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公開番号2023075032
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-05-30
出願番号2022167562
出願日2022-10-19
発明の名称電子写真用ベルト及び電子写真画像形成装置
出願人キヤノン株式会社
代理人個人
主分類G03G 15/16 20060101AFI20230523BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】長期間使用しても抵抗値が低下せず白抜けが発生しにくい電子写真用ベルトの提供。
【解決手段】バインダー樹脂と該バインダー樹脂中のカーボンブラックとを含む基層を有する電子写真用ベルトであって、該バインダー樹脂は、PEEK及びPPSからなる群から選択される少なくとも一方を含み、該基層から切り出した試料を窒素雰囲気下で温度30℃から温度100℃まで毎分20℃の割合で昇温し温度100℃で30分間保持したときの該試料の質量をX1とし、その後該試料を窒素雰囲気下で温度100℃から温度30℃まで毎分20℃の割合で冷却し、さらに大気下で温度23℃、相対湿度50%の環境に48時間置いたときの該試料の質量をX2としたとき、((X2-X1)/X2)×100によって算出される含水率が0.6%以上である。
【選択図】 なし


特許請求の範囲【請求項1】
バインダー樹脂と該バインダー樹脂中のカーボンブラックとを含む基層を有する電子写真用ベルトであって、
該バインダー樹脂は、PEEK及びPPSからなる群から選択される少なくとも一方を含み、
該基層から切り出した試料を窒素雰囲気下で温度30℃から温度100℃まで毎分20℃の割合で昇温し温度100℃で30分間保持したときの該試料の質量をX1とし、その後該試料を窒素雰囲気下で温度100℃から温度30℃まで毎分20℃の割合で冷却し、さらに大気下で温度23℃、相対湿度50%の環境に48時間置いたときの該試料の質量をX2としたとき、((X2-X1)/X2)×100によって算出される含水率が0.6%以上であることを特徴とする電子写真用ベルト。
続きを表示(約 860 文字)【請求項2】
前記カーボンブラックが、
一次粒子径が15nm以上35nm未満でありかつ、
下記工程(i)~(iii)及び下記計算式(1)によって求められる水分吸収率が0.7質量%以上である、請求項1に記載の電子写真用ベルト:
工程(i):カーボンブラックを温度430℃の窒素雰囲気下で6時間焼成し、熱処理カーボンブラックを調製する。
工程(ii):得られた熱処理カーボンブラックを温度23℃、相対湿度50%の条件で48時間置いた後の質量(W0)を、熱重量分析装置(TGA)を用いて測定する。
工程(iii):質量(W0)を測定した熱処理カーボンブラックを、窒素雰囲気下で30℃から120℃まで毎分20℃の割合で昇温し温度120℃で15分間保持したときの質量(W1)を、同様に熱重量分析装置(TGA)を用いて測定する。
[(W0-W1)/W0]×100 (1)。
【請求項3】
前記基層中の前記カーボンブラックの含有量が、前記基層の質量を基準として、15質量%以上、30質量%以下である、請求項1に記載の電子写真用ベルト。
【請求項4】
前記基層の表面抵抗率が、1.0×10

Ω/□以上、1.0×10
14
Ω/□以下である、請求項1に記載の電子写真用ベルト。
【請求項5】
前記基層の厚さが、25μm以上、100μm以下である、請求項1に記載の電子写真用ベルト。
【請求項6】
電子写真感光体と、
該電子写真感光体の上に形成されたトナー像が一次転写される中間転写ベルトと、
該中間転写ベルトの上に転写されたトナー像を記録媒体に二次転写させるための二次転写手段と、
を備えている電子写真画像形成装置であって、
該中間転写ベルトが、請求項1~5のいずれか一項に記載の電子写真用ベルトであることを特徴とする電子写真画像形成装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、電子写真用ベルト及び電子写真画像形成装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
複写機、レーザビームプリンタなどの電子写真画像形成装置(以下、「電子写真装置」とも称する場合がある)においては、エンドレス形状を有する中間転写ベルトが用いられているものがある。中間転写ベルトに用いられるエンドレス形状を有する電子写真用ベルトには、基層のみからなる単層構成のものや、2層または3層の積層構成のものがある。
2層構成のものとしては、基層と該基層の外周面上の弾性層とからなるものがあり、さらに、3層構成のものとしては、基層と該基層の外周面上の弾性層と該弾性層の外周面上の表面層とを有するものがある。
そして、このような電子写真用ベルトの基層には、安価で再生の容易な熱可塑性樹脂をバインダーとして、強度に優れるスーパーエンジニアプラスチックであるポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイドを用いることが提案されている。ポリエーテルエーテルケトンは、以降「PEEK」と記載する場合がある。ポリフェニルサルファイドは、以降「PPS」と記載する場合がある。そして、PEEKやPPSなどの結晶性熱可塑性樹脂は融点が高いため、基層の導電化のための導電性付与剤としては、カーボンブラックなどの導電性フィラーが用いられる(特許文献1)。
【0003】
しかしながら、導電性フィラーを用いて導電性を発現させた電子写真用ベルトを、例えば中間転写ベルトとして、長期にわたって電子写真画像の形成に供したところ、当該電子写真用ベルトの電気抵抗が低下する場合があった。このような電気抵抗の低下は以下のようなメカニズムにより発生するものと考えられている(特許文献1の段落[0005])。
すなわち、中間転写ベルトが一次転写ローラー及び二次転写ローラーと離間する部位において放電が発生し、中間転写ベルトの内部に一度に過剰な電流が流れる。このとき、導電点であるカーボンブラック間に高電圧が印加され、カーボンブラックの粒子間に介在しているバインダー樹脂が加熱され、炭化する。その結果、本来的には電気絶縁性であったカーボンブラックの粒子間が導通化し、導電性が上昇する。特許文献1では、上記した電気抵抗の低下を、カーボンブラックのバインダー樹脂中における分散性の改善によって解決できることを開示している。そのために、カーボンブラックとPEEKとを繰り返し(2~6回)溶融混練することを記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2012-177811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1が開示しているバインダー樹脂とカーボンブラックとの溶融混練の繰り返しは、電子写真用ベルトの製造コストを上昇させる要因となりうる。また、高温での混練の繰り返しは、バインダー樹脂を熱劣化(熱分解や酸化による架橋)させ、電子写真用ベルトの強度の低下を招来することが懸念される。さらに、カーボンブラックの分散性を高度に向上させても全てのカーボンブラックの粒子間距離を等しくすることは困難である。そのため、中間転写ベルトに過剰な電流が流れたときには、相対的に距離が近いカーボンブラックの粒子間に高電圧が印加される。そのため、当該カーボンブラックの粒子間に介在しているバインダー樹脂の炭化を完全に防ぐことは困難である。そこで、本発明者らは、カーボンブラックの分散性の向上以外の方法によってバインダー樹脂の炭化に起因する導電性の変化(向上)を抑制する技術の開発が必要であると認識した。
【0006】
本開示の少なくとも一つの態様は、中間転写ベルトとして長期に亘り繰り返し使用した場合にも電気抵抗の低下を抑制し得る電子写真用ベルトの提供に向けたものである。また本開示の少なくとも一つの態様は、高品位な電子写真画像を長期にわたって安定して形成できる電子写真画像形成装置の提供に向けたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様によれば、バインダー樹脂と該バインダー樹脂中のカーボンブラックとを含む基層を有する電子写真用ベルトであって、
該バインダー樹脂は、PEEK及びPPSからなる群から選択される少なくとも一方を含み、
該基層から切り出した試料を窒素雰囲気下で温度30℃から温度100℃まで毎分20℃の割合で昇温し温度100℃で30分間保持したときの該試料の質量をX1とし、その後該試料を窒素雰囲気下で温度100℃から温度30℃まで毎分20℃の割合で冷却し、さらに大気下で温度23℃、相対湿度50%の環境に48時間置いたときの該試料の質量をX2としたとき、((X2-X1)/X2)×100によって算出される含水率が0.6%以上である電子写真用ベルトが提供される。
また、本開示の別の態様によれば、上記の電子写真用ベルトを中間転写ベルトとして具備している電子写真画像形成装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本開示の少なくとも一つの態様によれば、中間転写ベルトとして長期に亘り繰り返し使用した場合にも電気抵抗の低下を抑制し得る電子写真用ベルトを得ることができる。また、本開示の少なくとも一つの態様によれば、高品位な電子写真画像を長期にわたって安定して形成できる電子写真画像形成装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
画像評価に用いる画像形成装置の断面の模式図である。
本開示に係る電子写真用ベルトの構成例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書中、数値範囲を表す「XX以上YY以下」及び「XX~YY」との記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味している。また、数値範囲が段階的に記載されている場合においては、各数値範囲の上限及び下限の任意に組み合わせを開示しているものである。本明細書中、「Ω/□」は、「Ω/sq.」を意味する。
(【0011】以降は省略されています)

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