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公開番号2025169173
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-12
出願番号2025063684
出願日2025-04-08
発明の名称高耐久性多接合太陽電池を形成するためのデバイス及びプロセス
出願人ザ・ボーイング・カンパニー,The Boeing Company
代理人園田・小林弁理士法人
主分類H10K 30/57 20230101AFI20251105BHJP()
要約【課題】高耐久性多接合太陽電池を形成するためのデバイス及びプロセスを提供する。
【解決手段】多接合光起電力デバイスは、ベース半導体層と第2の半導体層とを含む第1のサブセルであって、ベース半導体層は、III‐V族半導体材料を含み、第1のサブセルと吸収体層を含む第1のサブセル上の第2のサブセルであって、吸収体層は、有機金属ハロゲン化物イオン性固体ペロブスカイト半導体材料を含む第2のサブセルとを含む。第1のサブセルの上面の少なくとも一部分上のパッシベーション層を含む。第2のサブセルのn側でパッシベーション層と接触するn側金属パッドを含む。n側金属パッドに接触し又は第2サブセルに接触する相互接続タブを含む。パッシベーション層は、酸化物層を含み得る。パッシベーション層は、SiO2、Al2O3、TiO2、Ta2O5、HfO2、ZnS、及びそれらの組み合わせ、を含む群から選択された材料を含み得る。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
多接合光起電力デバイスであって、
ベース半導体層と第2の半導体層とを含む第1のサブセルであって、前記ベース半導体層は、III‐V族半導体材料を含む、第1のサブセル、
吸収体層を含む、前記第1のサブセル上の第2のサブセルであって、前記吸収体層は、有機金属ハロゲン化物イオン性固体ペロブスカイト半導体材料を含む、第2のサブセル、
前記第1のサブセルの上面の少なくとも一部分上のパッシベーション層(212)、及び
前記第2のサブセルのn側で前記パッシベーション層(212)と接触するn側金属パッドを備える、多接合光起電力デバイス。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
前記n側金属パッドと接触する相互接続タブを更に備える、請求項1に記載の多接合光起電力デバイス。
【請求項3】
前記相互接続タブは、前記第2のサブセルと接触する、請求項2に記載の多接合光起電力デバイス。
【請求項4】
前記相互接続タブは、金属を含む、請求項2に記載の多接合光起電力デバイス。
【請求項5】
前記n側金属パッドと前記相互接続タブとは、2つの異なる金属を含む、請求項4に記載の多接合光起電力デバイス。
【請求項6】
前記パッシベーション層(212)は、酸化物層を含む、請求項1に記載の多接合光起電力デバイス。
【請求項7】
前記パッシベーション層(212)は、SiO
2
、Al
2
O
3
、TiO
2
、Ta
2
O
5
、HfO
2
、ZnS、及びそれらの組み合わせ、から成る群から選択された材料を含む、請求項6に記載の多接合光起電力デバイス。
【請求項8】
前記n側金属パッドと前記相互接続タブとは、前記多接合光起電力デバイスの片側にある、請求項2に記載の多接合光起電力デバイス。
【請求項9】
前記パッシベーション層(212)は、前記第2のサブセルに隣接する、請求項1に記載の多接合光起電力デバイス。
【請求項10】
前記第2のサブセルは、前記第1のサブセルを完全にカバーしない、請求項1に記載の多接合光起電力デバイス。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
[0001] 本教示は、広くは、太陽電池や光検出器などの光電子半導体構造(本明細書では広く太陽電池と呼ばれる)に関し、特に、ヘテロ接合太陽電池及びそれを作製する方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
[0002] 太陽電池は、光起電力(PV)効果によって、入射光エネルギー、及び具体的には太陽エネルギー(太陽光)を、電気エネルギーに変換することができる光起電力デバイスである。汚染、エネルギー安全保障、及び限られた利用可能なリソースに関する懸念から、太陽電池への関心は増大しつつある。この関心は、地上と非地上(宇宙)用途の両方に関するものである。
【0003】
[0003] 地上用途では、太陽光の電気への変換のためのより高い太陽電池の効率が、所与の電力出力に必要とされるより小さな収集面積をもたらし、したがって、ワット数当たりのより低いコスト、及び地上光起電力システムのためのより大きな費用対効果をもたらす。光起電力システムの電力生成能力のワット数当たりのコストは、地上用途での幅広い使用を妨げている。太陽光を電気に変換する効率は、地上のPVシステムにとって死活的に重要であり得る。というのも、効率が増加すると、通常であれば、システムの必要とされる電力出力のための関連する電気生成システム構成要素(セル面積、モジュール又はコレクタ面積、支持構造、及び土地面積など)を削減できるからである。例えば、約2倍から約2000倍へ太陽電池への太陽光を集光させる集光式太陽電池システムでは、効率の増加が、結果として、典型的には、高価な集光光学系を含む面積を比例的に削減する。
【0004】
[0004] 宇宙用途では、原子力又はバッテリの電力を使用することで、概して、衛星(人工衛星、以下同様)を動作させるために必要な所与の電力量に対して、宇宙船のペイロードが大幅に増加する。このやり方で宇宙船のペイロードが増加すると、打ち上げコストは線形的以上に増加する。衛星などの宇宙船のために宇宙において太陽エネルギーを容易に利用できるので、太陽エネルギーの電気エネルギーへの変換は、増加するペイロードに対する良い代替案であることが証明されており、より高い効率の太陽電池の開発は、ペイロード能力を更に増やすことができる。
【0005】
[0005] 電力出力を高めるために、太陽電池は、1以上の光起電力接合(多接合)を有し得る。これは、1以上の構成要素光起電力セルであり、サブセルとも呼ばれる。サブセル/接合は、異なるエネルギーバンドギャップを有する対応する光起電力半導体層を含み得、各サブセルが太陽光内の広いエネルギー分布の異なる部分を吸収し得るように、積層され得る。波長の異なる範囲の入射光エネルギーは、接合の対応する1以上において変換され得る。
【0006】
[0006] これらの構成要素光起電力セル又はサブセルは、多接合太陽電池を形成するために直列に接続され得るが、また、並列などの他の電気的構成においても接続され得、又は直列と並列の組み合わせ接合であってもよい。積み重ねられた多接合配置は、有利である。というのも、サブセル内に吸収される各光子は、サブセル動作電圧において収集される電荷の1単位に対応し、サブセル動作電圧は、サブセルの半導体材料のバンドギャップに略線形的に依存するからである。出力電力は、電圧と電流の積であるため、理想的に効率的な太陽電地は、多数のサブセルを有し得、各サブセルは、そのバンドギャップよりもわずかに大きいエネルギーの光子だけを吸収する。
【0007】
[0007] 多接合太陽電池では、しばしば、多接合セル内のサブセルを形成する半導体層のバンドギャップを変更し、それによって、サブセル電圧と波長範囲を変更することが望ましい。この電圧と波長範囲にわたり、サブセルは、入射光、例えば、宇宙及び地上の太陽スペクトルに応答する。多接合セル内のサブセルを形成する特定のパッドギャップと層の厚さは、サブセル電圧、各サブセルの電流密度、直列相互接続された多接合セルにおいて所望なように、サブセル電流密度が互いに一致し得るかどうか、及び、どのようにして、より高い太陽光と電気の変換を実現するために、サブセルのバンドギャップの組み合わせによって、広い太陽スペクトルが、より狭い波長範囲へ分割されるかを決定する。多接合太陽電池の設計において重要な技術的課題は、多接合太陽電池の効率を最大化するために、サブセル層のバンドギャップの最適な又は略最適な組み合わせをいかにして実現するか、及び、サブセルの応答性の所望の波長範囲(サブセルが有用な光生成電流を収集できる波長範囲)をいかにして実現するかである。しばしば、容易に使用可能な半導体、例えば、比較的一般的で安価な基材に格子整合している半導体、寿命や移動度などの少数キャリア特性が良好な状態で成長できる半導体、又はセルの他の部分に不要なドーピングや不純物を生じさせない半導体は、太陽スペクトルの変換のための最も好適な組み合わせの多接合サブセルのバンドギャップをもたらすバンドギャップを有していない。
【0008】
[0008] 最も効率的で、したがって、支配的な多接合(MJ)PVセル技術は、GaInP/Ga(In)As/Geセル構造である。ここで、Ga(In)As中間サブセル材料における丸括弧の使用は、中間セル内のインジウムの組み込みが任意選択的であることを示し、それによって、中間セルの組成は、GaAs又はGaInAsのいずれかであり得る。これらのモノリシックセルは、GaAs又はGeに格子整合させて成長させることができ、Ge基材が不活性で上部2つの接合のみが活性化することもあれば(2接合又は2Jセル)、又は3つ全ての接合が活性化することもある(3接合又は3Jセル)。AlGaInP又は格子不整合GaInP上部セルなどの、この材料系のバリエーションは、太陽スペクトルにバンドギャップをより理想的に一致させるかもしれないが、実用的な検討の結果、大規模生産には格子整合GaInPが好適であることが示されている。
【0009】
[0009] 従来、各サブセルによって生成された電流は、サブセル電圧を低下させることによって制御されてきた。具体的には、サブセルのベース半導体層の合金組成は、所望量の電流が得られるように設計されていた。例えば、サブセルに対する出力電圧が低くなることを犠牲にして、より高い電流出力を実現するために、ベース半導体層においてより低いバンドギャップ合金が使用されてきた。モノリシック、直列接合、2接合及び3接合のGaInP/Ga(In)As/Ge太陽電池では、GaInPの上部サブセルが、Ga(In)Asサブセルと略同じ光生成電流密度を持つことが望ましい。電流が異なる場合、最も低い光生成電流を有するサブセルが、MJセル内の直列相互接続された全てのサブセルを通る電流を制限し、他のサブセル内の光生成された過剰な電流は、無駄になる。このやり方で電流を制限すると、MJセル効率に厳しいペナルティーがもたらされる。しかし、既存の3接合GaInP/Ga(In)As/Ge多接合太陽電池デバイスを改善するための1つの潜在的なアプローチは、1以上の更なる接合を追加することである。
【0010】
[0010] サブセルの電力変換効率は、出力電圧と出力電流との両方の関数である。したがって、太陽電池のサブセルに電流を整合さるためのアプローチは、最大電流を生成し、したがって、より高い効率を生成することができる、直列の全体的な多接合タンデムに基づき得る。
(【0011】以降は省略されています)

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