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公開番号2024048012
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-08
出願番号2022153831
出願日2022-09-27
発明の名称流体機械
出願人株式会社豊田自動織機
代理人個人,個人
主分類F04B 39/00 20060101AFI20240401BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約【課題】回転軸の軸ブレに伴うシール部材の弾性変形を原因として、シール部材によるシール性能が低下することを抑制できる流体機械を提供すること。
【解決手段】ルーツポンプにおいて、ロータハウジング14と回転軸16との間には、第2シール部材28と径方向に隣接する緩衝部材34が設けられている。緩衝部材34は、回転軸16が貫通する環状である。緩衝部材34の第1端面34aには、緩衝部材34を第2シール部材28よりも弾性変形させるように、回転軸16の周方向へ延在する第1溝361が開口している。また、緩衝部材34の第2端面には、緩衝部材34を第2シール部材28よりも弾性変形させるように、回転軸16の周方向へ延在する第2溝362が開口している。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングに挿入され、軸受を介して回転可能に支持された回転軸と、
前記回転軸に取り付けられ、前記回転軸と一体的に回転するロータと、を有し、
前記ハウジングには、前記ロータを収容し、流体を吸入する吸入孔及び流体を吐出する吐出孔を有するロータ室が画定され、
前記ロータ室は、前記回転軸が貫通するシール部材によってシールされ、
前記シール部材は、弾性材料からなり、環状のベース部と、前記ベース部から前記回転軸の径方向の内側に向けて延在する環状のリップ部と、を有し、
前記ロータが回転することで、前記吸入孔から吸入された流体が、前記ロータ室内で圧縮され、前記吐出孔から前記ロータ室外に吐出される流体機械であって、
前記ハウジングと前記回転軸との間には、前記シール部材と前記径方向に隣接し、前記回転軸が貫通する環状の緩衝部材が設けられ、
前記回転軸の軸方向における前記緩衝部材の少なくとも一方の端面には、前記緩衝部材を前記シール部材よりも前記径方向に弾性変形させるように、前記回転軸の周方向へ延在する溝が開口していることを特徴とする流体機械。
続きを表示(約 540 文字)【請求項2】
前記溝は、前記回転軸の周方向に延在する円弧状溝部と、当該円弧状溝部に連続し、かつ前記径方向の外側に向けて前記円弧状溝部から延在する突状溝部と、が前記周方向に交互に連続する波形状である請求項1に記載の流体機械。
【請求項3】
前記溝は、前記緩衝部材の一方の端面に開口する第1溝と、他方の端面に開口する第2溝と、を有し、前記第1溝及び前記第2溝の各々は前記波形状であり、前記第1溝と前記第2溝は、前記径方向に離れているとともに、前記周方向に離れている請求項2に記載の流体機械。
【請求項4】
前記緩衝部材は、前記径方向の内周側に位置する内周側環状部と、前記径方向の外周側に位置する外周側環状部と、前記径方向において前記内周側環状部と前記外周側環状部との間に位置し、かつ前記径方向において前記第1溝と前記第2溝との間に挟まれる弾性変形部と、を有し、前記径方向への前記弾性変形部の厚さは、前記径方向への前記内周側環状部の厚さより小さい請求項3に記載の流体機械。
【請求項5】
前記緩衝部材は、前記シール部材よりも前記径方向の内周側に配置され、前記緩衝部材は、前記回転軸と一体的に回転する請求項1又は請求項2に記載の流体機械。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、流体機械に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、流体機械の一例として、電動ルーツ型圧縮機が開示されている。電動ルーツ型圧縮機は、ハウジングと、電動モータと、タイミングギヤと、回転軸としての駆動軸と、回転軸としての従動軸と、ラジアル軸受と、軸シール部材と、ロータと、を有する。
【0003】
駆動軸は、電動モータにより回転される。従動軸は、タイミングギヤを介して駆動軸により回転される。駆動軸及び従動軸の各々は、ハウジングに挿入されている。駆動軸及び従動軸の各々は、ラジアル軸受を介して回転可能に支持されている。ロータは、駆動軸及び従動軸の各々に取り付けられるとともに、駆動軸及び従動軸と一体的に回転する。ロータは、ハウジングに画定されたロータ室としての作動室に収容されている。タイミングギヤは、ハウジングに画定されたギヤ室に収容されている。
【0004】
駆動軸及び従動軸の各々は、軸シール部材を貫通している。軸シール部材は、弾性材料製である。軸シール部材は、作動室からの作動流体の漏洩を抑制する。電動ルーツ型圧縮機では、電動モータにより駆動軸が回転すると、タイミングギヤを介して従動軸が駆動軸とは反対方向へ回転する。これにより、作動室における一対のロータが互いに反対方向へ回転する。ロータの回転により作動室へ作動流体が吸入されるとともに、作動室内の作動流体は作動室の外へ吐出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2010-144576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
電動ルーツ型圧縮機では、作動室での吸入圧と吐出圧の差圧の発生や、電動モータの振動に伴う駆動軸や従動軸の共振などを原因として、駆動軸及び従動軸に軸ブレが発生する。駆動軸及び従動軸に軸ブレが発生すると、軸シール部材は弾性変形する。この弾性変形に伴って、軸シール部材によるシール性能が低下する虞がある。そこで、軸ブレしても軸シール部材によってシールするために、駆動軸及び従動軸に対して軸シール部材を強く押し付けることが考えられるが、この場合には、軸シール部材の摩耗が進みやすくなって好ましくない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するための流体機械は、ハウジングと、前記ハウジングに挿入され、軸受を介して回転可能に支持された回転軸と、前記回転軸に取り付けられ、前記回転軸と一体的に回転するロータと、を有し、前記ハウジングには、前記ロータを収容し、流体を吸入する吸入孔及び流体を吐出する吐出孔を有するロータ室が画定され、前記ロータ室は、前記回転軸が貫通するシール部材によってシールされ、前記シール部材は、弾性材料からなり、環状のベース部と、前記ベース部から前記回転軸の径方向の内側に向けて延在する環状のリップ部と、を有し、前記ロータが回転することで、前記吸入孔から吸入された流体が、前記ロータ室内で圧縮され、前記吐出孔から前記ロータ室外に吐出される流体機械であって、前記ハウジングと前記回転軸との間には、前記シール部材と前記径方向に隣接し、前記回転軸が貫通する環状の緩衝部材が設けられ、前記回転軸の軸方向における前記緩衝部材の少なくとも一方の端面には、前記緩衝部材を前記シール部材よりも前記径方向に弾性変形させるように、前記回転軸の周方向へ延在する溝が開口していることを要旨とする。
【0008】
これによれば、溝が開口することによって、緩衝部材は径方向に弾性変形できる。そして、回転軸が軸ブレしたとき、シール部材よりも緩衝部材を大きく径方向に弾性変形させることができる。回転軸から加わる力は、緩衝部材の弾性変形によって緩衝部材に吸収される。よって、シール部材を大きく弾性変形させることなく回転軸とハウジングとの間をシールした形状を維持できる。
【0009】
このため、軸ブレに伴うシール部材の弾性変形を加味して、回転軸に対するシール部材の押付力を大きくしなくてもよくなる。その結果、押付力を大きくすることを原因として、シール部材の摩耗が進行し易くなることを抑制できる。以上から、回転軸の軸ブレに伴うシール部材の弾性変形を原因として、シール部材によるシール性能が低下することを抑制できる。
【0010】
流体機械について、前記溝は、前記回転軸の周方向に延在する円弧状溝部と、当該円弧状溝部に連続し、かつ前記径方向の外側に向けて前記円弧状溝部から延在する突状溝部と、が前記周方向に交互に連続する波形状であってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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