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公開番号
2023164225
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2023-11-10
出願番号
2022083415
出願日
2022-04-30
発明の名称
歯科用ハンドピース
出願人
個人
代理人
主分類
A61C
1/07 20060101AFI20231102BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】 根管壁を軽く楽に切削し得るようにすべく、歯科用ハンドピースが、切削用刃具の回転時に高周波振動を発するようにする。
【解決手段】
歯科用ハンドピース1は、歯の切削用刃具2を回転させるためのエアタービン3を備えた筐体10と、この筐体に取り付けられた、エアタービン3のための給気通路14を内蔵するハンドル側筐体11とから成り、エアタービン3が回転バランスを壊すことで高周波振動を発するように設けられた羽車30を備えている。そして羽車30の回転バランスを壊すべく、羽車30の回転軸を元来の回転軸の位置から1/1000mmずらして設けている。そこでエアタービン3を40万回転で回転させると、羽車30のブレによって都合良く400KHzの高周波振動を発する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
歯の切削用刃具を回転させるためのエアタービンを備えた筐体と、この筐体に取り付けられた、前記エアタービンのための給気通路を内蔵するハンドル側筐体とから成り、前記エアタービンが、ブレなく回転させたいとする場合の設計上の回転中心からずらした位置に回転軸を設けた羽車を備えている、歯科用ハンドピース。
続きを表示(約 350 文字)
【請求項2】
複数個の軸受となるボールを羽車の前記回転軸に対して同軸上に配設し、これ等に羽車を両側から支持させて、羽車と前記ボールとの内部隙間によって、前記羽車が歳差運動を行うように設けられている、請求項1に記載の歯科用ハンドピース。
【請求項3】
前記ボールが交換自在である、請求項2に記載の歯科用ハンドピース。
【請求項4】
請求項1に記載の前記エアタービンがブレなく回転させたいとする設計上の回転中心からずらした位置に前記回転軸を設けた羽車を備えているのと同等の作用効果を得るべく、ブレなく回転させたいとする設計上の回転中心に回転軸を設けて、羽車を磁性体から構成し、この羽車を包囲する外殻の一部に前記磁性体を吸引する磁石を設けた、歯科用ハンドピース。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は切削用刃具に高周波振動を加えるようにしたエアタービン式の歯科用ハンドピースに関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
エアタービン式の歯科用ハンドピースは、コンプレッサからの圧搾空気によりエアタービン内部の羽車を高速回転させて、この羽車に一般的には同軸で取り付けられている切削用刃具によって、虫歯の切削や除去を行う器具である。より詳しくは、筐体と、該筐体に内蔵された、歯の切削用刃具が設けられたエアタービンと、この筐体に取り付けた、エアタービンのための給気通路や排気通路などを内蔵するハンドル側筐体と、から成るものが一般的である。さらに洗浄水の噴霧口への洗浄水路や噴霧気路が設けられているものもある。なお噴霧気路に排気通路が接続される構成とする場合もある。なおコンプレッサからの圧搾空気は、チェアユニットのペダル等を含んで給気量を制御するための給気回路の、供給口に接続された給気チューブを介して供給される。
【0003】
歯科医師はこのような歯科用ハンドピースを用いて、チェアユニットのペダルを操作しつつ、高速回転させた切削用刃具で虫歯の切削を行うのである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この際に、根管壁を軽く楽に切削出来るようにすれば、歯科医師にとっては施術が楽になり、時間短縮にもなり、その分、患者にとっては苦痛が軽減されると言うものである。この発明の課題は、根管壁を軽く楽に切削出来るような歯科用ハンドピースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
当発明者は、歯科用ハンドピースの切削用刃具に高周波振動を加えると、根管壁を軽く楽に切削出来ることを新たに見出した。しかしながらこのためには別途高周波振動の発信装置を用意しておく必要がある。何かもっと簡易な手段があるはずである。
【0006】
この発明では、歯の切削用刃具を回転させるためのエアタービンを備えた筐体と、この筐体に取り付けられた、前記エアタービンのための給気通路を内蔵するハンドル側筐体とから成り、前記エアタービンが、ブレなく回転させたいとする場合の設計上の回転中心からずらした位置に回転軸を設けた羽車を備えている、歯科用ハンドピースとすることにより、上記課題を解決することが出来た。
【0007】
一般的なエアタービンでは、切削用刃具をブレなく円滑に回転させることが常識であるから、このための回転中心が設計で定められる。これに対してこの発明では、この回転軸を敢えてずらして設ける設計としたのである。すると当然のことながら切削用刃具はブレながら回転する。
【0008】
従来の一般的なエアタービンに於ける回転軸に対して、この発明では回転軸をおおよそ1/1000mmほどずらすようにした。そうしてエアタービンを30万回転乃至50万回転で回転させると、回転のブレによって300KHz乃至500KHzの周波数の高周波振動を発する。好適にはこの中間値の400KHzであるが、この高周波振動は回転する切削用刃具に伝達されて切削用刃具に微細振動を引き起こす。これにより切削用刃具の高速回転運動による切削に振動運動による切削が加味されて、根管壁を軽く楽に切削することが出来る。
【0009】
なおこの発明では、ボールを用いることなしに、圧縮空気の薄い膜によるいわゆるエアベアリングにて軸支する構成も可能である。
【0010】
次に、複数個の軸受となるボールを羽車の前記回転軸に対して同軸上に配設して、これ等に羽車を両側から支持させて、羽車と前記ボールとの内部隙間によって前記羽車が歳差運動を行うように設けられているものとすることが出来る。羽車の歳差運動は切削用刃具の歳差運動として現れる。すなわち切削用刃具の先端部分が歳差運動を行いつつ根管壁に接触するので、更により軽く楽に根管壁を切削することが出来るようになる。
(【0011】以降は省略されています)
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