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公開番号2023173544
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-12-07
出願番号2022085874
出願日2022-05-26
発明の名称真空蒸着装置用の蒸着源
出願人株式会社アルバック
代理人弁理士法人青莪
主分類C23C 14/24 20060101AFI20231130BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】蒸着材料Emを収容すると共に上面に放出開口21が開設される坩堝2と、坩堝内の蒸着材料を加熱する加熱手段と、放出開口から放出される蒸着材料の飛散経路を選択的に遮るシャッタShとを有する真空蒸着装置用の蒸着源を、シャッタの遮蔽位置にて放出開口から放出される蒸着材料の被蒸着物への到達を可及的に抑制することができるようにする。
【解決手段】本発明の蒸着源では、シャッタが、基端部41と基端部から垂れ下がるスカート部42とを有するシャッタ本体4を備え、スカート部の下端に上下方向に対して直交する周方向にのびる環状の第1減衰板部43が設けられ、坩堝の上端部が臨む開口を有して坩堝の周囲に配置され、第1減衰板部との間で周方向にのびる空間を形成する第2減衰板部6を更に備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
真空チャンバ内に配置されて被蒸着物に対して蒸着するための真空蒸着装置用の蒸着源であって、
蒸着材料を収容すると共に上面に放出開口が開設される坩堝と、前記坩堝内の前記蒸着材料を加熱する加熱手段と、前記放出開口から放出される前記蒸着材料の前記被蒸着物への飛散経路を選択的に遮るシャッタとを有し、
前記シャッタが、基端部と前記基端部から垂れ下がるスカート部とを有するシャッタ本体を備え、前記スカート部の下端に上下方向に対して直交する周方向にのびる環状の第1減衰板部が設けられ、前記坩堝の上端部が臨む開口を有して前記坩堝の周囲に配置され、前記第1減衰板部との間で周方向にのびる空間を形成する第2減衰板部を更に備えることを特徴とする真空蒸着装置用の蒸着源。
続きを表示(約 170 文字)【請求項2】
前記第1減衰板部と前記第2減衰板部との少なくとも一方に突条が形成され、前記空間をラビリンス空間としたことを特徴とする請求項1記載の真空蒸着装置用の蒸着源。
【請求項3】
前記第2減衰板部の上面を前記坩堝の上面と同等以下の高さ位置に設定することを特徴とする請求項1または請求項2記載の真空蒸着装置用の蒸着源。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、真空チャンバ内に配置されて被蒸着物に対して蒸着するための真空蒸着装置用の蒸着源に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、有機EL素子の製造工程には、被蒸着物としてのガラス基板の一方の面(成膜面)に有機材料や金属材料(蒸着材料)を連続して成膜(積層)する工程があり、このような工程には、例えば、インライン式の真空蒸着装置が利用される(例えば、特許文献1参照)。このものは、真空ポンプが接続される真空チャンバを備える。真空チャンバ内には、一方向に所定間隔で複数個の蒸着源が列設されていると共に、各蒸着源の列設方向に沿って基板を移送する基板移送手段が設けられている。蒸着源は、蒸着材料を収容すると共に上面に放出開口が開設される坩堝と、坩堝内の蒸着材料を加熱する加熱手段と、坩堝内の蒸着材料の加熱により気化または昇華して放出開口から放出される蒸着材料の成膜面への飛散経路を選択的に遮るシャッタとを有する。
【0003】
シャッタは、シャッタ本体と、放出開口の上方に間隔を存して位置して飛散経路を遮る遮蔽位置と放出開口の上方から離間して放出開口を開放する開放位置との間でシャッタ本体を旋回させる駆動源とを有する。シャッタ本体としては、ベース板部(基端部)と当該ベース板部の下面外周縁部から垂れ下がるスカート部とを有する逆皿状の輪郭を持つものが一般に用いられる。そして、基板移送手段によって、上流側から下流側に向かって連続(または断続)して基板を移送する間で、基板がいずれかの蒸着源に対向した位置を通過するときに、そのシャッタ本体のみを開放位置に移動させて基板の成膜面に放出開口から放出される蒸着材料を夫々付着、堆積させることで積層膜を成膜することができる。
【0004】
然し、上記構成のシャッタでは、一の蒸着源(坩堝)に対向した位置を通過させながら基板の成膜面に成膜する際に、他の蒸着源(坩堝)から気化または昇華した蒸着材料が付着(混入)する場合があることが判明した。これは、遮蔽位置にて放出開口から放出される蒸着材料(原子や分子)の一部がシャッタ本体の内面で反射され、この反射してシャッタ本体内から跳ね出したものが、坩堝の周囲に配置される防着板など部品表面で更に反射されて成膜面に向かうことに起因すると考えられる。蒸着材料の混入は、膜特性(素子性能)を変化させるといった不具合を招来するため、これを可及的に抑制する必要がある。このような場合、例えば、シャッタ本体を旋回させる旋回軸を上下動自在に構成し、シャッタ本体を遮蔽位置まで回転させた後、シャッタ本体を下動させてその内面を坩堝に当接させて坩堝内を閉塞することが考えられる。このような構成では、シャッタの旋回軸を回転させる機構に加えて、上下動させる機構が必要なり、部品点数が増えて装置が複雑化するだけでなく、コストアップを招来する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6179908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の点に鑑み、遮蔽位置にて放出開口から放出される蒸着材料の被蒸着物への到達を可及的に抑制することができる構造を持つ真空蒸着装置用の蒸着源を提供することをその課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、真空チャンバ内に配置されて被蒸着物に対して蒸着するための本発明の真空蒸着装置用の蒸着源は、蒸着材料を収容すると共に上面に放出開口が開設される坩堝と、前記坩堝内の前記蒸着材料を加熱する加熱手段と、前記放出開口から放出される前記蒸着材料の飛散経路を選択的に遮るシャッタとを有し、前記シャッタが、基端部と前記基端部から垂れ下がるスカート部とを有するシャッタ本体を備え、前記スカート部の下端に上下方向に対して直交する周方向にのびる環状の第1減衰板部が設けられ、前記坩堝の上端部が臨む開口を有して前記坩堝の周囲に配置され、前記第1減衰板部との間で周方向にのびる空間を形成する第2減衰板部を更に備えることを特徴とする。
【0008】
これによれば、坩堝内の蒸着材料の加熱により気化または昇華して放出開口から放出される蒸着材料(原子や分子)の一部が遮蔽位置にあるシャッタ本体の内面で反射され、この反射した蒸着材料がシャッタ本体外へと跳ね出すときには、常時、第1減衰板部と第2減衰板部との間の空間に上下方向に対して所定の傾斜角で進入して当該空間を通過することになる。このとき、蒸着材料が第1減衰板部と第2減衰板部とで複数回反射することで当該蒸着材料のエネルギが減衰され、空間の終端(出口)が基板に対して直交する方向を向くことで基板に向かう蒸着材料がそもそも少なくなることと相俟って、被蒸着物への蒸着材料の到達を可及的に抑制することができる。この場合、遮蔽位置にて坩堝内を閉塞するために、シャッタ本体を上下動させる機構を不要にすることができる。なお、本発明においては、シャッタ本体の内面でも蒸着材料が複数回反射させて減衰されるように、スカート部の丈(上下方向高さ)を長く設定し、また、第1減衰板部の内端縁をスカート部より内側までのびるように設定してもよい。
【0009】
本発明においては、前記第1減衰板部と前記第2減衰板部との少なくとも一方に突条が形成され、前記空間をラビリンス空間とする構成を採用してもよい。これによれば、蒸着材料が第1減衰板部と第2減衰板部との間の空間を通って真空チャンバ内へと跳ね出すことを一層抑制することができる。また、前記第2減衰板部の上面を前記坩堝の上面と同等以下の高さ位置に設定する構成を採用すれば、開放位置にて放出開口から蒸着材料を放出させる際に、この放出される蒸着材料が第2減衰板表面に付着し難くなり、有利である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本実施形態の蒸着源を備えるインライン式の真空蒸着装置を模式的に示す断面図。
(a)は、図1に示す蒸着源の拡大図であり、(b)は、その平面図。
変形例に係る蒸着源の一部を拡大して示す断面図。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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