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公開番号2023181162
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-12-21
出願番号2023146950,2020517452
出願日2023-09-11,2018-09-26
発明の名称ACSS2を阻害する組成物および方法
出願人ザ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ ペンシルバニア
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類A61K 45/00 20060101AFI20231214BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】ヒストンアセチル化を調節するためまたは神経学的疾患または障害を治療または予防するための組成物および方法の提供。
【解決手段】本願は、神経学的および認知的疾患または障害を治療または予防する方法であって、その治療を必要とする対象にACSS2の阻害剤を含む組成物を投与することを含む方法を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
神経学的および認知的疾患または障害を治療または予防する方法であって、その治療を必要とする対象にACSS2の阻害剤を含む組成物を投与することを含む方法。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
神経学的および認知的疾患または障害が、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、双極性障害、うつ病、トゥレット症候群、統合失調症、強迫性障害、不安障害、パニック障害および恐怖症からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記神経学的および認知的疾患または障害が、PTSDである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ACSS2の阻害剤が、化合物、タンパク質、ペプチド、ペプチド模倣体、抗体、リボザイム、小分子化合物、核酸、ベクター、アンチセンス核酸分子からなる群のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ACSS2の阻害剤が、小分子である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記小分子が、式(1)~式(4)の1つ:
JPEG
2023181162000027.jpg
26
78
(式中、
X
11
が、C(R
14
)(R
15
)、O、SおよびNR
15
からなる群より選択され、
X
12
の各々の存在が、C(R
14
)(R
15
)、O、S およびNR
15
からなる群より選択され、
R
11
が、水素、-OR
15
、アルキル、シクロアルキル、-C
4
-C
6
ヘテロシクリル、アリール、および-C
4
-C
6
ヘテロアリールからなる群より選択され、ここでR
11
が、任意に置換され;
R
12
およびR
13
が、互いに独立に水素、アルキル、アリール、および-C
4
-C
6
ヘテロアリールからなる群より選択され、ここでR
12
およびR
13
が、任意に置換され;
R
14
およびR
15
の各々の存在が、独立に水素、ハロゲン、-OHおよび-C
1
-C
6
アルキルからなる群より選択され;および
nが、0~8の整数である);
JPEG
2023181162000028.jpg
36
58
(式中、
R
21
が、-C(R
23
)
m
、シクロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキル-オン、およびヘテロシクリル-オンからなる群より選択され;
R
22
が、アルキル、アリール、ヘテロアリール、-C
1
-C
3
アルキル-(C
3
-C
6
アリール)、および-C
1
-C
3
アルキル-(C
3
-C
6
ヘテロアリール)からなる群より選択され;
R
23
【請求項7】
式(1)の化合物が、
JPEG
2023181162000031.jpg
247
156
からなる群より選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
式(2)の化合物が
JPEG
2023181162000032.jpg
62
146
からなる群より選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
式(3)の化合物が
JPEG
2023181162000033.jpg
34
100
からなる群より選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
式(4)の化合物が
JPEG
2023181162000034.jpg
56
154
からなる群より選択される、請求項6に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
本願は2017年9月26日に出願の米国仮特許出願第62/563,148号に対する優先権を主張し、該出願の全内容が参照により本明細書に組み入れられる。
続きを表示(約 26,000 文字)【0002】
〔連邦政府による支援を受けた研究開発に関する言及〕
本発明は国立衛生研究所により授与された認可番号P01AG031862の下で政府の支援を受けて行われた。政府は本発明において一定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
〔発明の背景〕
記憶の形成はシナプスの再構成を伴い、まだ十分に解明されていないクロマチン修飾過程を通した、連係したニューロン遺伝子の発現を必要とする(Kandel, E.R.他、2014, Cell, 157: 163-186; Zovkic, I.B.他、2013, Learn. Mem., 20:61-74)。ヒストンアセチル化は記憶の保存の重要な調節因子であり、学習と記憶に関係づけられている個別の脳領域、最も顕著には海馬においてクロマチンを再構成する (Graff, J. 他, 2013, Nat. Rev. Neurosci., 14:97-111)。海馬での記憶の固定は転写因子CREBとコアクチベータCREB結合タンパク質(CBP)を必要とし、具体的にはCBPのヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)活性を必要とする (Wood, M. A.他, 2005, Learn. Mem., 12:111-119; Korzus, E. 他, 2004, Neuron, 42:961-972)。更に、ヒストンデアセチラーゼの阻害剤は記憶の連係を強化する (Graff, J.他, 2013, Nat. Rev. Neurosci., 14:97-111)。しかしながら、長期記憶においてニューロンヒストンアセチル化を調節する機構は完全には解明されていない。
【0004】
アセチルトランスフェラーゼのようなクロマチン修飾酵素による中間代謝産物の直接感作は、クロマチン構造と遺伝子発現を動的に適合させることが可能である (Kaelin, W. G. Jr. 他, 2013, Cell, 153:56-69; Katada, S., 他, 2012, Cell, 148:24-28)。細胞内アセチルCoAのプールの変更はヒストンアセチル化をコントロールする (Cai, L., 他, 2011, Mol. Cell, 42:426-437; Wellen, K. E. 他, 2009, Science, 324:1076-1080); よって、核アセチルCoAを生成する代謝酵素が直接ヒストンアセチル化と遺伝子発現を制御すると考えられている (Gut, P.他, 2013, Nature, 502:489-498; Pietrocola, F.他, 2015, Cell Metab., 21:805-821)。哺乳類細胞では、ヒストン化セチル化に向けてアセチルCoAを産生する2つの主要な酵素が認められる:すなわち酢酸依存性アセチルCoAシンセターゼ2(ACSS2)とクエン酸依存性ATP-クエン酸塩リアーゼ(ACL)(Pietrocola, F.他, 2015, Cell Metab., 21:805-821)。ACSS2およびACLの相対的重要性は、組織のタイプ、発生段階および疾病により異なる(Wellen, K. E. 他, 2009, Science, 324:1076-1080; Pietrocola, F. 他, 2015, Cell Metab., 21:805-821)が、有糸分裂後ニューロン細胞におけるそれらの酵素の役割は不明である。
【発明の概要】
【0005】
よって、神経学的および認識の疾患および障害を治療するための治療法へのニーズが依然として当業界に存在する。本発明はこのニーズに対処する。
【0006】
下記の本発明の実施形態の詳細な説明は、添付図面と併せて読むとより理解できるだろう。本発明が図面に示された実施形態の正確な配置と手段に限定されないことは理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A~図1Gを含む図1は、ACSS2がニューロン遺伝子発現を支援することを証明する代表的実験の結果を示す。[図1A] ACSS2は未分化CADニューロン中の細胞質に局在している。ACSS2をCAD細胞において免疫蛍光顕微鏡法により画像化した。(4′,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール (DAPI) およびα-チューブリン(α-Tub)免疫染色はそれぞれ核と細胞質を示す)。[図1B] ACSS2は分化したCADニューロン中の核に局在する。[図1C] 未分化CAD細胞(undiff.)および分化CADニューロン(diff.)からの細胞質(CE)と核(NE)抽出物のACSS2、ACLおよびヒストンH3についてのウエスタンブロット分析。核内ACSS2発現は分化細胞のほうがより高い (p.d.u., 操作により規定される単位;t検定P = 0.002, n = 3, 平均±標準偏差(s.d.))。[図1D] ACSS2のノックダウンは、ニューロン遺伝子発現プログラムの分化に関連したアップレギュレーション(上方制御)を減少させる。散布図は、野生型(WT)細胞とACSS2ノックダウン(KD)細胞との間の、ミリオンマッピングされた誘導遺伝子あたりの転写物1キロ塩基あたりの倍率変化フラグメント(FPKM)を対比する。周辺分布は、ヒストグラムとカーネル密度推定を示す。通常の最小二乗法線形回帰は、95%信頼区間と共に示される。[図1E] レンチウイルス対照(WT)またはACSS2ノックダウンベクター(shACSS2)を用いて感染させた分化CADニューロンからの溶解物のウエスタンブロット(定量化は図5Gに示す;n = 3)。[図1F] ACSS2ノックダウンは遺伝子アップレギュレーションを大幅に減少させる。野生型細胞(灰色)における最大の倍率変化増加を有するアップレギュレートされた遺伝子(図6Cの赤色ドット)の5分位値。対応する遺伝子の五分位値はACSS2ノックダウン細胞(緑色)における倍率変化FPKM(各々の五分位値について、縦列は遺伝子の平均誘導率を表す:平均±s.e.m.)。[図1G] 分化CADニューロンのACSS2i処置は分化誘導遺伝子の発現低下をもたらす。全ての遺伝子を、野生型CAD分化の倍率変化の次数においてプロットし、ACSS2i処置と対照についてzスコアを計算し、アップレギュレーションを青で、そしてダウンレギュレーションを赤で表示した(24時間ACSS2i処置およびDMSO処置対照ニューロンにおけるRNA-seq、zスコア<0.5を有する遺伝子を除いた)。スケールバー、10μm (図1A、図1B)。
図2A~図2Jを含む図2は、ACSS2が転写活性クロマチンにリクルートされ、そしてニューロンのヒストンアセチル化を促進することを証明する代表的実験からの結果を表す。[図2A] Camk2a遺伝子座全般に関するChIP-seqを示すゲノムブラウザトラックは、H4K5、H4K12およびH3K9アセチル化の増加が、CADニューロン分化による直接的ACSS2濃縮と同時に起こることを示す(第18染色体:60,920,000-60,990,000)。[図2B] CADニューロン分化の間にACS22結合状態になる、上位5%の遺伝子のGO term(遺伝子オントロジー語彙)濃縮分析はニューロン経路を示す。[図2C]バイオリン等高線図は、指摘したヒストンアセチル化のChIP-seq濃縮が、CAD細胞のニューロン分化の間の上位にランク付けされたACSS2濃縮と同時に起こることを示す。[図2D] ACSS2i処置によって減少される299遺伝子のChIP-seq濃縮(実施例1の方法を参照)は、分化段階でのヒストンアセチル化と高い相関(いずれについてもP<2.2×10
-16
)を示す(AUC、曲線下面積;d、分化;u、未分化)。[図2E] ニューロン分化に以前に関連付けられた全ての遺伝子(ND遺伝子、1,315遺伝子のAmiGOアノテーションセット)、およびCAD細胞の分化の間に誘導される既知ND遺伝子のサブセット(Induced)の分析は、DMSO処置対照ニューロン(con.)に比較した、ACSS2i処置CADニューロン(inh.)における発現の減少を示す。阻害剤処置群対対照群、P<2.2×10
-16
。[図2F] 核アセチルCoAレベルはACSS2のノックダウン(shACSS2; 平均Δ=-0.19 ± 0.03, **P = 0.003) またはACSS2阻害剤の適用(平均Δ=-0.25 ± 0.05, **P = 0.006; n = 3, 平均± s.d.)のいずれかに応答して減少する。[図2G] 全細胞溶解物のウエスタンブロット分析は、ACSS2のレンチウイルスshRNA-媒介ノックダウンがH3K9とH3K27アセチル化を減少させることを示す(図10Aにおいて定量化)。[図2H] 免疫沈降溶出液のウエスタンブロットは、CBPがACSS2と共免疫沈降するが対照Igとは共免疫沈降しないことを示す。[図2I] 初代海馬ニューロンにおける免疫沈降は、ACSS2の核限局化を示す(C57BL/6胎児から単離されたインビトロ分化培養の7日目)。スケールバー、50μm。[図2J] ACSS2iにより24時間処置し、そして指摘の抗体で探査した初代海馬ニューロンからの溶解物(d7)(図10Cにおいて定量化)は、ヒストンアセチル化の減少を示す。
図2A~図2Jを含む図2は、ACSS2が転写活性クロマチンにリクルートされ、そしてニューロンのヒストンアセチル化を促進することを証明する代表的実験からの結果を表す。[図2A] Camk2a遺伝子座全般に関するChIP-seqを示すゲノムブラウザトラックは、H4K5、H4K12およびH3K9アセチル化の増加が、CADニューロン分化による直接的ACSS2濃縮と同時に起こることを示す(第18染色体:60,920,000-60,990,000)。[図2B] CADニューロン分化の間にACS22結合状態になる、上位5%の遺伝子のGO term(遺伝子オントロジー語彙)濃縮分析はニューロン経路を示す。[図2C]バイオリン等高線図は、指摘したヒストンアセチル化のChIP-seq濃縮が、CAD細胞のニューロン分化の間の上位にランク付けされたACSS2濃縮と同時に起こることを示す。[図2D] ACSS2i処置によって減少される299遺伝子のChIP-seq濃縮(実施例1の方法を参照)は、分化段階でのヒストンアセチル化と高い相関(いずれについてもP<2.2×10
-16
)を示す(AUC、曲線下面積;d、分化;u、未分化)。[図2E] ニューロン分化に以前に関連付けられた全ての遺伝子(ND遺伝子、1,315遺伝子のAmiGOアノテーションセット)、およびCAD細胞の分化の間に誘導される既知ND遺伝子のサブセット(Induced)の分析は、DMSO処置対照ニューロン(con.)に比較した、ACSS2i処置CADニューロン(inh.)における発現の減少を示す。阻害剤処置群対対照群、P<2.2×10
-16
。[図2F] 核アセチルCoAレベルはACSS2のノックダウン(shACSS2; 平均Δ=-0.19 ± 0.03, **P = 0.003) またはACSS2阻害剤の適用(平均Δ=-0.25 ± 0.05, **P = 0.006; n = 3, 平均± s.d.)のいずれかに応答して減少する。[図2G] 全細胞溶解物のウエスタンブロット分析は、ACSS2のレンチウイルスshRNA-媒介ノックダウンがH3K9とH3K27アセチル化を減少させることを示す(図10Aにおいて定量化)。[図2H] 免疫沈降溶出液のウエスタンブロットは、CBPがACSS2と共免疫沈降するが対照Igとは共免疫沈降しないことを示す。[図2I] 初代海馬ニューロンにおける免疫沈降は、ACSS2の核限局化を示す(C57BL/6胎児から単離されたインビトロ分化培養の7日目)。スケールバー、50μm。[図2J] ACSS2iにより24時間処置し、そして指摘の抗体で探査した初代海馬ニューロンからの溶解物(d7)(図10Cにおいて定量化)は、ヒストンアセチル化の減少を示す。
図3A~図3Fを含む図3は、ACSS2 ChIP-seq局在化が、マウス海馬におけるインビボでのヒストンアセチル化と関連していることを証明する実施例の実験からの結果を表す。[図3A] マウス海馬におけるACSS2およびH3K9acについてのChIP-seq。トラックビューは、記憶に関連する3つのニューロン遺伝子:Arc、Egr2およびNr2f2 (それぞれchr15:74,496,025-74,506,488; chr10:66,991,018-67,006,804;および chr7:77,488,549-77,516,626)を示す。[図3B]インビボ海馬ACSS2およびH3K9acピークは、全てのRefSeq転写物の中で最も近傍の遺伝子TSSと同位置に存在する(ピークから<1 kb)。[図3C]背側海馬(dHPC)におけるRNA-seq発現は、海馬ACSS2結合およびH3K9アセチル化の強化と相関する。[図3D] それらのACSS2およびH3K9ac濃縮段階により分類される遺伝子の発現プロファイル。[図3E] 全ピークセットについてのACSS2標的遺伝子(海馬)とCRPおよびH3K27ac濃縮との間のオーバーラップ (マウス前脳と皮質におけるENCODE CBP および H3K27ac ChIP-seq)。[図3F] ニューロン転写因子NRF1の最大濃縮を示す、海馬におけるインビボChIP-seqからのACSS2ピークのモチーフ分析。
図3A~図3Fを含む図3は、ACSS2 ChIP-seq局在化が、マウス海馬におけるインビボでのヒストンアセチル化と関連していることを証明する実施例の実験からの結果を表す。[図3A] マウス海馬におけるACSS2およびH3K9acについてのChIP-seq。トラックビューは、記憶に関連する3つのニューロン遺伝子:Arc、Egr2およびNr2f2 (それぞれchr15:74,496,025-74,506,488; chr10:66,991,018-67,006,804;および chr7:77,488,549-77,516,626)を示す。[図3B]インビボ海馬ACSS2およびH3K9acピークは、全てのRefSeq転写物の中で最も近傍の遺伝子TSSと同位置に存在する(ピークから<1 kb)。[図3C]背側海馬(dHPC)におけるRNA-seq発現は、海馬ACSS2結合およびH3K9アセチル化の強化と相関する。[図3D] それらのACSS2およびH3K9ac濃縮段階により分類される遺伝子の発現プロファイル。[図3E] 全ピークセットについてのACSS2標的遺伝子(海馬)とCRPおよびH3K27ac濃縮との間のオーバーラップ (マウス前脳と皮質におけるENCODE CBP および H3K27ac ChIP-seq)。[図3F] ニューロン転写因子NRF1の最大濃縮を示す、海馬におけるインビボChIP-seqからのACSS2ピークのモチーフ分析。
図4A~図4Fを含む図4は、背側海馬におけるACSS2ノックダウンが、訓練後の物体位置記憶および最初期遺伝子のアップレギュレーションを妨害することを証明する実施例の実験からの結果を表す。[図4A] 背側海馬中にAAV9ノックダウンベクターを送達するために定位手術を実施した(AP, -2.0 mm; DV, -1.4 mm; ML, ±1.5 mm ブレグマからの計測); 4週間後、馴化マウスを物体位置記憶に関して訓練した(OLM; 3つの異なる物体を用いて室内での4回の5分間の訓練セッション)。24時間後、マウスに1つの物体を新たな場所に移動させるという記憶試験を行った(コホートあたりn = 10)。[図4B]背側(d)または腹側(v)海馬中にeGFP対照ベクターまたはACSS2ノックダウンベクターのいずれかを注入したマウスから取り出した海馬組織のウエスタンブロット分析は、背側海馬におけるACSS2の特異的減少を示す。[図4C]ACSS2-ノックダウンマウスは、物体位置記憶が損なわれる。eGFP対照およびshACSS2 AAV9マウスは、物体位置記憶訓練セッション(TR)の間、3つの物体(O1~3)のいずれに対しても何も嗜好性を示さない。24時間後の記憶保持試験では、対照マウスは新しい物体位置(NL)に嗜好性を示し、一方でノックダウンマウスは全くそのような嗜好性を示さない。*** P<0.001; n = 10, 平均± s.d. [図4D] ACSS2ノックダウンマウスにおける空間記憶障害は、対照マウスに比較して低下した識別指数(% DI = (t NL-t FL)/(t NL+t FL))に現れる(ΔDI = -29.5 ± 11.4, * P = 0.02; n = 10, 平均± s.d.)。[図4E]最初期遺伝子のコホートの訓練誘導発現(図12H)は、ACSS2ノックダウンマウスにおいて大幅に減弱された(n = 4 マウス/群、各条件について正副2通り試行、P<0.0001、対応のあるt検定、平均± s.d.)。[図4F]アセチルCoAを局所的に提供してヒストンアセチル化と最初期遺伝子の活性誘導アップレギュレーションを促進する、クロマチン結合コアクチベータとしてのACSS2機能のモデル。
図4A~図4Fを含む図4は、背側海馬におけるACSS2ノックダウンが、訓練後の物体位置記憶および再初期遺伝子のアップレギュレーションを妨害することを証明する実施例の実験からの結果を表す。[図4A] 背側海馬中にAAV9ノックダウンベクターを送達するために定位手術を実施した(AP, -2.0 mm; DV, -1.4 mm; ML, ±1.5 mm ブレグマからの計測); 4週間後、馴化マウスを物体位置記憶に関して訓練した(OLM; 3つの異なる物体を用いて室内での4回の5分間の訓練セッション)。24時間後、マウスに1つの物体を新たな場所に移動させるという記憶試験を行った(コホートあたりn = 10)。[図4B]背側(d)または腹側(v)海馬中にeGFP対照ベクターまたはACSS2ノックダウンベクターのいずれかを注入したマウスから取り出した海馬組織のウエスタンブロット分析は、背側海馬におけるACSS2の特異的減少を示す。[図4C]ACSS2-ノックダウンマウスは、物体位置記憶が損なわれる。eGFP対照およびshACSS2 AAV9マウスは、物体位置記憶訓練セッション(TR)の間、3つの物体(O1~3)のいずれに対しても何も嗜好性を示さない。24時間後の記憶保持試験では、対照マウスは新しい物体位置(NL)に嗜好性を示し、一方でノックダウンマウスは全くそのような嗜好性を示さない。*** P<0.001; n = 10, 平均± s.d. [図4D] ACSS2ノックダウンマウスにおける空間記憶障害は、対照マウスに比較して低下した識別指数(% DI = (t NL-t FL)/(t NL+t FL))に現れる(ΔDI = -29.5 ± 11.4, * P = 0.02; n = 10, 平均± s.d.)。[図4E]最初期遺伝子のコホートの訓練誘導発現(図12H)は、ACSS2ノックダウンマウスにおいて大幅に減弱された(n = 4 マウス/群、各条件について正副2通り試行、P<0.0001、対応のあるt検定、平均± s.d.)。[図4F]アセチルCoAを局所的に提供してヒストンアセチル化と最初期遺伝子の活性誘導アップレギュレーションを促進する、クロマチン結合コアクチベータとしてのACSS2機能のモデル。
図5A~図5Gを含む図5は、ACSS2がニューロンの核に局在化することを示す代表的実施例の実験からの結果を表す。[図5A] ACSS2免疫蛍光実験において核染色する細胞の割合(undiff., 未分化CAD細胞;diff., 分化CADニューロン;海馬の初代海馬ニューロン7日目;最低50個の細胞を3重複製の免疫蛍光実験において調べた; t検定undiff. 対diff. P<0.0001, undiff. 対 海馬P<0.0001; 誤差バー, s.e.m.)。[図5B]未分化CAD細胞と分化CADニューロンからの細胞質(CE)および核(NE)抽出物のウエスタンブロットを、指摘の抗体により探査した。[図5Cおよび図5D] C57BL/6マウス胚から単離した初代皮質ニューロンにおける、インビトロ分化培養の7日目[図5C]と14日目[図5D]の免疫蛍光。ACSS2は分化初代皮質ニューロンの核に優先的に局在する。全てのスケールバー、25μm。[図5E]インビトロ分化培養における14日目にC57BL/6胚から単離された初代海馬ニューロンの免疫蛍光。ACSS2は分化した初代ニューロンの核に優先的に存在する。[図5F]7日目の初代海馬ニューロンの免疫蛍光は、ACLが主として細胞質に局在化されることを示す。ニューロン分化マーカーはACSS2ノックダウン細胞において減少する。CAD細胞にレンチウイルス対照 (WT)またはノックダウンベクター(shACSS2)を感染させた。安定に感染した細胞からの溶解物のウエスタンブロットを、意図する抗体を用いて探査し、そしてImageJを使って定量化した (n = 3; 誤差バー, s.e.m.)。
図5A~図5Gを含む図5は、ACSS2がニューロンの核に局在化することを示す代表的実施例の実験からの結果を表す。[図5A] ACSS2免疫蛍光実験において核染色する細胞の割合(undiff., 未分化CAD細胞;diff., 分化CADニューロン;海馬の初代海馬ニューロン7日目;最低50個の細胞を3重複製の免疫蛍光実験において調べた; t検定undiff. 対diff. P<0.0001, undiff. 対 海馬P<0.0001; 誤差バー, s.e.m.)。[図5B]未分化CAD細胞と分化CADニューロンからの細胞質(CE)および核(NE)抽出物のウエスタンブロットを、指摘の抗体により探査した。[図5Cおよび図5D] C57BL/6マウス胚から単離した初代皮質ニューロンにおける、インビトロ分化培養の7日目[図5C]と14日目[図5D]の免疫蛍光。ACSS2は分化初代皮質ニューロンの核に優先的に局在する。全てのスケールバー、25μm。[図5E]インビトロ分化培養における14日目にC57BL/6胚から単離された初代海馬ニューロンの免疫蛍光。ACSS2は分化した初代ニューロンの核に優先的に存在する。[図5F]7日目の初代海馬ニューロンの免疫蛍光は、ACLが主として細胞質に局在化されることを示す。ニューロン分化マーカーはACSS2ノックダウン細胞において減少する。CAD細胞にレンチウイルス対照 (WT)またはノックダウンベクター(shACSS2)を感染させた。安定に感染した細胞からの溶解物のウエスタンブロットを、意図する抗体を用いて探査し、そしてImageJを使って定量化した (n = 3; 誤差バー, s.e.m.)。
図6A~図6Oを含む図6は、ACSS2がニューロン遺伝子発現を制御することを証明する代表的実験からの結果を表す。[図6A、図6B]スクランブル対照に対する未分化CAD細胞(図6A)と分化CADニューロン(図6B)における複製RNA-seqの相関プロット。2つの高度に相関性のある生物学的複製物において実施した、RNA-seqによる転写分析は、分化CADニューロンでアップレギュレートされるようになる894個の遺伝子を同定した(赤色ドットは>1.6倍増加を有する遺伝子を表す)。[図6C]高度に相関のある2つの生物学的複製物において行ったRNA-seqによるトランスクリプトーム解析は、分化したCADニューロンでアップレギュレートされるようになった894個の遺伝子を同定した(赤色ドットは>1.6倍増加を有する遺伝子を表す)。[図6D] StringDBを使った、894個のアップレギュレートした遺伝子(図2A中の赤色ドット)のパスウェイ解析。タンパク質-タンパク質間相互作用グラフは、活性依存性のシグナル伝達とシナプス可塑性におけるキープレイヤー:Itpr1, Grin1, Nefh, Dync1h1 および Calm1を中心とする結合パートナーのネットワークを表す。[図6E]遺伝子オントロジー濃縮分析は、ニューロン経路のアップレギュレーションを示す。遺伝子オントロジー分析は、分化CADニューロンでアップレギュレートされるようなった894個の遺伝子に対して使用した(図6C;RNA-seqにより同定、倍率濃縮 (FE)>3.5, FDR<0.005)。[図6F] RNA-seqとChIP-seqからのNudtのゲノムブラウザビュー (H4K12ac, H4K5acおよびH3K9ac: mm10 chr5: 140,327,500-140,339,000)。[図6G] 他の全ての遺伝子(黒色バー)に対してCADニューロン分化中にアップレギュレートされる遺伝子(>1.6倍、灰色のバー)の所でのH3K9ac、H4K5ac、および H4K12ac の相対的遺伝子濃縮。[図6H、図6I] 未分化CAD細胞における、ACLノックダウン(図6H)およびACSS2ノックダウン(図6I)に関する複製RNA-seqの相関プロット。[図6J、図6K] 分化CADニューロンにおける、ACLノックダウン(図6J)およびACSS2ノックダウン(図6K)に関する複製RNA-seqの相関プロット。[図6L] ACLノックダウンはニューロン遺伝子発現の分化関連アップレギュレーションに対してごく小さい効果であった(図1Dに比較して)。散布図は、野生型細胞とACLノックダウン細胞との間の誘導遺伝子(図6C)の倍率変化を対比する。周辺分布は、ヒストグラムとカーネル密度推定を示す。最小二乗法線形回帰は、95%信頼区間と共に示される。[図6M] 最大の倍率変化FPKMを有するアップレギュレートされた遺伝子(図6C中の赤色ドット)の対応する五分位値は野生型細胞において増加する。ACLノックダウンは、野生型細胞と同じ上方傾向を示し(赤色バー、図1Fの黒色バーに比較して)、これはACSS2ノックダウン細胞における重大な欠損と対照的である (緑色のバー;各五分位値について、カラムは平均誘導値を表し、そして誤差バーはSEMを表す)。[図6N] 野生型(スクランブル対照ノックダウン;灰色)、ACSS2ノックダウン(shACSS2 #25ノックダウン;緑色)およびACLノックダウン(shACL #17ノックダウン;赤色)細胞のRNA-seqからの未分化および分化CADニューロンにおける網羅的mRNA転写物レベルのボックスブロット。全ゲノム転写物レベルは、分化野生型細胞に比較して分化ACLノックダウン細胞において減少し(誤差バー、SEM)、一方で分化ACSS2ノックダウン細胞におけるグローバルな減少は、分化野生型細胞に比較してあまり有意でなかった (誤差バー、s.d.)。[図6O] ACSS2ノックダウンに感受性の遺伝子(Top 20%)は、全ての遺伝子に比較してそれらの発現を低下させるACSS2i処置に対しても感受性である。
図6A~図6Oを含む図6は、ACSS2がニューロン遺伝子発現を制御することを証明する代表的実験からの結果を表す。[図6A、図6B]スクランブル対照に対する未分化CAD細胞(図6A)と分化CADニューロン(図6B)における複製RNA-seqの相関プロット。2つの高度に相関性のある生物学的複製物において実施した、RNA-seqによる転写分析は、分化CADニューロンでアップレギュレートされるようになる894個の遺伝子を同定した(赤色ドットは>1.6倍増加を有する遺伝子を表す)。[図6C]高度に相関のある2つの生物学的複製物において行ったRNA-seqによるトランスクリプトーム解析は、分化したCADニューロンでアップレギュレートされるようになった894個の遺伝子を同定した(赤色ドットは>1.6倍増加を有する遺伝子を表す)。[図6D] StringDBを使った、894個のアップレギュレートした遺伝子(図2A中の赤色ドット)のパスウェイ解析。タンパク質-タンパク質間相互作用グラフは、活性依存性のシグナル伝達とシナプス可塑性におけるキープレイヤー:Itpr1, Grin1, Nefh, Dync1h1 および Calm1を中心とする結合パートナーのネットワークを表す。[図6E]遺伝子オントロジー濃縮分析は、ニューロン経路のアップレギュレーションを示す。遺伝子オントロジー分析は、分化CADニューロンでアップレギュレートされるようなった894個の遺伝子に対して使用した(図6C;RNA-seqにより同定、倍率濃縮 (FE)>3.5, FDR<0.005)。[図6F] RNA-seqとChIP-seqからのNudtのゲノムブラウザビュー (H4K12ac, H4K5acおよびH3K9ac: mm10 chr5: 140,327,500-140,339,000)。[図6G] 他の全ての遺伝子(黒色バー)に対してCADニューロン分化中にアップレギュレートされる遺伝子(>1.6倍、灰色のバー)の所でのH3K9ac、H4K5ac、および H4K12ac の相対的遺伝子濃縮。[図6H、図6I] 未分化CAD細胞における、ACLノックダウン(図6H)およびACSS2ノックダウン(図6I)に関する複製RNA-seqの相関プロット。[図6J、図6K] 分化CADニューロンにおける、ACLノックダウン(図6J)およびACSS2ノックダウン(図6K)に関する複製RNA-seqの相関プロット。[図6L] ACLノックダウンはニューロン遺伝子発現の分化関連アップレギュレーションに対してごく小さい効果であった(図1Dに比較して)。散布図は、野生型細胞とACLノックダウン細胞との間の誘導遺伝子(図6C)の倍率変化を対比する。周辺分布は、ヒストグラムとカーネル密度推定を示す。最小二乗法線形回帰は、95%信頼区間と共に示される。[図6M] 最大の倍率変化FPKMを有するアップレギュレートされた遺伝子(図6C中の赤色ドット)の対応する五分位値は野生型細胞において増加する。ACLノックダウンは、野生型細胞と同じ上方傾向を示し(赤色バー、図1Fの黒色バーに比較して)、これはACSS2ノックダウン細胞における重大な欠損と対照的である (緑色のバー;各五分位値について、カラムは平均誘導値を表し、そして誤差バーはSEMを表す)。[図6N] 野生型(スクランブル対照ノックダウン;灰色)、ACSS2ノックダウン(shACSS2 #25ノックダウン;緑色)およびACLノックダウン(shACL #17ノックダウン;赤色)細胞のRNA-seqからの未分化および分化CADニューロンにおける網羅的mRNA転写物レベルのボックスブロット。全ゲノム転写物レベルは、分化野生型細胞に比較して分化ACLノックダウン細胞において減少し(誤差バー、SEM)、一方で分化ACSS2ノックダウン細胞におけるグローバルな減少は、分化野生型細胞に比較してあまり有意でなかった (誤差バー、s.d.)。[図6O] ACSS2ノックダウンに感受性の遺伝子(Top 20%)は、全ての遺伝子に比較してそれらの発現を低下させるACSS2i処置に対しても感受性である。
図7A~図7Pを含む図7は、ACSS2が分化CADニューロンにおいてクロマチン結合型であることを証明する代表的実験からの結果を表す。[図7A] 分化CADニューロンにおけるChIP-seqを、ACSS2に対する2種の異なる抗体を用いて正副二通りに実施した。相関プロットは、対応するMACSピークを上回る相対的濃縮を示す(対照として入力時のデフォルトパラメータを使用、1,598ピーク)。[図7B] 相関プロットは、相対的全ゲノムChIP-seq濃縮を示す。[図7C] ChIP-seqトラックのUCSCゲノムブラウザビューは、CADニューロン分化により、Nudt1遺伝子座でのH4K5, H4K12および H3K9 アセチル化の増加が、ACSS2 濃縮と同時に起こることを示す (chr5: 140,326,845-140,339,655)。[図7D] Tab2遺伝子座(chr10: 7,875,000-8,004,000)上での未分化CAD細胞と分化CADニューロンにおける指摘のChIP-seqトラックのUCSCゲノムブラウザビュー。[図7E] ACSS2ピークに最も近接した遺伝子の遺伝子オントロジー濃縮解析は、ニューロン特異的遺伝子が濃縮されることを示す。[図7F] ヒストンアセチル化に関連したそれらの標的遺伝子の上流に位置するACSS2ピーク(T抗体)の度数。[図7G] ヒストンアセチル化に関連したそれらの標的遺伝子の上流に位置するACSS2ピーク(CS抗体)の度数。[図7H] 表は、H3K9ac、H4K5acおよび H4K12acブロードMACSピークとACSS2ピークとの直接重複%を示す。[図7I、図7J、図7K] 十分位数プロットは、ランク付けしたACSS2ピーク濃縮の十分位数(を上回るH3K9ac (図7I), H4K5ac (図7J)およびH4K12ac (図7K)の濃縮を表す(ゼロを除く)。[図7L、図7M、図7N] ACSS2およびアセチルブロードピーク(MACS)の分化誘導同時濃縮。ピーク濃縮相関は、H3K9ac (図7L)、H4K5ac (図7M)およびH4K12ac (図7N)について示したピーク濃縮相関。[図7O] 分化CADニューロンにおいてMACSによりコールされた全ACSS2 ChIP-seqピークから、HOMERにより推測された転写因子結合部位の発見された新モチーフ。[図7P] グループとして分化誘導遺伝子のChIP-seq濃縮は、分化CADニューロン中のヒストンアセチル化との相関を示す。
図7A~図7Pを含む図7は、ACSS2が分化CADニューロンにおいてクロマチン結合型であることを証明する代表的実験からの結果を表す。[図7A] 分化CADニューロンにおけるChIP-seqを、ACSS2に対する2種の異なる抗体を用いて正副二通りに実施した。相関プロットは、対応するMACSピークを上回る相対的濃縮を示す(対照として入力時のデフォルトパラメータを使用、1,598ピーク)。[図7B] 相関プロットは、相対的全ゲノムChIP-seq濃縮を示す。[図7C] ChIP-seqトラックのUCSCゲノムブラウザビューは、CADニューロン分化により、Nudt1遺伝子座でのH4K5, H4K12および H3K9 アセチル化の増加が、ACSS2 濃縮と同時に起こることを示す (chr5: 140,326,845-140,339,655)。[図7D] Tab2遺伝子座(chr10: 7,875,000-8,004,000)上での未分化CAD細胞と分化CADニューロンにおける指摘のChIP-seqトラックのUCSCゲノムブラウザビュー。[図7E] ACSS2ピークに最も近接した遺伝子の遺伝子オントロジー濃縮解析は、ニューロン特異的遺伝子が濃縮されることを示す。[図7F] ヒストンアセチル化に関連したそれらの標的遺伝子の上流に位置するACSS2ピーク(T抗体)の度数。[図7G] ヒストンアセチル化に関連したそれらの標的遺伝子の上流に位置するACSS2ピーク(CS抗体)の度数。[図7H] 表は、H3K9ac、H4K5acおよび H4K12acブロードMACSピークとACSS2ピークとの直接重複%を示す。[図7I、図7J、図7K] 十分位数プロットは、ランク付けしたACSS2ピーク濃縮の十分位数(を上回るH3K9ac (図7I), H4K5ac (図7J)およびH4K12ac (図7K)の濃縮を表す(ゼロを除く)。[図7L、図7M、図7N] ACSS2およびアセチルブロードピーク(MACS)の分化誘導同時濃縮。ピーク濃縮相関は、H3K9ac (図7L)、H4K5ac (図7M)およびH4K12ac (図7N)について示したピーク濃縮相関。[図7O] 分化CADニューロンにおいてMACSによりコールされた全ACSS2 ChIP-seqピークから、HOMERにより推測された転写因子結合部位の発見された新モチーフ。[図7P] グループとして分化誘導遺伝子のChIP-seq濃縮は、分化CADニューロン中のヒストンアセチル化との相関を示す。
図8Aと8Bを含む図8は、ACSS2濃縮が、分化中のCADニューロンの神経遺伝子におけるヒストンアセチル化と同時に起こることを証明する実験からの結果を表す。[図8A] ChIP-seqトラックのゲノムブラウザビューは、H4K5、H4K12およびH3K9アセチル化の増加が、CADニューロン分化によるIdua(α-1-イズロニダーゼ)遺伝子座(chr5: 108,649,457-108,687,261)におけるACSS2濃縮と同時に起こることを証明する。[図8B] Slc19A1(溶質キャリアファミリー19メンバー1)遺伝子では、上昇したヒストンH4K5、H4K12およびH3K9アセチル化レベルが、分化CADニューロン中のACSS2濃縮の増加と相応する(chr10: 76,761,141-77,170,455)。
図8Aと8Bを含む図8は、ACSS2濃縮が、分化中のCADニューロンの神経遺伝子におけるヒストンアセチル化と同時に起こることを証明する実験からの結果を表す。[図8A] ChIP-seqトラックのゲノムブラウザビューは、H4K5、H4K12およびH3K9アセチル化の増加が、CADニューロン分化によるIdua(α-1-イズロニダーゼ)遺伝子座(chr5: 108,649,457-108,687,261)におけるACSS2濃縮と同時に起こることを証明する。[図8B] Slc19A1(溶質キャリアファミリー19メンバー1)遺伝子では、上昇したヒストンH4K5、H4K12およびH3K9アセチル化レベルが、分化CADニューロン中のACSS2濃縮の増加と相応する(chr10: 76,761,141-77,170,455)。
図9A~9Iを含む図9は、CADニューロン分化による遺伝子ACSS2濃縮がヒストンアセチル化の増加と相応することを表す。[図9A、9B、図9C、図9D]メタ遺伝子濃縮(エンリッチメント)解析は、分化CADニューロン中でACSS2が濃縮された遺伝子の上位5%に渡る、ACSS2(図9A)、H3K9ac(図9B)、H4K5ac(図9C)およびH4K12ac (図9D)についてのChIP占有率を示す(Top 5%DE;赤色)。遺伝子の下位80%(Bot 80%DE)は青色で示され、そして全遺伝子に渡る平均シグナル(All genes DE)は緑色で示される。[図9E、図9F、図9G、図9H] ニューロン分化時にACSS2により動的に結合した状態になる遺伝子の上位5%における、ACSS2 (図9E)、H3K9ac (図9F)、H4K5ac (図9G)およびH4K12ac (図9H) のChIP占有率を示す(Top 5% DE; 赤色)。遺伝子の下位80%(Bot 80% DE) は青色で示され、そして全遺伝子に渡る平均シグナル(All genes DE) は緑色で示される。[図9I] 多重線形回帰分析は、遺伝子ACSS2濃縮と野生型遺伝子発現変化の間の相互作用をモデル化するため、および分化関連遺伝子発現変化とクロマチンへのACSS2動員(呼び込み)との間の相互作用を可視化するために実装された。この近似回帰モデルの等高線図は、ACSS2濃縮の高レベルは赤色で、低レベルは青色で示され、そして独立遺伝子発現変数の散布図と重ね合わせられている。視覚化されたモデルは、高ACSS2濃縮が分化CADニューロンにおける遺伝子発現の増加と相応することを示す。
図10A~図10Cを含む図10は、ACSS2がニューロンヒストンアセチル化に機能を果たすことを証明する実験からの結果を表す。[図10A] 全細胞溶解物のウエスタンブロット分析は、ACSS2のレンチウイルスshRNA媒介ノックダウンがH3K9とH3K27のアセチル化を低減させる(図2Gに比較して)ことを示し、それはImageJを使って定量化された(n = 3, 誤差バーはs.e.m.を表す)。[図10B] IgG対照およびACSS2の共免疫沈降実験の溶出液と上清のウエスタンブロット分析は、ACSS2がアセチル化クロマチンに結合することを示す。[図10C] 24時間ACSS2iで処置し、指摘の抗体で探索し(図2Jと比較)、そしてImageJを使って定量した、初代海馬ニューロン(7日目)からの溶解物のウエスタンブロット(n = 3, 誤差バーはs.e.m.を示す)。
図10A~図10Cを含む図10は、ACSS2がニューロンヒストンアセチル化に機能を果たすことを証明する実験からの結果を表す。[図10A] 全細胞溶解物のウエスタンブロット分析は、ACSS2のレンチウイルスshRNA媒介ノックダウンがH3K9とH3K27のアセチル化を低減させる(図2Gに比較して)ことを示し、それはImageJを使って定量化された(n = 3, 誤差バーはs.e.m.を表す)。[図10B] IgG対照およびACSS2の共免疫沈降実験の溶出液と上清のウエスタンブロット分析は、ACSS2がアセチル化クロマチンに結合することを示す。[図10C] 24時間ACSS2iで処置し、指摘の抗体で探索し(図2Jと比較)、そしてImageJを使って定量した、初代海馬ニューロン(7日目)からの溶解物のウエスタンブロット(n = 3, 誤差バーはs.e.m.を示す)。
図11A~11Cを含む。図11は、ACSS2 クロマチン会合と背側海馬のH3K9ac がニューロン組織におけるH3K27ac とCBPの濃縮と対応することを証明する代表的実験の結果を表す。[図11A] H3K9acのインビボ海馬ChIP-seqおよびENCODEからのマウス前脳H3K9ac ChIP-seqの全ゲノムコンパートメント解析は、全ゲノムで同様なピーク分布を示す:それらは異なる脳領域に由来するが、インビボH3K9ac ChIPデータは強力な一致を示す(Spearman R = 0.67)。[図11B] 意図する酵素または修飾により標的とされるRefSeq 転写物のオーバーラップ (マウス皮質ニューロンにおけるCBP (GSM1629373) および H3K27ac (GSM1629397)のピークは、入力時ソニケーション効率対照(GSM1629381)を用いてMACS2 (狭ピーク, FDR 0.1%)を使って呼び出した;ピークは全RefSeq転写物の中で最も近いTSSに関連付けられた)。[図11C] 一般のCBP-ACSS2 ターゲットに対して実施したオントロジー濃縮分析は、それらの酵素が、シナプス生物学およびシナプス膜電位を調節する遺伝子を同時ターゲティングすることを示す。
図12A~図12Hを含む。図12は、背側海馬におけるACSS2発現の減衰が物体位置記憶を低下させることを証明する実験からの結果を表す。[図12A] 海馬領域CA1の矢状切片のACSS2 上へのACSS2 RNA in situハイブリダイゼーション(左、Allen Mouse Brain Atlas12から適応させた参照Atlas;右、in situハイブリダイゼーション;HPC, 正常な海馬)。[図12B] 頭蓋内手術前、および物体位置記憶(OLM)訓練前の回復後の、eGFPAAV9対照およびshACSS2-AAV9ノックダウンマウスの体重(NS、群あたりn=10、誤差バーはs.d.を示す)。[図12C、図12D] ACSS2ノックダウンマウスは、オープンフィールド試験において5分間に渡って数量化した、活動性または走触性(オープンフィールドで垂直面の近くにとどまる性質、不安の尺度)に全く欠損を示さなかった。(図12C)は追跡データの代表的ヒートマップを示す(NS, n = 10 /群、誤差バーはs.d.を示す)。[図12E] 最初のOLM訓練期間(TR)および24時間保存試験(NL、新規位置にある物体;FL、元の位置にある物体)の間に、3つの物体(O1~3)について記録した、eGFP-AAV9対照とshACSS2-AAV9ノックダウンマウスによる探査時間。[図12F] 対照のeGFPAVV9マウスに比較して、ACSS2-ノックダウンマウスは、状況恐怖記憶に全く欠陥を示さなかった。状況恐怖条件付けの日にチャンバ中での凍結挙動を記録し、ショック前に定量化した(FC 訓練; NS, n = 10/コホート、誤差バーはs.d.を示す)。恐怖記憶は、状況恐怖条件付けの1日後にその状況に再暴露した後の凍結反応として測定された(嫌悪刺激:1.5 mA電気ショック;NS, n = 10 /コホート、誤差バーはs.d.を示す)。[図12G] eGFPコントロールおよびshACSS2ノックダウン動物の背側海馬にRNA-seq を実装した。グローバル転写レベルは、ACSS2ノックダウンにより影響されなかった(dHPC, 背側海馬;グループあたり4匹のマウス、各条件について2回反復、誤差バーはs.d.を示す)。[図12H] 未訓練の動物における最初期遺伝子のベースライン発現は、ACSS2ノックダウンマウスでは変化しなかった。eGFP対照とshACSS2-ノックダウンマウスの背側海馬においてRNA-seqを実施した(r = 0.82, P<0.0001; HCC, ホームケージ概日リズム制御)。
図12A~図12Hを含む。図12は、背側海馬におけるACSS2発現の減衰が物体位置記憶を低下させることを証明する実験からの結果を表す。[図12A] 海馬領域CA1の矢状切片のACSS2 上へのACSS2 RNA in situハイブリダイゼーション(左、Allen Mouse Brain Atlas12から適応させた参照Atlas;右、in situハイブリダイゼーション;HPC, 正常な海馬)。[図12B] 頭蓋内手術前、および物体位置記憶(OLM)訓練前の回復後の、eGFPAAV9対照およびshACSS2-AAV9ノックダウンマウスの体重(NS、群あたりn=10、誤差バーはs.d.を示す)。[図12C、図12D] ACSS2ノックダウンマウスは、オープンフィールド試験において5分間に渡って数量化した、活動性または走触性(オープンフィールドで垂直面の近くにとどまる性質、不安の尺度)に全く欠損を示さなかった。(図12C)は追跡データの代表的ヒートマップを示す(NS, n = 10 /群、誤差バーはs.d.を示す)。[図12E] 最初のOLM訓練期間(TR)および24時間保存試験(NL、新規位置にある物体;FL、元の位置にある物体)の間に、3つの物体(O1~3)について記録した、eGFP-AAV9対照とshACSS2-AAV9ノックダウンマウスによる探査時間。[図12F] 対照のeGFPAVV9マウスに比較して、ACSS2-ノックダウンマウスは、状況恐怖記憶に全く欠陥を示さなかった。状況恐怖条件付けの日にチャンバ中での凍結挙動を記録し、ショック前に定量化した(FC 訓練; NS, n = 10/コホート、誤差バーはs.d.を示す)。恐怖記憶は、状況恐怖条件付けの1日後にその状況に再暴露した後の凍結反応として測定された(嫌悪刺激:1.5 mA電気ショック;NS, n = 10 /コホート、誤差バーはs.d.を示す)。[図12G] eGFPコントロールおよびshACSS2ノックダウン動物の背側海馬にRNA-seq を実装した。グローバル転写レベルは、ACSS2ノックダウンにより影響されなかった(dHPC, 背側海馬;グループあたり4匹のマウス、各条件について2回反復、誤差バーはs.d.を示す)。[図12H] 未訓練の動物における最初期遺伝子のベースライン発現は、ACSS2ノックダウンマウスでは変化しなかった。eGFP対照とshACSS2-ノックダウンマウスの背側海馬においてRNA-seqを実施した(r = 0.82, P<0.0001; HCC, ホームケージ概日リズム制御)。
図13A~図13Fを含む。図13は、ACSS2がインビボで最初期遺伝子の検索誘導性アップレギュレーションを調節することを証明する実験からの結果を表す。[図13A] eGFP対照とshACSS2ノックダウンマウスの背側海馬に、全ゲノムRNA-seqを実行した。記憶の回復後の感作期間の間にアップレギュレートされるようになる、以前に同定され確証された遺伝子のセットについて解析を集中した。未訓練の動物の最初期遺伝子のベースライン発現は、eGFP-AAV9対照マウス (CC, 概日リズム制御)に比較したときhsACSS2-AAV9マウスにおいて変化が認められなかった。[図13B] 状況記憶の回復後の感受期の間 (RT, 恐怖条件付けの24時間後に条件付けチャンバへの暴露後30分)、最初期遺伝子は対照注射マウスの背側海馬においてアップレギュレートされた。対照的に、それらの初期応答遺伝子の動的検索誘導性発現は、ACSS2ノックダウンマウスでは欠損している (P = 0.001, 対応のあるt検定)。[図13C] shACSS2-AAV9 注入マウス(RT/CC)における最初期遺伝子の誘導欠損。[図13D] 状況記憶の回復後にダウンレギュレートされた遺伝子のベースライン発現は、ACSS2ノックダウンマウスでは改変されない。[図13E]検索応答遺伝子のダウンレギュレーションは、Cldn5を除いてeGFP 対照マウスとACSS2ノックダウンマウスの両方で起こった。[図13F] eGFP対照対shACSS2ノックダウンマウスの背側海馬における検索応答遺伝子の検索誘導性ダウンレギュレーション。
図14は図1C、2G、1Eおよび5Gに示したウエスタンブロットのもとのゲルブロットを表す。ボックスは、図1C、2G、1Eおよび5Gに示したトリミング領域を表す。
図15は、図2Hおよび2Jに示したウエスタンブロットの元のゲルブロットを表す。ボックスは、図2Hおよび2Jに示したトリミング領域を表す。
図16は、図4B,5Bおよび10Bに示したウエスタンブロットの元のゲルブロットを表す。ボックスは、図4B、5Bおよび10Bに示したトリミング領域を表す。
図17は、酢酸塩の生理的供給源を表す。
図18は、EtOH-
13
C
2
の腹腔内注射後のマウスの皮質、海馬および肝臓におけるヒストンアセチル化を測定したグラフを表す。
ACSS2ノックダウンマウスの海馬におけるヒストンアセチル化を測定したグラフを表す。
図20は、ACSS2ノックダウンマウス対野生型マウスの背側HPC、腹側HPCおよび筋肉におけるヒストンアセチル化の差を示すグラフである。
図21A~図21Eを含む図21Aは、インビボEtOH-d
6
質量分析の実験概要を表す。図21Bは、代謝された重質EtOH-d
6
が海馬のヒストンアセチル化領域に取り込まれることを示す実験結果を表す。アラクネプロット軸は、D
3
標識形態に相当するアセチル化ペプチドの三番目の同位体の%を表す;その同位体の自然相対存在度は、「無処置」および「食塩水 1h」処置群では明らかである。図21Cは、海馬と同様なパターンを示す、皮質ヒストンアセチル化中への標識の取り込みを証明する実験結果を表す。図21Dは、ヒストンアセチル化中への標識の取り込みが、アルコール代謝の主要部位である肝臓においてより早期に起こることを示す実験結果を表す。図21Eは、ヒストンアセチル化が、ACSS2発現の低い組織である骨格筋での肝臓アルコール代謝に比較的無関係であることを証明する実験結果を表す。
図21A~図21Eを含む図21Aは、インビボEtOH-d
6
質量分析の実験概要を表す。図21Bは、代謝された重質EtOH-d
6
が海馬のヒストンアセチル化領域に取り込まれることを示す実験結果を表す。アラクネプロット軸は、D
3
標識形態に相当するアセチル化ペプチドの三番目の同位体の%を表す;その同位体の自然相対存在度は、「無処置」および「食塩水 1h」処置群では明らかである。図21Cは、海馬と同様なパターンを示す、皮質ヒストンアセチル化中への標識の取り込みを証明する実験結果を表す。図21Dは、ヒストンアセチル化中への標識の取り込みが、アルコール代謝の主要部位である肝臓においてより早期に起こることを示す実験結果を表す。図21Eは、ヒストンアセチル化が、ACSS2発現の低い組織である骨格筋での肝臓アルコール代謝に比較的無関係であることを証明する実験結果を表す。
図22A~図22Dを含む図22は、野生型マウスのヒストンアセチル化を表す。図22A~22Cは、野生型マウスの背側海馬における重水素化ヒストンH4-トリアセチルペプチド(aa 4-17)の相対量を示す質量スペクトルを表す。図22Aは、ベースラインでの質量スペクトルを表す。図22Bはd
6
-EtOH注射の30分後の質量スペクトルを表す。図22Cは、d
6
-EtOH注射後4時間目の質量スペクトルを表す。図22Dは、ヒストンアセチル化が骨格筋での肝臓アルコール代謝に比較的無関係であることを示す実験結果を表す。骨格筋組織では30分後、野生型(WT)マウスでは4時間後、そして海馬ACSS2 KDマウスでは30分後の重水素化ヒストンアセチル化の相対量が示される(図21Eに比較して)。
図23A~図23Eを含む図23は、背側海馬(dHPC) ACSS2ノックダウン(KD)におけるEtOH-d
6
の質量スペクトル分析を表す。図23Aは、背側海馬でのACSS2発現のノックダウンがヒストンアセチル化への重質標識の取り込みを防止することを示す実験結果を表す。図23Bは、同じ動物において、腹側海馬(ACSS2レベルが正常である)での重質標識の取り込みが対照マウスに比較して変化がないことを証明する実験結果を表す。図23Cは、腹腔内注射により導入された重質酢酸塩(アセテート)が、背側海馬でのヒストンアセチル化を容易に標識することを示す実験結果を表す。図23Dは、腹腔内注射により導入された重質酢酸塩が皮質におけるヒストンアセチル化を容易に標識することを示す実験結果を表す。図23Eは、肝臓アルコール分解からの酢酸塩が、脳内のニューロンACSS2により活性化され、そして遺伝子調節性ヒストンアセチル化を容易に誘導することを示す実験結果を表す。
図24A~図24Eを含む図24は、初代海馬ニューロンにおけるACSS2媒介性の酢酸塩誘導転写を表す。 図24Aと図24Bは、C57/B16マウス胚から単離されそしてACSS2の小分子阻害剤(ACSS2i)の存在下または非存在下で酢酸塩(10 mM)で処置した、初代海馬ニューロンにおけるRNA-seqを表す。図24Aは、酢酸塩処置によって差次的に発現された7,600個の遺伝子(発現変動遺伝子)を示すヒートマップを表し、3番目のカラムはACSS2阻害剤の存在下でのそれらの遺伝子の挙動を示す。3613個の酢酸塩誘導遺伝子のうち2107個が、ACSS2iの存在下でアップレギュレートすることができなかった(群あたりN=4)。図24Bは、酢酸塩の存在下でのACSS2i処置により酢酸誘導遺伝子が調節されなかったことを示す実験結果を表す。図24Cは、青色で初代海馬ニューロン中の酢酸塩誘導遺伝子を表し;下にACSS2i感受性遺伝子析(黄色の重なっていないもの、酢酸塩+ACSS2i)が示される。図24Dは、酢酸塩に感受性でかつ、ACSS2により直接結合した遺伝子のGO term解析を表す(ACSS2 ChIP-seqより)。図24Eは、酢酸塩感受性遺伝子をターゲッティングするACSS2海馬結合部位のHOMER無監督デノボ(de novo)モチーフ解析を表す。
図25A~図25Dを含む図25は、酢酸塩により調節される遺伝子を表す。図25Aは、10 mM酢酸塩で処置した初代海馬ニューロンにおいて差次的に調節された遺伝子(発現変動遺伝子)を示すRNAseqを示す。図25Bは、有意にアップレギュレートされた遺伝子(赤色)および有意にダウンレギュレートされた遺伝子(青色)の遺伝子オントロジー(GO)解析を表す。図25Cは、エタノール注入マウスの海馬のアップレギュレートされた214の遺伝子のうち81個が、インビトロでの初代海馬ニューロンにおいても酢酸塩によりアップレギュレートされることを示す実験結果を表す(p=6.60e-17)。図25Dは、ACSS2ピークの累積数がアセチル化ACSS2i感受性遺伝子の転写開始部位(TSS)の近傍にあることを示す実験結果を表す。これは、大部分のACSS2結合現象がプロモーター遺伝子の上にまたは近位に起こることを示す。
図25A~図25Dを含む図25は、酢酸塩により調節される遺伝子を表す。図25Aは、10 mM酢酸塩で処置した初代海馬ニューロンにおいて差次的に調節された遺伝子(発現変動遺伝子)を示すRNAseqを示す。図25Bは、有意にアップレギュレートされた遺伝子(赤色)および有意にダウンレギュレートされた遺伝子(青色)の遺伝子オントロジー(GO)解析を表す。図25Cは、エタノール注入マウスの海馬のアップレギュレートされた214の遺伝子のうち81個が、インビトロでの初代海馬ニューロンにおいても酢酸塩によりアップレギュレートされることを示す実験結果を表す(p=6.60e-17)。図25Dは、ACSS2ピークの累積数がアセチル化ACSS2i感受性遺伝子の転写開始部位(TSS)の近傍にあることを示す実験結果を表す。これは、大部分のACSS2結合現象がプロモーター遺伝子の上にまたは近位に起こることを示す。
図26Aと図26Bを含む図26は、アルコール代謝産物が胎児脳におけるヒストンアセチル化の供給源となることを表す。図26Aは、代謝された重質d
6
-EtOHが母体の脳のヒストンアセチル化に取り込まれることを示す実験結果を表す。図26Bは、胎児脳におけるヒストンアセチル化への重質標識の取り込みを表す。データは母性d
6
-EtOH注射からの4体の胎児の2つのプールを表す。Arachneプロットの軸は、D
3
標識形態に相当する、アセチル化ペプチドの3番目の同位体の割合を表す。
図27は、3個のアセチルを有するペプチドH4 aa 4-17(海馬)を示す実験結果を表す。
図28は、SILAC-質量スペクトル実験の実験結果を表す。
図29は、触媒性ACSS2活性とヒストンH3のリジン9アセチル化を試験管内で減少させる効力を決定するためのアッセイ計画を表す。Ntera2 細胞を、10%FBSとGlutaMAX(Gibco)を含むDMEM(Gibco)中に維持した。細胞をグルコース不在の5 mM酢酸ナトリウムおよび化合物ADG-204、ADG-205、ADG-206またはビヒクル(DMSO)で24時間処置した。細胞を、プロテアーゼ阻害剤カクテル(Life Technologies、型番78446)と10 mM酪酸ナトリウムが補足された50 mM Tris pH 8.0, 0.5 mM EDTA, 150 mM NaCl, 1% NP40, 1% SDS を含有するRIPA緩衝液中で溶解させ、そして同量のタンパク質を直接ポリアクリルアミドゲル上に負荷した。タンパク質を4-12%ビス-トリスポリアクリルアミドゲル(NuPAGE)上で分離した。ニトロセルロース膜への移行後、0.1%Tween 20が補足されたTBS(TBST)中の3%BSAを用いて、室温で1時間膜をブロックした。一次抗体はTBST中に希釈し、4℃で一晩インキュベートした。使用した抗体は抗-H3 (Abcam ab1791)、抗-H3K9ac (Abcam ab4441)、抗-GAPDH (Fitzgerald Industries 10R-G109A)であった。膜をTBSTで各々10分間ずつ3回洗浄し、次いでHRP結合二次抗体と共に室温で1時間TBST中でインキュベートした。膜を更に3回再洗浄し、富士フィルム製LAS-4000 イメージャーを用いて画像化した。
図30は、ADG-204の化学構造と活性を表す。
図31は、ADG-205の化学構造と活性を表す。
図32は、ADG-206の化学構造と活性を表す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〔詳細な説明〕
本発明は、神経学的疾患と障害および認知疾患と障害を治療するための組成物および方法に関する。幾つかの実施形態では、本発明は、記憶関連疾患および障害を治療するための組成物と方法を提供する。様々な実施形態において、本発明の組成物と方法は、恐怖症、パニック障害、心理的ストレス(例えば災害、破局または暴力被害者に見られるような)、強迫性障害、全般性不安障害および外傷後ストレス障害(PTSD)といった不安疾患および障害を治療するのに有用である。幾つかの実施形態では、本発明の組成物および方法は、長期記憶の保存または統合を調節するために有用である。
【0009】
本発明はまた、依存および/または依存に関連する疾患または疾病を治療するための組成物および方法に関する。様々な実施形態において、本発明の組成物および方法は、急性アルコール誘発性記憶障害および慢性アルコール誘発性記憶障害を予防または治療するために有用である。
【0010】
幾つかの実施形態では、本発明の方法は、クロマチンアセチル化を調節することを含む。一実施形態では、本発明の方法は、クロマチンアセチル化を減少させる。一実施形態では、クロマチンはニューロンのクロマチンである。一実施形態では、当該方法は、対象にACSS2の阻害剤を含む有効量の組成物を投与することを含む。
(【0011】以降は省略されています)

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