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公開番号2024043633
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-02
出願番号2022148723
出願日2022-09-20
発明の名称プロピレン系樹脂組成物、成形体、フィルム、多層フィルムおよび積層体
出願人三井化学株式会社,株式会社プライムポリマー
代理人弁理士法人エスエス国際特許事務所
主分類C08L 23/10 20060101AFI20240326BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】成形性に優れ、かつ従来公知のプロピレン系樹脂組成物から得られる成形体と比較して、得られる成形体の機械的強度、低温でのヒートシール強度および、耐ブロッキング性のバランスに優れるプロピレン系樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】230℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が1.0~100g/10分のプロピレン系重合体(A)と、エチレンと炭素数4~10のα-オレフィンとの共重合体であって、要件(1)~(4)を満たすエチレン-α-オレフィン共重合体(B)と、を含み、プロピレン系重合体(A)の質量分率(WA)が50~95質量%であり、エチレン-α-オレフィン共重合体(B)の質量分率(WB)が5~50質量%である(ただし、WAとWBとの合計を100質量%とする。)プロピレン系樹脂組成物(Z)、成形体、フィルム、多層フィルム、および、積層体。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
230℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR(230))が1.0g/10分以上100g/10分以下のプロピレン系重合体(A)と、
エチレンと炭素数4~10のα-オレフィンとの共重合体であって、下記要件(1)~(4)を満たすエチレン-α-オレフィン共重合体(B)と、
を含み、
前記プロピレン系重合体(A)の質量分率(W
A
)が50質量%以上95質量%以下であり、前記エチレン-α-オレフィン共重合体(B)の質量分率(W
B
)が5質量%以上50質量%以下である(ただし、W
A
とW
B
との合計を100質量%とする。)プロピレン系樹脂組成物(Z)。
(1)密度が890kg/m
3
以上950kg/m
3
以下の範囲にある。
(2)190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR(190))が0.1g/10分以上15.0g/10分以下の範囲にある。
(3)190℃における溶融張力〔MT(g)〕と、200℃、角速度1.0rad/秒におけるせん断粘度〔η*(P)〕との比〔MT/η*(g/P)〕が1.20×10
-4
以上2.90×10
-4
以下の範囲にある。
(4)200℃におけるゼロせん断粘度〔η
0
(P)〕とGPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量(Mw)が、下記関係式(Eq-1)を満たす。
0.01×10
-13
×Mw
3.4
≦η
0
≦2.5×10
-13
×Mw
3.4
・・・(Eq-1)
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記プロピレン系重合体(A)が、示差走査熱量測定(DSC)で測定した融点が100~150℃であり、
プロピレンと、エチレンおよび炭素原子数4~12のα-オレフィンの少なくとも一方と、を共重合して得られる重合体であり、
前記エチレン-α-オレフィン共重合体(B)がさらに下記要件(5)~(7)を満たす、請求項1に記載のプロピレン系樹脂組成物(Z)。
(5)
1
H-NMRにより測定された炭素原子1000個当たりのビニル、ビニリデン、2置換内部オレフィン、および、3置換内部オレフィンの合計(個/1000C)が0.1以上1.0以下の範囲にある。
(6)示差走査熱量測定(DSC)により得られた融解曲線に複数個のピークが存在する。
(7)135℃デカリン中で測定した極限粘度〔[η](dl/g)〕とGPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量(Mw)とが下記関係式(Eq-2)を満たす。
0.70×10
-4
×Mw
0.776
≦[η]≦1.20×10
-4
×Mw
0.776
・・・(Eq-2)
【請求項3】
熱可塑性樹脂(ただし、前記プロピレン系重合体(A)およびエチレン-α-オレフィン共重合体(B)を除く。)をさらに含む、請求項1または請求項2に記載のプロピレン系樹脂組成物(Z)。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載のプロピレン系樹脂組成物(Z)を含む成形体。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載のプロピレン系樹脂組成物(Z)を含むフィルム。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載のプロピレン系樹脂組成物(Z)を含む層を有する多層フィルム。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載のプロピレン系樹脂組成物(Z)を含む層を備える積層体。
【請求項8】
請求項1または請求項2に記載のプロピレン系樹脂組成物(Z)を含む層を有し、さらに基材層を有する積層体。
【請求項9】
請求項1または請求項2に記載のプロピレン系樹脂組成物(Z)を含む層を有し、さらにバリア層を有する積層体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、プロピレン系樹脂組成物ならびに該組成物を含む成形体、フィルム、多層フィルムおよび積層体に関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
プロピレン系重合体は、安価で物理的特性に優れることから、各種成形品として広く公用されている。一方で、プロピレン系重合体は溶融弾性(スウェル比、溶融張力等の物性値を指標として用いる)が低く、一軸伸張変形を加えたときに伸張粘度がひずみ硬化性を示さないため、プロピレン系重合体単独で使用した場合に成形加工性が不十分である場合がある。
【0003】
例えば、Tダイを用いたフィルム成形や押出ラミネーションにおいては、プロピレン系重合体を単味で使用すると、ネックイン(ダイスの幅に対し成形したフィルムの幅が小さくなる現象)が大きく、サージング(引取方向に発生する厚みムラやフィルム幅の周期変動)を生じる等、成形加工性が不十分である。
プロピレン系重合体の成形加工性を改善する手法としてプロピレン系重合体に高圧法低密度ポリエチレンを添加する手法が一般的に用いられてきた。
【0004】
例えば、特許文献1では、メタロセン触媒を用いて調製されたポリプロピレン樹脂と高圧法低密度ポリエチレンから成る樹脂組成物が開示されている。特許文献2~4には特定の樹脂構造を有するプロピレン系重合体、高圧法低密度ポリエチレン、低結晶性または非晶性のプロピレン-α-オレフィン共重合体の組み合わせが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2002-363356号公報
特開昭52-130875号公報
特開2001-323119号公報
特開2006-56914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
プロピレン系重合体に高圧法低密度ポリエチレンを添加する手法においても高圧法低密度ポリエチレンの添加量が少ない場合には効果が小さく、また大量の高圧法低密度ポリエチレンを多量に添加すると剛性や機械的強度が低下する。したがって、良好な加工性を有し、物理的特性にも優れるプロピレン系重合体またはプロピレン系樹脂組成物へのニーズが依然として存在する。
【0007】
また、上記の成形加工性の課題とは別に、プロピレン系重合体を各種包装用フィルムや封止材として使用する場合には、低温度におけるヒートシール性が求められる。プロピレン単独重合体は比較的融点が高いため、この種の用途においては、プロピレンにエチレンまたは炭素数4~10のα-オレフィンを1~10質量%程度共重合させたプロピレン系ランダム共重合体が一般に用いられるが、なお低温におけるヒートシール性は十分ではない。
【0008】
プロピレン系ランダム共重合体のヒートシール性を改良するには、プロピレンに対するエチレンあるいは炭素数4~10のα-オレフィンの共重合量を増加させればよいことが知られているが、もしエチレンあるいは炭素数4~10のα-オレフィンの共重合量を増加させると、得られるプロピレン-α-オレフィン共重合体は耐ブロッキング性に劣るようになってしまう。
以上の技術的背景から、特に各種包装用フィルム、封止材等の用途において、充分な成形加工性を有し、かつ機械的強度、低温でのヒートシール性、耐ブロッキング性のバランスに優れるプロピレン系重合体またはプロピレン系樹脂組成物の出現が望まれている。
【0009】
特許文献1では、高圧法低密度ポリエチレンの割合を大きくすると機械的強度が低下し、高圧法低密度ポリエチレンの割合が小さい場合には成形加工性が不足することが予想される。また、特許文献1においては、低温度でのヒートシール性について何ら記載がない。特許文献2~4にはいずれも低温度でのヒートシール性は向上しているものの、耐ブロッキング性についての記載がない。
【0010】
本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、成形性に優れ、かつ従来公知のプロピレン系樹脂組成物から得られる成形体と比較して、得られる成形体の機械的強度、低温でのヒートシール強度および、耐ブロッキング性のバランスに優れるプロピレン系樹脂組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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