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公開番号2024045244
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-02
出願番号2024005446,2020557810
出願日2024-01-17,2019-11-28
発明の名称BIG3-PHB2相互作用阻害PHB2由来ペプチドを含む乳がん治療薬
出願人国立大学法人徳島大学,オンコセラピー・サイエンス株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C12N 15/12 20060101AFI20240326BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】エストロゲン受容体陽性のがんに特異的に高発現するタンパク質であるBIG3への結合能を有し、BIG3陽性のがん細胞に対して優れた増殖抑制作用を有し、そのため、副作用の発現を回避することができる乳がん治療薬として有用であるペプチド及びペプチドを含む医薬組成物を提供する。
【解決手段】PHB2ポリペプチドにおけるBIG3ポリペプチドとの結合部位を含み、PHB2ポリペプチドとBIG3ポリペプチドとの結合を阻害する特定の配列を有するペプチド、及び該ペプチドを含む医薬組成物を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
PHB2ポリペプチドにおけるBIG3ポリペプチドとの結合部位を含み、PHB2ポリペプチドとBIG3ポリペプチドとの結合を阻害するペプチド。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
配列番号28のアミノ酸配列における11~21番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列の全部または一部、76~88番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列の全部または一部、および44~57番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列の全部または一部のうちのいずれか1つまたは組み合わせを含む、請求項1に記載のペプチド。
【請求項3】
以下の(a)~(f)からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み、PHB2ポリペプチドとBIG3ポリペプチドとの結合を阻害するペプチド:
(a)配列番号1および36~41からなる群より選択されるアミノ酸配列;
(b)配列番号1および36~41からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して、1個、2個、または数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または付加されているアミノ酸配列;
(c)配列番号5および47~53からなる群より選択されるアミノ酸配列;
(d)配列番号5および47~53からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して、1個、2個、または数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または付加されているアミノ酸配列;
(e)配列番号82~83からなる群より選択されるアミノ酸配列;ならびに
(f)配列番号82~83からなる群より選択されるアミノ酸配列に対して、1個、2個、または数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入および/または付加されているアミノ酸配列。
【請求項4】
以下の(a')~(b')からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項3に記載のペプチド:
(a')配列番号1および36~41からなる群より選択されるアミノ酸配列において、配列番号28のアミノ酸配列における15番目のグリシン及び18番目のグリシンに対応する位置以外の1個、2個、または数個のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されているアミノ酸配列;ならびに
(b')配列番号5および47~53からなる群より選択されるアミノ酸配列において、配列番号28のアミノ酸配列における82番目のアスパラギン酸に対応する位置以外の1個、2個、または数個のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されているアミノ酸配列。
【請求項5】
80残基以下のアミノ酸残基からなる、請求項1~4のいずれか一項に記載のペプチド。
【請求項6】
25残基以下のアミノ酸残基からなる、請求項1~5のいずれか一項に記載のペプチド。
【請求項7】
配列番号1、5、36~41、47~53、および82~83からなる群より選択されるアミノ酸配列からなる、請求項1~6のいずれか一項に記載のペプチド。
【請求項8】
細胞膜透過性物質により修飾されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のペプチド。
【請求項9】
環状型である、請求項1~8のいずれか一項に記載のペプチド。
【請求項10】
架橋型である、請求項1~9のいずれか一項に記載のペプチド。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、BIG3-PHB2相互作用を阻害するPHB2由来ペプチド及びそれを含む乳がん治療薬に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
エストロゲン受容体α(Estrogen-receptor:ERα)は、乳がんの発生と進行に中心的な役割を果たす。近年の乳がんに対する内分泌療法は、選択的ERαモジュレーター(例えば、タモキシフェン及びラロキシフェン)、ERαダウンレギュレーター(例えば、フルベストラント)、およびアロマターゼ阻害剤(aromatase inhibitor:AI)を使用するものであり、ERαシグナリングを主に標的としている(非特許文献1~3)。これらの治療法のうち、ERαへの競合的結合を介して乳がん細胞の増殖を阻害するタモキシフェンを用いる方法は、ERα陽性乳がん患者に対する標準療法である。しかしながら、タモキシフェン療法は、しばしば有効でない場合があり、患者は内分泌療法耐性腫瘍を再発して死亡することもある(非特許文献4、5)。また、エストロゲン合成をブロックするAIは、タモキシフェンと比較して、良好な有効性、無再発生存期間の有意な延長、および閉経女性における再発期間の延長のような実質的な臨床効果をもたらすが、AI療法を受けた一部の患者は再発する(非特許文献6、7)。これらの内分泌療法の有効性に影響を与える正確な分子事象は、未だ解明されていない。
【0003】
がん特異的タンパク質であるブレフェルジンA阻害グアニンヌクレオチド交換タンパク質3(brefeldin A-inhibited guanine nucleotide-exchange protein 3:BIG3)と腫瘍サプレッサーであるプロヒビチン2(prohibitin 2:PHB2)との複合体は、ERα陽性乳がんにおけるエストロゲンシグナル調節において中心的な役割を果たす(非特許文献8、9)。BIG3は、PHB2と結合してエストロゲン依存性転写活性化を抑制するPHB2の能力を阻害し、恒常的なERα活性をもたらす。
これらの知見に基づき、BIG3-PHB2相互作用の阻害によりBIG3との複合体からPHB2を遊離させ、PHB2の腫瘍抑制活性を発揮させるという戦略は、乳がんの新規療法となりうる。この戦略に基づき、本発明者らは、以前、BIG3-PHB2相互作用を特異的に阻害するBIG3のドミナントネガティブペプチドを開発した(特許文献1)。このペプチドは、PHB2の腫瘍抑制活性を再活性化することにより、乳がん増殖をもたらすERαシグナルパスウェイを阻害し、乳がん増殖を抑制することが確認されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
WO2013/018690
【非特許文献】
【0005】
Johnston, S. R., Clin. Cancer Res. 16(7), 1979-87 (2010).
Fisher, B. et al., J. Natl. Cancer Inst. 97(22), 1652-62 (2005).
Jordan, V. C., Nature Rev. Drug Discov. 2(3), 205-13 (2003).
Clarke, R. et al., Pharmacol. Rev. 53(1), 25-71 (2001).
Fisher, B. et al., J. Natl. Cancer Inst. 93(9), 684-90 (2001).
Chlebowski, R. et al., Breast 2, S1-11 (2009).
Chumsri, S. et al., J. Steroid Biochem. Mol. Biol. 125(1-2), 13-22 (2011).
Kim, J. W. et al., Cancer Sci. 100(8), 1468-78 (2009).
Yoshimaru, T. et al., Nat. Commun. 4, 2443 (2013).
Yoshimaru, T. et al., Sci Rep. 7(1), 1821 (2017).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
さきに述べたとおり、エストロゲン受容体(ER)活性化制御分子BIG3が抑制因子PHB2と相互作用してERの恒常的活性化を導くこと、およびBIG3-PHB2相互作用標的阻害ペプチド(ERAP:BIG3タンパク質の165番目から177番目までのアミノ酸配列(QMLSDLTLQLRQR:配列番号33)によるエストロゲン(E2)依存性乳がん細胞増殖抑制効果が明らかにされている(特許文献1、WO2017/126461)。しかしながら、BIG3配列由来のERAPは、PHB2に結合することによって相互作用阻害を果たすが、PHB2はヒトの全身の臓器にて発現を認めることから、がん組織以外の臓器における非選択的な作用の発現を否定することはできない。
【0007】
そのため、本発明は、BIG3-PHB2相互作用を標的とし、乳がんに対する高い選択性を期待できる治療戦略を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、in silico解析を通じて予測されたPHB2アミノ酸配列上のタンパク質相互作用候補領域のデータに基づいて、複数のPHB2由来ペプチド(PHB2ペプチド)を設計し、それらを用いて細胞増殖抑制効果を指標とした相互作用領域の同定のスクリーニングを進めた。その結果、PHB2ペプチドNo.1(11-RLPAGPRGMGTA-22(配列番号1))とPHB2ペプチドNo.5(76-QYPIIYDIRARPRKI-90(配列番号5))において、それぞれ約50%の増殖抑制効果を認め、特にPHB2ペプチドNo.1およびNo.5の併用にて、ERAPと同様の100%の増殖抑制効果、BIG3-PHB2相互作用阻害効果を認めることに成功した。さらに、これらの効果は、PHB2ペプチドNo.1およびNo.5の周辺の配列からなるペプチドや、PHB2ペプチドNo.1およびNo.5における種々の位置のアミノ酸残基を置換したペプチドについても認められた。
【0009】
一方、エストロゲン受容体等を発現しないが、BIG3の発現が認められているトリプルネガティブ乳がん細胞においても、PHB2ペプチドNo.1およびNo.5の細胞増殖抑制効果が認められた。また、これらのペプチドの併用では効果の増強が認められた。ホルモン等の増殖シグナルに非依存的に増殖するトリプルネガティブ乳がんでは、細胞内でこれらのシグナル受容なしに、PHB2とBIG3が結合することで増殖の活性化が起こっていると考えられる。PHB2由来ペプチドは、少なくともBIG3を発現している乳がんにおいて、BIG3とPHB2の結合を阻害することにより細胞の増殖を抑制する可能性が示唆された。
【0010】
このように、本発明者らは、BIG3-PHB2相互作用を阻害し、E2依存性乳がんおよびトリプルネガティブ乳がんに対する抗腫瘍効果を発揮するPHB2由来ペプチドを見出し、本発明を完成した。すなわち本発明は、以下のペプチド、ならびにその用途を提供する。
(【0011】以降は省略されています)

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