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公開番号2024057185
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-24
出願番号2022163738
出願日2022-10-12
発明の名称遠心圧縮機
出願人株式会社豊田自動織機
代理人個人,個人
主分類F04D 29/44 20060101AFI20240417BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約【課題】回転軸に対して追加加工を施すことなく、遠心圧縮機の運転効率の低下を抑制すること。
【解決手段】第2挿通孔26の内側には、第1隙間81と、第2隙間82と、第3隙間83と、第4隙間84と、が設けられている。空気は、第1隙間81から第4隙間84に向かって流れるにつれて次々と減圧されていく。よって、第2インペラ43の背面43aと第2プレート16との間の空隙90から第2挿通孔26に流れ込んだ空気の圧力が効率良く減圧される。その結果、第2インペラ43によって圧縮されて第2吐出室に吐出される空気の一部が、第2挿通孔26を介してモータ室内に侵入してしまうことが抑制されている。シムプレート77を利用するだけで、第2挿通孔26の内側に第3隙間83及び第4隙間84を設けることができるため、第2挿通孔26の内側に第3隙間83及び第4隙間84を設けるために、回転軸41に対して追加加工を施す必要が無い。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
回転軸、及び前記回転軸と一体的に回転することで空気を圧縮するインペラを含む回転体と、
前記回転軸を回転させるモータと、
前記インペラを収容するインペラ室、前記モータを収容するモータ室、前記インペラ室と前記モータ室とを仕切るとともに前記回転体が挿通される挿通孔が形成されている仕切壁、及び前記インペラによって圧縮された空気が吐出される吐出室を有するハウジングと、
前記回転軸の軸方向で前記回転軸と前記インペラとの間に介在される環状のシムプレートと、を備えた遠心圧縮機であって、
前記回転軸は、前記挿通孔の内側に配置される軸部を有し、
前記軸部は、大径軸部と、前記大径軸部よりも小径であるとともに前記大径軸部から前記インペラ室に向けて延びる小径軸部と、を有し、
前記インペラは、前記インペラの背面から突出するとともに前記挿通孔の内側に配置されるボス部を有し、
前記ボス部は、大径ボス部と、前記大径ボス部よりも小径であるとともに前記大径ボス部から前記モータ室に向けて延びる小径ボス部と、を有し、
前記シムプレートは、前記小径軸部の端面と前記小径ボス部の端面との間に介在されるとともに前記小径軸部及び前記小径ボス部よりも前記回転軸の径方向外側へ突出しており、
前記仕切壁は、前記挿通孔の内周面から前記小径ボス部の外周面に向けて突出する環状の突起部を有し、
前記挿通孔の内側には、
前記挿通孔の内周面と前記大径ボス部の外周面との間に形成される第1隙間と、
前記突起部と前記小径ボス部の外周面との間に形成される第2隙間と、
前記シムプレートと前記挿通孔の内周面との間に形成される第3隙間と、
前記挿通孔の内周面と前記大径軸部の外周面との間に形成される第4隙間と、がこの順で、前記インペラ室から前記モータ室に向けて設けられており、
前記第1隙間、前記第2隙間、前記第3隙間、及び前記第4隙間は、前記挿通孔と前記回転体との間をシールするラビリンスシールを構成することを特徴とする遠心圧縮機。
続きを表示(約 480 文字)【請求項2】
前記仕切壁は、
前記インペラ室を区画するとともに前記挿通孔の一部を形成する第1孔を有する第1壁構成体と、
前記モータ室を区画するとともに前記挿通孔の一部を形成する第2孔を有する第2壁構成体と、を有し、
前記突起部は、前記第1孔の内周面から前記小径ボス部の外周面に向けて突出する第1突起部であり、
前記第2壁構成体は、前記第2孔の内周面から前記小径軸部の外周面に向けて突出する環状の第2突起部を有し、
前記挿通孔の内側には、前記第2突起部と前記小径軸部の外周面との間に形成される第5隙間が設けられ、
前記第5隙間は、前記第3隙間と前記第4隙間との間に位置し、前記第1隙間、前記第2隙間、前記第3隙間、前記第4隙間、及び前記第5隙間は、前記挿通孔と前記回転体との間をシールするラビリンスシールを構成することを特徴とする請求項1に記載の遠心圧縮機。
【請求項3】
前記シムプレートの線膨張係数は、前記仕切壁の線膨張係数よりも小さいことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遠心圧縮機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、遠心圧縮機に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されているように、遠心圧縮機は、回転軸、及びインペラを含む回転体を備えている。インペラは、回転軸と一体的に回転する。インペラは、空気を圧縮する。遠心圧縮機は、モータと、ハウジングと、を備えている。モータは、回転軸を回転させる。ハウジングは、インペラ室、モータ室、仕切壁、及び吐出室を有している。インペラ室は、インペラを収容する。モータ室は、モータを収容する。仕切壁は、インペラ室とモータ室とを仕切る。吐出室には、インペラによって圧縮された空気が吐出される。仕切壁には、回転体が挿通される挿通孔が形成されている。
【0003】
また、遠心圧縮機は、環状のシムプレートを備えている場合がある。シムプレートは、例えば、回転軸の軸方向で回転軸とインペラとの間に介在されている。シムプレートは、回転軸の軸方向で回転軸とインペラとの間に介在されることにより、インペラにおける回転軸の軸方向での位置を調整する。これにより、インペラとハウジングとの間のクリアランスが調整されるため、空気の圧縮効率が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2015-155696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような遠心圧縮機においては、インペラによって圧縮されて吐出室に吐出される空気の一部が、インペラの背面と仕切壁との間の空隙に流れ込む場合がある。すると、インペラの背面と仕切壁との間の空隙に流れ込んだ空気が、挿通孔を介してモータ室内に洩れてしまう虞がある。その結果、遠心圧縮機において、空気の無駄な圧縮が増えることになるため、運転効率が低下する要因となる。そこで、回転軸に対して追加加工を施すことなく、遠心圧縮機の運転効率の低下を抑制することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する遠心圧縮機は、回転軸、及び前記回転軸と一体的に回転することで空気を圧縮するインペラを含む回転体と、前記回転軸を回転させるモータと、前記インペラを収容するインペラ室、前記モータを収容するモータ室、前記インペラ室と前記モータ室とを仕切るとともに前記回転体が挿通される挿通孔が形成されている仕切壁、及び前記インペラによって圧縮された空気が吐出される吐出室を有するハウジングと、前記回転軸の軸方向で前記回転軸と前記インペラとの間に介在される環状のシムプレートと、を備えた遠心圧縮機であって、前記回転軸は、前記挿通孔の内側に配置される軸部を有し、前記軸部は、大径軸部と、前記大径軸部よりも小径であるとともに前記大径軸部から前記インペラ室に向けて延びる小径軸部と、を有し、前記インペラは、前記インペラの背面から突出するとともに前記挿通孔の内側に配置されるボス部を有し、前記ボス部は、大径ボス部と、前記大径ボス部よりも小径であるとともに前記大径ボス部から前記モータ室に向けて延びる小径ボス部と、を有し、前記シムプレートは、前記小径軸部の端面と前記小径ボス部の端面との間に介在されるとともに前記小径軸部及び前記小径ボス部よりも前記回転軸の径方向外側へ突出しており、前記仕切壁は、前記挿通孔の内周面から前記小径ボス部の外周面に向けて突出する環状の突起部を有し、前記挿通孔の内側には、前記挿通孔の内周面と前記大径ボス部の外周面との間に形成される第1隙間と、前記突起部と前記小径ボス部の外周面との間に形成される第2隙間と、前記シムプレートと前記挿通孔の内周面との間に形成される第3隙間と、前記挿通孔の内周面と前記大径軸部の外周面との間に形成される第4隙間と、がこの順で、前記インペラ室から前記モータ室に向けて設けられており、前記第1隙間、前記第2隙間、前記第3隙間、及び前記第4隙間は、前記挿通孔と前記回転体との間をシールするラビリンスシールを構成する。
【0007】
これによれば、第1隙間、第2隙間、第3隙間、及び第4隙間が、挿通孔と回転体との間をシールするラビリンスシールを構成している。具体的には、例えば、インペラの背面と仕切壁との間の空隙から挿通孔に空気が流れ込んだ場合に、第1隙間を通過することにより空気が絞られる。そして、第1隙間を通過した空気は、第2隙間に至るまでに膨張するとともに第2隙間を通過することにより再度絞られる。さらに、第2隙間を通過した空気は、第3隙間に至るまでに再度膨張するとともに第3隙間を通過することにより再度絞られる。そして、第3隙間を通過した空気は、第4隙間に至るまでに再度膨張するとともに第4隙間を通過することにより再度絞られる。このように、インペラの背面と仕切壁との間の空隙から挿通孔に空気が流れ込んだとしても、空気は、第1隙間から第2隙間及び第3隙間を介した第4隙間までの間で空気が絞られる部分と膨張する部分とを順次通過することになる。したがって、空気が第1隙間から第4隙間に向かって流れるにつれて次々と減圧されていく。よって、インペラの背面と仕切壁との間の空隙から挿通孔に流れ込んだ空気の圧力を効率良く減圧させることができる。その結果、インペラによって圧縮されて吐出室に吐出される空気の一部が、挿通孔を介してモータ室内に洩れてしまうことが抑制されている。その結果、遠心圧縮機において、空気の無駄な圧縮が抑制されるため、遠心圧縮機の運転効率の低下が抑制される。
【0008】
例えば、シムプレートを利用せずに、挿通孔の内側に第3隙間及び第4隙間を設けようとすると、軸部の外周面に環状の凹部を形成する必要がある。したがって、軸部の外周面に凹部を形成するための加工が必要となるため、回転軸に対して追加加工を施す必要がある。そこで、シムプレートを小径軸部及び小径ボス部よりも回転軸の径方向外側へ突出させることにより、第3隙間を形成した。これによれば、既存の構成であるシムプレートを利用するだけで、挿通孔の内側に第3隙間及び第4隙間を設けることができる。以上により、回転軸に対して追加加工を施すことなく、遠心圧縮機の運転効率の低下を抑制することができる。
【0009】
上記遠心圧縮機において、前記仕切壁は、前記インペラ室を区画するとともに前記挿通孔の一部を形成する第1孔を有する第1壁構成体と、前記モータ室を区画するとともに前記挿通孔の一部を形成する第2孔を有する第2壁構成体と、を有し、前記突起部は、前記第1孔の内周面から前記小径ボス部の外周面に向けて突出する第1突起部であり、前記第2壁構成体は、前記第2孔の内周面から前記小径軸部の外周面に向けて突出する環状の第2突起部を有し、前記挿通孔の内側には、前記第2突起部と前記小径軸部の外周面との間に形成される第5隙間が設けられ、前記第5隙間は、前記第3隙間と前記第4隙間との間に位置し、前記第1隙間、前記第2隙間、前記第3隙間、前記第4隙間、及び前記第5隙間は、前記挿通孔と前記回転体との間をシールするラビリンスシールを構成するとよい。
【0010】
これによれば、第2突起部が、第1突起部が形成されている第1壁構成体とは別部材である第2壁構成体に形成されている。したがって、遠心圧縮機の組み立ての際に、小径軸部の端面と小径ボス部の端面との間に介在されているシムプレートを、回転軸の軸方向で第1突起部と第2突起部との間に配置することができる。そして、挿通孔の内側に第5隙間が設けられている。したがって、第5隙間を通過することにより空気が絞られる。よって、第1隙間から第4隙間に向かって流れる空気がさらに減圧され易くなる。したがって、インペラの背面と仕切壁との間の空隙から挿通孔に流れ込んだ空気の圧力をさらに効率良く減圧させることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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