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公開番号2024036921
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-18
出願番号2022141477
出願日2022-09-06
発明の名称電動ポンプ及びその製造方法
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F04C 2/10 20060101AFI20240311BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約【課題】ポンプロータを一体回転可能に保持したモータ出力軸の回転精度を高める。
【解決手段】ポンプロータとしてのインナロータ21を一体回転可能に保持する電動モータ10の出力軸17が、モータロータ13の軸方向両側にそれぞれ配設された第1転がり軸受18及び第2転がり軸受19によりケーシング5に対して回転自在に支持される電動ポンプ1において、第1転がり軸受18の外輪18a及び内輪18bを、それぞれ、ケーシング5の内周面及び回転軸17の外周面に対して圧入する。また、モータロータ13に、その軸方向一方側及び他方側の端面がそれぞれ臨む空間同士を連通させる軸方向の連通孔16を設け、この連通孔16の軸方向一方側の開口部16aを外輪18aの他端面18a1の少なくとも一部と対向配置する。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
電動モータと、該電動モータの出力軸の軸方向一方側の端部に前記出力軸と一体回転可能に設けられたポンプロータと、前記電動モータを収容したモータ室と前記ポンプロータを収容したポンプ室とを軸方向に隔絶する環状の隔壁を有するケーシングと、を備え、
前記出力軸が、前記モータ室内でモータロータの軸方向一方側及び他方側にそれぞれ配設された第1及び第2転がり軸受により前記ケーシングに対して回転自在に支持される電動ポンプにおいて、
前記第1転がり軸受の外輪及び内輪が、それぞれ、前記ケーシングの内周面及び前記回転軸の外周面に対して圧入され、
前記モータロータに、その軸方向一方側及び他方側の端面がそれぞれ臨む空間同士を連通させる軸方向の連通孔が設けられ、この連通孔の軸方向一方側の開口部が、前記第1転がり軸受の外輪の軸方向他方側の端面の少なくとも一部と対向配置されていることを特徴とする電動ポンプ。
続きを表示(約 620 文字)【請求項2】
前記連通孔が、周方向の複数箇所に設けられている請求項1に記載の電動ポンプ。
【請求項3】
前記第2転がり軸受を、前記第1転がり軸受とは異なる軸受とした請求項1又は2に記載の電動ポンプ。
【請求項4】
前記第2転がり軸受は、その外輪の外周面が、前記連通孔の径方向外側の端部よりも径方向内側に位置したものである請求項1~3の何れか一項に記載の電動ポンプ。
【請求項5】
電動モータと、該電動モータの出力軸の軸方向一方側の端部に前記回転軸と一体回転可能に設けられたポンプロータと、前記電動モータを収容したモータ室と前記ポンプロータを収容したポンプ室とを軸方向に隔絶する環状の隔壁を有するケーシングとを備え、
前記出力軸が、前記モータ室内でモータロータの軸方向一方側及び他方側にそれぞれ配設された第1及び第2転がり軸受により前記ケーシングに対して回転自在に支持される電動ポンプを製造するための方法であって、
前記出力軸の外周面に前記モータロータとともに位置決め固定された前記第1転がり軸受の外輪を前記ケーシングの内周面に圧入するに際し、
前記モータロータに、その軸方向一方側及び他方側の端面がそれぞれ臨む空間同士を連通させる軸方向の連通孔を設け、この連通孔に挿通した治具で前記第1転がり軸受の外輪を軸方向一方側に押圧することを特徴とする電動ポンプの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電動ポンプ及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、自動車をはじめとする車両においては、電動ポンプを用いて必要箇所にオイルを供給する場合があり、例えば下記の特許文献1には、この種の用途で使用される電動ポンプが記載されている。この電動ポンプにおいて、モータロータが一体回転可能に結合された電動モータの出力軸は、その軸方向一方側の端部にポンプロータを一体回転可能に保持しており、モータロータの軸方向一方側及び他方側にそれぞれ配置された第1及び第2転がり軸受によってケーシングに対して回転自在に支持されている。
【0003】
また、電動モータが収容されるモータ室の軸方向一方側の端部には、出力軸の外周面と摺接するシールリップを有するシール部材が配設される。これにより、ポンプロータが収容されるポンプ室に介在する流体(オイル)が、モータ室に浸入するのを阻止することができる。さらに、ケーシングは、モータ室とポンプ室とを軸方向に隔絶する環状(筒状)の隔壁を一体に有し、モータ室とポンプ室は、隔壁の内周面と出力軸の外周面との間に形成される微小な径方向すきまを介して連通する。係る構成により、出力軸の円滑な回転が阻害されることなく、シール部材によるシール機能が担保される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2015-105601号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の構成を有する電動ポンプにおいて、ポンプロータを一体回転可能に保持した電動モータの出力軸の回転精度はポンプ能力に大きく影響を与えることから、電動モータの駆動時(出力軸の回転時)には、出力軸のガタを極力抑える必要がある。そのため、出力軸を支持する第1及び第2転がり軸受のうち、特に出力軸の回転時の荷重作用点となるポンプロータに接近した側(ポンプ室側)に配置される第1転がり軸受の外輪及び内輪は、それぞれ、ケーシングの内周面及び出力軸の外周面に対して圧入するのが好ましいと言える。なお、「圧入する」とは、締め代をもって嵌合する、しまりばめする、などと言い換えることができる。本明細書で言う「しまりばめ」、「すきまばめ」の定義は、JIS B 0401-1に記載された「しまりばめ」、「すきまばめ」の定義に準ずる。
【0006】
ここで、転がり軸受は、外輪、内輪、転動体及び保持器等が組み付けられた完成品の状態で組み付け対象に組み付けるのが一般的であるが、転がり軸受の外輪及び内輪の双方を組み付け対象に圧入する場合には、外輪と内輪の軸方向相対位置を厳密に管理する必要がある。外輪が内輪に対して軸方向に位置ズレすると、外輪の内周面(外側軌道面)及び/又は内輪の外周面(内側軌道面)に対して両者間に介在する転動体が強く押し付けられることにより、軸受性能の低下要因となる圧痕やキズ等の欠陥が上記軌道面に形成される可能性があるからである。
【0007】
また、出力軸と一体回転可能する部材は、出力軸に対する組み付け精度(出力軸の回転精度)を保証する観点から、できるだけ出力軸をケーシングに組み込む前に組み付けておくのが好ましい。但し、上記の電動ポンプの構造上、第1転がり軸受及びモータロータの双方を出力軸に予め組み付けた場合、モータロータの存在が邪魔になり、前述した欠陥が形成されるのを回避しつつ第1転がり軸受の外輪をケーシングに対して圧入することが難しくなる。
【0008】
上記の実情に鑑み、本発明は、ポンプロータが一体回転可能に設けられる電動モータの出力軸の回転精度を高めることを可能とし、これにより、所望のポンプ能力を安定的に発揮することができる高品質の電動ポンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために創案された本発明は、電動モータと、電動モータの出力軸の軸方向一方側の端部に上記出力軸と一体回転可能に設けられたポンプロータと、電動モータを収容したモータ室とポンプロータを収容したポンプ室とを軸方向に隔絶する環状の隔壁を有するケーシングと、を備え、上記出力軸が、モータ室内でモータロータの軸方向一方側及び他方側にそれぞれ配設された第1及び第2転がり軸受によりケーシングに対して回転自在に支持される電動ポンプにおいて、第1転がり軸受の外輪及び内輪が、それぞれ、ケーシングの内周面及び上記出力軸の外周面に圧入され、モータロータに、その軸方向一方側及び他方側の端面がそれぞれ臨む空間同士を連通させる軸方向の連通孔が設けられ、この連通孔の軸方向一方側の開口部が、第1転がり軸受の外輪の軸方向他方側の端面の少なくとも一部と対向配置されていることを特徴とする。
【0010】
このように、電動モータの出力軸をモータロータの軸方向一方側及び他方側でそれぞれ支持する第1及び第2転がり軸受のうち、第1転がり軸受の外輪及び内輪がケーシングの内周面及び出力軸の外周面に対してそれぞれ圧入(締め代をもって嵌合)されていれば、前述したとおり、電動モータの駆動時に出力軸がガタつくのを効果的に抑制することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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