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公開番号2024047182
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-05
出願番号2022152659
出願日2022-09-26
発明の名称単細胞紅藻の培養方法、単細胞紅藻の製造方法、及びフィコシアニンの製造方法
出願人DIC株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C12N 1/12 20060101AFI20240329BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】単細胞紅藻を高密度に培養可能な、単細胞紅藻の培養方法、前記培養方法を利用した単細胞紅藻の製造方法、及びフィコシアニンの製造方法を提供する。
【解決手段】有機炭素源の存在下で、単細胞紅藻を培養することを含み、前記培養中の最高到達藻体濃度が、15g/L以上である、単細胞紅藻の培養方法。また、有機炭素源の存在下で単細胞紅藻を培養し、前記単細胞紅藻の藻体濃度が15g/L以上である培養液を得る工程(A)と、前記培養液から前記単細胞紅藻を回収する工程(B)と、を含む、単細胞紅藻の製造方法。また、前記の単細胞紅藻の製造方法により単細胞紅藻を製造する工程と、前記単細胞紅藻からフィコシアニンを抽出する工程とを含む、フィコシアニンの製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
有機炭素源の存在下で、単細胞紅藻を培養することを含み、
前記培養中の最高到達藻体濃度が、15g/L以上である、
単細胞紅藻の培養方法。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
前記培養を暗所で行う、請求項1に記載の単細胞紅藻の培養方法。
【請求項3】
前記培養を流加培養で行う、請求項1に記載の単細胞紅藻の培養方法。
【請求項4】
前記培養中に、培養液のOD
800
が所定値以上である場合、有機炭素源、窒素源、リン源、及びマグネシウム源からなる群より選択される少なくとも1種の成分を、0.5~1日毎に培養液に供給する、請求項3に記載の単細胞紅藻の培養方法。
【請求項5】
前記培養中に、培養液のOD
800
が所定値増加する毎に、所定の成分を前記培養液に供給する、請求項3に記載の単細胞紅藻の培養方法。
【請求項6】
前記所定の成分が、鉄源、カルシウム源、マンガン源、コバルト源、銅源、亜鉛源、及びモリブデン源からなる群より選択される少なくとも1種の成分である、請求項5に記載の単細胞紅藻の培養方法。
【請求項7】
前記単細胞紅藻が、イデユコゴメ綱に属する単細胞紅藻である、請求項1に記載の単細胞紅藻の培養方法。
【請求項8】
前記イデユコゴメ綱に属する単細胞紅藻が、シアニディオシゾン(Cyanidioschyzon)属に属する藻類である、請求項7に記載の単細胞紅藻の培養方法。
【請求項9】
有機炭素源の存在下で単細胞紅藻を培養し、前記単細胞紅藻の藻体濃度が15g/L以上である培養液を得る工程(A)と、
前記培養液から前記単細胞紅藻を回収する工程(B)と、
を含む、単細胞紅藻の製造方法。
【請求項10】
前記工程(A)における培養を暗所で行う、請求項9に記載の単細胞紅藻の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、単細胞紅藻の培養方法、単細胞紅藻の製造方法、及びフィコシアニンの製造方法に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
フィコシアニンは、数少ない天然の青色色素であり、食品の着色に用いられてきた。フィコシアニンは、主にスピルリナ等の藍藻を用いて生産されてきた。しかしながら、耐熱及び耐酸性が低いため、使用できる食品の範囲が限定されていた。
【0003】
単細胞紅藻の中には、光合成色素としてフィコシアニンを産生するものがある。例えば、単細胞紅藻の一種であるシアニディオシゾン・メロラエ(Cyanidioschyzon merolae)は、フィコシアニンを産生することが知られている(特許文献1)。シアニディオシゾン・メロラエが産生するフィコシアニンは、耐酸性及び耐熱性が高く、用途の拡大が見込まれる(特許文献1、非特許文献1)。しかしながら、シアニディオシゾン・メロラエは、一般に、絶対独立栄養性とされているため、藻体の高密度且つ大規模な工業生産に適していなかった。
近年、シアニディオシゾン・メロラエを従属栄養培養したことが報告されている(非特許文献2、3)。しかしながら、藻密度の指標となる光学密度が最大でもOD
750
≒8であり、高密度化が十分とはいえない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6681065号公報
【非特許文献】
【0005】
D. Y. Rahman, F. D. Sarian, A. van Wijk, M. Martinez-Garcia & M. J. E. C. van der Maarel. Thermostable phycocyanin from the red microalga Cyanidioschyzon merolae, a new natural blue food colorant. Journal of Applied Phycology (2017) 29, 1233-1239.
Takashi Moriyama, Natsumi Mori, and Naoki Sato. Activation of oxidative carbon metabolism by nutritional enrichment by photosynthesis and exogenous organic compounds in the red alga Cyanidioschyzon merolae: evidence for heterotrophic growth. SpringerPlus (2015) 4:559.
Takashi Moriyama, Natsumi Mori, Noriko Nagata, and Naoki Sato. Selective loss of photosystem I and formation of tubular thylakoids in heterotrophka11y grown red alga Cyanidioschyzon merolae. Photosynthesis Research (2019) 140, 275-287.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
シアニディオシゾン・メロラエのような単細胞紅藻を用いて、フィコシアニン等の有用物質を工業的に生産するためには、高密度に単細胞紅藻を培養できることが望ましい。
【0007】
そこで、本発明は、単細胞紅藻を高密度に培養可能な、単細胞紅藻の培養方法、前記培養方法を利用した単細胞紅藻の製造方法、及びフィコシアニンの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の態様を含む。
[1]有機炭素源の存在下で、単細胞紅藻を培養することを含み、前記培養中の最高到達藻体濃度が、15g/L以上である、単細胞紅藻の培養方法。
[2]前記培養を暗所で行う、[1]に記載の単細胞紅藻の培養方法。
[3]前記培養を流加培養で行う、[1]又は[2]に記載の単細胞紅藻の培養方法。
[4]前記培養中に、培養液のOD
800
が所定値以上である場合、有機炭素源、窒素源、リン源、及びマグネシウム源からなる群より選択される少なくとも1種の成分を、0.5~1日毎に培養液に供給する、[3]に記載の単細胞紅藻の培養方法。
[5]前記培養中に、培養液のOD
800
が所定値増加する毎に、所定の成分を前記培養液に供給する、[3]に記載の単細胞紅藻の培養方法。
[6]前記所定の成分が、鉄源、カルシウム源、マンガン源、コバルト源、銅源、亜鉛源、及びモリブデン源からなる群より選択される少なくとも1種の成分である、[5]に記載の単細胞紅藻の培養方法。
[7]前記単細胞紅藻が、イデユコゴメ綱に属する単細胞紅藻である、[1]~[6]のいずれか1つに記載の単細胞紅藻の培養方法。
[8]前記イデユコゴメ綱に属する単細胞紅藻が、シアニディオシゾン(Cyanidioschyzon)属に属する藻類である、[7]に記載の単細胞紅藻の培養方法。
[9]有機炭素源の存在下で単細胞紅藻を培養し、前記単細胞紅藻の藻体濃度が15g/L以上である培養液を得る工程(A)と、前記培養液から前記単細胞紅藻を回収する工程(B)と、を含む、単細胞紅藻の製造方法。
[10]前記工程(A)における培養を暗所で行う、[9]に記載の単細胞紅藻の製造方法。
[11]前記工程(A)における培養を流加培養で行う、[9]又は[10]に記載の単細胞紅藻の製造方法。
[12]前記工程(A)における培養中に、前記培養液のOD
800
が所定値以上である場合、有機炭素源、窒素源、リン源、及びマグネシウム源からなる群より選択される少なくとも1種の成分を、0.5~1日毎に前記培養液に供給する、[11]に記載の単細胞紅藻の製造方法。
[13]前記工程(A)における培養中に、前記培養液のOD
800
が所定値増加する毎に、所定の成分を前記培養液に供給する、[11]に記載の単細胞紅藻の製造方法。
[14]前記所定の成分が、鉄源、カルシウム源、マンガン源、コバルト源、銅源、亜鉛源、及びモリブデン源からなる群より選択される少なくとも1種の成分である、[13]に記載の単細胞紅藻の製造方法。
[15]前記単細胞紅藻が、イデユコゴメ綱に属する単細胞紅藻である、[9]~[14]のいずれか1つに記載の単細胞紅藻の製造方法。
[16]前記イデユコゴメ綱に属する単細胞紅藻が、シアニディオシゾン(Cyanidioschyzon)属に属する藻類である、[15]に記載の単細胞紅藻の製造方法。
[17][9]~[16]のいずれか1つに記載の単細胞紅藻の製造方法により単細胞紅藻を製造する工程と、前記単細胞紅藻からフィコシアニンを抽出する工程と、を含む、フィコシアニンの製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、単細胞紅藻を高密度に培養可能な、単細胞紅藻の培養方法、前記培養方法を利用した単細胞紅藻の製造方法、及びフィコシアニンの製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
シアニディオシゾン・メロラエ Cm-1及びCRY2の従属栄養培養における藻体乾燥重量の推移を示す。
シアニディオシゾン・メロラエ Cm-1及びCRY2の従属栄養培養におけるOD
800
の推移を示す。
シアニディオシゾン・メロラエ Cm-1及びCRY2の従属栄養培養におけるフィコシアニン含量の推移を示す。
シアニディオシゾン・メロラエ Cm-1の従属栄養培養における藻体乾燥重量の推移を示す。
シアニディオシゾン・メロラエ Cm-1の従属栄養培養におけるフィコシアニン含量の推移を示す。
シアニディオシゾン・メロラエ NIES-3377の独立栄養培養におけるOD
800
の推移を示す。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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