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公開番号2024051005
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-10
出願番号2024025013,2020523073
出願日2024-02-21,2019-05-31
発明の名称再生毛包原基の製造方法
出願人株式会社オーガンテック,京セラ株式会社,国立研究開発法人理化学研究所
代理人個人,個人
主分類C12N 5/071 20100101AFI20240403BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】 従来の製造方法に比して、簡易かつ大量に再生毛包原基の製造を可能にする、再生毛包原基の製造方法を提供すること。
【解決手段】 上皮系細胞を含む第1の細胞集団と、間葉系細胞を含む第2の細胞集団とを接触させながら培養することにより、毛包原基を得る工程を含む、再生毛包原基の製造方法が提供される。本発明の製造方法において、前記第1の細胞集団および前記第2の細胞集団の少なくともいずれか一方は、前記接触の前に細胞凝集体を形成しており、前記細胞凝集体に対して他方の細胞集団を接触させる際、培養支持体を使用しないことを特徴とする。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
再生毛包原基の製造方法であって、
上皮系細胞を含む第1の細胞集団と、間葉系細胞を含む第2の細胞集団とを接触させながら培養することにより、再生毛包原基を得る工程を含み、
ここで、
前記第1の細胞集団および前記第2の細胞集団の少なくともいずれか一方は、前記接触の前に細胞凝集体を形成しており、
前記細胞凝集体に対して他方の細胞集団を接触させる際、培養支持体を使用しないことを特徴とする
製造方法。
続きを表示(約 980 文字)【請求項2】
請求項1に記載の製造方法であって、
前記接触に先立ち、前記第1の細胞集団として、前記上皮系細胞を凝集させた第1の細胞凝集体を形成する工程をさらに含む、
製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載の製造方法であって、
前記第1の細胞凝集体を形成する工程は、上皮系細胞のスフェロイドを得ることを含む、
製造方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の製造方法であって、
前記接触に先立ち、前記第2の細胞集団として、前記間葉系細胞を凝集させた第2の細胞凝集体を形成する工程をさらに含む、
製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の製造方法であって、
前記第2の細胞凝集体を形成する工程は、間葉系細胞のスフェロイドを得ることを含む、
製造方法。
【請求項6】
請求項2~5のいずれか1項に記載の製造方法であって、
前記第1の細胞凝集体を形成する工程および前記第2の細胞凝集体を形成する工程の少なくとも一方は、底部に前記上皮系細胞または前記間葉系細胞が集積されるように構成された凹部の中で、前記上皮系細胞または前記間葉系細胞を凝集させることを含む、
製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の製造方法であって、
前記凹部は、V形状またはU形状の底部を有する、
製造方法。
【請求項8】
請求項2~7のいずれか1項に記載の製造方法であって、
前記凝集体の形成は、600xg以下の遠心力(RCF)で行う遠心処理によって行う、
製造方法。
【請求項9】
請求項6~8のいずれか1項に記載の製造方法であって、
前記接触は、前記凹部に配置された前記第2の細胞凝集体の上に、前記第1の細胞凝集体を配置することにより行う、
製造方法。
【請求項10】
請求項6~8のいずれか1項に記載の製造方法であって、
前記接触は、前記凹部に配置された前記第2の細胞凝集体に、前記第1の細胞集団を含む細胞懸濁液を供給することにより行う、
製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、従来の製造方法に比して、簡易かつ大量に再生毛包原基の製造を可能にする、再生毛包原基の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
上皮性付属器官である歯や唾液腺、皮膚付属器官である毛包において、その器官原基の再生を目指した研究が進められている。これらの器官は、生命の維持に直結するわけではないが、その喪失や機能不全は、QOLに大きな影響を与えるため、器官再生による機能回復が大いに期待されている。
【0003】
毛包再生に関し、間葉系細胞(毛乳頭細胞および真皮毛根鞘細胞)を置換することによる毛包可変領域の再生、毛包誘導能を有する間葉系細胞による毛包新生、上皮・間葉系細胞による毛包の再構築などが試みられてきた。本発明者らは、これまでに、成体マウス髭由来のバルジ領域上皮細胞と成体マウス髭由来の培養毛乳頭細胞から、毛包原基を再生する方法(特許文献1)、レシピエント組織への接触および毛穴の形成を補助するガイドを備えた再生毛包原基を製造する方法(特許文献2)、および発毛の毛色が制御された移植用再生毛包原基を製造する方法(特許文献3)をそれぞれ報告している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2006/129672号
国際公開第2012/108069号
国際公開第2012/115079号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
毛髪再生医療の実現に向けては、再生毛包原基を大量に製造する技術が必要である。
特許文献1および特許文献2に記載の方法においては、上皮系細胞由来の細胞集合体と間葉系細胞由来の細胞集合体とを培養して毛包原基を製造する過程で、上皮系細胞と間葉系細胞とが高密度状態を維持したまま接触している必要があると考えられていたことから、再生毛包原基の製造には、上皮系細胞由来の細胞集合体と間葉系細胞由来の細胞集合体をその内部で培養することを可能にする培養支持体が使用されてきた。すなわち、従来の方法では、上皮系細胞由来の細胞集合体と間葉系細胞由来の細胞集合体とをそれぞれ調製し、マイクロピペット等を用いて培養支持体内にこれらの細胞集合体を挿入する操作を行うものであるから、1つ1つの再生毛包原基を製造するために細かな操作が必要であり、必ずしも再生毛包原基の大量製造に適しているとはいえない。
【0006】
また、これまでの方法では、再生毛包原基の製造に使用される上皮系細胞および間葉系細胞は、細胞培養後に遠心により高密度状態の細胞塊を得て、前記細胞塊から毛包原基1個当たりに適切な細胞数の細胞塊をマイクロピペット等で取り上げて、培養支持体内に挿入することが行われていた。したがって、前記高密度状態の細胞塊の内部の細胞は、長時間にわたって高密度状態に置かれることとなり、細胞の品質の低下およびばらつきが懸念された。
【0007】
さらに、培養支持体の材料として、これまで、異種生物由来のコラーゲンゲルなどが用いられており、ヒト臨床応用に向け、異種生物由来原料をなるべく使用しない方法が求められている。
本発明は、上記課題の1つ以上に対処するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上皮系細胞を含む細胞集団または間葉系細胞を含む細胞集団の少なくともいずれか一方に適切な細胞凝集体を形成させることにより、高密度状態の細胞塊を調製することなく、簡便に個々の再生毛包原基を製造する方法に関する。
本発明はまた、培養支持体を使用しない、再生毛包原基の製造方法に関する。
【0009】
本発明の製造方法は、具体的に、以下の実施形態を包含する:
[1] 再生毛包原基の製造方法であって、
上皮系細胞を含む第1の細胞集団と、間葉系細胞を含む第2の細胞集団とを接触させながら培養することにより、再生毛包原基を得る工程を含み、
ここで、
前記第1の細胞集団および前記第2の細胞集団の少なくともいずれか一方は、前記接触の前に細胞凝集体を形成しており、
前記細胞凝集体に対して他方の細胞集団を接触させる際、培養支持体を使用しないことを特徴とする
製造方法。
【0010】
[2] [1]に記載の製造方法であって、
前記接触に先立ち、前記第1の細胞集団として、前記上皮系細胞を凝集させた第1の細胞凝集体を形成する工程をさらに含む、
製造方法。
(【0011】以降は省略されています)

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