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公開番号
2025162849
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-28
出願番号
2024066312
出願日
2024-04-16
発明の名称
磁気ディスク用基板及び磁気ディスク用基板の熱拡散率測定方法、磁気ディスク用基板の検査方法、磁気ディスク用基板の製造方法、ならびに磁気ディスク
出願人
古河電気工業株式会社
,
株式会社UACJ
代理人
個人
,
個人
主分類
G11B
5/73 20060101AFI20251021BHJP(情報記憶)
要約
【課題】磁気ディスクへの加工後にも優れたフラットネスを発現し得る磁気ディスク用アルミニウム合金基板、及びそれに基づく磁気ディスク、ならびに磁気ディスク用アルミニウム合金基板の製造及び検査方法、それらに関連する熱拡散率測定方法を提供すること。
【解決手段】アルミニウム合金からなるブランク基板と、ブランク基板の両表面に形成されるNi-Pめっき層とを備え、厚さ方向の熱拡散率が53×10
-6
m
2
/s以下である磁気ディスク用基板。Ni-Pめっき層上に磁性膜をさらに備える、磁気ディスク。Ni-Pめっき層の表面を研磨して平滑化した後の磁気ディスク用基板の一方の表面から、レーザーを一定の周期αで照射して加熱し、他方の表面の温度変化の周期αの位相遅れθを計測し、位相遅れθから厚さ方向の熱拡散率を算出する、熱拡散率測定方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
アルミニウム合金からなるブランク基板と、前記ブランク基板の両表面に形成されるNi-Pめっき層とを備える磁気ディスク用基板であって、
厚さ方向の熱拡散率が53×10
-6
m
2
/s以下である磁気ディスク用基板。
続きを表示(約 1,600 文字)
【請求項2】
前記アルミニウム合金が、マグネシウムを含有する合金である、請求項1に記載の磁気ディスク用基板。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の磁気ディスク用基板を構成する前記Ni-Pめっき層上に、磁性膜をさらに備える、磁気ディスク。
【請求項4】
アルミニウム合金からなるブランク基板の両表面に、Ni-Pめっき層を備える磁気ディスク用基板の熱拡散率測定方法であって、
前記Ni-Pめっき層の表面を研磨して平滑化した後の磁気ディスク用基板の両表面のうち、一方の表面から、レーザーを一定の周期αで照射して加熱し、他方の表面の温度変化から該温度変化の周期αの位相遅れθを計測し、計測した前記位相遅れθの値から、磁気ディスク用基板の厚さ方向の熱拡散率を算出する、磁気ディスク用基板の熱拡散率測定方法。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の磁気ディスク用基板を構成する前記Ni-Pめっき層上に、磁性膜をさらに備える磁気ディスクの熱拡散率測定方法であって、
磁気ディスクの両表面のうち、一方の表面から、レーザーを一定の周期αで照射して加熱し、他方の表面の温度変化から該温度変化の周期αの位相遅れθを計測し、計測した前記位相遅れθの値から、磁気ディスクの厚さ方向の熱拡散率を算出する、磁気ディスクの熱拡散率測定方法。
【請求項6】
アルミニウム合金からなるブランク基板と、前記ブランク基板の両表面に形成されるNi-Pめっき層とを備える磁気ディスク用基板の検査方法であって、請求項4記載の熱拡散率測定方法に従って熱拡散率を算出し、当該熱拡散率が53×10
-6
m
2
/s以下の磁気ディスク用基板を合格品とする、磁気ディスク用基板の検査方法。
【請求項7】
磁気ディスク用基板の製造方法であって、
アルミニウム合金からなるブランク基板を研削加工する工程、
研削加工後の前記ブランク基板の両表面に、Ni-Pめっき層を形成して磁気ディスク用基板とする工程、当該磁気ディスク用基板を研磨する工程、及び、
請求項4記載の熱拡散率測定方法によって、前記磁気ディスク用基板の熱拡散率を算出する工程を含む、磁気ディスク用基板の製造方法。
【請求項8】
アルミニウム合金からなるブランク基板と、前記ブランク基板の両表面に形成されるNi-Pめっき層とを備える磁気ディスク用基板の製造方法であって、
前記磁気ディスク用基板の厚さ方向の熱拡散率が53×10
-6
m
2
/s以下となるように、前記ブランク基板と前記Ni-Pめっき層を選択する工程、
前記ブランク基板を研削加工する工程、及び
研削加工後の前記ブランク基板の両表面に、前記Ni-Pめっき層を形成して磁気ディスク用基板とする工程、当該磁気ディスク用基板を研磨する工程
を含む、磁気ディスク用基板の製造方法。
【請求項9】
磁気ディスクの製造方法であって、
アルミニウム合金からなるブランク基板を研削加工する工程、
研削加工後の前記ブランク基板の両表面に、Ni-Pめっき層を形成して磁気ディスク用基板とする工程、当該磁気ディスク用基板を研磨する工程、
前記磁気ディスク用基板の両表面に、磁性層を形成して磁気ディスクとする工程、及び
前記磁気ディスクの両表面のうち、一方の表面から、レーザーを一定の周期αで照射して加熱し、他方の表面の温度変化から該温度変化の周期αの位相遅れθを計測し、計測した前記位相遅れθの値から、前記磁気ディスクの厚さ方向の熱拡散率を算出する工程を含む、磁気ディスクの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気ディスク用基板及び磁気ディスク用基板の熱拡散率測定方法、磁気ディスク用基板の検査方法、磁気ディスク用基板の製造方法、ならびに磁気ディスク及び磁気ディスクの熱拡散率測定方法、磁気ディスクの製造方法に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、ハードディスクの大容量化及び高密度化への要求がますます高まっている。大容量化のために、記憶装置に搭載される磁気ディスクの枚数が増加しており、それに伴い磁気ディスク用基板の薄肉化も求められている。また、高密度化のために磁気ディスクにおける磁気領域の微小化が進んでおり、ハードディスク装置における磁気ヘッドと磁気ディスクとの間隔も狭まる傾向にある。
【0003】
薄肉化した基板は、剛性が不足する傾向があることから、高速回転時にディスクにうねり等の変形が生じ易いことが知られている。うねりは、磁気ディスク同士の衝突や、磁気ディスクと磁気ヘッドとの衝突の大きな要因であることから、抑制することが求められる。同様の観点から、磁気ディスクは、平坦であることが望ましい。特に近年の磁気ヘッドと磁気ディスク間の狭い間隔を考慮すると、ヘッドクラッシュ防止の上で、磁気ディスク用基板には高度な表面平滑性及び平坦度が要求される。
【0004】
これまでにも、ハードディスクにおけるヘッドクラッシュなどの物理的エラー低減のための検討が、いくつかなされている。例えば特許文献1には、平坦度が所定値以下で、かつ加熱処理前後の平坦度の変化が抑制された磁気ディスク用基板が記載されている。特許文献2には、アルミニウム合金基板のサイズ、ヤング率、密度、及びめっき被膜の圧痕周囲の隆起部の高さを特定の範囲内に規定することにより、ディスク・フラッタの発生を抑制する技術が開示されている。特許文献3には、芯材の金属組織が特定サイズの第二相粒子を有し、かつ芯材及び皮材の線膨張係数が規定された磁気ディスク用アルミニウム合金基板により、ディスク・フラッタが抑制され、優れた平坦度及び表面平滑性を実現し得る旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6684865号公報
特開2020-107383号公報
特許第6588508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1には、平坦度が良好な磁気ディスク用基板は記載されているものの、平坦度の悪化を抑制するための具体的な手段が記載されていない。そのため、特許文献1で開示された磁気ディスク用基板は、それ自体の平坦度は良好であっても、磁性層を成膜する工程等を経て磁気ディスクを製造した際に、平滑性や平坦度(フラットネス)が悪化する場合がある。
【0007】
特許文献2に記載の技術では、基板のサイズまでが特定の範囲内に限定されており、ハードディスクの大容量化という目的は必ずしも達し得ない。特許文献2ではまた、アルミニウム合金基板を平坦化する手段として、Ni-P合金等でのめっき処理が開示されているのみである。後記する実施例及び比較例にも示すように、Ni-Pめっきが施されたアルミニウム合金基板であっても、磁性層を成膜する工程等を経て磁気ディスクを製造した際に、平坦度が悪化する場合がある。特許文献3に開示された、芯材の金属組織や線膨張係数が規定されたアルミニウム合金基板でも同様で、近年要求されるような優れたフラットネスを、安定して得られるとは限らない。
【0008】
本発明は、上記のような課題を解決すべく、磁性層を成膜する工程等を経て磁気ディスクを製造した際に優れたフラットネスを発現し得る磁気ディスク用基板、及び磁気ディスク用基板の熱拡散率測定方法、磁気ディスク用基板の検査方法、磁気ディスク用基板の製造方法、ならびに磁気ディスク及び磁気ディスクの熱拡散率測定方法、磁気ディスクの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは鋭意検討の結果、アルミニウム合金からなるブランク基板上の表面に、Ni-Pめっき層を備える磁気ディスク用基板の内、熱拡散率が特定の値以下である基板であれば、磁性層を成膜する工程等を経て磁気ディスクを製造した際に、平坦度が良好であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の要旨構成は、以下のとおりである。
(1)アルミニウム合金からなるブランク基板と、前記ブランク基板の両表面に形成されるNi-Pめっき層とを備える磁気ディスク用基板であって、
厚さ方向の熱拡散率が53×10
-6
m
2
/s以下である磁気ディスク用基板。
(2)前記アルミニウム合金が、マグネシウムを含有する合金である、請求項1に記載の磁気ディスク用基板。
(3)上記(1)又は(2)の磁気ディスク用基板を構成する前記Ni-Pめっき層上に、磁性膜をさらに備える、磁気ディスク。
(4)アルミニウム合金からなるブランク基板の両表面に、Ni-Pめっき層を備える磁気ディスク用基板の熱拡散率測定方法であって、
前記Ni-Pめっき層の表面を研磨して平滑化した後の磁気ディスク用基板の両表面のうち、一方の表面から、レーザーを一定の周期αで照射して加熱し、他方の表面の温度変化から該温度変化の周期αの位相遅れθを計測し、計測した前記位相遅れθの値から、磁気ディスク用基板の厚さ方向の熱拡散率を算出する、磁気ディスク用基板の熱拡散率測定方法。
(5)上記(1)又は(2)の磁気ディスク用基板を構成する前記Ni-Pめっき層上に、磁性膜をさらに備える磁気ディスクの熱拡散率測定方法であって、
磁気ディスクの両表面のうち、一方の表面から、レーザーを一定の周期αで照射して加熱し、他方の表面の温度変化から該温度変化の周期αの位相遅れθを計測し、計測した前記位相遅れθの値から、磁気ディスクの厚さ方向の熱拡散率を算出する、磁気ディスクの熱拡散率測定方法。
(6)アルミニウム合金からなるブランク基板と、前記ブランク基板の両表面に形成されるNi-Pめっき層とを備える磁気ディスク用基板の検査方法であって、上記(4)の熱拡散率測定方法に従って熱拡散率を算出し、当該熱拡散率が53×10
-6
m
2
/s以下の磁気ディスク用基板を合格品とする、磁気ディスク用基板の検査方法。
(7)磁気ディスク用基板の製造方法であって、
アルミニウム合金からなるブランク基板を研削加工する工程、
研削加工後の前記ブランク基板の両表面に、Ni-Pめっき層を形成して磁気ディスク用基板とする工程、当該磁気ディスク用基板を研磨する工程、及び、
上記(4)の熱拡散率測定方法によって、前記磁気ディスク用基板の熱拡散率を算出する工程を含む、磁気ディスク用基板の製造方法。
(8)アルミニウム合金からなるブランク基板と、前記ブランク基板の両表面に形成されるNi-Pめっき層とを備える磁気ディスク用基板の製造方法であって、
前記磁気ディスク用基板の厚さ方向の熱拡散率が53×10
-6
m
2
/s以下となるように、前記ブランク基板と前記Ni-Pめっき層を選択する工程、
前記ブランク基板を研削加工する工程、及び
研削加工後の前記ブランク基板の両表面に、前記Ni-Pめっき層を形成して磁気ディスク用基板とする工程、当該磁気ディスク用基板を研磨する工程、
を含む、磁気ディスク用基板の製造方法。
(9)磁気ディスクの製造方法であって、
アルミニウム合金からなるブランク基板を研削加工する工程、
研削加工後の前記ブランク基板の両表面に、Ni-Pめっき層を形成して磁気ディスク用基板とする工程、当該磁気ディスク用基板を研磨する工程、
前記磁気ディスク用基板の両表面に、磁性層を形成して磁気ディスクとする工程、及び
前記磁気ディスクの両表面のうち、一方の表面から、レーザーを一定の周期αで照射して加熱し、他方の表面の温度変化から該温度変化の周期αの位相遅れθを計測し、計測した前記位相遅れθの値から、前記磁気ディスクの厚さ方向の熱拡散率を算出する工程を含む、磁気ディスクの製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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