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公開番号2025173494
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-27
出願番号2025080240
出願日2025-05-13
発明の名称食品素材およびその製造方法
出願人日本ハム株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類A23L 13/10 20160101AFI20251119BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】タンパク質を効率的に摂取することのできる食品であって、加熱調理時も一定程度の形状を保持できる程度の保形性を有する成形物、好ましくは米状の粒状物として成形製造することができ、かつ良好な食感、好ましくは米に近い食感を有する食品を提供する。
【解決手段】(A)食肉、(B)α化した澱粉またはα化した穀物粉、および(C)2価の金属イオンでゲル化するゲル化剤を含み、好ましくは(D)2価の金属塩をさらに含む、食品素材。(A)食肉、(B’)澱粉または穀物粉、および(C)2価の金属イオンでゲル化するゲル化剤を含む原料を混合し、エクストルーダーで押出成形する工程(押出成形工程)を含み、好ましくは、前記押出成形工程による押出成形物の表面を(D)2価の金属塩で被覆する工程をさらに含む、食品素材の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
（Ａ）食肉、
（Ｂ）α化した澱粉またはα化した穀物粉、および
（Ｃ）２価の金属イオンでゲル化するゲル化剤
を含む、食品素材。
続きを表示（約 540 文字）【請求項２】
（Ｄ）２価の金属塩
をさらに含む、請求項１に記載の食品素材。
【請求項３】
タンパク質含量が１０質量％以上である、請求項１に記載の食品素材。
【請求項４】
粒状に成形された、請求項１に記載の食品素材。
【請求項５】
（Ａ）食肉、
（Ｂ’）澱粉または穀物粉、および
（Ｃ）２価の金属イオンでゲル化するゲル化剤
を含む原料を混合し、エクストルーダーで押出成形する工程（以下、「押出成形工程」という。）を含む、食品素材の製造方法。
【請求項６】
前記押出成形工程による押出成形物の表面を、（Ｄ）２価の金属塩で被覆する工程をさらに含む、請求項５に記載の製造方法。
【請求項７】
前記押出成形工程において、前記原料（Ａ）、（Ｂ’）および（Ｃ）を含む原料の混合物に、（Ｄ）２価の金属塩の水溶液を注入することを含む、請求項５に記載の製造方法。
【請求項８】
前記押出成形工程において、粒状に成形する、請求項５に記載の製造方法。
【請求項９】
前記押出成形工程において、加熱により前記原料を膨化させる、請求項５に記載の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、食品素材、より具体的には、タンパク質含量が比較的高く、粒状（米状）に成形することのできる食品素材、およびその製造方法に関する。
続きを表示（約 2,800 文字）【背景技術】
【０００２】
超高齢化社会を迎える日本では、ただ長生きするだけでなく、健康寿命をいかに伸ばすかが社会課題となっている。高齢者のフレイル（健康な状態と要介護状態の中間に位置し、将来要介護状態となる危険性が高い状態のこと）を予防するためには、タンパク質が重要な栄養素となることが知られている。従来、タンパク質を効率的に摂取するための食品としては、プロテイン飲料、サラダチキン、スナック、プロテインバーなどが知られている。
【０００３】
一方、従来の米粒状食品に関する発明として、例えば次のようなものが知られている。
【０００４】
特許文献１には、（ａ）澱粉５０質量部、（ｂ）トレハロース０．３～１０質量部、（ｃ）（ｃ－１）２価の金属イオンによりゲル化するゲル化剤（例えばコンニャク精粉）０．１～１５質量部、及び２価金属イオン０．１～３質量部、及び（ｃ－２）加熱又は加熱後の冷却によりゲル化するゲル化剤０．１～１５質量部からなる群より選ばれる少なくとも１種、並びに（ｄ）白濁剤（例えばセルロース）１～２５質量部を含み、水分含有率が１５～４０質量％である組成物を粒状に成形する工程と、得られた粒状物を乾燥する工程とを含む、粒状低カロリー食品素材の製造方法が記載されており、それと共に、上記成分（ａ）～（ｄ）を含み、水分含有率が１５～４０質量％である、粒状低カロリー食品素材製造用原料が記載されている。これらの特許文献１に記載の発明は、加水及び加熱を施しても形状が崩れにくく、天然炊飯米と差のない味、香り、食感及び外観を呈し、しかも天然米に比べて低カロリーである新しい人造米を製造する方法、および当該人造米を製造するための原料を提供するという課題を解決するためのものとされている。特許文献１の実施例では、スクリュー押出機を用いて、所定量の澱粉、トレハロース、コンニャク精粉、水酸化カルシウムおよびセルロースが均質混合された粉体混合物を、水と混練しながら、所定の温度および圧力で円筒状に押し出すと共に切断し、ペレットを得る工程、および得られたペレット（白色粒子）をベルト式熱風乾燥機で所定の温度および時間で乾燥させる工程を含む、食品素材の製造方法が開示されている。しかしながら、特許文献１には、食肉を原料の成分の一つとして用いることは記載されていない。
【０００５】
特許文献２には、デンプンと、アルギン酸又はアルギン酸塩とを含有する原料から得られる炊飯米様食品や、デンプンと、アルギン酸又はアルギン酸塩とを含有する原料を米粒状に成形することにより米状物を得る成形工程と、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンの少なくとも一方を含有する水溶液と前記米状物とを接触させることで、前記炊飯米様食品を得る接触工程と、を備える食品の製造方法が記載されている。これらの特許文献２に記載の発明は、食品に含まれる主食系具材の一種として知られている、デンプンを含有する原料から得られる炊飯米様食品の食感を、炊飯米の食感に近づけるという課題を解決するためのものとされている。特許文献２の実施例では、加工デンプンおよびアルギン酸ナトリウムを含有し、さらに卵白粉末またはグルテンを含有していてもよい乾燥原料を、所定量の湯と混練して原料を調製する工程、および調製した原料を製麺機で製麺後、所定の長さに切断する成形工程を含む、米状物の製造方法が開示されている。しかしながら、特許文献２にも、食肉を原料の成分の一つとして用いることは記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
特開２００９－１９５１７８号公報
特開２０２２－１５８５８７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
タンパク質を効率的に摂取することのできる食品として、プロテイン飲料、サラダチキン、スナック、プロテインバーなどよりも、高齢者にとって馴染みやすい米状の粒状物であって良好な食感を有するものがあれば、高齢者のフレイルの予防に適したものとなる。
【０００８】
本発明は、タンパク質を効率的に摂取することのできる食品であって、加熱調理時も一定程度の形状を保持できる程度の保形性を有する成形物、好ましくは米状の粒状物として製造することができ、かつ良好な食感、好ましくは米に近い食感を有する食品を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本発明者らは、食肉と、澱粉または穀物粉と、２価の金属イオンでゲル化するゲル化剤（例えばアルギン酸ナトリウム）とを含む原料を混合した後、２価の金属イオンを接触させて反応させること、例えば、エクストルーダーで上記原料を混合し、押出成形した後、上記ゲル化剤をゲル化させるための２価の金属イオンでその押出成形物の表面を被覆（コーティング）することで、タンパク質（その主原料である食肉）の含量が比較的高くても、上記のような保形性および食感に関する課題を解決できる食品を製造することのできる食品素材となることを見出した。本発明者らは、そのような実施形態を拡張ないし一般化することによって、本発明を完成させた。
【００１０】
すなわち、本発明は、少なくとも下記の事項を包含する。
［項１］
（Ａ）食肉、
（Ｂ）α化した澱粉またはα化した穀物粉、および
（Ｃ）２価の金属イオンでゲル化するゲル化剤
を含む、食品素材。
［項２］
（Ｄ）２価の金属塩
をさらに含む、項１に記載の食品素材。
［項３］
タンパク質含量が１０質量％以上である、項１に記載の食品素材。
［項４］
粒状に成形された、項１に記載の食品素材。
［項５］
（Ａ）食肉、
（Ｂ’）澱粉または穀物粉、および
（Ｃ）２価の金属イオンでゲル化するゲル化剤
を含む原料を混合し、エクストルーダーで押出成形する工程（以下、「押出成形工程」という。）を含む、食品素材の製造方法。
［項６］
前記押出成形工程による押出成形物の表面を、（Ｄ）２価の金属塩で被覆する工程をさらに含む、項５に記載の製造方法。
［項７］
前記押出成形工程において、前記原料（Ａ）、（Ｂ’）および（Ｃ）を含む原料の混合物に、（Ｄ）２価の金属塩の水溶液を注入することを含む、項５に記載の製造方法。
［項８］
前記押出成形工程において、粒状に成形する、項５に記載の製造方法。
［項９］
前記押出成形工程において、加熱により前記原料を膨化させる、項５に記載の製造方法。
【発明の効果】
（【００１１】以降は省略されています）

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