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公開番号2025148243
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-07
出願番号2025010538
出願日2025-01-24
発明の名称バッテリ状態推定装置
出願人マツダ株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類G01R 31/387 20190101AFI20250930BHJP(測定;試験)
要約【課題】バッテリの劣化に応じてOCV-SOCマップを更新し、SOCを精度よく推定する。
【解決手段】バッテリ状態推定装置は、バッテリ(B)の電圧とOCV-SOCマップとに基づきSOCを推定するコントローラ(14)を備え、コントローラは、バッテリの定電流充電中に、バッテリの電圧値及び電流値に基づきdV/dSOCを算出し、dV/dSOCのピークが現れたときのバッテリのSOCpeakを特定し、dV/dSOCのピークが生じるときのバッテリの負極の残容量を表すSOC[-]peakと、SOCpeakとに基づき、SOCが100%であるときの負極の残容量を表すSOC[-]TOPを算出し、正極の残容量の下限値から上限値までの正極の開回路電位OCPposのデータと、負極の残容量の下限値からSOC[-]TOPまでの負極の開回路電位OCPnegのデータとに基づいて、SOCが所定範囲のOCV-SOCマップを更新する。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
車両に搭載されたバッテリの状態を推定するバッテリ状態推定装置であって、
前記バッテリの充放電電流を測定する電流センサと、
前記バッテリの電圧を測定する電圧センサと、
前記バッテリの開回路電圧OCVと前記バッテリのSOCとの関係を規定したOCV-SOCマップを記憶するメモリと、
測定された前記電圧と前記OCV-SOCマップとに基づき、前記バッテリのSOCを推定するように構成されたコントローラと、を備え、
前記コントローラは、
前記バッテリの定電流充電中に、前記バッテリの電圧値及び電流値に基づき、前記バッテリのSOCの変化に応じた電圧の変化率を表すdV/dSOCを算出し、
前記dV/dSOCのピークが現れたときの前記バッテリのSOC
peak
を特定し、
前記dV/dSOCのピークが生じるときの前記バッテリの負極の残容量を表す値であって予め設定されているSOC[-]
peak
と、前記SOC
peak
とに基づき、前記バッテリのSOCが100%であるときの前記負極の残容量を表すSOC[-]
TOP
を算出し、
前記バッテリの正極の残容量の下限値から上限値までの前記正極の開回路電位OCPposのデータと、前記負極の残容量の下限値から前記SOC[-]
TOP
までの前記負極の開回路電位OCPnegのデータとに基づいて、SOCが所定範囲のOCV-SOCマップを取得し、前記メモリに格納されている前記OCV-SOCマップを更新するように構成されている、
バッテリ状態推定装置。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記負極の残容量の下限値をSOC[-]
BOT
として、前記SOC[-]
TOP
は、以下の式により算出される、
JPEG
2025148243000005.jpg
16
169
請求項1に記載のバッテリ状態推定装置。
【請求項3】
前記バッテリの定電流充電は、前記バッテリのSOCが30%以下のときから前記dV/dSOCのピークが現れるときまで実行される、
請求項1又は2に記載のバッテリ状態推定装置。
【請求項4】
直列接続された複数のセルを有し車両に搭載されたバッテリの状態を推定するバッテリ状態推定装置であって、
前記バッテリの充放電電流を測定する電流センサと、
前記複数のセルの各々の電圧を測定する電圧センサと、
前記バッテリの開回路電圧OCVと前記バッテリのSOCとの関係を規定したOCV-SOCマップを記憶するメモリと、
測定された前記電圧と前記OCV-SOCマップとに基づき、前記バッテリのSOCを推定するように構成されたコントローラと、を備え、
前記コントローラは、
前記バッテリの定電流充電中に、前記複数のセルの電圧の内の最大値V
cell
max
及び最小値V
cell
min
と、前記バッテリの電流値とに基づき、前記バッテリのSOCに応じたV
cell
max
とV
cell
min
との差を算出し、
前記V
cell
max
とV
cell
min
との差のピークが現れたときの前記バッテリのSOCを、前記バッテリのSOCの変化に応じた電圧の変化率を表すdV/dSOCのピークが生じるときの前記バッテリのSOC
peak
として特定し、
前記dV/dSOCのピークが生じるときの前記バッテリの負極の残容量を表す値であって予め設定されているSOC[-]
peak
と、前記SOC
peak
とに基づき、前記バッテリのSOCが100%であるときの前記負極の残容量を表すSOC[-]
TOP
を算出し、
前記バッテリの正極の残容量の下限値から上限値までの前記正極の開回路電位OCPposのデータと、前記負極の残容量の下限値から前記SOC[-]
TOP
までの前記負極の開回路電位OCPnegのデータとに基づいて、SOCが所定範囲のOCV-SOCマップを取得し、前記メモリに格納されている前記OCV-SOCマップを更新するように構成されている、
バッテリ状態推定装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されたバッテリの状態を推定するバッテリ状態推定装置に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、電気自動車やプラグインハイブリッド自動車など動力源としてモータを備える車両において、モータに電力を供給するためにリチウムイオンバッテリ等の二次電池が使用されている。電気自動車やプラグインハイブリッド車両に搭載されるバッテリは、家庭用の商用電源といった外部電源から充電される。
【0003】
上記のような電動車両において、バッテリの充電状態を示すSOC(State Of Charge)を正確に把握することは、バッテリの過充電や過放電を防ぐと共に、走行時におけるバッテリの残容量を乗員に正確に伝える上で非常に重要である。しかしながら、バッテリ内部の状態を直接検出してSOCを特定することは難しい。
【0004】
そこで、バッテリ内部の状態を直接検出することなくSOCを推定するための方法が知られている。例えば、バッテリの充放電電流を時間で積分した値を、充放電開始時のSOC初期値に加減算することにより、現在のSOCを推定する方法(以下「積算法」という)や、バッテリの等価回路モデルにバッテリの電流値と端子電圧値を入力することによってバッテリの開回路電圧OCV(Open Circuit Voltage)を逐次推定し、OCVとSOCとの対応関係を示すOCV-SOCマップを参照してバッテリのSOCを推定する方法(以下「OCV法」という)が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2015-227840号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、バッテリの使用を継続していると、正極と負極の劣化の進行速度の違いに起因して正極と負極の容量バランスが崩れ、OCVとSOCとの対応関係が徐々に変化する。その結果、バッテリの劣化前に対応したOCV-SOCマップでは、バッテリの電圧からSOCを推定する際の精度が悪化する。
【0007】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、バッテリの劣化に応じてOCV-SOCマップを更新し、SOCを精度よく推定することが可能なバッテリ状態推定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明は、車両に搭載されたバッテリの状態を推定するバッテリ状態推定装置であって、バッテリの充放電電流を測定する電流センサと、バッテリの電圧を測定する電圧センサと、バッテリの開回路電圧OCVとバッテリのSOCとの関係を規定したOCV-SOCマップを記憶するメモリと、測定された電圧とOCV-SOCマップとに基づき、バッテリのSOCを推定するように構成されたコントローラと、を備え、コントローラは、バッテリの定電流充電中に、バッテリの電圧値及び電流値に基づき、バッテリのSOCの変化に応じた電圧の変化率を表すdV/dSOCを算出し、dV/dSOCのピークが現れたときのバッテリのSOC
peak
を特定し、dV/dSOCのピークが生じるときのバッテリの負極の残容量を表す値であって予め設定されているSOC[-]
peak
と、SOC
peak
とに基づき、バッテリのSOCが100%であるときの負極の残容量を表すSOC[-]
TOP
を算出し、バッテリの正極の残容量の下限値から上限値までの正極の開回路電位OCPposのデータと、負極の残容量の下限値からSOC[-]
TOP
までの負極の開回路電位OCPnegのデータとに基づいて、SOCが所定範囲のOCV-SOCマップを取得し、メモリに格納されているOCV-SOCマップを更新するように構成されている。
このように構成された本発明では、コントローラは、バッテリの定電流充電中にdV/dSOCを算出し、dV/dSOCのピークが現れたときのバッテリのSOC
peak
を特定し、dV/dSOCのピークが生じるときの負極の残容量を表すSOC[-]
peak
と、SOC
peak
とに基づき、バッテリのSOCが100%であるときの負極の残容量を表すSOC[-]
TOP
を算出し、正極の残容量の下限値から上限値までの正極の開回路電位OCPposのデータと、負極の残容量の下限値からSOC[-]
TOP
までの負極の開回路電位OCPnegのデータとに基づいて、SOCが所定範囲のOCV-SOCマップを取得し、メモリに格納されているOCV-SOCマップを更新する。即ち、負極よりも正極の劣化が進むことにより正極と負極の容量バランスが崩れ、dV/dSOCのピークが生じるSOC
peak
が高SOC側にシフトしたときに、そのSOC
peak
のシフトに基づいて負極のSOC[-]の上限値であるSOC[-]
TOP
を特定して、劣化による正極と負極の容量バランスのずれを反映したOCV-SOCマップを取得することができるので、バッテリの劣化に応じて更新されたOCV-SOCマップに基づいてSOCを精度よく推定することができる。
【0009】
本発明において、好ましくは、負極の残容量の下限値をSOC[-]
BOT
として、SOC[-]
TOP
は、以下の式により算出される。
JPEG
2025148243000002.jpg
16
169
このように構成された本発明においては、dV/dSOCのピークが現れたときのバッテリのSOC
peak
と、予め特定することが可能な、dV/dSOCのピークが生じるときの負極の残容量を表すSOC[-]
peak
及び負極の残容量の下限値をSOC[-]
BOT
とに基づいて、正極と負極の容量バランスのずれを表すSOC[-]
TOP
を正確に算出することができる。これにより、劣化による正極と負極の容量バランスのずれを精度よく反映したOCV-SOCマップを取得することができる。
【0010】
本発明において、好ましくは、バッテリの定電流充電は、バッテリのSOCが30%以下のときからdV/dSOCのピークが現れるときまで実行される。
このように構成された本発明においては、dV/dSOCのピークが現れたときのバッテリのSOC
peak
を確実に特定することができ、劣化による正極と負極の容量バランスのずれを精度よく反映したOCV-SOCマップを取得することができる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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