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公開番号2024045968
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-03
出願番号2022151081
出願日2022-09-22
発明の名称多板クラッチ
出願人株式会社SUBARU
代理人個人
主分類F16D 25/0638 20060101AFI20240327BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】多板クラッチにおけるヒステリシス、すなわち、締結側と解放側との締結力差(伝達トルク差)をより小さくすることが可能な多板クラッチを提供する。
【解決手段】多板クラッチ1は、交互に配置される複数のアウタプレート11及び複数のインナプレート12と、アウタプレート11を摺動不能に規制する第1固定部材13と、インナプレート12を摺動不能に規制する第2固定部材14とを備え、アウタプレート11は、外周側に形成される第1嵌合部111と内周側に形成される第1摩擦摺接部113とをつなぎ、第1嵌合部111及び第1摩擦摺接部113よりも剛性が低く軸方向に撓み得る第1可撓性部112を有し、インナプレート12は、内周側に形成される第2嵌合部121と外周側に形成される第2摩擦摺接部123とをつなぎ、第2嵌合部121及び第2摩擦摺接部123よりも剛性が低く軸方向に撓み得る第2可撓性部122を有する。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
軸方向に交互に配置された複数のアウタプレート及び複数のインナプレートと、
前記複数のアウタプレートそれぞれを軸方向に摺動不能に規制する第1固定部材と、
前記複数のインナプレートそれぞれを軸方向に摺動不能に規制する第2固定部材と、を備え、
前記複数のアウタプレートそれぞれは、
外周側に形成され、一方の回転部材と嵌合する第1嵌合部と、
内周側に形成される第1摩擦摺接部と、
前記第1嵌合部と前記第1摩擦摺接部とをつなぎ、前記第1嵌合部及び前記第1摩擦摺接部よりも軸方向の剛性が低く、軸方向に撓み得る第1可撓性部と、を有し、
前記複数のインナプレートそれぞれは、
内周側に形成され、他方の回転部材と嵌合する第2嵌合部と、
外周側に形成され、前記第1摩擦摺接部と摺接し得る第2摩擦摺接部と、
前記第2嵌合部と前記第2摩擦摺接部とをつなぎ、前記第2嵌合部及び前記第2摩擦摺接部よりも軸方向の剛性が低く、軸方向に撓み得る第2可撓性部と、を有し、
前記第1固定部材は、隣り合う前記第1嵌合部の間に取り付けられ、前記第1嵌合部が軸方向に摺動しないように規制し、
前記第2固定部材は、隣り合う前記第2嵌合部の間に取り付けられ、前記第2嵌合部が軸方向に摺動しないように規制する
ことを特徴とする多板クラッチ。
続きを表示(約 540 文字)【請求項2】
前記複数のアウタプレート及び前記複数のインナプレートの軸方向に移動自在に、前記複数の第1摩擦摺接部及び前記複数の第2摩擦摺接部を挟んで対向して配置される第1押圧部材、及び、第2押圧部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の多板クラッチ。
【請求項3】
単一の油圧室の油圧に応じて、前記第1押圧部材及び前記第2押圧部材を、互いに近づく方向又は互いに遠ざかる方向に駆動する油圧ピストンを備えることを特徴とする請求項2に記載の多板クラッチ。
【請求項4】
前記第1可撓性部は、厚みが、前記第1嵌合部及び前記第1摩擦摺接部よりも薄く形成されており、又は、放射状に配置された複数のスリット或は溝が形成されており、
前記第2可撓性部は、厚みが、前記第2嵌合部及び前記第2摩擦摺接部よりも薄く形成されている、又は、放射状に配置された複数のスリット或は溝が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の多板クラッチ。
【請求項5】
前記一方の回転部材又は前記他方の回転部材に取り付けられるドライブギヤ、及び、該ドライブギヤと噛合するドリブンギヤをさらに備えることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の多板クラッチ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、多板クラッチに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、自動車の動力伝達装置(例えば全輪駆動車(AWD車)のトランスファ等)では、駆動側の回転部材と、被駆動側の回転部材との間において、油圧に応じて締結力(伝達トルク)を可変する(トルクの伝達と遮断とを行う)湿式多板クラッチが広く用いられている。湿式多板クラッチでは、駆動側に設けられたドライブプレートと、被駆動側に設けられたドリブンプレートとが交互に配列されており、例えば、油圧を印加してピストンを駆動し、ドライブプレートとドリブンプレートとを摺動させて圧着(摩擦摺接)することにより、トルクを伝達する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開昭62-59123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、湿式多板クラッチでは、締結時及び解放時にクラッチプレート(ドライブプレート及びドリブンプレート)が摺動することによるフリクション(回転部材とクラッチプレートとの嵌合部のフリクション)によりヒステリシスが生じる。すなわち、締結側と解放側とで(締結力を上げていくときと下げていくときとで)油圧(同一油圧)に対する締結力(伝達トルク)に差が生じる。このようなヒステリシスは、例えば、締結力(伝達トルク)の制御性を悪化させる要因となり得るため、ヒステリシスの改善(低減)が求められていた。
【0005】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、多板クラッチにおけるヒステリシス、すなわち、締結側と解放側との締結力差(伝達トルク差)をより小さくすることが可能な多板クラッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る多板クラッチは、軸方向に交互に配置された複数のアウタプレート及び複数のインナプレートと、複数のアウタプレートそれぞれを軸方向に摺動不能に規制する第1固定部材と、複数のインナプレートそれぞれを軸方向に摺動不能に規制する第2固定部材とを備え、複数のアウタプレートそれぞれは、外周側に形成され、一方の回転部材と嵌合する第1嵌合部と、内周側に形成される第1摩擦摺接部と、第1嵌合部と第1摩擦摺接部とをつなぎ、該第1嵌合部及び第1摩擦摺接部よりも軸方向の剛性が低く、軸方向に撓み得る第1可撓性部とを有し、複数のインナプレートそれぞれは、内周側に形成され、他方の回転部材と嵌合する第2嵌合部と、外周側に形成され、第1摩擦摺接部と摺接し得る第2摩擦摺接部と、第2嵌合部と第2摩擦摺接部とをつなぎ、該第2嵌合部及び第2摩擦摺接部よりも軸方向の剛性が低く、軸方向に撓み得る第2可撓性部とを有し、第1固定部材は、隣り合う第1嵌合部の間に取り付けられ、該第1嵌合部が軸方向に摺動しないように規制し、第2固定部材は、隣り合う第2嵌合部の間に取り付けられ、該第2嵌合部が軸方向に摺動しないように規制することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、多板クラッチにおけるヒステリシス、すなわち、締結側と解放側との締結力差(伝達トルク差)をより小さくすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施形態に係る多板クラッチの構成(締結時)を示す断面図である。
実施形態に係る多板クラッチの構成(解放時)を示す断面図である。
実施形態に係る多板クラッチを構成するアウタプレート(ドライブプレート)を示す正面図である。
実施形態に係る多板クラッチを構成するインナプレート(ドリブンプレート)を示す正面図である。
実施形態に係る多板クラッチのトルク伝達特性(ヒステリシス)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図中、同一又は相当部分には同一符号を用いることとする。また、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0010】
まず、図1~図4を併せて用いて、実施形態に係る多板クラッチ(湿式多板クラッチ)1の構成について説明する。図1は、多板クラッチ1の構成(締結状態)を示す断面図である。図2は、多板クラッチ1の構成(解放状態)を示す断面図である。図3は、多板クラッチ1を構成するアウタプレート(ドライブプレート)11を示す正面図(軸方向から見た図)である。図4は、多板クラッチ1を構成するインナプレート(ドリブンプレート)12を示す正面図(軸方向から見た図)である。
(【0011】以降は省略されています)

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