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公開番号2024053284
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-15
出願番号2022159429
出願日2022-10-03
発明の名称水封式真空ポンプおよびインペラ
出願人樫山工業株式会社
代理人個人
主分類F04C 25/02 20060101AFI20240408BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約【課題】キャビテーションの発生を抑制できる形状を備えた水封式真空ポンプのインペラを提供すること。
【解決手段】水封式真空ポンプ1のインペラ10は、円筒状のハブ20の円形外周面21から放射状に延びる複数枚の板状の羽根30を備えている。羽根30におけるインペラ回転方向Rを向く羽根前面31は、羽根幅方向Wの中心を頂点とし、当該頂点から羽根幅方向Wの両側に向かうに連れて、インペラ回転方向Rの反対側に徐々に後退している凸面形状をしている。羽根前面31に沿ってインペラ半径方向の外方に向かう封水の流れの一部を羽根幅方向Wに徐々に逃がすことができる。これにより、羽根先端の封水の流速変化が抑制されインペラ回転時における封水の最大差圧を低減できる。よって、キャビテーションの発生を抑制できる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
水封式真空ポンプのインペラであって、
ハブを中心として当該ハブの外周面から放射状に延びる複数枚の板状の羽根を備えており、
前記羽根におけるインペラ回転方向を向く羽根前面は、インペラ中心軸線に沿った方向である羽根幅方向において、前記羽根幅方向の中心を頂点とし、当該頂点から前記羽根幅方向の両側に向かうに連れて、前記インペラ回転方向とは反対側に徐々に後退している凸面形状をしていることを特徴とする水封式真空ポンプのインペラ。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
請求項1において、
前記羽根前面の凸面形状は凸曲面によって規定されている水封式真空ポンプのインペラ。
【請求項3】
請求項1において、
前記羽根は、前記インペラ回転方向とは反対側に凸となるように湾曲した一定幅の湾曲板形状をしている水封式真空ポンプのインペラ。
【請求項4】
請求項1において、
前記羽根における前記インペラ回転方向とは反対側の羽根後面は、前記羽根幅方向において、前記インペラ中心軸線に平行な面によって規定されており、
前記羽根の板厚は、前記羽根幅方向の中心において最も厚く、当該羽根幅方向の両側に向けて漸減している水封式真空ポンプのインペラ。
【請求項5】
請求項4において、
前記羽根におけるインペラ半径方向の外方を向いている羽根先端面と前記羽根前面とが交差する羽根先端前側角部は、フィレットあるいは面取りが施された前側傾斜面となっており、
前記羽根先端面と前記羽根後面とが交差する羽根先端後側角部は、フィレットあるいは面取りが施された後側傾斜面となっており、
前記前側傾斜面の幅に比べて前記後側傾斜面の幅が狭い水封式真空ポンプのインペラ。
【請求項6】
請求項1において、
前記ハブにおける隣接する一対の前記羽根の間において、半径方向に貫通して延びるねじ装着穴と、
前記ねじ装着穴に装着して前記ハブをポンプ回転軸に締結固定するための六角穴付き止めねじと、
を備えている水封式真空ポンプのインペラ。
【請求項7】
請求項1ないし6のうちのいずれか一つの項に記載のインペラを、1つまたは、複数備えていることを特徴とする水封式真空ポンプ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は水封式真空ポンプに関し、更に詳しくは、水封式真空ポンプにおいてキャビテーションの発生を抑制するのに適した形状のインペラに関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
図4に示すように、水封式真空ポンプ100は、ポンプ本体110および電動機120から構成されており、ポンプ本体110は、円筒形のケーシング130、ケーシング130の内部において偏心した位置に配置したポンプ回転軸140およびポンプ回転軸140に同軸に取り付けたインペラ150(羽根車)を備えている。また、ケーシング130における電動機120とは反対側の端に、円盤状のポートプレート160を挟み取り付けたカバーユニット170等を備えている。インペラ150は放射状に延びる複数枚の板状の羽根151を備えている。カバーユニット170には、気体の吸入口171、吐出口172および水等の封液の給水口173が形成されており、ポートプレート160には、吸入口171に連通する吸入ポート161および吐出口172に連通する吐出ポート162が形成されている。
【0003】
公知のように、水封式真空ポンプ100において、インペラ150を回転させると、ケーシング内の水が遠心力によってケーシングの円形内周面に沿って円環状の水膜180を形成する。水膜180と、隣接する一対の羽根151との間に、それぞれ、密閉空間が形成され、インペラ150の回転に伴って隣接する羽根の間の密閉空間の容積が変化して、気体の吸込、圧縮、排出が繰り返される。
【0004】
水封式真空ポンプにおいて、インペラが高速回転することにより液体の流れが加速されて圧力が液体の飽和蒸気圧まで低下するとキャビテーションが発生し、圧力が回復すると(高くなると)、キャビテーションが消滅(崩壊)する。キャビテーションの発生・消滅に起因してポンプ性能の低下、振動・騒音の発生、インペラ表面等における壊食の発生などの弊害が引き起こされる。
【0005】
キャビテーションの発生を抑制あるいは防止するために、特許文献1(実開平5-7987号公報)においては、インペラの羽根先端部における回転方向の前側の角を傾斜面とすることが提案されている。特許文献2(実開昭58-70496号公報)においては、給水口を改良することにより、キャビテーションの発生を減らすようにした水封式ポンプが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
実開平5-7987号公報
実開昭58-70496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来において、水封式真空ポンプにおけるキャビテーションの抑制あるいは防止に適したインペラ形状の改良については、特許文献1に記載されているように羽根先端部の角の面取りを行うこと以外は着目されておらず、また、具体的な形状についても提案されていない。
【0008】
本発明の目的は、キャビテーションの発生を抑制するために、ポンプ室内の最大差圧を小さくできるようにした水封式真空ポンプのインペラ、および当該インペラを備えた水封式真空ポンプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の水封式真空ポンプのインペラは、
ハブを中心として当該ハブの外周面から放射状に延びる複数枚の板状の羽根を備えており、
羽根におけるインペラ回転方向を向く羽根前面は、
インペラ中心軸線に沿った方向である羽根幅方向において、羽根幅方向の中心を頂点とし、当該頂点から羽根幅方向の両側に向かうに連れて、インペラ回転方向とは反対側に徐々に後退している凸面形状をしていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明において、インペラの各羽根の羽根前面は、当該羽根前面に衝突する封水を羽根幅方向の両側に向けて徐々に逃がすことのできる凸面形状をしている。これにより、羽根先端における封水の流速変化が抑制され、インペラ回転時における封水の最大差圧を低減できる。これにより、キャビテーションの発生が抑制される。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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