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公開番号2024041014
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-26
出願番号2022159810
出願日2022-09-13
発明の名称根管治療用のファイル
出願人個人
代理人
主分類A61C 5/42 20170101AFI20240318BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】 ファイルを下方向に落とし込んだ時にも、根管壁をやすることが出来れば、治療の効率が向上するものと考えた。
【解決手段】 Hファイル100は把持部101とその先の針部102とから成る。針部102の金属には、捻り加工後のテーパー角が凡そ2度となるように予め成形されたニッケルチタン(NiTi)の合金が用いられており、この表面に後にフルート104となる部位を除くようにして、ヤスリ面105が設けられている。針部102には捻り加工が施されたことによるカッティングエッジ103とフルート104とが形成されている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
捻り加工を施して成る金属製の針部に付き、おおよそカッティングエッジとフルートとの間にヤスリ面を有する、根管治療用のファイル。
続きを表示(約 330 文字)【請求項2】
捻り加工を施して成る金属製の針部に付き、おおよそカッティングエッジとフルートとの間にサンドブラスト面を有する、根管治療用のファイル。
【請求項3】
捻り加工を施して成る金属製の針部に付き、おおよそカッティングエッジとフルートとの間に粉末状の研磨材の付着面を有する、根管治療用のファイル。
【請求項4】
前記カッティングエッジにランドを有する、請求項1乃至請求項3の何れか一に記載の根管治療用のファイル。
【請求項5】
前記針部がオルタネーティングコンタクトポイント(Alternating Contact Point)を備えている、請求項1乃至請求項3の何れか一に記載の根管治療用のファイル。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、切削効率の高い根管治療用のファイル主としてHファイルに関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
歯科医師が患者の虫歯の根の壁面をこそぎ取ったり、根の先に詰まっている膿の塊や、以前の治療の跡である充填材を取り去ったり、神経を抜いたりするなどの根管等の治療を行う際に、リーマやファイルなどの器具が用いられる。リーマは捩る操作のリーミングで根管拡大や清掃を行うものである。Hファイルと呼ばれるものは上下方向に往復動させる操作のファイリングで根管壁をやすったり清掃を行ったりするものである。これ等の中間にKファイルと呼ばれるものがあり、リーミングとファイリングの両方の操作を行うことが出来る。
【0003】
なおガッタパーチャの除去に付いて、溶解剤による除去では、ガッタパーチャが根管に残ってしまいその後の治療に支障を来すことがある。このため一般的にはファイルによる丁寧な除去が行われている。
【0004】
Hファイルの金属製の針部に付いて、上述のように上下方向の往復動の操作を行うと、上方向に引いた時にカッティングエッジ部分が掻き上げ刃となって根管壁がやすられる。この時の削りかすを逃げ溝であるフルート部分に入り込ませることによって、削りかすにカッティングエッジの邪魔をさせることなく、カッティングエッジの切削能力を最大限に発揮させることが出来るようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなカッティングエッジ部分の動作を子細に観察してみると、往復動の操作の内で上方向に引いた時に根管壁がやすられることが分かる。すなわち下方向に押した時にはカッティングエッジ部分はまったく使用されていないことになる。カッティングエッジ部分はそのようには設計されていないためである。
【0006】
そこで当発明者は、Hファイルを下方向に落とし込んだ時にも、根管壁をやすることが出来れば、治療の効率が向上するものと考えた。この発明の課題は、上述したような根管治療をより手早く行えるようにすることにより、患者にとっても歯科医師にとっても疲労が少なく安楽であるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
当発明者は、Hファイルに着色を施してからリーミングの操作を行ってみた。仮に針のカッティングエッジ部分以外で根管壁に触れている箇所が存在するのであれば、この部位の着色が剥離して、金属の円滑な表面が現れているはずであると考えたからである。その結果は案の定根管壁に触れている箇所が存在していた。それが凡そカッティングエッジ部分からフルート部分までの間の金属表面なのであった。当発明者はここを根管壁をやすることに利用できるのではないかと思考した。またこのことはHファイル以外にも適用可能であるに違いない。
【0008】
上記課題は、捻り加工を施して成る金属製の針部に付き、おおよそカッティングエッジとフルートとの間にヤスリ面を有する、根管治療用のファイルとすることにより達成される。すなわちおおよそカッティングエッジ部分からフルート部分までの間の金属表面に、ヤスリ掛けを施してヤスリ面とするのである。ヤスリ掛けにはレーザ加工も含まれる。
【0009】
なお針部の金属にはニッケルチタン(NiTi)合金などで、身体に対するアレルギー等反応の少ないものを用いることが好ましい。このような細長い金属板に捻り加工を施してテーパー角がおおよそ2度となるように成型するのが一般的である。
【0010】
この発明の根管治療用のファイルで上下方向の往復動の操作を行うと、上方向に引いた時にカッティングエッジ部分が掻き上げ刃の作用を現すことは常のとおりである。これに対してファイルを下方向に落とし込んだ時には、上述のようにファイルに着色を施してからリーミングの操作を行った時のようにヤスリ面が根管壁をやするようになる。すなわちファイルを下方向に押した時にも根管の拡大や清掃を行うことが可能になり、治療の効率が向上する。なおこの際の削りかすの逃げ道として、上記カッティングエッジが使用するフルートの存在は好都合である。
(【0011】以降は省略されています)

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