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公開番号2024018143
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-08
出願番号2022121271
出願日2022-07-29
発明の名称土壌の洗浄方法
出願人花王株式会社
代理人個人,個人
主分類B09C 1/08 20060101AFI20240201BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】汚染土壌の洗浄性に優れる土壌の洗浄方法を提供する。
【解決手段】下記(a)成分、(b)成分、(c)成分及び水を含有する土壌洗浄剤組成物と、土壌とを接触させる、土壌の洗浄方法。
(a)成分:過酸化水素、過硫酸塩及び過炭酸塩から選ばれる1種以上
(b)成分:ポリ硫酸第二鉄
(c)成分:ヒドロキシカルボン酸、多価カルボン酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
下記（ａ）成分、（ｂ）成分、（ｃ）成分及び水を含有する土壌洗浄剤組成物と、土壌とを接触させる、土壌の洗浄方法。
（ａ）成分：過酸化水素、過硫酸塩及び過炭酸塩から選ばれる１種以上
（ｂ）成分：ポリ硫酸第二鉄
（ｃ）成分：ヒドロキシカルボン酸、多価カルボン酸及びそれらの塩から選ばれる１種以上
続きを表示（約 960 文字）【請求項２】
下記（ａ）成分、（ｂ）成分、（ｃ）成分及び水を含有する土壌洗浄剤組成物と、土壌とを接触させた後、土壌と土壌洗浄剤組成物の混合物から土壌洗浄剤組成物の一部又は全部を除去すること、を行う土壌の洗浄を２回以上行う、土壌の洗浄方法。
（ａ）成分：過酸化水素、過硫酸塩及び過炭酸塩から選ばれる１種以上
（ｂ）成分：ポリ硫酸第二鉄
（ｃ）成分：ヒドロキシカルボン酸、多価カルボン酸及びそれらの塩から選ばれる１種以上
【請求項３】
土壌洗浄剤組成物中、下記（ｄ）成分の含有量が０．０１質量％以下である、請求項１又は２に記載の土壌の洗浄方法。
（ｄ）成分：水溶性還元剤であり、水溶性還元剤を２０℃のイオン交換水に溶解した該水溶性還元剤の１質量％水溶液の酸化還元電位が、２０℃のイオン交換水の酸化還元電位より低下する化合物
【請求項４】
土壌と土壌洗浄剤組成物を混合した混合物を撹拌混合する、請求項１～３の何れか１項に記載の土壌の洗浄方法。
【請求項５】
（ａ）成分の過硫酸塩は、過硫酸ナトリウムである、請求項１～４の何れか１項に記載の土壌の洗浄方法。
【請求項６】
土壌洗浄剤組成物は、（ａ）成分を、０．０１質量％以上１．０質量％以下含有する、請求項１～５の何れか１項に記載の土壌の洗浄方法。
【請求項７】
土壌洗浄剤組成物は、（ｂ）成分を、０．０１質量％以上１．５質量％以下含有する、請求項１～６の何れか１項に記載の土壌の洗浄方法。
【請求項８】
（ｃ）成分は、第一解離定数が１．２以上４．６以下の、一価の有機酸、二価の有機酸及びそれらの塩から選ばれる１種以上である、請求項１～７の何れか１項に記載の土壌の洗浄方法。
【請求項９】
（ｃ）成分は、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、グルコン酸及びそれらの塩から選ばれる１種以上である、請求項１～８の何れか１項に記載の土壌の洗浄方法。
【請求項１０】
土壌洗浄剤組成物は、（ｃ）成分を、０．０１質量％以上０．３質量％以下含有する、請求項１～９の何れか１項に記載の土壌の洗浄方法。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、土壌の洗浄方法及び土壌洗浄剤組成物製造用のキットに関する。
続きを表示（約 2,100 文字）【背景技術】
【０００２】
近年、産業廃棄物の不法投棄、工場における廃棄物処理、最終処分場からの有害物質漏出事故による土壌汚染、そして石油コンビナート、ガソリンスタンドや化学工場などの敷地・跡地では、種々の油類の漏出事故や長期にわたる漏出により、様々な場面で深刻な土壌汚染にみまわれるケースが多発している。
【０００３】
従来、このような汚染土壌の修復方法には、掘削後の焼却処理、固化・固定化、囲い込み処理、バイオレメディエーション、分解除去法などの技術が用いられてきた。
また、有機化合物で汚染された土壌中の有機化合物を薬剤により分解除去する浄化技術として、フェントン反応を用いる原位置酸化分解技術が知られている。フェントン反応とは、過酸化水素に鉄(II)化合物が触媒的に反応して複雑な連鎖反応が起り、酸化力の強いヒドロキシルラジカル(・ＯＨ)を発生させる方法で、反応式は次のようになる。
Ｆe
２＋
＋Ｈ
２
Ｏ
２
→ Ｆe
２＋
＋ＯＨ
－
＋・ＯＨ
フェントン反応以外にも様々なヒドロキシルラジカルを発生させる方法があるが、本反応は一番基本的な方法である。二価鉄が作用することで過酸化水素からヒドロキシルラジカルを発生させる反応であり、発生したヒドロキシルラジカルは、ラジカルの中で最も強い酸化力を示す。その強力な酸化力を利用して、有害物質や難分解性の汚染物質の分解など、様々な分野へ応用されている。
【０００４】
特許文献１には、汚染土壌中の炭化水素化合物を酸化分解する酸化分解工程を含み、この酸化分解工程において、汚染土壌に対して、過酸化水素及び二価鉄を含有するフェントン試薬を添加する汚染土壌の浄化方法が開示されている。
特許文献２には、着色廃水を処理する方法において、あらかじめ還元剤で処理し、ついで過酸化物と金属塩を添加し、処理する、着色廃水の処理方法が開示されている。
特許文献３には、硫化メチル又は二硫化メチルを含む被処理水に、（１）ポリ硫酸第二鉄、（２）鉄（II）化合物、（３）マグネシウム塩及び（４）過酸化水素を添加する、被処理水の脱臭方法が開示されている。
特許文献４には、水系システムで形成された金属を含むバイオフィルムに、（ａ）ヒドロキシルラジカル生成能を有する化合物と（ｂ）還元剤とを接触させるバイオフィルムの除去方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
特開２０２０－１９５９７０号公報
特開平９－８５２６６号公報
特開平１１－１０４６６０号公報
国際公開第２０２０／２３０６２６号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
これまでのフェントン反応触媒としては、一般的に硫酸第一鉄（II）が用いられていた。しかし、二価鉄は直ぐに酸化されて沈殿し触媒能を失ってしまう。そこで、フェントン反応系では還元剤を併用することで酸化された二価鉄を還元して系中に二価鉄として存在させることが知られている。しかし還元剤の併用は浄化後の洗浄廃水処理に課題がある。一般的に、鉄イオンを含む洗浄廃水は、鉄イオンの除去目的から、アルカリ剤を添加し、洗浄廃水をアルカリ側にすることで、容易に水酸化第二鉄として不溶化させることができ、ろ過等で除去することが可能である。しかし還元剤を含む洗浄廃水では、アルカリ剤を添加しても不溶化が困難であり、例えば、強力な酸化剤を投入するなど特別な処理が必要となる。
本発明は、汚染土壌の洗浄性に優れる土壌の洗浄方法及びキットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明は、下記（ａ）成分、（ｂ）成分、（ｃ）成分及び水を含有する土壌洗浄剤組成物と、土壌とを接触させる、土壌の洗浄方法に関する。
（ａ）成分：過酸化水素、過硫酸塩及び過炭酸塩から選ばれる１種以上
（ｂ）成分：ポリ硫酸第二鉄
（ｃ）成分：ヒドロキシカルボン酸、多価カルボン酸及びそれらの塩から選ばれる１種以上
【０００８】
また、本発明は、上記（ａ）成分、（ｂ）成分、（ｃ）成分及び水を含有する土壌洗浄剤組成物と、土壌とを接触させた後、土壌と土壌洗浄剤組成物の混合物から土壌洗浄剤組成物の一部又は全部を除去すること、を行う土壌の洗浄を２回以上行う、土壌の洗浄方法に関する。
【０００９】
また、本発明は、上記（ａ）成分、（ｂ）成分及び（ｃ）成分から選ばれる成分を含む複数の剤から構成される土壌洗浄剤組成物製造用のキットであって、上記（ａ）成分と上記（ｂ）成分が別の剤に含まれている、キットに関する。
【発明の効果】
【００１０】
本発明によれば、汚染土壌の洗浄性に優れる土壌の洗浄方法及び土壌洗浄剤組成物製造用のキットが提供される。
【発明を実施するための形態】
（【００１１】以降は省略されています）

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