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公開番号2024034180
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-13
出願番号2022138253
出願日2022-08-31
発明の名称ガス圧縮機
出願人株式会社日立産機システム
代理人弁理士法人開知
主分類F04B 49/02 20060101AFI20240306BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約【課題】ガス圧縮機の周囲温度などのガス圧縮機の始動トルクが変化する条件が異なる場合でも起動時における電動モータのスター結線からデルタ結線への切替を適切なタイミングで行うことができるガス圧縮機を提供する。
【解決手段】ガス圧縮機は、圧縮機本体2、3を駆動する電動モータ4に機械的に接続されたポンプ11を含みポンプ11の油を圧縮機本体に供給する給油系統10、給油系統10を流れる油の圧力を検出する圧力センサ16、電動モータ4の結線状態をスター結線にする第1接続とデルタ結線にする第2接続とに切替可能な始動装置31、始動装置31を制御する制御装置40を備える。制御装置40は、圧縮機本体の起動開始に始動装置31を第1接続とし、圧縮機本体の起動中に圧力センサ16の検出圧力値が圧力閾値Pth以上か否かを判定し、検出圧力値が閾値Pth以上と判定したときに始動装置31を第1接続から第2接続へ切り替える。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
気体を圧縮する圧縮機本体と、
前記圧縮機本体を駆動する電動モータと、
前記電動モータに機械的に接続されて駆動されるポンプを含み、前記ポンプから吐出される油を前記圧縮機本体に供給する給油系統と、
前記給油系統を流れる油の圧力を検出する圧力センサと、
前記電動モータに電気的に接続され、前記電動モータの巻線の結線状態をスター結線にする第1接続とデルタ結線にする第2接続との間で切替可能な電気回路を有する始動装置と、
前記始動装置の前記電気回路の接続を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記圧縮機本体の起動が開始されるとき、前記始動装置の前記電気回路を前記第1接続とし、
前記圧縮機本体の起動中に前記圧力センサにより検出される圧力値が圧力閾値以上であるか否かを判定する切替判定を行い、
前記切替判定において前記圧力センサにより検出された圧力値が前記圧力閾値以上であると判定したときに、前記始動装置の前記電気回路を前記第1接続から前記第2接続に切り替えるように構成されている
ことを特徴とするガス圧縮機。
続きを表示(約 470 文字)【請求項2】
請求項1に記載のガス圧縮機であって、
前記圧力閾値は、予め設定された固定値であり、前記制御装置に予め記憶されている
ことを特徴とするガス圧縮機。
【請求項3】
請求項1に記載のガス圧縮機であって、
前記制御装置は、前記圧縮機本体が停止されるときに、前記圧縮機本体の停止直前の通常運転の状態において前記圧力センサによって検出された圧力値を記憶するように構成され、
前記制御装置は、前記切替判定において、記憶した圧力値を基に前記圧力閾値を設定する
ことを特徴とするガス圧縮機。
【請求項4】
請求項1に記載のガス圧縮機であって、
前記給油系統は、前記ポンプ以外に、前記ポンプから前記圧縮機本体に供給される油を冷却する熱交換器と、前記ポンプから前記圧縮機本体に供給される油の不純物をろ過するフィルタとを含み、
前記圧力センサは、前記給油系統における前記熱交換器及び前記フィルタよりも下流側に設置されている
ことを特徴とするガス圧縮機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス圧縮機に係り、さらに詳しくは、電動モータにより駆動されるガス圧縮機に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
ガス圧縮機では、圧縮機本体の原動機として電動モータが用いられている。ガス圧縮機を駆動する電動モータの起動方法としては、スターデルタ結線による起動方式が広く採用されている。スターデルタ結線は、ガス圧縮機の起動開始時(電動モータの低回転数領域)にスター結線とし、起動開始から所定の時間(例えば15秒程度)経過した後にデルタ結線へと切り替えるものである。この方式は、他の方式よりも比較的安価に電動モータの起動装置を構成することができるという利点がある。しかし、この起動方法は、スター結線からデルタ結線への切替時に電動モータが最大速度又は定格速度に対して不十分な回転速度までしか加速することができなかった場合、電動モータに過大な電流が流れることでトリップしてしまうことがある。
【0003】
スターデルタ結線による圧縮機の起動方法としては、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1に記載の技術は、スター結線により電動モータに電流を供給する時間を圧縮機の潤滑油の温度に応じて適切な時間とすることで電動機の起動時間の適正化を図るものである。具体的には、特許文献1に記載の圧縮機の起動方法は、圧縮機本体を潤滑する油の温度を測定し、スター結線により電動機に電流を供給する時間であるスター時間を測定された油の温度に基づき導出し、導出したスター時間の経過時にスター結線からデルタ結線に切り替えるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2015-78607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ガス圧縮機の電動モータによる起動時間、すなわち、電動モータが起動開始から最大速度又は定格速度までに到達する時間は、電動モータにかかる負荷トルクの大きさによって変化する。負荷トルクは、ガス圧縮機の圧縮機本体を加速させるために必要なトルクである。負荷トルクは、例えば、ガス圧縮機の周囲温度の違いによって変化する。ガス圧縮機の周囲温度が変化すると、圧縮機本体に供給される潤滑油の温度が変化することで、圧縮機本体の始動トルクが変化してしまう。負荷トルクは、ガス圧縮機の周囲温度の違いだけでなく、圧縮機本体に供給される潤滑油の流量の違いやその他の要因の違いによっても変化することがある。
【0006】
特許文献1に記載の技術は、測定された圧縮機の潤滑油の温度に基づきスター時間を導出するものである。すなわち、スター結線からデルタ結線への切替タイミング(スター時間)を電動モータの回転数とは直接的な関連性が低い潤滑油の温度を用いて推定するものである。このため、当該技術においては、ガス圧縮機の周囲温度に加えてそれ以外の要因(潤滑油の供給量など)よって圧縮機本体の始動トルクが変化した場合には、スター結線からデルタ結線への適切な切替タイミング、すなわち電動モータの最大速度又は定格速度への到達の有無を見極めることは難しい。
【0007】
本発明は、上記の問題点を解消するためになされたものであり、その目的は、ガス圧縮機の周囲温度などのガス圧縮機の始動トルクが変化する条件が異なっている場合であっても、起動時における電動モータのスター結線からデルタ結線への切替を適切なタイミングで行うことができるガス圧縮機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願は、上記課題を解決する手段を複数含んでいる。その一例を挙げるならば、気体を圧縮する圧縮機本体と、前記圧縮機本体を駆動する電動モータと、前記電動モータに機械的に接続されて駆動されるポンプを含み、前記ポンプから吐出される油を前記圧縮機本体に供給する給油系統と、前記給油系統を流れる油の圧力を検出する圧力センサと、前記電動モータに電気的に接続され、前記電動モータの巻線の結線状態をスター結線にする第1接続とデルタ結線にする第2接続との間で切替可能な電気回路を有する始動装置と、前記始動装置の前記電気回路の接続を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記圧縮機本体の起動が開始されるとき、前記始動装置の前記電気回路を前記第1接続とし、前記圧縮機本体の起動中に前記圧力センサにより検出される圧力値が圧力閾値以上であるか否かを判定する切替判定を行い、前記切替判定において前記圧力センサにより検出された圧力値が前記圧力閾値以上であると判定したときに、前記始動装置の前記電気回路を前記第1接続から前記第2接続に切り替えるように構成されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、圧縮機本体及びポンプを駆動する電動モータの回転数と当該ポンプからの油の供給圧力との間に相関関係があるので、圧縮機本体の起動時において、圧縮機本体を駆動する電動モータによって駆動されるポンプからの油の供給圧力を監視することで、電動モータの結線状態をスター結線からデルタ結線へ切り替える適切なタイミングを見極めることが可能となる。したがって、ガス圧縮機の周囲温度などのガス圧縮機の始動トルクが変化する条件が異なっている場合であっても、ガス圧縮機の起動時における始動装置による電動モータのスター結線からデルタ結線への切替を適切なタイミングで行うことができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の一実施の形態に係るガス圧縮機の概略構成を示す系統図である。
図1に示す一実施の形態に係るガス圧縮機の一部を構成する制御装置によるガス圧縮機の起動手順の一例を示すフローチャートである。
図1に示す一実施の形態に係るガス圧縮機の起動時における電動モータの回転速度とのポンプからの供給圧力との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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