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公開番号2024045143
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-02
出願番号2023221984,2022000421
出願日2023-12-27,2018-03-29
発明の名称抗PD-1抗体と突然変異IL-2とまたはIL-15とのイムノコンジュゲート
出願人エフ・ホフマン-ラ・ロシュ・アクチェンゲゼルシャフト
代理人園田・小林弁理士法人
主分類C07K 19/00 20060101AFI20240326BHJP(有機化学)
要約【課題】一般的に、イムノコンジュゲート、特に、突然変異インターロイキン-2ポリペプチドと、PD-1に結合する抗体とを含むイムノコンジュゲート、該イムノコンジュゲートを産生するための方法、それを含む薬学的組成物、およびその使用を提供する。
【解決手段】(i)PD-1に結合する抗体と、(ii)IL-2Rβγを通じてシグナル伝達するポリペプチド、特にIL-2ポリペプチドまたはIL-15ポリペプチドとを含むイムノコンジュゲートを提供する。IL-2ポリペプチドが、突然変異IL-2ポリペプチドであり、突然変異IL-2ポリペプチドが、アミノ酸置換F42A、Y45AおよびL72G(ヒトIL-2配列、特定の配列に対する番号付け)を含むヒトIL-2分子である、前記イムノコンジュゲートであることが好ましい。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
(i)PD-1に結合する抗体と、(ii)IL-2Rβγを通じてシグナル伝達するポリペプチド、特にIL-2ポリペプチドまたはIL-15ポリペプチドとを含むイムノコンジュゲート。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
IL-2ポリペプチドが、突然変異IL-2ポリペプチドであり、
突然変異IL-2ポリペプチドが、アミノ酸置換F42A、Y45AおよびL72G(ヒトIL-2配列、配列番号19に対する番号付け)を含むヒトIL-2分子である、請求項1に記載のイムノコンジュゲート。
【請求項3】
IL-2ポリペプチドが、突然変異IL-2ポリペプチドであり、
突然変異IL-2ポリペプチドが、アミノ酸置換F42A、Y45AおよびL72G(ヒトIL-2配列、配列番号19に対する番号付け)を含むヒトIL-2分子であり、
抗体が、(a)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR-H3、およびKabat番号付けによる71~73位に配列番号7のアミノ酸配列を含むFR-H3を含む重鎖可変領域(VH)、ならびに(b)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR-L2、および配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む軽鎖可変領域(VL)を含む、請求項1に記載のイムノコンジュゲート。
【請求項4】
IL-2ポリペプチドが、突然変異IL-2ポリペプチドであり、
突然変異IL-2ポリペプチドが、アミノ酸置換F42A、Y45AおよびL72G(ヒトIL-2配列、配列番号19に対する番号付け)を含むヒトIL-2分子であり、
抗体が、(a)配列番号8のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-H2、および配列番号10のアミノ酸配列を含むHVR-H3を含む重鎖可変領域(VH)、ならびに(b)配列番号11のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号12のアミノ酸配列を含むHVR-L2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む軽鎖可変領域(VL)を含む、請求項1に記載のイムノコンジュゲート。
【請求項5】
IL-2ポリペプチドが、突然変異IL-2ポリペプチドであり、
突然変異IL-2ポリペプチドが、アミノ酸置換F42A、Y45AおよびL72G(ヒトIL-2配列、配列番号19に対する番号付け)を含むヒトIL-2分子であり、
抗体が、(a)配列番号14のアミノ酸配列と少なくとも約95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)、ならびに(b)配列番号15、配列番号16、配列番号17、および配列番号18からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも約95%、96%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む、請求項1に記載のイムノコンジュゲート。
【請求項6】
突然変異IL-2ポリペプチドが、アミノ酸置換T3Aおよび/またはアミノ酸置換C125Aをさらに含む、請求項2から5のいずれか一項に記載のイムノコンジュゲート。
【請求項7】
突然変異IL-2ポリペプチドが、配列番号20の配列を含む、請求項2から6のいずれか一項に記載のイムノコンジュゲート。
【請求項8】
1つ以下の突然変異IL-2ポリペプチドを含む、請求項2から7のいずれか一項に記載のイムノコンジュゲート。
【請求項9】
抗体が、第1のサブユニットおよび第2のサブユニットで構成されるFcドメインを含む、請求項2から8のいずれか一項に記載のイムノコンジュゲート。
【請求項10】
Fcドメインが、IgGクラス、特にIgG

サブクラスのFcドメインである、請求項9に記載のイムノコンジュゲート。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、イムノコンジュゲート、特に、突然変異インターロイキン-2ポリペプチドと、PD-1に結合する抗体とを含むイムノコンジュゲートに関する。加えて、本発明は、イムノコンジュゲートをコードするポリヌクレオチド分子、ならびにこのようなポリヌクレオチド分子を含むベクターおよび宿主細胞に関する。本発明は、さらに、突然変異イムノコンジュゲートを産生するための方法、それを含む薬学的組成物、およびその使用に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
T細胞増殖因子(TCGF)としても公知のインターロイキン-2(IL-2)は、リンパ球生成、生存およびホメオスタシスに中心的な役割を果たす15.5kDaの球状糖タンパク質である。IL-2は、133アミノ酸長を有し、その機能に不可欠な四次構造を形成する4つの逆平行両親媒性α-ヘリックスからなる(Smith、Science 240、1169-76(1988);Bazan、Science 257、410-413(1992))。異なる種由来のIL-2の配列は、NCBI RefSeq番号NP000577(ヒト)、NP032392(マウス)、NP446288(ラット)またはNP517425(チンパンジー)に見出される。
【0003】
IL-2は、IL-2受容体(IL-2R)への結合によりその作用を媒介し、IL-2Rは、最大3つの個別のサブユニットからなり、これらのサブユニットの異なる会合が、IL-2に対する親和性の異なる受容体形態を産生することができる。α(CD25)、β(CD122)、およびγ(γ

、CD132)サブユニットの会合の結果、IL-2に対するトリマー性高親和性受容体が生じる。βおよびγサブユニットからなるダイマー性IL-2受容体は、中親和性IL-2Rと呼ばれる。αサブユニットは、モノマー性低親和性IL-2受容体を形成する。ダイマー性中親和性IL-2受容体は、トリマー性高親和性受容体の約100分の1の親和性でIL-2と結合するものの、ダイマー性およびトリマー性IL-2受容体変異体の両方は、IL-2が結合するとシグナルを伝達することができる(Minamiら、Annu Rev Immunol 11、245-268(1993))。したがって、α-サブユニットであるCD25は、IL-2シグナル伝達に必須ではない。CD25は、その受容体に高親和性の結合性を付与するのに対し、βサブユニットであるCD122およびγ-サブユニットは、シグナル伝達に重要である(Kriegら、Proc Natl Acad Sci 107、11906-11(2010))。CD25を含むトリマー性IL-2受容体は、(静止)CD4

フォークヘッドボックスP3(FoxP3)

制御性T(T
reg
)細胞により発現される。トリマー性IL-2受容体は、通常型活性化T細胞上にも一過性に誘導されるのに対し、これらの細胞は、静止状態ではダイマー性IL-2受容体だけを発現する。T
reg
細胞は、最高レベルのCD25をインビボで一貫して発現する(Fontenotら、Nature Immunol 6、1142-51(2005))。
【0004】
IL-2は、主に、活性化T細胞、特にCD4

ヘルパーT細胞によって合成される。これは、T細胞の増殖および分化を刺激し、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)の生成および末梢血リンパ球の細胞傷害性細胞およびリンホカイン活性化キラー(LAK)細胞への分化を誘導し、T細胞によるサイトカインおよび細胞溶解分子の発現を促進し、B細胞の増殖および分化ならびにB細胞による免疫グロブリンの合成を推進し、ナチュラルキラー(NK)細胞の生成、増殖および活性化を刺激する(例えば、Waldmann、Nat Rev Immunol 6、595-601(2009);OlejniczakおよびKasprzak、Med Sci Monit 14、RA179-89(2008);Malek、Annu Rev Immunol 26、453-79(2008)に概説がある)。
【0005】
IL-2がリンパ球集団をインビボで増殖させ、これらの細胞のエフェクター機能を増加できることにより、IL-2に抗腫瘍効果が付与され、IL-2免疫療法がある特定の転移がんのための魅力的な治療選択肢になる。その結果、高用量IL-2治療は、転移性腎細胞癌および悪性メラノーマの患者における使用のために承認されている。
【0006】
しかし、IL-2は、エフェクター細胞の増殖および活性を媒介するだけでなく、末梢性免疫寛容の維持に決定的に関与する点で、免疫応答に二重の機能を有する。
【0007】
末梢性自己寛容の基礎をなす主なメカニズムは、T細胞におけるIL-2誘導性活性化誘導細胞死(AICD)である。AICDは、完全に活性化したT細胞が、CD95(Fasとしても公知)またはTNF受容体などの細胞表面発現デスレセプターの結合によりプログラム細胞死を受けるプロセスである。(IL-2への事前曝露後に)高親和性IL-2受容体を発現している増殖中の抗原活性化T細胞が、T細胞受容体(TCR)/CD3複合体を介して抗原で再刺激されると、Fasリガンド(FasL)および/または腫瘍壊死因子(TNF)の発現が誘導され、細胞がFas媒介性アポトーシスに対して感受性になる。このプロセスは、IL-2依存性であり(Lenardo、Nature 353、858-61(1991))、STAT5を介して媒介される。Tリンパ球におけるAICDプロセスにより、自己抗原だけでなく、腫瘍抗原などの明らかに宿主の構成物の一部ではない持続性抗原に対しても寛容が樹立される可能性がある。
【0008】
そのうえ、IL-2は、また、サプレッサーT細胞としても公知の末梢CD4

CD25

制御性T(T
reg
)細胞の維持に関与する(Fontenotら、Nature Immunol 6、1142-51(2005);D’CruzおよびKlein、Nature Immunol 6、1152-59(2005);MaloyおよびPowrie、Nature Immunol 6、1171-72(2005)。T
reg
細胞は、細胞間接触を通じてT細胞の助けおよび活性化を阻害することにより、またはIL-10もしくはTGF-βなどの免疫抑制サイトカインの放出を通じてのいずれかで、エフェクターT細胞がその(自己)標的を破壊するのを抑制する。T
reg
細胞の枯渇は、IL-2誘導性抗腫瘍免疫を高めることも示された(Imaiら、Cancer Sci 98、416-23(2007))。
【0009】
したがって、IL-2の存在下では、生成したCTLが腫瘍を自己として認識し、AICDを受ける場合があるか、または免疫応答がIL-2依存性T
reg
細胞により阻害される場合があるかのいずれかであるので、IL-2は、腫瘍増殖を阻害するために最適ではない。
【0010】
IL-2免疫療法に関するさらなる懸念は、組換えヒトIL-2治療により生じる副作用である。高用量IL-2治療を受けている患者は、集中監視および入院患者管理を要する、重症の心血管、肺、腎、肝、消化管、神経、皮膚、血液および全身の有害事象をしばしば経験する。これらの副作用の大部分は、いわゆる血管(または毛細血管)漏出症候群(VLS)の発生、多臓器において体液溢出をもたらす血管透過性の病的増加(例えば、肺および皮膚浮腫ならびに肝細胞損傷を引き起こす)および血管内液減少(血圧低下および心拍数における代償性増加を引き起こす)により説明することができる。IL-2の中止以外にVLSの治療はない。VLSを回避するために、患者において低用量IL-2レジメンが試験されてきたが、最適以下の治療結果という犠牲を払ったものである。VLSは、IL-2活性化NK細胞からの腫瘍壊死因子(TNF)-αなどの、炎症性サイトカインの放出によって引き起こされると考えられていたが、低~中レベルの機能性αβγIL-2受容体を発現している肺内皮細胞へのIL-2の直接結合が原因で、IL-2誘導性肺浮腫が起こったことが、最近示されている(Kriegら、Proc Nat Acad Sci USA 107、11906-11(2010))。
(【0011】以降は省略されています)

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