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公開番号2024013888
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-01
出願番号2022116299
出願日2022-07-21
発明の名称慢性腎臓病進行抑制剤
出願人学校法人君が淵学園
代理人個人
主分類C07C 57/30 20060101AFI20240125BHJP(有機化学)
要約【課題】フェニルカルボン酸誘導体を有効成分とするCKDのための薬剤の提供。
【解決手段】下記式で表されることを特徴とする化合物。下記式の化合物は,TILを阻害することにより,尿毒症物質であるISの生成を抑制する。これにより下記式の化合物は,血中のIS濃度の低下を引き起こすとともに,血漿クレアチニンの低下や血液尿素窒素の低下などをメカニズムとして腎保護効果を発揮し,CKDの進行を抑制するものである。
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(式中,nは4から6のいずれかの整数で表される)
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
下記化1で表されることを特徴とする化合物。
TIFF
2024013888000004.tif
50
170
(式中,nは3から10のいずれかの整数で表される)
続きを表示(約 470 文字)【請求項2】
nが,4または6のいずれかの整数で表される請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
請求項1の化合物と,シクロデキストリン類とを少なくとも含む組成物。
【請求項4】
シクロデキストリン類が,α-シクロデキストリン,β-シクロデキストリン,γ-シクロデキストリン,2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン,3-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン,2,3-ジヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン,ヒドロキシイソブチル-β-シクロデキストリン,グルコシル-β-シクロデキストリン,マルトシル-β-シクロデキストリン,γ-シクロデキストリン,2ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン,3-ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン,2,3-ジヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリンのいずれか又は複数から選択される請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
化1の化合物を有効成分とする,請求項1から4のいずれかに記載の慢性腎臓病の進行を抑制するための薬剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は,フェニルカルボン酸誘導体に関する。さらに詳しくいうと本発明は,フェニルカルボン酸誘導体,ならびにこれを有効成分とする慢性腎臓病進行抑制のための薬剤に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
慢性腎臓病(CKD)とは,「腎臓の障害」もしくは「腎機能低下」が少なくとも3か月以上持続している状態をいう。
すなわち,CKDでは,尿たんぱくや腎形態異常などの腎障害や,糸球体濾過量の低下などの腎機能低下が起こり,この状態が継続していく。CKDとなる要因は様々であり,基本的には根治しないことから,CKDの進行を抑制することが重要となってくる。
【0003】
一方,発明者らは,フェニルカルボン酸誘導体である4-フェニル酪酸(Phenylbutyrate; PB)に関する報告を行っている(非特許文献1)。
PBは,尿素サイクル異常症の治療薬として用いられる他(非特許文献2),ヒストン脱アセチル酵素阻害作用や小胞体ストレス抑制作用(非特許文献3)を有することが報告されている。また,最近,PBが終末糖化産物生成抑制作用を有することや(特許文献1),マウスの急性腎障害を抑制することが報告されている(非特許文献4)。
このようにPBに関する様々な報告があるものの,PBのCKDに対する効果を実証した報告は未だない。また,PBが有する尿毒症物質の生成抑制効果が,腎に対してどのような影響を及ぼすかをメカニズムとして検討した報告も未だない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-214546号公報
【非特許文献】
【0005】
Enokida T, Yamasaki K, Okamoto Y, Taguchi K, Ishiguro T, Maruyama T, Seo H, Otagiri M. Tyrosine411 and Arginine410 of Human Serum Albumin Play an Important Role in the Binding of Sodium 4-Phenylbutyrate to Site II. J Pharm Sci. 105:1987-1994 (2016).
Brusilow SW et al. Adv Pediatr. 1996;43:127-170
Iannitti T et al. Drugs R D. 2011;11:227-249
Carlisle RE et al. Plos One 2014;9:e84663
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明者らは,PBがCKDに対し,どのような影響を及ぼすかについて研究に着手したものである。
すなわち,発明者らは,PBをはじめとするフェニルカルボン酸誘導体の開発を行い,フェニルカルボン酸誘導体の尿毒症物質生成抑制効果を調べることとした。加えて,この尿毒症物質生成抑制効果が,CKDに対して有用な効果をもたらす可能性があると考え,研究を開始したものである。
上記事情を背景として,本発明では,フェニルカルボン酸誘導体を有効成分とするCKDのための薬剤の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明者らは,鋭意研究の結果,PBなどのフェニルカルボン酸誘導体が,尿毒症物質であるインドキシル硫酸の生成を抑制するとともに,CKDモデルマウスにおいて血漿クレアチニンならびに血液尿素窒素を濃度依存的に抑制することを明らかとした。
さらに発明者らは,フェニルカルボン酸誘導体が,CKDモデルマウスに対して腎保護効果をもたらすことを見出し,フェニルカルボン酸誘導体を有効成分とするCKDのための薬剤に関する発明を完成させたものである。
【0008】
本発明は,以下の構成からなる。
[1]下記化1で表されることを特徴とする化合物。
TIFF
2024013888000002.tif
50
170
(式中,nは3から10のいずれかの整数で表される)
【0009】
[2]nが,4又は6のいずれかから選択される整数で表される[1]に記載の化合物。
[3][1]の化合物と,シクロデキストリン類とを少なくとも含む組成物。
[4]シクロデキストリン類が,α-シクロデキストリン,β-シクロデキストリン,γ-シクロデキストリン,2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン,3-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン,2,3-ジヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン,ヒドロキシイソブチル-β-シクロデキストリン,グルコシル-β-シクロデキストリン,マルトシル-β-シクロデキストリン,γ-シクロデキストリン,2ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン,3-ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン,2,3-ジヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリンのいずれか又は複数から選択される[3]に記載の組成物。
[5]化1の化合物を有効成分とする,[1]から[4]のいずれかに記載の慢性腎臓病の進行を抑制するための薬剤。
【発明の効果】
【0010】
本発明により,フェニルカルボン酸誘導体を有効成分とするCKDのための薬剤の提供が可能となった。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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