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公開番号2024042128
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-28
出願番号2021012319
出願日2021-01-28
発明の名称感染リスク推定方法及び感染リスク推定装置
出願人国立研究開発法人理化学研究所
代理人個人,個人
主分類C12Q 1/06 20060101AFI20240321BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】口腔又は鼻腔から排出される飛沫を含む排出気体に含まれる検出対象粒子を計測することで、飛沫感染や空気感染を感染経路とするウイルスや細菌を放出する可能性のある疾患者を推定できる感染リスク推定方法及び感染リスク推定装置を提供すること。
【解決手段】口腔又は鼻腔から排出される飛沫を含む排出気体を捕集する気体捕集ステップと、気体捕集ステップで捕集した排出気体に含まれる飛沫の水分を蒸発させる蒸発ステップと、蒸発ステップで飛沫の水分を蒸発させた排出気体中に存在し、粒子径が特定範囲内である検出対象粒子の個数を計測する微粒子計測ステップと、微粒子計測ステップで計測した検出対象粒子の個数を閾値と比較する比較ステップと、比較ステップで検出対象粒子の個数が閾値以上であると、病原微生物による感染リスクがあると推定する感染リスク推定ステップとを有することを特徴とする。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
口腔又は鼻腔から排出される飛沫を含む排出気体を捕集する気体捕集ステップと、
前記気体捕集ステップで捕集した前記排出気体に含まれる前記飛沫の水分を蒸発させる蒸発ステップと、
前記蒸発ステップで前記飛沫の前記水分を蒸発させた前記排出気体中に存在し、粒子径が特定範囲内である検出対象粒子の個数を計測する微粒子計測ステップと、
前記微粒子計測ステップで計測した前記検出対象粒子の前記個数を閾値と比較する比較ステップと、
前記比較ステップで前記検出対象粒子の前記個数が前記閾値以上であると、病原微生物による感染リスクがあると推定する感染リスク推定ステップと
を有する
ことを特徴とする感染リスク推定方法。
続きを表示(約 980 文字)【請求項2】
前記蒸発ステップでは赤外線を用いる
ことを特徴とする請求項1に記載の感染リスク推定方法。
【請求項3】
前記微粒子計測ステップでは、気中パーティクルカウンターを用いる
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の感染リスク推定方法。
【請求項4】
前記微粒子計測ステップでは、前記気中パーティクルカウンターに吸引して計測した前記排出気体を密封容器に排出する
ことを特徴とする請求項3に記載の感染リスク推定方法。
【請求項5】
前記密封容器を、前記気体捕集ステップで前記排出気体を捕集する捕集容器とした
ことを特徴とする請求項4に記載の感染リスク推定方法。
【請求項6】
前記微粒子計測ステップで計測した後の前記排出気体に対して、前記病原微生物を不活化若しくは死滅させる処理を行う処理ステップを
更に有する
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の感染リスク推定方法。
【請求項7】
前記粒子径の範囲を、20~300nmとした
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の感染リスク推定方法。
【請求項8】
前記粒子径の範囲を、80~120nmとした
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の感染リスク推定方法。
【請求項9】
気体を捕集する捕集容器と、
前記捕集容器で捕集した前記気体に含まれる水分を蒸発させる蒸発手段と、
前記蒸発手段で前記水分を蒸発させた前記気体中に存在し、粒子径が特定範囲内である検出対象粒子の個数を計測する微粒子計測手段と、
前記微粒子計測手段で計測した前記検出対象粒子の前記個数を閾値と比較する処理手段と
を備え、
前記処理手段では、前記検出対象粒子の前記個数が前記閾値以上であると、病原微生物による感染リスクがあると推定する
ことを特徴とする感染リスク推定装置。
【請求項10】
前記蒸発手段として赤外線を用いる
ことを特徴とする請求項9に記載の感染リスク推定装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔又は鼻腔から排出される飛沫を含む排出気体から、飛沫感染や空気感染を感染経路とするウイルスや細菌を放出する可能性のある疾患者を推定する感染リスク推定方法及び感染リスク推定装置に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
現在、COVID-19が社会問題となっており、経済にも多大な影響を与えている。
密集、密接、及び密室を避け、マスクの着用や対人距離の確保などの各種予防策を講じ、更にはPCR検査可能数も増えている。
PCR検査によれば高い確率で感染者を特定できるが、検査結果までに数日間のタイムラグがある。
仮に、コロナウイルスを放出する可能性のある疾患者をリアルタイムで推定し、疾患者の入室を制限することができれば、不安を感じることなく飲食や会議を行うことができる。
特許文献1には、室内に浮遊するウイルス数を、パーティクルカウンターを用いてリアルタイムに推定することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2012-44957号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1は、浮遊ウイルス不活化評価方法を提案するものであるため、室内にウイルスを噴霧するために用いるウイルス噴霧液の噴霧方法を所定の条件に特定している。
すなわち、特許文献1では、特定している噴霧方法でなければ、リアルタイムにウイルス数を正確に計測することができない。
口腔又は鼻腔から排出される飛沫は、飛沫の大きさが様々であるため、特許文献1で提案されている方法では、検出対象とするウイルスを正確に計測することはできない。
【0005】
本発明は、口腔又は鼻腔から排出される飛沫を含む排出気体に含まれる検出対象粒子を計測することで、飛沫感染や空気感染を感染経路とするウイルスや細菌を放出する可能性のある疾患者を推定できる感染リスク推定方法及び感染リスク推定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明の感染リスク推定方法は、口腔又は鼻腔から排出される飛沫を含む排出気体を捕集する気体捕集ステップと、前記気体捕集ステップで捕集した前記排出気体に含まれる前記飛沫の水分を蒸発させる蒸発ステップと、前記蒸発ステップで前記飛沫の前記水分を蒸発させた前記排出気体中に存在し、粒子径が特定範囲内である検出対象粒子の個数を計測する微粒子計測ステップと、前記微粒子計測ステップで計測した前記検出対象粒子の前記個数を閾値と比較する比較ステップと、前記比較ステップで前記検出対象粒子の前記個数が前記閾値以上であると、病原微生物による感染リスクがあると推定する感染リスク推定ステップとを有することを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の感染リスク推定方法において、前記蒸発ステップでは赤外線を用いることを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の感染リスク推定方法において、前記微粒子計測ステップでは、気中パーティクルカウンターを用いることを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項3に記載の感染リスク推定方法において、前記微粒子計測ステップでは、前記気中パーティクルカウンターに吸引して計測した前記排出気体を密封容器6に排出することを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項4に記載の感染リスク推定方法において、前記密封容器6を、前記気体捕集ステップで前記排出気体を捕集する捕集容器1としたことを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の感染リスク推定方法において、前記微粒子計測ステップで計測した後の前記排出気体に対して、前記病原微生物を不活化若しくは死滅させる処理を行う処理ステップを更に有することを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の感染リスク推定方法において、前記粒子径の範囲を、20~300nmとしたことを特徴とする。
請求項8記載の本発明は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の感染リスク推定方法において、前記粒子径の範囲を、80~120nmとしたことを特徴とする。
請求項9記載の感染リスク推定装置は、気体を捕集する捕集容器1と、前記捕集容器1で捕集した前記気体に含まれる水分を蒸発させる蒸発手段2と、前記蒸発手段2で前記水分を蒸発させた前記気体中に存在し、粒子径が特定範囲内である検出対象粒子の個数を計測する微粒子計測手段3と、前記微粒子計測手段3で計測した前記検出対象粒子の前記個数を閾値と比較する処理手段4とを備え、前記処理手段4では、前記検出対象粒子の前記個数が前記閾値以上であると、病原微生物による感染リスクがあると推定することを特徴とする。
請求項10記載の本発明は、請求項9に記載の感染リスク推定装置において、前記蒸発手段2として赤外線を用いることを特徴とする。
請求項11記載の本発明は、請求項9又は請求項10に記載の感染リスク推定装置において、前記微粒子計測手段3として、気中パーティクルカウンターを用いることを特徴とする。
請求項12記載の本発明は、請求項11に記載の感染リスク推定装置において、前記微粒子計測手段3で計測した前記気体を排出する密封容器6を備えることを特徴とする。
請求項13記載の本発明は、請求項12に記載の感染リスク推定装置において、前記密封容器6を、前記捕集容器1とすることを特徴とする。
請求項14記載の本発明は、請求項9から請求項13のいずれか1項に記載の感染リスク推定装置において、前記微粒子計測手段3で計測した後の前記気体に対して、前記病原微生物を不活化若しくは死滅させる病原微生物処理手段7を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、捕集した排出気体に含まれる飛沫の水分を蒸発させることで、排出気体に含まれる検出対象粒子を計測することができ、計測した検出対象粒子の個数から、飛沫感染や空気感染を感染経路とするウイルスや細菌を放出する可能性のある疾患者を推定できるため、特に、密集、密接、密室における感染を未然に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の一実施例による感染リスク推定方法に用いる装置の構成図
本実施例による感染リスク推定方法を示す処理フロー図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の実施の形態による感染リスク推定方法は、口腔又は鼻腔から排出される飛沫を含む排出気体を捕集する気体捕集ステップと、気体捕集ステップで捕集した排出気体に含まれる飛沫の水分を蒸発させる蒸発ステップと、蒸発ステップで飛沫の水分を蒸発させた排出気体中に存在し、粒子径が特定範囲内である検出対象粒子の個数を計測する微粒子計測ステップと、微粒子計測ステップで計測した検出対象粒子の個数を閾値と比較する比較ステップと、比較ステップで検出対象粒子の個数が閾値以上であると、病原微生物による感染リスクがあると推定する感染リスク推定ステップとを有するものである。本実施の形態によれば、捕集した排出気体に含まれる飛沫の水分を蒸発させることで、排出気体に含まれる検出対象粒子を計測することができ、計測した検出対象粒子の個数から、飛沫感染や空気感染を感染経路とするウイルスや細菌を放出する可能性のある疾患者を推定できるため、特に、密集、密接、密室における感染を未然に防止できる。
【0010】
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による感染リスク推定方法において、蒸発ステップでは赤外線を用いるものである。本実施の形態によれば、浮遊状態にある飛沫に対して効果的にエネルギーを与えることができるため、浮遊状態を保った状態で飛沫から短時間で水分を蒸発させることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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