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公開番号2025138338
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-25
出願番号2024037369
出願日2024-03-11
発明の名称故障予知システム
出願人株式会社オカムラ
代理人弁理士法人R&C
主分類F25D 11/00 20060101AFI20250917BHJP(冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒートポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化)
要約【課題】種々の要因から発生する温調不良を個別の演算処理ではなく、統合的な演算処理によって、迅速かつ正確に検知する技術を提供する。
【解決手段】温調収容装置の環境状態値群を生成する環境状態管理部42と、温調収容装置の属性状態値群を生成する属性状態管理部41と、温度調整に関する特徴状態データに基づいて特徴状態値群を生成する特徴状態管理部43と、正常運転時における環境状態値群と属性状態値群とを学習入力パラメータとし、正常運転時における特徴状態値群を学習出力パラメータとして学習された装置状態演算モデル5と、現状の実環境状態値群及び現状の実属性状態値群を学習済の装置状態演算モデル5に入力することで出力された演算特徴状態値群と実特徴状態値群との相違度を演算する相違度演算部51と、相違度に基づいて、温調収容装置の故障可能性を算出する故障推定部52とを備えた故障予知システム。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
温調機器によって温度調整される物品収容室を有する温調収容装置のための故障予知システムであって、
前記温調収容装置の環境状態データに基づいて環境状態値群を生成する環境状態管理部と、
前記温調収容装置の運転属性に関する属性状態データに基づいて属性状態値群を生成する属性状態管理部と、
前記温調収容装置の温度調整に関する特徴状態データに基づいて特徴状態値群を生成する特徴状態管理部と、
前記温調収容装置の正常運転時における前記環境状態値群と前記属性状態値群とを学習入力パラメータとし、前記温調収容装置の正常運転時における前記特徴状態値群を学習出力パラメータとして、学習された装置状態演算モデルと、
現状の前記温調収容装置の前記環境状態データに基づいて生成された実環境状態値群及び現状の前記温調収容装置の前記属性状態データに基づいて生成された実属性状態値群を学習済の前記装置状態演算モデルに入力することで出力された演算特徴状態値群と、現状の前記温調収容装置の前記特徴状態データに基づいて生成された実特徴状態値群と、の相違度を演算する相違度演算部と、
前記相違度に基づいて、前記温調収容装置の故障可能性を算出する故障推定部と、
を備えた故障予知システム。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記温調収容装置は冷却収容装置であり、前記運転属性に、機種情報、設定温度、冷却モード/除霜モードが含まれている請求項1に記載の故障予知システム。
【請求項3】
前記温調収容装置の環境状態を外部サーバから取得して環境状態データ化する環境状態取得部が備えられている請求項1に記載の故障予知システム。
【請求項4】
前記温調収容装置は冷却収容装置であり、前記環境状態に、前記冷却収容装置の設置場所の温度、前記設置場所の湿度、日時情報が含まれている請求項3に記載の故障予知システム。
【請求項5】
前記温調収容装置は冷却収容装置であり、前記特徴状態データに、単位時間当たりの前記温調機器の冷却動作時間、前記物品収容室に供給される冷却メディアの温度、除霜時間が含まれている請求項1に記載の故障予知システム。
【請求項6】
前記環境状態データ、前記属性状態データ、前記特徴状態データに、経時的データが含まれている請求項1に記載の故障予知システム。
【請求項7】
前記温調収容装置は、店舗に設置される複数の冷却収容装置であり、
前記店舗に設置された端末制御ユニットが備えられ、
前記端末制御ユニットは、複数の前記冷却収容装置とデータ通信線で接続され、かつデータ通信回線を介してクラウドサーバと接続され、
前記端末制御ユニットに、前記属性状態データを取得する運転属性取得部と、前記環境状態データを取得する環境状態取得部と、前記特徴状態データを取得する特徴状態取得部と、が備えられ、前記クラウドサーバに、前記環境状態管理部と前記属性状態管理部と前記特徴状態管理部と前記装置状態演算モデルと前記相違度演算部と前記故障推定部とが構築されている請求項1に記載の故障予知システム。
【請求項8】
前記クラウドサーバに、前記故障推定部によって算出された故障推定が誤っていた場合、故障推定誤りに関係する前記環境状態値群と前記故障推定誤りに関係する前記属性状態値群と前記故障推定誤りに関係する前記特徴状態値群とを用いて、前記装置状態演算モデルを再学習させる学習管理部が備えられている請求項7に記載の故障予知システム。
【請求項9】
前記特徴状態データまたは当該特徴状態データの元検出信号と、予め設定された物品収容室異常判定閾値範囲と、に基づいて緊急異常報知を行う緊急異常報知部が備えられている請求項1から8のいずれか一項に記載の故障予知システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、温調機器によって温度調整される物品収容室を有する温調収容装置のための故障予知システムに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
温調収容装置は、物品収容室と、この物品収容室に冷気または熱気を供給する温調機器と、からなる。温調機器には、冷凍機、ヒータ、空気流路、弁、蒸発器などの熱交換器が含まれている。そのような温調収容装置として、商品を冷蔵又は冷凍された状態で保管するために、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの店舗に設置された、冷蔵ショーケースや冷凍ショーケースが挙げられる。このような温調収容装置に故障が発生し、温調(冷蔵、冷凍または加熱)ができなくなると、収容されている商品がダメージを受ける。このことから、温調収容装置の故障を迅速に検出することが要望される。
【0003】
特許文献1による、冷凍ショーケースや冷蔵ショーケースのための制御装置は、温調弁の動作判定を行う動作判定部による温調弁の動作判定結果に基づいて冷却が正常になされているか否かを判定するか、あるいはショーケース内の温度を計測する温度センサによる計測結果に基づいて冷却が正常になされているか否かを判定する判定部を備えている。判定部によって冷却が正常になされていないと判定されると、リカバリー処理が行われる。
【0004】
特許文献2による制御装置は、吐出温度センサの検出結果に基づく圧縮機の吐出温度と所定の基準吐出温度との比較、及び、吸入温度センサの検出結果に基づく吸入温度と所定の基準吸入温度との比較から、基準吐出温度に対して吐出温度が上昇し、その変化度合が所定の吐出温度閾値以上となり、且つ、基準吸入温度に対して吸入温度が上昇し、その変化度合が所定の吸入温度閾値以上となれば、冷媒回路からの冷媒漏洩の予兆有りと判定する冷媒漏洩判定部を備えている。冷媒漏洩判定部が冷媒漏洩の予兆有りと判定した場合、所定の報知動作が実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2019-027714号公報
特開2019-100569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の制御装置では、温調弁の不調から冷却不良が判定され、特許文献2の制御装置では、圧縮機の吐出温度及び吸入温度から冷媒漏洩が判定される。しかしながら、冷凍ショーケースや冷蔵ショーケースなどの温調収容装置における温調不良は、温調弁の不調や冷媒漏洩だけでなく、その他の種々の要因により生じる。個々の要因を、個別の検出値に基づいて温調不良を検知する場合、温調不良を検知するためのアルゴリズムが多数必要となり、演算負担が大きくなるという問題が生じる。
【0007】
上記実情に鑑み、本発明の目的は、種々の要因から発生する温調不良を個別の演算処理ではなく、統合的な演算処理によって、迅速かつ正確に検知する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、温調機器によって温度調整される物品収容室を有する温調収容装置のための本発明による故障予知システムは、前記温調収容装置の環境状態データに基づいて環境状態値群を生成する環境状態管理部と、前記温調収容装置の運転属性に関する属性状態データに基づいて属性状態値群を生成する属性状態管理部と、前記温調収容装置の温度調整に関する特徴状態データに基づいて特徴状態値群を生成する特徴状態管理部と、前記温調収容装置の正常運転時における前記環境状態値群と前記属性状態値群とを学習入力パラメータとし、前記温調収容装置の正常運転時における前記特徴状態値群を学習出力パラメータとして、学習された装置状態演算モデルと、現状の前記温調収容装置の前記環境状態データに基づいて生成された実環境状態値群及び現状の前記温調収容装置の前記属性状態データに基づいて生成された実属性状態値群を学習済の前記装置状態演算モデルに入力することで出力された演算特徴状態値群と、現状の前記温調収容装置の前記特徴状態データに基づいて生成された実特徴状態値群と、の相違度を演算する相違度演算部と、前記相違度に基づいて、前記温調収容装置の故障可能性を算出する故障推定部と、を備える。
【0009】
本発明では、温調収容装置の温度調整に関する重要な特徴状態データを、いわゆる目的変数群として設定し、当該特徴状態に影響を与える要因(因子)を温調収容装置の環境状態データ及び温調収容装置の運転属性に関する属性状態データを、いわゆる説明変数群として設定する。さらに、この説明変数群から目的変数群を導く写像としての装置状態演算モデルを機械学習技法で構築する。学習時には、温調収容装置の正常運転時における環境状態と、正常運転時における属性状態と、正常運転時における特徴状態(正解値)と、を学習データとする。これにより、装置状態演算モデルは、適正集合(正常運転集合)の範囲内の特徴状態を演算できるものとなる。温調収容装置に何らかの故障が生じると、出力された実特徴状態は適正集合から外れたものであるため、実特徴状態と、現状(稼働中)の温調収容装置の生データに基づく実環境状態と実属性状態とを入力して演算された演算実特徴状態(適正集合の範囲に含まれる)と、を比較することで、統合的な演算処理によって、迅速かつ正確に検知することができる。
【0010】
なお、温調収容装置の故障には、物品収容室の不備、温調機器の故障などが含まれる。また、センサの検出値や装置設定値などの生のデータは、装置状態演算モデルで取り扱ことが難しいので、装置状態演算モデルが取り扱い易い形態への変換、例えば、ベクトル化などが行われる。ここでは、環境状態データに基づいて環境状態値群が生成され、属性状態データに基づいて属性状態値群が生成され、特徴状態データに基づいて特徴状態値群が生成されている。もちろん、状態データの種類によっては、そのまま状態値群として用いられてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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