TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024044065
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-02
出願番号2022149388
出願日2022-09-20
発明の名称差動減速機
出願人株式会社ニッセイ
代理人個人,個人
主分類F16H 1/32 20060101AFI20240326BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】耐久性及び全体のコンパクト化を維持しつつ、転動体の位置規制を実現する。
【解決手段】差動減速機1は、内歯歯車3と、入力軸4と、外歯歯車5と、変換部材6と、中間部材8とを含み、変換部材6は、外歯歯車5の側面に設けられたブロック部27と、中間部材8の内周側に設けられた突部40とに、径方向に配置された複数の第1、第2ニードルピン33,42を介してそれぞれ回転方向で係合可能で、外歯歯車5の偏心回転運動に伴い、変換部材6が回転運動すると共に、ブロック部27及び突部40に沿った2つの径方向へ順番に移動することで、外歯歯車5の偏心回転運動を、回転出力部材となる内歯歯車3又は中間部材8の回転運動に変換する。そして、中間部材8の内周側に、突部40と変換部材6との間からの第2ニードルピン42の脱落を防止する突起部43を設けている。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
内歯歯車と、
前記内歯歯車内に配置されて前記内歯歯車を同軸で貫通し、自身の中心軸に対して偏心する偏心部を有する入力軸と、
前記偏心部に外装され、前記内歯歯車に内接して噛み合う外歯歯車と、
前記外歯歯車の軸方向で前記外歯歯車に隣接して配置される変換部材と、
前記変換部材の外側に配置されるリング状の中間部材と、を含み、
前記変換部材は、前記外歯歯車の側面に設けられた第1のガイド部と、前記中間部材の内周側に設けられ、前記第1のガイド部と周方向に90°異なる位相で配置された第2のガイド部とに、径方向に配置された複数の転動体を介してそれぞれ回転方向で係合可能で、前記外歯歯車の偏心回転運動に伴い、前記変換部材が回転運動すると共に、前記第1のガイド部及び前記第2のガイド部に沿った2つの径方向へ順番に移動することで、前記外歯歯車の偏心回転運動を、回転出力部材となる前記内歯歯車又は前記中間部材の回転運動に変換する差動減速機であって、
前記中間部材の内周側に、前記第2のガイド部と前記変換部材との間からの前記転動体の脱落を防止する位置規制部を設けたことを特徴とする差動減速機。
続きを表示(約 330 文字)【請求項2】
前記第2のガイド部は、前記中間部材の内周から中心側へ突出する突部であり、前記変換部材の外周には、前記突部が進入する切欠部が設けられて、前記転動体は、前記突部と前記切欠部との間に配置されて、
前記位置規制部は、前記突部の根元に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の差動減速機。
【請求項3】
前記位置規制部は、前記中間部材に一体形成され、前記突部を除く前記中間部材の内周よりも径方向内側へ突出する突起部であることを特徴とする請求項2に記載の差動減速機。
【請求項4】
前記転動体は、軸線が前記入力軸の軸線と平行となるニードルピンであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の差動減速機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、内歯歯車と、内歯歯車に内接して噛合する外歯歯車とを含む内接揺動式の差動減速機に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
差動減速機には、内歯歯車と、内歯歯車に内接して噛合する外歯歯車とを含む内接揺動式のものが知られている。外歯歯車は、入力軸に設けられた偏心部に外装されて、差動減速機では、入力軸の回転に伴う外歯歯車の偏心回転運動を回転運動に変換することで、自転成分のみを出力可能となっている。例えば特許文献1には、外歯歯車の軸方向に隣接して、変換部材と、その外周を囲むリング状の当てプレートとをそれぞれ配置し、変換部材の内周側に、外歯歯車の側面に設けた当てブロックが位置する切り欠きを、変換部材の外周側に、当てプレートの内周に設けた突部が位置する切り欠きを、互いに90°位相が異なるようにそれぞれ設けて、当てブロックと切り欠きとの互いに対向する摺動部間と、突部と切り欠きとの互いに対向する摺動部間とに、ニードルローラをそれぞれ配置した発明が開示されている。
この差動減速機では、入力軸が回転して外歯歯車が偏心回転運動すると、変換部材が各ニードルローラによって2つの径方向へ順番に相対移動しながら当てプレートへ動力を伝達する。よって、変換部材を介して外歯歯車の自転成分のみが当てプレートから取り出し可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-139465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の差動減速機において、変換部材の外周側に設けた切り欠き(切欠部)の摺動部と、当てプレートの内周側に設けた突部の摺動部との間では、ニードルローラが外周側へ脱落しないように転動範囲を規制する必要がある。よって、ここでは切り欠きの両端の角部を突部側へ突出させてニードルローラの位置規制を図っている。しかし、突出する角部の肉厚が薄いため、強度が低くなって衝撃で破損するおそれがある。かといって角部の肉厚を大きくすると、変換部材の径が大きくなって全体のサイズアップに繋がってしまう。
【0005】
そこで、本開示は、耐久性及び全体のコンパクト化を維持しつつ、ニードルローラ等の転動体の位置規制が効果的に実現可能となる差動減速機を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示は、内歯歯車と、
前記内歯歯車内に配置されて前記内歯歯車を同軸で貫通し、自身の中心軸に対して偏心する偏心部を有する入力軸と、
前記偏心部に外装され、前記内歯歯車に内接して噛み合う外歯歯車と、
前記外歯歯車の軸方向で前記外歯歯車に隣接して配置される変換部材と、
前記変換部材の外側に配置されるリング状の中間部材と、を含み、
前記変換部材は、前記外歯歯車の側面に設けられた第1のガイド部と、前記中間部材の内周側に設けられ、前記第1のガイド部と周方向に90°異なる位相で配置された第2のガイド部とに、径方向に配置された複数の転動体を介してそれぞれ回転方向で係合可能で、前記外歯歯車の偏心回転運動に伴い、前記変換部材が回転運動すると共に、前記第1のガイド部及び前記第2のガイド部に沿った2つの径方向へ順番に移動することで、前記外歯歯車の偏心回転運動を、回転出力部材となる前記内歯歯車又は前記中間部材の回転運動に変換する差動減速機であって、
前記中間部材の内周側に、前記第2のガイド部と前記変換部材との間からの前記転動体の脱落を防止する位置規制部を設けたことを特徴とする。
本開示の別の態様は、上記構成において、前記第2のガイド部は、前記中間部材の内周から中心側へ突出する突部であり、前記変換部材の外周には、前記突部が進入する切欠部が設けられて、前記転動体は、前記突部と前記切欠部との間に配置されて、
前記位置規制部は、前記突部の根元に設けられていることを特徴とする。
本開示の別の態様は、上記構成において、前記位置規制部は、前記中間部材に一体形成され、前記突部を除く前記中間部材の内周よりも径方向内側へ突出する突起部であることを特徴とする。
本開示の別の態様は、上記構成において、前記転動体は、軸線が前記入力軸の軸線と平行となるニードルピンであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、変換部材に設けた切欠部の両端の角部を転動体の位置規制に利用しないため、角部が衝撃で破損したり、変換部材が大径化して全体のサイズアップに繋がったりすることがなくなる。よって、耐久性及び全体のコンパクト化を維持しつつ、転動体の位置規制が効果的に実現可能となる。
本開示の別の態様によれば、上記効果に加えて、転動体を、中間部材の内周に設けた突部と、変換部材の外周に設けた切欠部との間に配置して、突起部を突部の根元に設けているので、突部を利用して突起部の強度を確保でき、耐久性の一層の向上が期待できる。
本開示の別の態様によれば、上記効果に加えて、位置規制部を、中間部材に一体形成され、突部を除く中間部材の内周よりも径方向内側へ突出する突起部としているので、中間部材に位置規制部を容易に形成可能となる。
本開示の別の態様によれば、上記効果に加えて、転動体を、軸線が入力軸の軸線と平行となるニードルピンとしているので、ガイド部及び突部に沿った変換部材の移動がスムーズに行える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
差動減速機の側面図である。
図1のA-A断面図である。
図1のB-B線断面図である。
図3のC-C線断面図である。
差動減速機の分解斜視図である。
図4における上側の突部部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、差動減速機の一例を入力側から示す側面図である。図2は、図1のA-A線断面図、図3は、図1のB-B線断面図である。本開示の差動減速機は、例えば産業用ロボットの関節部分などに使用される。
差動減速機1は、ケース2と、内歯歯車3と、入力軸4と、外歯歯車5と、変換部材6とを備えている。
まず、ケース2は、円筒状の主ケース7と、主ケース7における入力側(図1の右側)に配置され、外形が主ケース7と略同一であるリング状の中間部材8と、中間部材8の入力側に配置され、外形が主ケース7及び中間部材8と略同一のブラケット9とからなる。主ケース7、中間部材8、ブラケット9は、ブラケット9及び中間部材8を貫通して主ケース7にねじ込まれる複数のボルト10,10・・により一体に結合されている。主ケース7と中間部材8との間及び、中間部材8とブラケット9との間には、Oリング11,11がそれぞれ配置されている。主ケース7、中間部材8、ブラケット9において、各ボルト10と異なる位置には、複数の貫通孔12,12・・が形成されている。
【0010】
内歯歯車3は、主ケース7の径方向内側に配置されている。内歯歯車3は、主ケース7の内周面と内歯歯車3の外周面との間で周方向に配置された複数のクロスローラ14,14・・からなるクロスローラベアリング13を介して、主ケース7内で回転可能に支持されている。主ケース7と内歯歯車3との間でクロスローラベアリング13の出力側には、オイルシール15が配置されている。差動減速機1内に充填された潤滑剤(例えばグリス)は、オイルシール15及びOリング11,11によって封止される。
内歯歯車3において、出力側(図1の左側)の端面には、複数のボルト穴16,16・・が形成されている。ここではケース2を貫通孔12を介して固定側とすると、内歯歯車3が出力側となり、ボルト穴16を介して内歯歯車3が相手側装置と連結される。一方、内歯歯車3をボルト穴16を介して固定側とすると、ケース2が出力側となり、貫通孔12を介してケース2が相手側装置と連結される。内歯歯車3の内周面において、ボルト穴16側の部分には内歯が形成されず、円盤状のベアリングハウジング17が圧入により固定されている。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
脚装置
3か月前
個人
配管固定金具
3か月前
個人
チェーン
4か月前
個人
ポール制振装置
3か月前
個人
家具
1か月前
個人
管と容器の断熱装置
5か月前
個人
ナット
5か月前
個人
締結具
4か月前
個人
ジャイロの軸受装置
1か月前
個人
アンカーボルト
1か月前
株式会社ミクニ
弁装置
3か月前
カヤバ株式会社
バルブ
1か月前
株式会社テイエルブイ
自動弁
1か月前
日東精工株式会社
シールねじ
3か月前
カヤバ株式会社
ダンパ
1か月前
株式会社フジキン
開度固定器
5か月前
株式会社ミクニ
弁装置
2か月前
株式会社ジェイテクト
玉軸受
4か月前
マフレン株式会社
自動給脂器
2か月前
株式会社ミクニ
弁装置
2か月前
株式会社フジキン
バルブ装置
1か月前
カヤバ株式会社
緩衝器
3か月前
株式会社不二工機
電磁弁
3か月前
個人
圧入成形物の製造法
1か月前
株式会社奥村組
制振機構
3か月前
日星電気株式会社
多層チューブ
2か月前
株式会社テイエルブイ
熱応動弁
3か月前
株式会社TOK
着脱装置
1日前
コクヨ株式会社
固定部材
5か月前
株式会社奥村組
制振機構
3か月前
株式会社ナジコ
自在継手
1か月前
株式会社不二工機
電動弁
2か月前
イワブチ株式会社
締結具
3か月前
株式会社エステック
減速機
1か月前
明正工業株式会社
ねじ部材
3か月前
株式会社ジェイテクト
転がり軸受
4か月前
続きを見る