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公開番号2024043956
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-02
出願番号2022149215
出願日2022-09-20
発明の名称ルーツポンプ
出願人株式会社豊田自動織機
代理人個人,個人
主分類F04C 29/00 20060101AFI20240326BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約【課題】軸方向クリアランスの軸方向への変化を抑制できるとともに、回転軸の軸ブレを抑制できるルーツポンプを提供すること。
【解決手段】ルーツポンプ10において、ロータハウジング14の材質における線膨張係数は、回転軸16の材質における線膨張係数よりも大きく、かつスペーサ40の材質における線膨張係数は、ロータハウジング14の材質における線膨張係数及び回転軸16の材質における線膨張係数と異なる。スペーサ40は、ロータハウジング14の軸方向への熱膨張及び回転軸16の軸方向への熱膨張に合わせて、ロータハウジング14及び回転軸16の線膨張係数の差に基づく軸方向への軸方向クリアランスCLの変化を低減すべく、第2軸受32とともに回転軸16を軸方向に変位させるように第2凹部14c内で熱膨張する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングにそれぞれ挿入され、軸受を介して回転可能に支持された一対の回転軸と、
前記回転軸にそれぞれ取り付けられ、互いに逆方向へ回転される一対の二葉まゆ形のロータと、を有し、
前記軸受は、前記回転軸を保持する内輪と、前記内輪を囲む外輪と、前記内輪と前記外輪との間に設けられる転動子と、を有し、
前記ハウジングには、一対の前記ロータを収容し、流体を吸入する吸入孔及び流体を吐出する吐出孔を備えたロータ室が画定され、
前記ロータ室は、
前記回転軸の軸方向において、前記ロータの端面と所定の軸方向クリアランスを介して対向する一対のロータ室端面と、
前記回転軸の径方向において、前記吸入孔と前記吐出孔との間を繋ぐ一対の円弧面からなり、前記ロータの周面と所定の径方向クリアランスを介して対向するロータ室周面と、を有し、
一対の前記ロータが回転することで、前記吸入孔から吸入された流体が、前記ロータ室周面の前記円弧面に案内されて、前記吐出孔から吐出されるルーツポンプであって、
前記ハウジングと前記外輪との間には、前記ハウジング及び前記外輪に取り付けられる筒状のスペーサが設けられ、
前記ハウジングには、前記軸受と前記スペーサが収容される収容室が形成され、
前記ハウジングの材質における線膨張係数は、前記回転軸の材質における線膨張係数よりも大きく、かつ前記スペーサの材質における線膨張係数は、前記ハウジングの材質における線膨張係数及び前記回転軸の材質における線膨張係数と異なり、
前記スペーサは、前記ハウジングの前記軸方向への熱膨張及び前記回転軸の前記軸方向への熱膨張に合わせて、前記ハウジング及び前記回転軸の前記線膨張係数の差に基づく前記軸方向への前記軸方向クリアランスの変化を低減すべく、前記軸受とともに前記回転軸を前記軸方向に変位させるように前記収容室内で熱膨張することを特徴とするルーツポンプ。
続きを表示(約 630 文字)【請求項2】
前記スペーサは、外筒と、当該外筒の内周側に一体に保持された内筒と、を有し、前記内筒は、前記軸受の前記外輪の外周面を囲んだ状態で当該外輪に取り付けられるとともに、前記外筒は、当該外筒の外周面が前記ハウジングによって囲まれた状態で前記ハウジングに取り付けられており、前記外筒の材質における線膨張係数と前記内筒の材質における線膨張係数とは異なる請求項1に記載のルーツポンプ。
【請求項3】
前記スペーサにおける軸方向の第1端面は、前記ロータ室側であり、かつ前記スペーサにおける軸方向の第2端面は、前記ロータ室側とは反対側であり、前記スペーサの前記第1端面側が前記軸受の前記外輪に取り付けられるとともに、前記第2端面には位置決め部材が接触しており、前記スペーサの材質における線膨張係数は、前記ハウジングの材質における線膨張係数より大きいことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のルーツポンプ。
【請求項4】
前記スペーサにおける軸方向の第1端面は、前記ロータ室側であり、かつ前記スペーサにおける軸方向の第2端面は、前記ロータ室側とは反対側であり、前記スペーサの前記第2端面側が前記軸受の前記外輪に取り付けられるとともに、前記第1端面には位置決め部材が接触しており、前記スペーサの材質における線膨張係数は、前記回転軸の材質における線膨張係数より小さいことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のルーツポンプ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ルーツポンプに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、ルーツポンプとしての水素ポンプが開示されている。特許文献1に開示された水素ポンプは、ハウジングと、二つの支持軸と、を有する。二つの支持軸の各々は、ラジアル軸受を介して軸受ハウジングに支持されている。各支持軸には、ロータが取り付けられている。一対のロータは、ポンプ室に組み込まれている。動作環境等によってルーツポンプの周囲温度が変化すると、ハウジング及び支持軸の熱膨張及び収縮といった熱変形が発生する。
【0003】
例えば、特許文献2には、熱膨張による変位を補償することを可能とした技術が開示されている。特許文献2のスクリュー圧縮機は、ケーシングと、ケーシングの内部に形成されたボアと、ボアに収納された雄ロータ及び雌ロータと、を有する。雄ロータと雌ロータは、吸入側軸受と吐出側軸受によってケーシングに支持されている。吐出側軸受は、軸受ブロックに外周を固定されている。軸受ブロックは、軸受変位機構を介してケーシングに固定されている。軸受変位機構の材質における線膨張係数は、ケーシングの材質における線膨張係数よりも大きい。そして、スクリュー圧縮機の運転に伴って温度上昇したとき、軸受変位機構の温度は上昇するとともに、軸受変位機構は熱膨張する。軸受変位機構の膨張量は、他の部材に比べて大きいため、軸受変位機構は軸受ブロックを変位させる。これにより、熱膨張による変位が補償される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2009-250215号公報
特開平11-336679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2において、熱膨張によって軸受ブロックを径方向に変位させるために、軸受変位機構は、径方向に容易に変位可能である。このため、特許文献2の軸受変位機構では、運転時の振動を受けたときや、吐出圧と吸入圧の差圧をロータが受けたとき、ロータが径方向に容易に変位して軸ブレが発生してしまう。また、特許文献2には、ロータとボアとの間の軸方向クリアランスについて、軸方向への変化については何ら言及されていない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するためのルーツポンプは、ハウジングと、前記ハウジングにそれぞれ挿入され、軸受を介して回転可能に支持された一対の回転軸と、前記回転軸にそれぞれ取り付けられ、互いに逆方向へ回転される一対の二葉まゆ形のロータと、を有し、前記軸受は、前記回転軸を保持する内輪と、前記内輪を囲む外輪と、前記内輪と前記外輪との間に設けられる転動子と、を有し、前記ハウジングには、一対の前記ロータを収容し、流体を吸入する吸入孔及び流体を吐出する吐出孔を備えたロータ室が画定され、前記ロータ室は、前記回転軸の軸方向において、前記ロータの端面と所定の軸方向クリアランスを介して対向する一対のロータ室端面と、前記回転軸の径方向において、前記吸入孔と前記吐出孔との間を繋ぐ一対の円弧面からなり、前記ロータの周面と所定の径方向クリアランスを介して対向するロータ室周面と、を有し、一対の前記ロータが回転することで、前記吸入孔から吸入された流体が、前記ロータ室周面の前記円弧面に案内されて、前記吐出孔から吐出されるルーツポンプであって、前記ハウジングと前記外輪との間には、前記ハウジング及び前記外輪に取り付けられる筒状のスペーサが設けられ、前記ハウジングには、前記軸受と前記スペーサが収容される収容室が形成され、前記ハウジングの材質における線膨張係数は、前記回転軸の材質における線膨張係数よりも大きく、かつ前記スペーサの材質における線膨張係数は、前記ハウジングの材質における線膨張係数及び前記回転軸の材質における線膨張係数と異なり、前記スペーサは、前記ハウジングの前記軸方向への熱膨張及び前記回転軸の前記軸方向への熱膨張に合わせて、前記ハウジング及び前記回転軸の前記線膨張係数の差に基づく前記軸方向への前記軸方向クリアランスの変化を低減すべく、前記軸受とともに前記回転軸を前記軸方向に変位させるように前記収容室内で熱膨張することを要旨とする。
【0007】
これによれば、軸受の外輪は、スペーサに囲まれた状態でスペーサに取り付けられるとともに、スペーサは、ハウジングに囲まれた状態でハウジングに取り付けられている。このため、スペーサによって、軸受の径方向への振動が抑制される。その結果、軸受に支持された回転軸の軸ブレが抑制される。また、スペーサの外周側は、ハウジングに取り付けられているため、ハウジングが軸方向へ熱膨張した際、スペーサの外周側は、ハウジングに追従しつつ軸方向へ熱膨張する。このとき、スペーサの内周側は、ハウジングに追従しにくいため、スペーサの外周側とは異なる量で軸方向へ熱膨張する。そして、スペーサは、ハウジングの軸方向への熱膨張及び回転軸の軸方向への熱膨張に合わせて、軸受とともに回転軸を軸方向に変位させる。このとき、スペーサは、ハウジング及び回転軸の線膨張係数の差に基づく軸方向クリアランスの変化を低減するように熱膨張する。これにより、軸方向クリアランスの軸方向への変化を抑制できる。
【0008】
ルーツポンプについて、前記スペーサは、外筒と、当該外筒の内周側に一体に保持された内筒と、を有し、前記内筒は、前記軸受の前記外輪の外周面を囲んだ状態で当該外輪に取り付けられるとともに、前記外筒は、当該外筒の外周面が前記ハウジングによって囲まれた状態で前記ハウジングに取り付けられており、前記外筒の材質における線膨張係数と前記内筒の材質における線膨張係数とは異なっていてもよい。
【0009】
これによれば、スペーサの外筒は、ハウジングに囲まれた状態でハウジングに取り付けられている。このため、ハウジングの軸方向への熱膨張及びスペーサの軸方向への熱膨張の際、外筒は、ハウジングの熱膨張に追従しつつ軸方向へ熱膨張する。一方、外筒と材質の異なる内筒は、外筒とは異なる量で独立して軸方向へ熱膨張して変位する。したがって、スペーサが外筒と内筒とに別れていない場合と比べると、スペーサに生じる歪みを抑制できる。
【0010】
ルーツポンプについて、前記スペーサにおける軸方向の第1端面は、前記ロータ室側であり、かつ前記スペーサにおける軸方向の第2端面は、前記ロータ室側とは反対側であり、前記スペーサの前記第1端面側が前記軸受の前記外輪に取り付けられるとともに、前記第2端面には位置決め部材が接触しており、前記スペーサの材質における線膨張係数は、前記ハウジングの材質における線膨張係数より大きくてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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