化を評価する方法の提供。
【解決手段】評価対象による刺激前の評価者の心理状態データを取得する刺激前データ取得ステップと、前記刺激前データ取得ステップの後、前記評価者の五感のいずれかを、前記評価対象によって刺激する刺激ステップと、前記刺激ステップ中又はその後に、前記評価者の心理状態データを取得する刺激後データ取得ステップと、前記刺激前データ取得ステップで得た心理状態データと、前記刺激後データ取得ステップで得た心理状態データとに基づいて、前記評価対象のヒトの心理状態への影響を評価する評価ステップと、を有しており、前記心理状態データが、(A)快活な気分、(B)集中した気分、(C)くつろいだ気分、(D)安心した気分、(E)眠気、(F)沈んだ気分、及び、(G)ストレスの7項目について、その感じる強さを評価した評価点である、心理状態の変化の評価方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
評価対象によるヒトの心理状態の変化を評価する方法であって、
前記評価対象によって五感のいずれかが刺激される前の評価者の心理状態データを取得する刺激前データ取得ステップと、
前記刺激前データ取得ステップの後、前記評価者の五感のいずれかを、前記評価対象によって刺激する刺激ステップと、
前記刺激ステップ中又はその後に、前記評価者の心理状態データを取得する刺激後データ取得ステップと、
前記刺激前データ取得ステップで得た心理状態データと、前記刺激後データ取得ステップで得た心理状態データとに基づいて、前記評価対象によるヒトの心理状態の変化を評価する評価ステップと、
を有しており、
前記心理状態データが、(A)快活な気分、(B)集中した気分、(C)くつろいだ気分、(D)安心した気分、(E)眠気、(F)沈んだ気分、及び、(G)ストレスの7項目について、その感じる強さを評価した評価点であり、
前記評価ステップを、コンピュータが実行する、心理状態の評価方法。
続きを表示(約 3,000 文字)【請求項2】
前記評価点が、前記7項目について、その感じる強さを採点法により評価した評価点である、請求項1に記載の心理状態の評価方法。
【請求項3】
前記評価点が、前記7項目について、その感じる強さを9段階尺度で評価した評価点である、請求項2に記載の心理状態の評価方法。
【請求項4】
前記刺激前データ取得ステップで得た心理状態データのうち、前記項目(A)の評価点をP

、前記項目(B)の評価点をP

、前記項目(C)の評価点をP

、前記項目(D)の評価点をP

、前記項目(E)の評価点をP

、前記項目(F)の評価点をP

、前記項目(G)の評価点をP

とし、
前記刺激後データ取得ステップで得た心理状態データのうち、前記項目(A)の評価点をQ

、前記項目(B)の評価点をQ

、前記項目(C)の評価点をQ

、前記項目(D)の評価点をQ

、前記項目(E)の評価点をQ

、前記項目(F)の評価点をQ

、前記項目(G)の評価点をQ

とし、
下記式(1)で求められるXnと、下記式(2)で求められるYnと、を前記評価対象によって刺激される前の前記評価者の心理状態の評価データとし、
下記式(3)で求められるXtと、下記式(4)で求められるYtと、を前記評価対象によって刺激された後の前記評価者の心理状態の評価データとする、請求項2に記載の心理状態の評価方法。
式(1): Xn=(P

+P

)/2+(P

+P

)/2-(P

+P

)/2-P

式(2): Yn=(P

+P

)/2-(P

+P

)/2-(P

+P

)/2+P

式(3): Xt=(Q

+Q

)/2+(Q

+Q

)/2-(Q

+Q

)/2-Q

式(4): Yt=(Q

+Q

)/2-(Q

+Q

)/2-(Q

+Q

)/2+Q

【請求項5】
前記Xtと前記Xnと前記Ytと前記Ynが、
Xt≧XnかつYt≧Ynの場合、前記評価対象は、前記評価者をリフレッシュさせたと評価し、
Xt≧XnかつYt<Ynの場合、前記評価対象は、前記評価者をリラックスさせたと評価し、
Xt<XnかつYt≧Ynの場合、前記評価対象は、前記評価者にストレスを与えたと評価し、
Xt<XnかつYt<Ynの場合、前記評価対象は、前記評価者の疲労感を増大させたと評価する、請求項4に記載の心理状態の評価方法。
【請求項6】
前記評価対象が、飲料及び音楽からなる群より選択される1種以上である、請求項1に記載の心理状態の評価方法。
【請求項7】
評価対象によって五感のいずれかが刺激される前の評価者の心理状態データと、前記評価対象によって五感のいずれかが刺激された後の前記評価者の心理状態データとに基づいて、前記評価対象により引き起こされるヒトの心理状態の変化を評価するステップをコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記心理状態データが、(A)快活な気分、(B)集中した気分、(C)くつろいだ気分、(D)安心した気分、(E)眠気、(F)沈んだ気分、及び、(G)ストレスの7項目について、その感じる強さを採点法により評価した評価点であり、
前記刺激前データ取得ステップで得た心理状態データのうち、前記項目(A)の評価点をP

、前記項目(B)の評価点をP

、前記項目(C)の評価点をP

、前記項目(D)の評価点をP

、前記項目(E)の評価点をP

、前記項目(F)の評価点をP

、前記項目(G)の評価点をP

とし、
前記刺激後データ取得ステップで得た心理状態データのうち、前記項目(A)の評価点をQ

、前記項目(B)の評価点をQ

、前記項目(C)の評価点をQ

、前記項目(D)の評価点をQ

、前記項目(E)の評価点をQ

、前記項目(F)の評価点をQ

、前記項目(G)の評価点をQ

とし、
下記式(1)で求められるXnと、下記式(2)で求められるYnと、を前記評価対象によって刺激される前の前記評価者の心理状態の評価データとして算出し、
下記式(3)で求められるXtと、下記式(4)で求められるYtと、を前記評価対象によって刺激された後の前記評価者の心理状態の評価データとして算出する、プログラム。
式(1): Xn=(P

+P

)/2+(P

+P

)/2-(P

+P

)/2-P

式(2): Yn=(P

+P

)/2-(P

+P

)/2-(P

+P

)/2+P

式(3): Xt=(Q

+Q

)/2+(Q

+Q

)/2-(Q

+Q

)/2-Q

式(4): Yt=(Q

+Q

)/2-(Q

+Q

)/2-(Q

+Q

)/2+Q

【請求項8】
前記Xtと前記Xnと前記Ytと前記Ynが、
Xt≧XnかつYt≧Ynの場合、前記評価対象は、前記評価者をリフレッシュさせたと評価し、
Xt≧XnかつYt<Ynの場合、前記評価対象は、前記評価者をリラックスさせたと評価し、
Xt<XnかつYt≧Ynの場合、前記評価対象は、前記評価者にストレスを与えたと評価し、
Xt<XnかつYt<Ynの場合、前記評価対象は、前記評価者の疲労感を増大させたと評価する、請求項7に記載のプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食品や音楽等のヒトの五感(味覚、聴覚、嗅覚、視覚、触覚)を刺激するものについて、それらがヒトの心理状態に及ぼす影響を評価する方法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、心の健康に対する関心が高まっている。日々のストレスや精神的疲労の蓄積によって、身体の健康が害されることも多く、心と身体は密接な関係がある。例えば、嗜好品や音楽などを楽しむことにより、心理状態が改善され、ストレスが軽減されて、心の健康が維持・改善される場合がある。しかし、嗜好品や音楽などが心理状態へ与える影響については、未だ不明な点も多い。この心理状態への影響を調べるためには、まず、人間の心理状態をできるだけ正確に測定し評価できることが重要である。
【0003】
人間の心理状態を評価する方法としては、アンケート調査などによる主観的な気分評価が一般的である。この際に用いられる感情モデルの1つに、ラッセルの円環モデルがある。ラッセルの円環モデルは、快/不快、覚醒/沈静の2つの直交する軸からなる平面上に全ての感情が配置されているモデルである。例えば、嗜好品を楽しんだ後に、その時点における心理状態を、円環モデル中に直感的にプロットすることで、当該嗜好品による心理状態の変化を計測することができる。
【0004】
その他、非特許文献1では、様々な音楽により引き起こされる情動を、調べた結果が報告されている。当該報告では、米国人のグループと中国人のグループに対して、2168曲の音楽サンプルを聴かせて、どのような感情が沸き起こるかについて調べている。評価者は、音楽サンプルを、それぞれ13のタイプの感情(楽しい、元気が出る、悲しい、美しいなど)のいずれかに分類した。そして、音楽サンプルごとに、全評価者の何%がどの感情タイプの分類したかを数値化している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
Cowen, et al., Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 2020, vol.117(4), p.1924-1934.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ラッセルの円環モデルでは、心理状態が円環モデルの平面上で可視化でき、心理状態の変化が可視化しやすいという利点があるが、平面上の座標へのプロットは主観的になりやすいという問題がある。
【0007】
本発明は、飲食品や音楽等のヒトの五感を刺激するものについて、それらにより引き起こされるヒトの心理状態の変化を、よりバイアスがかかりにくい手法で評価する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、感情モデルの平面上にプロットする方法ではなく、7項目の感情について採点法により評価し、得られた評価点を、快/不快、覚醒/沈静の直交する2軸からなる平面上のプロットに変換することで、嗜好品等により引き起こされる心の変化を、ラッセルの円環モデルを使用した従来の評価方法よりも評価者の心理状態をより的確に評価し得ることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
本発明は下記の態様を含む。
[1] 評価対象によるヒトの心理状態の変化を評価する方法であって、
前記評価対象によって五感のいずれかが刺激される前の評価者の心理状態データを取得する刺激前データ取得ステップと、
前記刺激前データ取得ステップの後、前記評価者の五感のいずれかを、前記評価対象によって刺激する刺激ステップと、
前記刺激ステップ中又はその後に、前記評価者の心理状態データを取得する刺激後データ取得ステップと、
前記刺激前データ取得ステップで得た心理状態データと、前記刺激後データ取得ステップで得た心理状態データとに基づいて、前記評価対象によるヒトの心理状態の変化を評価する評価ステップと、
を有しており、
前記心理状態データが、(A)快活な気分、(B)集中した気分、(C)くつろいだ気分、(D)安心した気分、(E)眠気、(F)沈んだ気分、及び、(G)ストレスの7項目について、その感じる強さを評価した評価点であり、
前記評価ステップを、コンピュータが実行する、心理状態の評価方法。
[2] 前記評価点が、前記7項目について、その感じる強さを採点法により評価した評価点である、前記[1]の心理状態の評価方法。
[3] 前記評価点が、前記7項目について、その感じる強さを9段階尺度で評価した評価点である、前記[2]の心理状態の評価方法。
[4] 前記刺激前データ取得ステップで得た心理状態データのうち、前記項目(A)の評価点をP

、前記項目(B)の評価点をP

、前記項目(C)の評価点をP

、前記項目(D)の評価点をP

、前記項目(E)の評価点をP

、前記項目(F)の評価点をP

、前記項目(G)の評価点をP

とし、
前記刺激後データ取得ステップで得た心理状態データのうち、前記項目(A)の評価点をQ

、前記項目(B)の評価点をQ

、前記項目(C)の評価点をQ

、前記項目(D)の評価点をQ

、前記項目(E)の評価点をQ

、前記項目(F)の評価点をQ

、前記項目(G)の評価点をQ

とし、
下記式(1)で求められるXnと、下記式(2)で求められるYnと、を前記評価対象によって刺激される前の前記評価者の心理状態の評価データとし、
下記式(3)で求められるXtと、下記式(4)で求められるYtと、を前記評価対象によって刺激された後の前記評価者の心理状態の評価データとする、前記[1]の心理状態の評価方法。
式(1): Xn=(P

+P

)/2+(P

+P

)/2-(P

+P

)/2-P

式(2): Yn=(P

+P

)/2-(P

+P

)/2-(P

+P

)/2+P

式(3): Xt=(Q

+Q

)/2+(Q

+Q

)/2-(Q

+Q

【発明の効果】
【0010】
本発明に係る評価方法により、飲食品や音楽等により引き起こされる心理状態の変化を、的確に評価することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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