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公開番号2024050851
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-10
出願番号2024017500,2022115062
出願日2024-02-07,2020-03-30
発明の名称光硬化性組成物、硬化物及び歯科用製品
出願人三井化学株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類C08F 290/06 20060101AFI20240403BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】光硬化後において、硬度の指標である曲げ強度及び曲げ弾性率を適切な範囲としつつ、靱性の指標である全破壊仕事が高い値を示す光硬化性組成物の提供。
【解決手段】光重合性成分と、光重合開始剤とを含有する光硬化性組成物であって、前記光硬化性組成物を硬化して得られた硬化物において、曲げ弾性率が1500MPa~2500MPaであり、全破壊仕事が250J/m2以上である、光硬化性組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
2つの(メタ)アクリロイルオキシ基及び2つのウレタン結合を有するジ(メタ)アクリルモノマー(A)と、
1つのアクリロイル基を有するアクリルモノマー(B)と、
光重合開始剤と、を含む、光硬化性組成物。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記光硬化性組成物において、アクリロイル基及びメタクリロイル基の数の合計に対するアクリロイル基の数の割合が10%以上である、請求項1に記載の光硬化性組成物。
【請求項3】
前記光硬化性組成物を硬化して得られた硬化物において、曲げ強度が50~70MPaであり、曲げ弾性率が1500~2000MPaであり、全破壊仕事が250J/m

以上である、請求項1又は2に記載の光硬化性組成物。
【請求項4】
ジ(メタ)アクリルモノマー(A)が、下記一般式(1)で表される化合物である、請求項1~3のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
JPEG
2024050851000026.jpg
29
162
(式(1)中、R

は、2価の鎖状炭化水素基、芳香族構造を有する2価の炭化水素基、又は脂環式構造を有する2価の炭化水素基であり、


及びR

は、それぞれ独立に、置換基を有してもよい2価の鎖状炭化水素基であり、


及びR

は、それぞれ独立にメチル基又は水素原子である。)
【請求項5】
一般式(1)において、R

が芳香族構造を有する炭素数6~12の2価の炭化水素基又は脂環式構造を有する炭素数6~12の2価の炭化水素基であり、


及びR

が、それぞれ独立に、置換基を有しない炭素数2~6の2価の鎖状炭化水素基である、請求項4に記載の光硬化性組成物。
【請求項6】
アクリルモノマー(B)が、下記一般式(2)で表される化合物及び下記一般式(3)で表される化合物の少なくとも一方を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
JPEG
2024050851000027.jpg
33
155
(式(2)中、R

は、環構造を有してもよい1価の有機基である。
式(3)中、R

及びR

は、それぞれ独立に、環構造を有してもよい1価の有機基、又は水素原子であり、R

及びR

は互いに結合して環を形成してもよい。)
【請求項7】
アクリルモノマー(B)が、一般式(2)で表される化合物を含み、
一般式(2)において、R

が環構造を有する炭素数6~20の1価の有機基である、請求項6に記載の光硬化性組成物。
【請求項8】
ジ(メタ)アクリルモノマー(A)の重量平均分子量が、380~700である、請求項1~7のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
【請求項9】
アクリルモノマー(B)の重量平均分子量が、130~320である、請求項1~8のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
【請求項10】
ジ(メタ)アクリルモノマー(A)の含有量が、前記光硬化性組成物に含まれる(メタ)アクリルモノマー成分の合計含有量1000質量部に対し、300質量部以上950質量部以下である、請求項1~9のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光硬化性組成物、硬化物及び歯科用製品に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
今日、樹脂は様々な用途に用いられており、用途に応じた特性が必要とされる。例えば、歯科で用いられるマウスピースは、顎関節症の治療や矯正治療に用いられている。
【0003】
現在、歯科用マウスピースの作製には、樹脂製のシート等を湯せんなどで加温して軟化させ、模型に圧接して成形し光重合もしくは加熱重合を行う方法が多く用いられている。
歯科で用いられるマウスピースの樹脂材料としては、主にアクリル樹脂が用いられており、例えば、特開平11-79925号公報の実施例には、ジ-2-メタクリロキシエチル-2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジカルバメート UDMA)等のウレタンジメ
タクリレートと1,3-ブチレングリコールジメタクリレート等のウレタン結合を有しな
い二官能メタクリレート、ウレタンオリゴマー、シリカ等の無機フィラーを含むスプリント用の光硬化性組成物が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
歯科用のマウスピースのうち、顎関節症の治療に用いるスプリントや、矯正治療や歯ぎしりの防止等に用いられるマウスピース、矯正された歯列を維持させるリテーナーなどは、歯列を矯正又は維持するために使用されるため、ある程度の硬度及び強度が必要とされる。一方で、口腔内で長時間に渡り使用されるものであるため、硬度が高すぎると装着時に不快感が強くなるため、曲げ強度及び曲げ弾性率は高すぎないことが望ましい。しかし、曲げ強度及び曲げ弾性率を低くすると強度(つまり、靭性)を保つことが困難になり、強度を保持しつつ、硬度を適切な範囲とすることは困難である。
【0005】
また、歯科用マウスピースには上述のとおりある程度の硬度が求められるが、硬度が高すぎると口腔内で使用した際に痛みや違和感を生じる場合もある。これは、歯科の分野においては重大な問題である。一方で、硬度を抑えた場合には靭性を高く保つことは難しいが、靭性が高くなければ長期間の使用に耐えられない。つまり、硬度を適切な範囲としつつ、靭性は高いことが望ましく、より高い強度と適切な範囲の硬度とを兼ね備えた樹脂材料が求められている。
【0006】
本開示の目的は、光硬化後において、硬度の指標である曲げ強度及び曲げ弾性率を適切な範囲としつつ、靱性の指標である全破壊仕事が高い値を示すことが可能な光硬化性組成物を提供することである。さらに、前記光硬化性組成物の硬化物、前記硬化物を含む歯科用製品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、鋭意検討した結果、2つの(メタ)アクリロイルオキシ基及び2つのウレタン結合を有するジ(メタ)アクリルモノマー(A)と、1つのアクリロイル基を有するアクリルモノマー(B)と、光重合開始剤と、を含む光硬化性組成物が、光硬化後において、靱性に優れ、適切な範囲の曲げ強度及び曲げ弾性率とを有することを見出して本発明を完成させた。
即ち、前記課題を解決するための具体的手段は以下のとおりである。
【0008】
<1> 2つの(メタ)アクリロイルオキシ基及び2つのウレタン結合を有するジ(メタ
)アクリルモノマー(A)と、1つのアクリロイル基を有するアクリルモノマー(B)と、光重合開始剤と、を含む、光硬化性組成物。
<2> 前記光硬化性組成物において、アクリロイル基及びメタクリロイル基の数の合計に対するアクリロイル基の数の割合が10%以上である、<1>に記載の光硬化性組成物。
<3> 前記光硬化性組成物を硬化して得られた硬化物において、曲げ強度が50~70MPaであり、曲げ弾性率が1500~2000MPaであり、全破壊仕事が250J/m

以上である、<1>又は<2>に記載の光硬化性組成物。
<4> ジ(メタ)アクリルモノマー(A)が、下記一般式(1)で表される化合物である、<1>~<3>のいずれか1つに記載の光硬化性組成物。
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2024050851000001.jpg
29
162
(式(1)中、R

は、2価の鎖状炭化水素基、芳香族構造を有する2価の炭化水素基、又は脂環式構造を有する2価の炭化水素基であり、


及びR

は、それぞれ独立に、置換基を有してもよい2価の鎖状炭化水素基であり、


及びR

は、それぞれ独立にメチル基又は水素原子である。)
【0009】
<5> 一般式(1)において、R

が芳香族構造を有する炭素数6~12の2価の炭化水素基又は脂環式構造を有する炭素数6~12の2価の炭化水素基であり、R

及びR

が、それぞれ独立に、置換基を有しない炭素数2~6の2価の鎖状炭化水素基である、<4>に記載の光硬化性組成物。
<6> アクリルモノマー(B)が、下記一般式(2)で表される化合物及び下記一般式(3)で表される化合物の少なくとも一方を含む、<1>~<5>のいずれか1つに記載の光硬化性組成物。
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2024050851000002.jpg
33
155
(式(2)中、R

は、環構造を有してもよい1価の有機基である。
式(3)中、R

及びR

は、それぞれ独立に、環構造を有してもよい1価の有機基、又は水素原子であり、R

及びR

は互いに結合して環を形成してもよい。)
<7> アクリルモノマー(B)が、一般式(2)で表される化合物を含み、
一般式(2)において、R

が環構造を有する炭素数6~20の1価の有機基である、<6>に記載の光硬化性組成物。
<8> ジ(メタ)アクリルモノマー(A)の重量平均分子量が、380~700である、<1>~<7>のいずれか1つに記載の光硬化性組成物。
<9> アクリルモノマー(B)の重量平均分子量が、130~320である、請<1>
~<8>のいずれか1つに記載の光硬化性組成物。
【0010】
<10> ジ(メタ)アクリルモノマー(A)の含有量が、前記光硬化性組成物に含まれる(メタ)アクリルモノマー成分の合計含有量1000質量部に対し、300質量部以上950質量部以下である、<1>~<9>のいずれか1つに記載の光硬化性組成物。
<11> ジ(メタ)アクリルモノマー(A)及びアクリルモノマー(B)の含有量の合計が、前記光硬化組成物に含まれる(メタ)アクリルモノマー成分の含有量の合計1000質量部に対し、800質量部以上である、請求項1~10のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
<12>光重合性成分と、光重合開始剤とを含有する光硬化性組成物であって、
前記光硬化性組成物を硬化して得られた硬化物において、曲げ弾性率が1500MPa~2500MPa、全破壊仕事が250J/m

以上である、光硬化性組成物。
<13> E型粘度計を用いて測定された、25℃、50rpmにおける粘度が、20mPa・s~3000mPa・sである、<1>~<12>のいずれか1つに記載の光硬化性組成物。
<14> 光造形用である、<1>~<13>のいずれか1つに記載の光硬化性組成物。<15> <1>~<14>のいずれか1つに記載の光硬化性組成物の硬化物。
(【0011】以降は省略されています)

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