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公開番号2024050994
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-10
出願番号2024024575,2022138570
出願日2024-02-21,2020-03-17
発明の名称プロピレン系樹脂組成物、成形体およびプロピレン重合体
出願人三井化学株式会社,株式会社プライムポリマー
代理人弁理士法人エスエス国際特許事務所
主分類C08L 23/10 20060101AFI20240403BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本発明の課題は、剛性に優れる成形体を製造することができるプロピレン重合体およびプロピレン系樹脂組成物、ならびに前記成形体を提供することにある。
【解決手段】下記要件(1)~(3)を満たすプロピレン重合体(A)を含有する、プロピレン系樹脂組成物:
(1)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した数平均分子量(Mn)が5000~22000である;
(2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.2~3.5である;
(3)昇温溶出分別測定法(TREF)において-20℃以下の温度で溶出する成分の割合が3.5質量%以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記要件(1)~(3)を満たすプロピレン重合体(A)を含有する、プロピレン系樹脂組成物:
(1)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した数平均分子量(Mn)が5000~22000である;
(2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.2~3.5である;
(3)昇温溶出分別測定法(TREF)において-20℃以下の温度で溶出する成分の割合が3.5質量%以下である。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記プロピレン重合体(A)の
13
C-NMRにより求められるメソペンタッド分率(mmmm)が90.0~100%である、請求項1に記載のプロピレン系樹脂組成物。
【請求項3】
前記プロピレン重合体(A)の示差走査熱量計(DSC)により測定した融点(Tm)が140℃以上である、請求項1または2に記載のプロピレン系樹脂組成物。
【請求項4】
前記プロピレン重合体(A)の
13
C-NMRにより求められる、全プロピレン単位中の2,1-挿入および1,3-挿入に起因する異種結合の合計割合が0.3モル%以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物。
【請求項5】
前記プロピレン重合体(A)におけるプロピレンに由来する構成単位の含有割合が98.0モル%以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物。
【請求項6】
前記プロピレン重合体(A)が、嵩密度が0.20(g/cm
3
)以上のプロピレン重合体(A)粒子である請求項1~5のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物。
【請求項7】
前記プロピレン重合体(A)が、以下の方法(i)により測定した微粉量が3.0質量%以下のプロピレン重合体(A)粒子である請求項1~6のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物。
〔方法(i)〕
重合体粒子を目開き100μmの篩上で5分間振動させ、篩上に残った重合体粒子と篩を通過した重合体粒子の質量を測定し、以下の計算式から微粉量を算出する。
微粉量(質量%)=W1/(W1+W2)×100
W1:目開き100μmの篩を通過した重合体粒子の質量(g)
W2:目開き100μmの篩上に残った重合体粒子の質量(g)
【請求項8】
前記プロピレン重合体(A)1~99質量%と、下記要件(4)を満たすプロピレン重合体(B)1~99質量%とを含有する、請求項1~7のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物。
(4)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.2~3.5であり、かつ数平均分子量(Mn)が22000を超える。
【請求項9】
前記プロピレン重合体(A)1~99質量%と、下記要件(5)を満たすプロピレン重合体(B)1~99質量%とを含有する、請求項1~7のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物。
(5)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が3.5を超える。
【請求項10】
前記プロピレン重合体(B)が、プロピレン単独重合体部(B1)50~99質量%とプロピレン/α-オレフィン共重合体部(B2)1~50質量%とからなるプロピレン系ブロック共重合体であり、
前記プロピレン単独重合体部(B1)が、
13
C-NMRにより求められるメソペンタッド分率(mmmm)が90.0~100%であるプロピレン単独重合体からなり、
前記プロピレン/α-オレフィン共重合体部(B2)が、プロピレンに由来する構成単位40.0~90.0モル%と、プロピレン以外の炭素数2~20のα-オレフィンに由来する構成単位10.0~60.0モル%とを含有する、
請求項8または9に記載のプロピレン系樹脂組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、プロピレン系樹脂組成物、成形体およびプロピレン重合体に関する。
続きを表示(約 4,300 文字)【背景技術】
【0002】
プロピレン系樹脂組成物を射出成形することにより得られる成形体は、機械物性や成形性に優れ、他材料に比べて相対的にコストパフォーマンスが有利であることにより、自動車用部品や家電用部品など様々な分野での利用が進んでいる(例えば、特許文献1~3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2014-214202号公報
特開2016-084387号公報
特開2007-224179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、自動車業界では環境に配慮した低燃費車の開発が盛んに行われており、自動車材料の分野においても軽量化を目的とした、材料の樹脂化やさらなる薄肉化が求められている。このため、バンパー材をはじめとする自動車材料として数多くの実績があるプロピレン系材料における改善の期待は大きく、主に金属材料の代替として使用することを目的として、さらなる高剛性を有するプロピレン重合体、およびプロピレン系樹脂組成物の開発が求められている。
【0005】
上記のような従来技術に鑑み、本発明の課題は、剛性に優れる成形体を製造することができるプロピレン重合体およびプロピレン系樹脂組成物、ならびに前記成形体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記課題を解決すべく検討した結果、以下に記載の組成を有するプロピレン重合体およびプロピレン系樹脂組成物により上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、例えば以下の[1]~[23]に関する。
【0007】
[1]下記要件(1)~(3)を満たすプロピレン重合体(A)を含有する、プロピレン系樹脂組成物:
(1)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した数平均分子量(Mn)が5000~22000である;
(2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.2~3.5である;
(3)昇温溶出分別測定法(TREF)において-20℃以下の温度で溶出する成分の割合が3.5質量%以下である。
[2]前記プロピレン重合体(A)の
13
C-NMRにより求められるメソペンタッド分率(mmmm)が90.0~100%である、前記[1]に記載のプロピレン系樹脂組成物。
[3]前記プロピレン重合体(A)の示差走査熱量計(DSC)により測定した融点(Tm)が140℃以上である、前記[1]または[2]に記載のプロピレン系樹脂組成物。
[4]前記プロピレン重合体(A)の
13
C-NMRにより求められる、全プロピレン単位中の2,1-挿入および1,3-挿入に起因する異種結合の合計割合が0.3モル%以下である、前記[1]~[3]のいずれかに記載のプロピレン系樹脂組成物。
[5]前記プロピレン重合体(A)におけるプロピレンに由来する構成単位の含有割合が98.0モル%以上である、前記[1]~[4]のいずれかに記載のプロピレン系樹脂組成物。
[6]前記プロピレン重合体(A)が、嵩密度が0.20(g/cm
3
)以上のプロピレン重合体(A)粒子である前記[1]~[5]のいずれかに記載のプロピレン系樹脂組成物。
[7]前記プロピレン重合体(A)が、以下の方法(i)により測定した微粉量が3.0質量%以下のプロピレン重合体(A)粒子である前記[1]~[6]のいずれかに記載のプロピレン系樹脂組成物。
〔方法(i)〕
重合体粒子を目開き100μmの篩上で5分間振動させ、篩上に残った重合体粒子と篩を通過した重合体粒子の質量を測定し、以下の計算式から微粉量を算出する。
微粉量(質量%)=W1/(W1+W2)×100
W1:目開き100μmの篩を通過した重合体粒子の質量(g)
W2:目開き100μmの篩上に残った重合体粒子の質量(g)
[8]前記プロピレン重合体(A)1~99質量%と、下記要件(4)を満たすプロピレン重合体(B)1~99質量%とを含有する、前記[1]~[7]のいずれかに記載のプロピレン系樹脂組成物。
(4)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.2~3.5であり、かつ数平均分子量(Mn)が22000を超える。
[9]前記プロピレン重合体(A)1~99質量%と、下記要件(5)を満たすプロピレン重合体(B)1~99質量%とを含有する、前記[1]~[7]のいずれかに記載のプロピレン系樹脂組成物。
(5)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が3.5を超える。
[10]前記プロピレン重合体(B)が、プロピレン単独重合体部(B1)50~99質量%とプロピレン/α-オレフィン共重合体部(B2)1~50質量%とからなるプロピレン系ブロック共重合体であり、前記プロピレン単独重合体部(B1)が、
13
C-NMRにより求められるメソペンタッド分率(mmmm)が90.0~100%であるプロピレン単独重合体からなり、前記プロピレン/α-オレフィン共重合体部(B2)が、プロピレンに由来する構成単位40.0~90.0モル%と、プロピレン以外の炭素数2~20のα-オレフィンに由来する構成単位10.0~60.0モル%とを含有する、前記[8]または[9]に記載のプロピレン系樹脂組成物。
[11]前記プロピレン重合体(B)の
13
C-NMRにより求められるメソペンタッド分率(mmmm)が98.0~100%である、前記[8]~[10]のいずれかに記載のプロピレン系樹脂組成物。
[12]無機充填剤を0.01~70質量%の範囲で含む、前記[1]~[11]のいずれかに記載のプロピレン系樹脂組成物。
[13]無機繊維を0.5~70質量%の範囲で含む、前記[1]~[12]のいずれかに記載のプロピレン系樹脂組成物。
[14]核剤を0.01~1質量%の範囲で含む、前記[1]~[13]のいずれかに記載のプロピレン系樹脂組成物。
[15]前記[1]~[14]のいずれかに記載のプロピレン系樹脂組成物を少なくとも用いて形成された成形体。
[16]自動車用部品である、前記[15]に記載の成形体。
[17]下記要件(1)~(3)を満たすプロピレン重合体(A):
(1)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した数平均分子量(Mn)が5000~22000である;
(2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.2~3.5である;
(3)昇温溶出分別測定法(TREF)において-20℃以下の温度で溶出する成分の割合が3.5質量%以下である。
[18]
13
C-NMRにより求められるメソペンタッド分率(mmmm)が90.0~100%である、前記[17]に記載のプロピレン重合体(A)。
[19]示差走査熱量計(DSC)により測定した融点(Tm)が140℃以上である、前記[17]または[18]に記載のプロピレン重合体(A)。
[20]
13
C-NMRにより求められる、全プロピレン単位中の2,1-挿入および1,3-挿入に起因する異種結合の合計割合が0.3モル%以下である、前記[17]~[19]のいずれかに記載のプロピレン重合体(A)。
[21]プロピレンに由来する構成単位の含有割合が98.0モル%以上である、前記[17]~[20]のいずれかに記載のプロピレン重合体(A)。
[22]嵩密度が0.20(g/cm
3
)以上のプロピレン重合体(A)粒子である前記[17]~[21]のいずれかに記載のプロピレン重合体(A)。
[23]以下の方法(i)により測定した微粉量が3.0質量%以下のプロピレン重合体(A)粒子である前記[17]~[22]のいずれかに記載のプロピレン重合体(A)。
〔方法(i)〕
重合体粒子を目開き100μmの篩上で5分間振動させ、篩上に残った重合体粒子と篩を通過した重合体粒子の質量を測定し、以下の計算式から微粉量を算出する。
微粉量(質量%)=W1/(W1+W2)×100
W1:目開き100μmの篩を通過した重合体粒子の質量(g)
W2:目開き100μmの篩上に残った重合体粒子の質量(g)
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、剛性に優れる成形体を製造することができるプロピレン重合体およびプロピレン系樹脂組成物、ならびに前記成形体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本明細書において「プロピレン重合体」は、プロピレンの単独重合体であっても、プロピレンと他のモノマーとの共重合体であってもよい。また、「重合」は、単独重合および共重合を包含する。
【0010】
以下に説明する各物性の測定条件の詳細は、実施例欄に記載する。また、以下に説明する各成分は、特に言及しない限りそれぞれ1種用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
[プロピレン系樹脂組成物]
本発明のプロピレン系樹脂組成物(以下「本発明の組成物」ともいう)は、以下に説明するプロピレン重合体(A)を含有する。以下の記載において、本発明のプロピレン重合体(A)も併せて説明する。本発明の組成物は、以下に説明するプロピレン重合体(B)をさらに含有することが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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