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公開番号2023141202
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-10-05
出願番号2022047403
出願日2022-03-23
発明の名称乾燥体の製造方法及び製造装置
出願人日本碍子株式会社
代理人アクシス国際弁理士法人
主分類F26B 3/347 20060101AFI20230928BHJP(乾燥)
要約【課題】加熱部内の環境による被乾燥体の加熱効率の低下を抑制することが可能な乾燥体の製造方法を提供する。
【解決手段】対向する上部電極及び下部電極を有する加熱部と、上部電極及び下部電極に高周波電力を印加する高周波発生部と、加熱部と高周波発生部との間に設けられる同調回路部とを備える誘電加熱装置を用い、上部電極及び下部電極の間に複数の被乾燥体を配置し、高周波電力を印加して乾燥させる乾燥体の製造方法である。この製造方法は、被乾燥体の乾燥時のインピーダンスを予め測定する工程と、測定された被乾燥体の乾燥時のインピーダンス及び加熱部内環境パラメータに基づいて、加熱部のインピーダンスを算出する工程と、算出された加熱部のインピーダンスに対し、加熱部及び同調回路部のインピーダンスの合計が、高周波発生部のインピーダンスと等しくなるように加熱部及び/又は同調回路部のインピーダンスを制御する工程とを含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
対向する上部電極及び下部電極を有する加熱部と、前記上部電極及び前記下部電極に高周波電力を印加する高周波発生部と、前記加熱部と前記高周波発生部との間に設けられる同調回路部とを備える誘電加熱装置を用い、前記上部電極及び前記下部電極の間に複数の被乾燥体を配置し、高周波電力を印加して乾燥させる乾燥体の製造方法であって、
前記被乾燥体の乾燥時のインピーダンスを予め測定する工程と、
測定された前記被乾燥体の乾燥時のインピーダンス及び加熱部内環境パラメータに基づいて、前記加熱部のインピーダンスを算出する工程と、
算出された前記加熱部の前記インピーダンスに対し、前記加熱部及び前記同調回路部のインピーダンスの合計が、前記高周波発生部のインピーダンスと等しくなるように前記加熱部及び/又は前記同調回路部のインピーダンスを制御する工程と
を含む製造方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記加熱部内環境パラメータが、前記加熱部に配置される前記被乾燥体の個数、含水率、温度、静電容量及び形状、並びに前記上部電極及び下部電極の寸法及び電極間距離である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記加熱部のインピーダンスを算出する工程は、測定された前記被乾燥体の乾燥時のインピーダンスから、前記加熱部における複数の前記被乾燥体の含水率、温度及び静電容量を算出することを含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記加熱部のインピーダンスの制御が、前記上部電極と前記下部電極との間の距離を変化させることによって行われる、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項5】
前記同調回路部のインピーダンスの制御が、コイル及びコンデンサから選択される1つ以上を制御することによって行われる、請求項1~4のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項6】
前記上部電極と前記下部電極との間の電圧Ve[kV]が、下記式で表される値以下に制御される、請求項1~5のいずれか一項に記載の製造方法。
JPEG
2023141202000005.jpg
19
81
式中、C
L
は前記被乾燥体の静電容量[F]、C
g
は前記上部電極と前記被乾燥体との間の空間の静電容量[F]、Pは前記被乾燥体に印加される電力[kW]、ωは角速度[rad/秒]、tanδは前記被乾燥体の誘電正接を表す。
【請求項7】
複数の前記被乾燥体が、コンベアによって前記上部電極及び前記下部電極の間に搬送される、請求項1~6のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項8】
前記被乾燥体がセラミックス成形体である、請求項1~7のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項9】
前記セラミックス成形体は、第1端面から第2端面まで延びる複数のセルを区画形成する隔壁を備えるハニカム成形体である、請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
対向する上部電極及び下部電極を有する加熱部と、
前記上部電極及び前記下部電極に高周波電力を印加する高周波発生部と、
前記加熱部と前記高周波発生部との間に設けられる同調回路部と、
予め測定された被乾燥体の乾燥時のインピーダンス及び加熱部内環境パラメータに基づいて、前記加熱部のインピーダンスを算出する演算手段と、
を備え、
前記演算手段で算出された前記加熱部の前記インピーダンスに対し、前記加熱部及び前記同調回路部のインピーダンスの合計が、前記高周波発生部のインピーダンスと等しくなるように前記加熱部及び/又は前記同調回路部のインピーダンスを制御する乾燥体の製造装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥体の製造方法及び製造装置に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
高周波電力を印加して被乾燥体(対象物)を誘電加熱することにより乾燥させる誘電加熱装置が知られている。誘電加熱装置は、高周波発生部(高周波発振器)と、高周波発生部から出力される高周波電力が供給される対向電極板を備えた加熱部とを一般に備えている。
誘電加熱装置を用いて被乾燥体を乾燥させる場合、被乾燥体の乾燥が進むにつれて加熱部側のインピーダンスが変化する。そのため、高周波発生部側のインピーダンスと加熱部側のインピーダンスとが整合せず、被乾燥体の加熱効率が低下してしまう。
【0003】
そこで、特許文献1には、高周波発生部(高周波発振器)と、対向電極板を備えた加熱部と、高周波発生部と加熱部との間に接続された整合回路部と、整合回路部の整合条件を調整する駆動部とを備えた誘電加熱装置が提案されている。整合回路部は、第1コンデンサと、第2コンデンサと、インダクタンス部材とを備えており、各コンデンサを構成する電極間の距離を変更したり、インダクタンス部材にバリアブルインダクタンスを用いたりすることにより、高周波発生部側のインピーダンスと加熱部側のインピーダンスとを整合させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6798703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、高周波発生部側のインピーダンスと加熱部側のインピーダンスとが整合していたとしても、加熱部内の環境(例えば、加熱部内に配置される被乾燥体の大きさ、数、特性など)によっては被乾燥体の加熱効率が低下してしまうことがある。
【0006】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、加熱部内の環境による被乾燥体の加熱効率の低下を抑制することが可能な乾燥体の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、加熱部と、高周波発生部と、同調回路部とを備える誘電加熱装置を用いた誘電加熱について鋭意研究を行った結果、被乾燥体の加熱効率に影響する加熱部内の環境を考慮した上で加熱部のインピーダンスを算出し、このインピーダンスに対して、加熱部及び同調回路部のインピーダンスの合計が、高周波発生部のインピーダンスと等しくなるように加熱部及び/又は同調回路部のインピーダンスを制御することにより、上記の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、対向する上部電極及び下部電極を有する加熱部と、前記上部電極及び前記下部電極に高周波電力を印加する高周波発生部と、前記加熱部と前記高周波発生部との間に設けられる同調回路部とを備える誘電加熱装置を用い、前記上部電極及び前記下部電極の間に複数の被乾燥体を配置し、高周波電力を印加して乾燥させる乾燥体の製造方法であって、
前記被乾燥体の乾燥時のインピーダンスを予め測定する工程と、
測定された前記被乾燥体の乾燥時のインピーダンス及び加熱部内環境パラメータに基づいて、前記加熱部のインピーダンスを算出する工程と、
算出された前記加熱部の前記インピーダンスに対し、前記加熱部及び前記同調回路部のインピーダンスの合計が、前記高周波発生部のインピーダンスと等しくなるように前記加熱部及び/又は前記同調回路部のインピーダンスを制御する工程と
を含む製造方法である。
【0009】
また、本発明は、対向する上部電極及び下部電極を有する加熱部と、
前記上部電極及び前記下部電極に高周波電力を印加する高周波発生部と、
前記加熱部と前記高周波発生部との間に設けられる同調回路部と、
予め測定された被乾燥体の乾燥時のインピーダンス及び加熱部内環境パラメータに基づいて、前記加熱部のインピーダンスを算出する演算手段と、
を備え、
前記演算手段で算出された前記加熱部の前記インピーダンスに対し、前記加熱部及び前記同調回路部のインピーダンスの合計が、前記高周波発生部のインピーダンスと等しくなるように前記加熱部及び/又は前記同調回路部のインピーダンスを制御する乾燥体の製造装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、加熱部内の環境による被乾燥体の加熱効率の低下を抑制することが可能な乾燥体の製造方法及び製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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